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【TGS2019】『鉄拳7』KNEE選手インタビュー! 「大会に最適化したキャラ研究が若手への対策」

日本のみならず、世界のeスポーツシーンにおいて大きな存在感を放つ対戦格闘ゲーム『鉄拳』シリーズ。その四半世紀にも及ぶ歴史を持つ本作を語るうえで欠かせないのが、”鉄拳大国”と称されるほどに強者が揃う韓国である。

中でも、数々の実績を誇るプロゲーマーが在籍中のROX Gamingは、国内外で多くのファンを獲得している。

そこで今回は、「『鉄拳7』日韓最強チーム決定戦」のタイミングで来日したROX Gaming所属のトッププレイヤー、KNEE選手にTGS会場でインタビューを実施。プロシーンで活躍する自身の強みをはじめ、「EVO 2019」で注目を集めたARSLAN ASH戦の裏話、さらに韓国を取り巻く『鉄拳』シーンの現状などについて伺った。

自身の強みは「大会に最適化したキャラクター研究」


――去年の「鉄拳ワールドツアー」(TWT)の数々の大会での優勝、今年の「TWT」での圧倒的なポイント数に代表されるように、近年の『鉄拳』シーンで最も安定感のある選手はKNEE選手だと思います。あらためてご自身の強みを教えてください。

KNEE:まず大会で好成績を出すために、ブライアンなどの固定キャラクターを捨てて、参加する大会に最適化したキャラクターを研究しています。OP(オーバーパワード)キャラクターなどもリサーチしますし、とにかく大会で成績を出すことを念頭に置いています。『鉄拳7』はキャラクター同士の相性が勝敗に大きく関わってくるので、環境を支配する強キャラクターを攻略できないといい成績は収められません。

――日本の『鉄拳』プレイヤーの間でKNEE選手の名前が知れ渡ってから6~7年経とうとしているのですが、自分のプレイスタイルや長所が変わったり、逆に苦手な分野が生まれたと感じることはありますか? 個人的な話、見ているぶんにはまったく感じないのですが……。

KNEE:大会に出場すると10歳以上も離れた選手とも対決しますが、そのときは「さすがに反応速度が違うな」とは感じますね。

――なるほど、その点を克服するために何か対策はされていますか?

KNEE:最近は空いた時間で運動に励んでいます。海外の大会に参加する場合はかなりの体力を消耗しますし、体力が低下すると集中力も落ちるので、そうならないために身体を鍛えています。

『鉄拳7』のプレイに関しては、相手がミスをした際に反撃を叩き込む練習を重点的に行っています。

ARSLAN ASH選手から多くを学び、乗り越えないといけないと感じた

――「EVO 2019」での出来事についてお伺いします。ウイナーズセミファイナルでのARSLAN ASH戦でギースを選んだKNEE選手に対し、会場や配信の実況席からもどよめきが起こっていました。まず、なぜギースを選んだのかを教えてください。

KNEE:勝利を得るために、ARSLAN ASH選手が事前に予想していないキャラクターを選ぼうと考えていました。その作戦を踏まえて選んだのが、あのときのギースだったんです。


――そのあとルーザーズを泳いで、再びASH選手とグランドファイナルでぶつかったわけですが、日本の実況席では、2回目の対戦での一八、デビル仁というキャラクターチョイスについて「一定のフレーム数以上の中下段攻撃がARSLAN ASH選手には通らないから、KNEEはガードされるとハイリスクだけど発生が速くてダメージも大きい2択で勝負をかけにきた」と解説されていました。実際はどうだったのでしょうか?

KNEE:大体はその解釈で合っていると思います。ARSLAN ASH選手のガードがすごく硬いので、その壁を破るためにはやっぱり2択をかけるしかありませんでした。


――主だった大会やイベントにおいて、KNEE選手はARSLAN ASH選手に勝ち越しているという認識なのですが、ARSLAN ASH選手に対してどんなイメージをお持ちですか?

KNEE:今まで自分がやってきた『鉄拳』とはスタイルが違うと感じましたね。ARSLAN ASH選手と戦って多くのことを学びましたが、結局は自分が乗り越えないといけない選手だと思っています。


オンライン対戦に特化した韓国『鉄拳7』シーン

――最近Twitterで「韓国ではプレイヤーがオフラインで集まって対戦・研究する機会が少ないのを危惧している」というKNEE選手のツイートを拝見しました。今の韓国の『鉄拳7』シーンはどんな状況ですか?

KNEE:今の韓国はアーケード版がほぼ全滅で、コンシューマー版をプレイする文化もそこまでありません。なのでPC版(Steam)でオンラインで対戦しているのですが、オフラインで同じ場所に集まって一緒に研究する機会が生まれないのです。

――やはりコンシューマー版でないとオフラインで集まったりはしないのでしょうか?

KNEE:PS4を真ん中に置いてその周囲に集まってモニターを見ながらプレイする……みたいな状況ではなく、オンライン上の仲間と対戦したり練習したりをずっとプレイしているんです。1台のノートパソコンを見ながらみんなで研究する、といった光景もないですね。

――KNEE選手はコンシューマー版の『鉄拳7』で全キャラで鉄拳神・天(最高段位)に到達しています。日本のトッププレイヤーには『鉄拳7』に限らず、「オンライン対戦はやっても意味がない」と考える人もいます。実際のところ、KNEE選手はオンライン対戦をするうえで意味はあると感じますか?

KNEE:オンライン対戦は環境さえ整えばどこでも可能ですし、普段は会えないような人々ともゲームができます。その点も含め、対戦を通じて友達ができたりいろいろなキャラクターとも出会えるのがオンライン対戦のいいところだと思います。

ただ、いつも決まった機種で対戦をしていると、フレーム数の差異が目立つ他機種の大会でいい成績を出せないのがネックですね。


『鉄拳7』シーズン3&TWTに向けた展望について

――「東京ゲームショウ2019」の直前、9月10日から始まったばかりの『鉄拳7』シーズン3の印象はどうですか?

KNEE:自分の周囲の反応はやや否定的ですね。理由としてはDLC(追加コンテンツ)キャラクターの与ダメージ量が高く、その点がとても目立っているように感じているようです。


――ご自身でDLCキャラクターを使ってみて、どんな印象を受けましたか?

KNEE:今のDLCキャラクターは、3Dゲームというより2Dゲーム化しているような印象を受けます。敵に与えるコンボダメージが普通に100を超えたりすることが多くて、大会で好成績を出すためにDLCキャラクターを使ったりしますね。

――最後に、2019年の残りのシーズンと「TWT」について、意気込みや日本のファンへのメッセージをお願いします。

KNEE:TWT Finalsまであと少しですが、そこまでにたくさん練習して皆さんにいい姿を見せられるように頑張ります。それから、『鉄拳7』シーズン3にも興味を持ってもらえればと思いますし、ROX Gaming、並びにROX Dragonsを応援していただけるとありがたいです。


■関連リンク
KNEE選手Twitterアカウント
https://twitter.com/holyknee
Rox Gaming(JP) Twitterアカウント
https://twitter.com/roxgaming_jp

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