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【TGS2019】『R6S』の手に汗握るガチ勝負に“二度見レベルのハプニング”まで! 国際親善エキシビション Fnatic Vs 父ノ背中 レポート
2019年9月13日、幕張メッセで開催された東京ゲームショウ2019にて、「『レインボーシックス シージ』国際親善エキシビション Fnatic Vs 父ノ背中」が行われた。本稿では試合の模様に加え、イベント終了後に実施された「父ノ背中」のけんき選手ショートインタビューもお届けする。プレイング面で意識したポイントや試合中に思わずビックリした出来事、さらにプロリーグ シーズン10に対する展望なども伺った。
前半戦のハイライトとして欠かせないのが、第3ラウンドで起こったFnaticの目まぐるしいラッシュ攻撃。2階に防衛拠点を構える父ノ背中に対して猛攻を仕掛け、数秒の間にキルを量産した。戦況を察知して巧みにリテイクを試みる父ノ背中だったが、結果的にFnaticが7-1で1stマップを制し、王手をかけた状態で前半戦を折り返した。
しかし簡単に折れないのはFnaticも同じ。まず2-2の拮抗したシチュエーションで流れを取り戻すべくラウンドを連取した。第7ラウンド時点でVirtue選手が計15キルを計上するなど、正面から相手をねじ伏せるゲームメイクで反撃を開始。父ノ背中も果敢に喰らいつくが、最終的に5-7で一歩及ばず。ここで1stマップと2ndマップを勝ち取ったFnaticに勝利の女神がほほ笑んだ。
本戦が終了した後は、互いのメンバーをシャッフルして即席チームを結成する特別マッチを実施。用いる言語が違うためプレイ中のコミュニケーション面でやや不安があるように思われたが、そんなことは全くなく、笑いや(良い意味で)煽りあいを交えて和気あいあいと試合は進行。そのほかチャット欄で繰り広げられたユニークな会話やハプニングで会場を大いに沸かせ、大きな拍手に包まれながらイベントは終了した。
――長時間の試合、本当にお疲れ様でした。まずは本日の率直な感想をお聞かせください。
けんき:先日カナダ(DreamHack Montreal 2019)で世界の強豪と戦ったとき、「相手の攻撃を耐えしのいで勝機を見出す」戦術で臨んだのですが、相手の攻めが完璧でまったく落とせませんでした。なので今回のFnatic戦では閉じこもるのではなく、「アクティブに動いて相手を乱してから一歩引いて戦う」という姿勢で挑みました。でも相性が悪かったのか、ちょっとリズムを乱して下がるつもりが、その下がりさえ難しいという状況で……。修正を試みているうちに1試合目が終わりました。
2試合目はカナダのときと同じプランに切り替えました。ガッツリ籠って勝機を見つけるスタイルで挑んだところラウンド数を重ねられたので……、単純な方針の違いですね。本当に『R6S』がジャンケンみたいなゲームなので、相性の良い作戦に変えたところでラウンドが取れだした、という印象でしたね。
――シャッフルマッチが相当盛り上がっていましたが、個人的に最もユニークだった出来事はありますか?
けんき:最後の試合のヴィラですね。あの吹き抜けに全員が下りてきて、本当の特殊部隊みたいな(笑)。エキシビジョンならではだなって。意外と強かったんですよ、あれ。
――全員で降りて来られるとやっぱり驚きましたか?
けんき:そうですね。これもオフラインならではだなと思ったんですけど、ラぺリングしている音が聞こえなかったんですよ。そう考えると、やはり環境の面が大きいですね。あと単純に面白いことをしてるので、「なんか来た!」と思ったらシューッと降りて来てビックリみたいな(笑)。
――本当にビックリしますよね(笑)。逆にオンラインだったら対応は可能ですか?
けんき:オンラインなら動いている音が100%聞こえるので対応できます。みんなが走って寄ってくるのも分かるし、予備動作の時点で何かやろうとしているのは把握できます。オフラインかつアットホームな雰囲気のエキシビジョンだからこそ完成した一つの作品というか。最後はMagnet選手のせいで台無しになったんですけど(笑)。
――キレイに落ちがつきました。あの場所ではガラフック(AMARUのガジェット)は機能しないのですか?
けんき:あのオペレーターが実装されたばかりで僕らも知らなくて。「Magnet選手が世界で初めて検証してくれた」ぐらいの勢いですよね。あのときボイスチャットでみんな「できないんだ!」って、英語で言ってました(笑)。
――皆さんもしっかり反応していたんですね(笑)。それは驚きのほうが大きかったんですか?
