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【TGS2019】世界規模のeスポーツシーン成長戦略が明らかに「R6S Esports グローバル展開と国内での展開について」レポート
2019年9月12日、幕張メッセで開催されている東京ゲームショウ2019の日本eスポーツ連合(JeSU)ブースにて、ユービーアイソフトによる『レインボーシックス シージ』(R6S)のeスポーツシーンに関する特別講演「R6S Esports グローバル展開と国内での展開について」が行われた。本稿では約40分に及んだ講演の模様をレポート形式でお届けする。
本講演の登壇者は、ユービーアイソフト株式会社の宮田幸子氏とスティーヴ・ミラー氏。宮田氏はまず『R6S』の基本的なゲーム内容や他の作品と差別化が図られているポイントを解説し、「本作がプレイされ続ける理由」についてトークを進めた。
▲ユービーアイソフト 宮田幸子氏
新規プレイヤーが入りやすい施策として、悪質なチームキル防止のための「リバースフレンドーファイヤー」機能や、ゲームを初めて間もない初心者でもランクマッチが楽しめる「ニューカマープレイリスト」の導入が挙げられた。
本作は発売から今年で4年目ということもあってか、既に上級者が数多く存在するという。その環境下でも初心者が参入しやすいよう、開発側でもいろいろと試行錯誤を重ねていたようだ。
既存プレイヤーに向けた新企画として、遊べば遊ぶほど報酬などがアンロックされるバトルパス「Call me Harry」の実施も発表された。こちらはゲーム内通貨で購入する必要はなく、完全無料で誰でも楽しめるコンテンツ。ただし初回ということもあり、提供は7日間限定に留められるようだ。
定期的に追加されるオペレーターについては、今後10年間で約100人を実装するとのこと。宮田氏は「厳密に100人になるか分からないが、そのぐらいの意気込みで一同取り組んでいる」と語った。
続いて話題に上ったのは、『R6S』を取り巻く世界大会の歩みについて。
2016年4月に始動したプロリーグから、2019年11月のプロリーグ世界大会までのスケジュールが映し出される。2017年11月に初めて日本から世界戦に出場した「eiNs」を皮切りに、「野良連合」や「CYCLOPS athlete gaming」が結果を残し続けているのは、おそらく周知の事実だろう。
現時点で『R6S』のeスポーツシーンを支える2本柱は、半年にわたる地域予選を勝ち抜いたチームが参加できる「プロリーグ」と、年に2回の開催が予定されている大規模な祭典「シックスイベント」。どちらもシーン全体の競技イベントとして大きな影響力を持っているようで、年々その注目度が増している事実も述べられた。
こちらは欧州、南米、北米、APAC(アジア地域)におけるプロリーグ構造。いずれも地域予選を経てワールドファイナルに臨むのは変わらないものの、アジア地域は最初の段階で”各国上位2チーム”に絞られる点が特徴的だ。
シーズン10時点でのプロチーム総数は計52チームで、そのうち28チームがアジアに集中している。世界の頂点に上り詰めるためには、数多の激戦を潜り抜ける手腕が問われるのだ。
プロリーグの試合が盛り上がるにつれ、大会配信の視聴者数も大幅に増加。150万視聴という回数も相当だが、毎試合ごとの平均同時視聴者数が1万6000人なのも驚きだ。平均視聴時間について、宮田氏は「テレビ番組と同じぐらい(30分)の視聴時間になって欲しい」と展望を語った。
ちなみに2019年2月11日に開催された「Six Invitational 2019」では、日本国内だけで7万人の最高同時視聴者数をマークしている。2018年度と比較すると成長率は600%以上とのことで、『R6S』に対する世間の注目が相当なものであると考えさせられる数値だ。
プロゲーマーをサポートする企画として運用中の「パイロットプログラム」では新たなフェーズがスタート。ゲーム内で使用可能なスキンの一つに「野良連合」の商品が実装された。日本勢のチームスキンがパイロットプログラムに適用されるのは今回が初となる。
「プロリーグ シーズン10ファイナル」の会場に選ばれたのは、日本の愛知県。4000人分の来場者チケットは発売から間もなくして完売とのことで、改めて競技シーンへの関心の高さがうかがい知れた。
『R6S』のグローバル展開に関する動向の後は、国内におけるeスポーツシーンの成長戦略が示された。4年前に産声を上げた国内大会は、その規模を徐々に拡大させながら現在も発展中である。世界大会と同様、ここでも「Japan League」と「OPEN」から成る2本に柱が提示され、「アマチュアとプロの両陣営からシーンを活性化させる働きがある」と語られた。
PC版とPS4版の両機種で行われる国内大会。中でも「ALIENWARE JAPAN LEAGUE」は試合期間を「Spring」「Summer」「Autumn」の3つに区切っており、2020年1月のチャンピオンシップで真の優勝チームが決定する。他にも、女性限定イベントの企画やコミュニティからのファンアート募集など、競技イベント以外でのすそ野拡大の取り組みも触れられた。
プロシーンの試合を視聴するだけでなく、実際にオープンカップに参加するプレイヤー数も増加傾向にあるとのこと。この推移はPS4版でも同様で、eスポーツシーンの活性化に呼応して、新規プレイヤーや大会参加者が増えているようだった。また国内の視聴者分布は、18~24歳の男性が過半数を占める割合となっている。
