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神試合目白押し! 『ストリートファイターV』世界大会「Capcom Cup 2019」ベスト5を振り返る

2019年12月13日(金)から15日(日)にかけて、「カプコンプロツアー」で好成績を残したプレイヤーたちが集う「Capcom Cup 2019」が、アメリカ・ロサンゼルスで開催された。今回の「Capcom Cup」には、昨年の優勝者1名、グローバルポイント上位26名、地域決勝優勝者4名、「Capcom Cup」直前に行われる最終予選通過者1名の計32名が参加できる。

本記事では、名実ともに“最強”に近い合計32名のプレイヤーが参加権利を獲得して臨んだ、この大会の神試合を紹介する。

▲Capcom Cup 2019 TOP32〜16

▲Capcom Cup 2019 TOP16~優勝

藤村選手(いぶき)vs iDom選手(ララ)

今大会のダークホースとして噂されるiDom選手のララが、日本の強豪プロゲーマーである藤村選手と対決。


iDom選手が操るララというキャラクターは、打撃とコマンド投げを使い分けた攻めを得意とするが、地上、空中における立ち回りでとびぬけて強い要素が少なく、クリティカルアーツ以外の無敵技を持たないという弱点があることから、一般的に知られるキャラクターランクでは”下位から中堅”と言われることが多い。

この試合でも、立ち回りでは藤村選手がペースをつかむシーンが多かったが、我慢強くチャンスの到来を待ち続ける慎重さを見せたiDom選手が、針の穴を通すような一撃から一気に流れを持っていく場面が多く見られた。打撃かコマンド投げか、2分の1の読み合いになる状況で、リスクの低い選択肢を取る藤村選手に、弱攻撃などでテンポを狂わせて攻めを通しきったiDom選手が勝利を手にした。

ボンちゃん選手(かりん)vs SMUG選手(G)

今年のCPTプロツアー大会で好成績を残し、その実力から優勝候補ともいわれるボンちゃん選手と、攻めの組み立てに定評のあるSMUG選手が一回戦で激突。


序盤はボンちゃん選手が手堅い地上戦で試合をコントロールしていくが、Smug選手はGの最大の強みである通常技をピンポイントで”置く”ように繰り出すことで試合の流れを取り返しに行く。Gの通常技は、攻撃判定に優れるため、相手が動きそうなところに繰り出しておき、ヒット時のみ必殺技が発動する”仕込み”というテクニックを併用することで一気に攻守を入れ替える戦術が狙えるのだ。

少ないチャンスできっちりと、”打撃とコマンド投げの使い分け”というシンプルながら非常に強力な攻めをうまく成立させたSMUG選手が、優勝候補のボンちゃんをルーザーズトーナメントへと突き落とした。


ときど選手(豪鬼)vs マゴ選手(かりん)

良き友人でもあり、ライバルでもあるときど選手とマゴ選手がウイナーズで激突。マゴ選手は今年のCPTツアー後半で調子を上げてきたが、日本最強プレイヤーとも言われるときど選手は数々の”勢いのあるプレイヤー”の壁となってきた存在でもある。体力の低い豪鬼というキャラクターを使いながらも、実力差を覆すようなプレイに滅法強いのだ。マゴ選手がそんなときど選手にどう立ち向かうかと考えているギャラリーも多かったようだが、試合ではラウンドを取り合う白熱した試合に。


勝負を制したのは、ここぞという場面でときど選手が放った切り返しをしっかり読み切ったマゴ選手。勢いに乗って攻め倒したい部分でも、”読みあい”の意識を忘れずガードを選択する。キャラクターの攻略ではカバーしきれない、格闘ゲームの根幹にある駆け引きが見られる白熱のカードとなった。

ときど選手(豪鬼)vs ウメハラ選手(ガイル)

日本の二大プロゲーマーが、負けたら大会敗退となるルーザーズでぶつかり合う。ときど選手の豪鬼は近距離での苛烈な攻めを得意とするキャラクターで、対するウメハラ選手のガイルは要塞のような守りを得意とするキャラクター。ガイル側がソニックブームで横からの接近を防ぎ、豪鬼はそれに対して歩きガードや一点読みのジャンプなどで距離を詰める機会を作りたい。


お互いのキャラクターの強みをぶつけあい、この試合も2-2のフルカウントにもつれ込んだ。最終ラウンドでは、横の動きをとめるソニックブームに、ときど選手が一点読みのジャンプを成功させリードを奪う形に。そこからガイルを端へと追い詰め、豪鬼の得意とするラッシュで勝利をもぎ取った。

Punk選手(キャミィ、かりん)vs iDom選手(ララ、ポイズン)

グランドファイナルとなったこのカードでは、Punk選手がキャミィを選択。キャミィはiDom選手のメインキャラクターであるララに相性が良いキャラクターで、この作戦が功を奏して一気に二試合を連取する。優勝候補の一人であるPunk選手は「世界一のかりん使い」とまで言われるほどのプレイヤーだが、大会できっちりと勝ちきるために、相手選手に合わせたキャラクターを複数用意してきているのが印象的だった。


絶対的な強さを見せていたPunk選手の優勝かと思われた3試合目を、iDom選手がララの持ち味である爆発力の高い攻めを活かしたところからドラマが始まった。そこから3試合連取でグランドファイナルをリセットに持ち込み、Punk選手を追い詰める。Punk選手は得意とする間合いのコントロールや、ヒット確認の精度が落ちているように感じるほど、余裕をなくしているように見えた。

まさかの試合展開に会場はiDom選手のララを応援するコールに溢れたが、あと1試合勝てば優勝というところでまさかのポイズンにキャラクター変更。「勢いに乗っているのになぜ?」と思うプレイヤーも多かったが、そのポイズンがかりんを寄せ付けない立ち回りと、Vトリガーを駆使した大ダメージコンボを活かして、見事優勝を掴み取った。



今年のカプコンカップでは、2-2のフルカウントまでもつれ込む試合も多く見られ、『ストリートファイターⅤ』の4年目にして実力が拮抗しているプレイヤーたちの意地がぶつかり合っているかのような、熱い展開にひきこまれた。キャラクター対策を万全に仕上げ、相手の癖まで研究して挑んでいるプレイヤーたちの戦いでは、我々ギャラリーが「なぜ」と思うようなシーンも珍しくない。

たとえば、iDom選手が決勝でポイズンを選んだ瞬間、その作戦が「あり」だと思ったギャラリーはどれだけいただろう。筆者は勢いに乗っているララを使って、万が一負けてしまっても悔いはないのではと思ったりもしたものだが、実際にはこの作戦こそがiDom選手が導き出した”正解”だった。

ギャラリーの予想を遥かにこえ、同じ舞台で戦う強豪プレイヤーの予測や対策を超えていく闘いは来年もまだ続く。次の「カプコンプロツアー」が今から楽しみだ。


■関連リンク
ストリートファイターV アーケードエディション
http://www.capcom.co.jp/sfv/
Capcom Pro Tour
https://capcomprotour.com/

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