けんき:驚きと面白さの両方ですかね。あの能力を使わなくても下から撃てばおそらく勝てたんですが、オーディエンスを沸かせる気持ちでやったら失敗したという(笑)。僕らもエンターテインメントにこだわってエキシビジョンをプレイしましたが、あれが一番面白かったですね。
――そういえば試合中のチャット欄はとても盛り上がっていたと思います。
けんき:基本的にはチャットでみんな楽しんでましたね。チーム内でというより、「10人全体で面白いね」みたいな。本当にパーティーゲームをプレイしているようで楽しかったです。
――銀行の狭いエレベーターで3人が密集していてユニークでしたね。
けんき:あれは僕が「I have good plan」と言ったら2人ついてきてくれて。敵を待ってもこないので、しびれを切らして前に出たら負けるという。敵がもっとこちらに来てくれたら面白かったんですけどね。
――では最後の質問に移ります。プロリーグ シーズン10の後半戦が間もなく始まりますが、今後の展望をお聞かせください。
けんき:ひとまずプロリーグ終了までは引き続き今の体制で臨みます。カナダやスペイン(DreamHack Valencia 2019)で強豪チームと対戦した経験に加え、今回のFnatic戦で成長の糧になるようなものをいただいたので、これを踏まえて数日間を調整に充てます。まずプロリーグ残留を目指してファンの皆さんの応援にこたえたいのが展望の一つです。
次のシーズンに関しては大きくチーム体制が変わるため、正直な話、一旦は戦力が弱体化します。とは言え将来的に暗くなるわけではなく、”成長痛”と捉えています。ファンの皆さんに不安にさせてしまうかもしれませんが、僕たちは努力することを絶対にやめません。そこは裏切らないとお約束しますので、今後とも末永く応援していただければ幸いです。
メジャーチーム同士のハイレベルな戦いに会場も興奮
本イベントは、タクティカルシューター『レインボーシックス シージ』(R6S)のプロシーンでトップレベルに位置するプロゲーミングチームの親善試合。2マップ先取したチームが勝利となるBO3方式が基本ルールとして採用され、”10万円分の食事券”をかけて人気プロゲーミングチーム「父ノ背中」と、イギリスの強豪「Fnatic」が激突した。▲右からけんき選手、Apple選手、カッキー選手、BEESUN選手、DustelBox選手
▲左からMagnet選手、Lusty選手、RizRaz選手、Virtue選手、Acez選手
▲左から司会進行の郡正夫氏、実況のふり~だ氏、解説の中川ラン・ド・ラ・ヴァリエール氏
▲会場には父ノ背中とFnaticのファンが駆け付け、思い思いの応援に励んでいた
大会レギュレーション
- ラウンド数:12ラウンド
- 試合形式:Bo3(2本先取)
- 禁止オペレーター:Nokk、warden、Amaru、Goyo
1stマップ「クラブハウス」での戦い
戦いの火ぶたが切って落とされたマップは、Fnaticがピックした「クラブハウス」。共に卓越した実力を持つプレイヤーが衝突するということもあり、試合が始まる前から観客のボルテージも高まる。その膨張した緊張感に針を刺したのはFnatic。Lusty選手がファーストキルを決め、人数有利を保ったまま第1ラウンドを獲得。そのまま第2ラウンドも勝ち越し、父ノ背中との差を広げて流れを作り出した。前半戦のハイライトとして欠かせないのが、第3ラウンドで起こったFnaticの目まぐるしいラッシュ攻撃。2階に防衛拠点を構える父ノ背中に対して猛攻を仕掛け、数秒の間にキルを量産した。戦況を察知して巧みにリテイクを試みる父ノ背中だったが、結果的にFnaticが7-1で1stマップを制し、王手をかけた状態で前半戦を折り返した。
▲上階のLusty選手を武器保管室からショットガンで倒したカッキー選手
▲素早い侵攻で2階を守る父ノ背中メンバーを壊滅させたFnatic
▲ガレージからの飛び出しでTHERMITEを操るDustelBox選手を倒したVirtue選手
2ndマップ「カフェ・ドストエフスキー」での戦い
いよいよ後が無い父ノ背中が2ndマップにピックしたのは「カフェ・ドストエフスキー」。背水の陣という状況がプラスに作用したのか、攻撃側からスタートした父ノ背中は強気な立ち回りを見せる。途中Magnet選手の飛び出しやリスポーンキルに苦戦させられるも、順調にラウンドを取得。降りかかる火の粉をチームプレーで払い除け、2ndマップの奪取に乗り出した。しかし簡単に折れないのはFnaticも同じ。まず2-2の拮抗したシチュエーションで流れを取り戻すべくラウンドを連取した。第7ラウンド時点でVirtue選手が計15キルを計上するなど、正面から相手をねじ伏せるゲームメイクで反撃を開始。父ノ背中も果敢に喰らいつくが、最終的に5-7で一歩及ばず。ここで1stマップと2ndマップを勝ち取ったFnaticに勝利の女神がほほ笑んだ。
▲1階ベーカリーからの飛び出しで屋上付近のけんき選手を撃退したMagnet選手
▲2階展示室からボム横の壁をピークし、正確なエイムでAcez選手を撃ち抜いたApple選手