グローバルとローカルの両面から『R6S』のeスポーツシーンの事業展開が明らかとなった本講演。2019年9月時点では、2022年までのeスポーツイベントが続々と計画されている模様で、今後も多くのプレイヤーや観戦者を引き付けるコンテンツとなるのは大いに予想できる。まずは日本で行われる記念すべき「プロリーグ シーズン10ファイナル」の動向に期待したい。
本講演の登壇者は、ユービーアイソフト株式会社の宮田幸子氏とスティーヴ・ミラー氏。宮田氏はまず『R6S』の基本的なゲーム内容や他の作品と差別化が図られているポイントを解説し、「本作がプレイされ続ける理由」についてトークを進めた。
▲ユービーアイソフト 宮田幸子氏
『R6S』がプレイされ続ける理由について
新規プレイヤーが入りやすい施策として、悪質なチームキル防止のための「リバースフレンドーファイヤー」機能や、ゲームを初めて間もない初心者でもランクマッチが楽しめる「ニューカマープレイリスト」の導入が挙げられた。
本作は発売から今年で4年目ということもあってか、既に上級者が数多く存在するという。その環境下でも初心者が参入しやすいよう、開発側でもいろいろと試行錯誤を重ねていたようだ。
既存プレイヤーに向けた新企画として、遊べば遊ぶほど報酬などがアンロックされるバトルパス「Call me Harry」の実施も発表された。こちらはゲーム内通貨で購入する必要はなく、完全無料で誰でも楽しめるコンテンツ。ただし初回ということもあり、提供は7日間限定に留められるようだ。
定期的に追加されるオペレーターについては、今後10年間で約100人を実装するとのこと。宮田氏は「厳密に100人になるか分からないが、そのぐらいの意気込みで一同取り組んでいる」と語った。
プロリーグとシックスイベントで支える世界のeスポーツシーン
続いて話題に上ったのは、『R6S』を取り巻く世界大会の歩みについて。
2016年4月に始動したプロリーグから、2019年11月のプロリーグ世界大会までのスケジュールが映し出される。2017年11月に初めて日本から世界戦に出場した「eiNs」を皮切りに、「野良連合」や「CYCLOPS athlete gaming」が結果を残し続けているのは、おそらく周知の事実だろう。
現時点で『R6S』のeスポーツシーンを支える2本柱は、半年にわたる地域予選を勝ち抜いたチームが参加できる「プロリーグ」と、年に2回の開催が予定されている大規模な祭典「シックスイベント」。どちらもシーン全体の競技イベントとして大きな影響力を持っているようで、年々その注目度が増している事実も述べられた。
こちらは欧州、南米、北米、APAC(アジア地域)におけるプロリーグ構造。いずれも地域予選を経てワールドファイナルに臨むのは変わらないものの、アジア地域は最初の段階で”各国上位2チーム”に絞られる点が特徴的だ。
シーズン10時点でのプロチーム総数は計52チームで、そのうち28チームがアジアに集中している。世界の頂点に上り詰めるためには、数多の激戦を潜り抜ける手腕が問われるのだ。
プロリーグの試合が盛り上がるにつれ、大会配信の視聴者数も大幅に増加。150万視聴という回数も相当だが、毎試合ごとの平均同時視聴者数が1万6000人なのも驚きだ。平均視聴時間について、宮田氏は「テレビ番組と同じぐらい(30分)の視聴時間になって欲しい」と展望を語った。
ちなみに2019年2月11日に開催された「Six Invitational 2019」では、日本国内だけで7万人の最高同時視聴者数をマークしている。2018年度と比較すると成長率は600%以上とのことで、『R6S』に対する世間の注目が相当なものであると考えさせられる数値だ。
プロゲーマーをサポートする企画として運用中の「パイロットプログラム」では新たなフェーズがスタート。ゲーム内で使用可能なスキンの一つに「野良連合」の商品が実装された。日本勢のチームスキンがパイロットプログラムに適用されるのは今回が初となる。
「プロリーグ シーズン10ファイナル」の会場に選ばれたのは、日本の愛知県。4000人分の来場者チケットは発売から間もなくして完売とのことで、改めて競技シーンへの関心の高さがうかがい知れた。
成長傾向にある日本の『R6S』eスポーツシーン
『R6S』のグローバル展開に関する動向の後は、国内におけるeスポーツシーンの成長戦略が示された。4年前に産声を上げた国内大会は、その規模を徐々に拡大させながら現在も発展中である。世界大会と同様、ここでも「Japan League」と「OPEN」から成る2本に柱が提示され、「アマチュアとプロの両陣営からシーンを活性化させる働きがある」と語られた。
PC版とPS4版の両機種で行われる国内大会。中でも「ALIENWARE JAPAN LEAGUE」は試合期間を「Spring」「Summer」「Autumn」の3つに区切っており、2020年1月のチャンピオンシップで真の優勝チームが決定する。他にも、女性限定イベントの企画やコミュニティからのファンアート募集など、競技イベント以外でのすそ野拡大の取り組みも触れられた。
プロシーンの試合を視聴するだけでなく、実際にオープンカップに参加するプレイヤー数も増加傾向にあるとのこと。この推移はPS4版でも同様で、eスポーツシーンの活性化に呼応して、新規プレイヤーや大会参加者が増えているようだった。また国内の視聴者分布は、18~24歳の男性が過半数を占める割合となっている。
グローバルとローカルの両面から『R6S』のeスポーツシーンの事業展開が明らかとなった本講演。2019年9月時点では、2022年までのeスポーツイベントが続々と計画されている模様で、今後も多くのプレイヤーや観戦者を引き付けるコンテンツとなるのは大いに予想できる。まずは日本で行われる記念すべき「プロリーグ シーズン10ファイナル」の動向に期待したい。