本戦が終了した後は、互いのメンバーをシャッフルして即席チームを結成する特別マッチを実施。用いる言語が違うためプレイ中のコミュニケーション面でやや不安があるように思われたが、そんなことは全くなく、笑いや(良い意味で)煽りあいを交えて和気あいあいと試合は進行。そのほかチャット欄で繰り広げられたユニークな会話やハプニングで会場を大いに沸かせ、大きな拍手に包まれながらイベントは終了した。
▲特別マッチで使用解禁となったAMARUを選んだのはMagnet選手。しかし決死の覚悟で放ったガラフックは機能せず、会場から盛大な笑いが生まれた
見事に勝利を飾ったFnaticには、高級焼肉店の食事券が贈呈された
父ノ背中 けんき選手ショートインタビュー
――長時間の試合、本当にお疲れ様でした。まずは本日の率直な感想をお聞かせください。
けんき:先日カナダ(DreamHack Montreal 2019)で世界の強豪と戦ったとき、「相手の攻撃を耐えしのいで勝機を見出す」戦術で臨んだのですが、相手の攻めが完璧でまったく落とせませんでした。なので今回のFnatic戦では閉じこもるのではなく、「アクティブに動いて相手を乱してから一歩引いて戦う」という姿勢で挑みました。でも相性が悪かったのか、ちょっとリズムを乱して下がるつもりが、その下がりさえ難しいという状況で……。修正を試みているうちに1試合目が終わりました。
2試合目はカナダのときと同じプランに切り替えました。ガッツリ籠って勝機を見つけるスタイルで挑んだところラウンド数を重ねられたので……、単純な方針の違いですね。本当に『R6S』がジャンケンみたいなゲームなので、相性の良い作戦に変えたところでラウンドが取れだした、という印象でしたね。
――シャッフルマッチが相当盛り上がっていましたが、個人的に最もユニークだった出来事はありますか?
けんき:最後の試合のヴィラですね。あの吹き抜けに全員が下りてきて、本当の特殊部隊みたいな(笑)。エキシビジョンならではだなって。意外と強かったんですよ、あれ。
――全員で降りて来られるとやっぱり驚きましたか?
けんき:そうですね。これもオフラインならではだなと思ったんですけど、ラぺリングしている音が聞こえなかったんですよ。そう考えると、やはり環境の面が大きいですね。あと単純に面白いことをしてるので、「なんか来た!」と思ったらシューッと降りて来てビックリみたいな(笑)。
――本当にビックリしますよね(笑)。逆にオンラインだったら対応は可能ですか?
けんき:オンラインなら動いている音が100%聞こえるので対応できます。みんなが走って寄ってくるのも分かるし、予備動作の時点で何かやろうとしているのは把握できます。オフラインかつアットホームな雰囲気のエキシビジョンだからこそ完成した一つの作品というか。最後はMagnet選手のせいで台無しになったんですけど(笑)。
――キレイに落ちがつきました。あの場所ではガラフック(AMARUのガジェット)は機能しないのですか?
けんき:あのオペレーターが実装されたばかりで僕らも知らなくて。「Magnet選手が世界で初めて検証してくれた」ぐらいの勢いですよね。あのときボイスチャットでみんな「できないんだ!」って、英語で言ってました(笑)。
――皆さんもしっかり反応していたんですね(笑)。それは驚きのほうが大きかったんですか?
けんき:驚きと面白さの両方ですかね。あの能力を使わなくても下から撃てばおそらく勝てたんですが、オーディエンスを沸かせる気持ちでやったら失敗したという(笑)。僕らもエンターテインメントにこだわってエキシビジョンをプレイしましたが、あれが一番面白かったですね。
――そういえば試合中のチャット欄はとても盛り上がっていたと思います。
けんき:基本的にはチャットでみんな楽しんでましたね。チーム内でというより、「10人全体で面白いね」みたいな。本当にパーティーゲームをプレイしているようで楽しかったです。
――銀行の狭いエレベーターで3人が密集していてユニークでしたね。
けんき:あれは僕が「I have good plan」と言ったら2人ついてきてくれて。敵を待ってもこないので、しびれを切らして前に出たら負けるという。敵がもっとこちらに来てくれたら面白かったんですけどね。
――では最後の質問に移ります。プロリーグ シーズン10の後半戦が間もなく始まりますが、今後の展望をお聞かせください。
けんき:ひとまずプロリーグ終了までは引き続き今の体制で臨みます。カナダやスペイン(DreamHack Valencia 2019)で強豪チームと対戦した経験に加え、今回のFnatic戦で成長の糧になるようなものをいただいたので、これを踏まえて数日間を調整に充てます。まずプロリーグ残留を目指してファンの皆さんの応援にこたえたいのが展望の一つです。
次のシーズンに関しては大きくチーム体制が変わるため、正直な話、一旦は戦力が弱体化します。とは言え将来的に暗くなるわけではなく、”成長痛”と捉えています。ファンの皆さんに不安にさせてしまうかもしれませんが、僕たちは努力することを絶対にやめません。そこは裏切らないとお約束しますので、今後とも末永く応援していただければ幸いです。