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「LJL 2020 Spring Split」中間レポート&全8チーム戦況分析
目次
『リーグ・オブ・レジェンド』(LoL)の日本プロリーグ「LJL 2020 Spring Split」もWeek4が終わり、折り返し地点を過ぎた。そこで今回は、ここまでの「LJL」でのメタや今後のメタ予測、各チームの現状と後半戦のキープレイヤーなどについて書いていこうと思う。
Spring Splitは、レギュラーシーズンをWeek1〜7まで行い、そのなかで全チーム総当たりを2回繰り返す「ダブルラウンドロビン方式」となっている。Week4までの段階で、その総当たりの1周目が終了しており、チームとしての仕上がり、対戦チームに対する戦績などがひととおり揃った状況での分析だ。
開幕前には、Rascal JesterやSoftBank Hawks Gamingといった3人の韓国人プレイヤーを擁するチームや、当サイトでもインタビュー記事を掲載した元SK Telecom T1の選手2人と実績のある日本人プレイヤーをずらっとスターターに並べたSengokuGamingなどが、王者DFMに迫るだろうと予想されていた。
しかしフタを開けてみれば、リーグ戦を半分終わってDFMが無敗のトップを独走、そして4勝4敗の勝率5割ラインになんと4チームが並ぶという、1強7混戦とも言うべきカオスなシーズンとなっている。
DFMはコミュニケーション、個々のパフォーマンスともに死角はなく、2位以下のチームの実力が拮抗していることも加味すると、レギュラーシーズン1位は固いように見える。
4勝ラインより下位の7チームは、BCを除き新チームになったことでコミュニケーションの問題が起きているチームが目立つ。強いプレイヤーを集めれば勝てるわけではない、という今の『LoL』の競技シーンの難しさを改めて実感させられる途中経過だ。
『LoL』の競技シーンにおけるコミュニケーション問題というのは、単に言語的な問題に限らず、「ゲーム観やイメージの共有」が深く関わってくるので、解決するためにはある程度時間に頼る部分もある。レギュラーシーズン終了に向けてどれだけそのイメージの共有の部分を詰めていけるかが、各チームの最終的な順位に直結していくだろう。
この2つだ。
まず、(1)の後半型のプレイスタイルについて。これはシーズン10のエレメンタルドレイクに関する変更が大きな影響を与えている。
プレシーズン 2020のゲームプレイ:エレメントの目覚め|リーグ・オブ・レジェンド
https://jp.leagueoflegends.com/ja-jp/news/game-updates/preseason-2020-gameplay-rise-of-the-elements/
エレメンタルドレイク1体の価値はシーズン10になり激減した。例えばインファーナルドレイクの場合、バフひとつあたりの攻撃力・魔力ボーナスが4%になってしまった。
これがどれくらい低いかというと、2つバフを重ねても、シーズン9のひとつ分のバフ量(10%)に満たないほどだ。
他にも、マウンテンドレイクはオブジェクトへの追加ダメージから防御力の増加へと、バフの内容が変更された。ゲーム展開を早める効果だったはずのマウンテンバフは、むしろゲームを遅くする作用のものにすげ変わったわけだ。
結果、今シーズンは序盤有利を作ったチームがドラゴンを順当に確保していっても、シーズン9と比べてチーム全体のスノーボールへとはつながりにくいメタになった。それならばゲームを決定づける終盤に向けて、チーム全体のパワーを寄せていけばいい、という考えに至るのは自然だろう。
このスタイルを象徴するチャンピオンがゾーイ。中・終盤のキャッチ能力に優れた彼女は世界的にも人気のピックで、「LJL」でも2番目によくピックされているミッドレーナーとなっている。
では、(2)の前半型で攻撃的なスタイルはなぜ生まれたのか。それもシーズン10の新要素、「ドラゴンソウル」の影響だ。
ドラゴンバフひとつひとつは弱くなったものの、1チームがドラゴンを合計4体倒したときに得られる新要素・ドラゴンソウルは非常に強力で、特にクラウドソウル以外の3つは獲得することで「勝ち」といっていいほどの効果を持っている。
序盤から強いチャンピオンを並べてドラゴンを(できれば)4体連続で獲得し、ドラゴンソウルを手に入れて早期のゲームエンドを目指す、というのがこの攻撃的スタイルの狙いだ。
このスタイルを実行するためにはドラゴンに近いサイド、つまりボットレーンの主導権を握ることが不可欠で、そのためにピックされるのがミス・フォーチュン。「LJL」では全チャンピオン中もっともピック数が多い彼女は、高いレーニング性能とスキルダメージを有しているため、ほとんどのADCに対して序盤で有利を作り出せるチャンピオンだ。
それぞれのスタイルにはもちろん弱点もあって、(2)の前半型の場合、ブッシュが増えてさらに難しくなったサモナーズリフトの視界管理とローテーションを完璧にやらないとドラゴンを相手にかすめ取られてしまい、それによってドラゴンソウルを獲得するのが遅れれば遅れるほど、(1)の後半型の構成に逆転されてしまうリスクが増えていく点が挙げられる。
逆に(1)の後半型は自分たちからは動きづらいので、(2)の前半型の構成が順調にドラゴンを取る展開に持ち込まれると、相手のミス待ちという状況に陥りやすい。
メンバーのプレイスタイルやチャンピオンプールなどを踏まえて、このどちらの構成に寄せていくかというのが、現メタでは重要になっている。
パッチノート10.4
https://jp.leagueoflegends.com/ja-jp/news/game-updates/patch-10-4-notes/
ドラゴンやドラゴンソウル、タワープレートなど、ゲーム時間に大きく影響を及ぼしそうな変更は入っていないため、前項で述べた2つのスタイルを中心に、今後もメタゲームは動いていくことが予想される。
ただ、ロールごとに見るとそれなりに大きな変化もある。中でも一番影響が大きそうなのはバミ・シンダー系列のアイテムのバフだろう。
パッチ10.3ですでに強かったオーンが完全にOP化することは言うまでもないが、各チームのパワーバランスに影響を及ぼしそうなのは、セジュアニやザックといったタンクジャングラーがメタ上位に押しあがってきそうな点だ。
これらのチャンピオン、特にセジュアニは、ジャングラーのパフォーマンスを均一化させる傾向にある。そのためパッチ10.3はそれ以前と比べるとジャングラーの実力差が出るメタだったのに対し、パッチ10.4ではジャングラーの影響力そのものが減るわけではないが、実力差は出にくいメタになりそうだ。
もう1点気になるのは、アフェリオスのナーフの影響だ。
ここまで良くも悪くもメタの中心にいた彼がかなりマイルドに調整されたので、パッチ10.3までの、極端に言えば「アフェリオスとミス・フォーチュンだけプレイできればいい」というメタと比べると、ピックされるADCの種類も増えそうだ。
さらにオーンがバンされるようになれば、アフェリオスと相性が良くオーンに強いということでメタ上位にいたブラウムの価値も下落することが予想され、サポートも含めてボットレーンの顔触れはガラッと変わるかもしれない。
ベテランはこういった事態に対応しやすいだろうが、経験の浅いプレイヤーをボットレーンに抱えるチームにとっては、チャンピオンプールを広げることができるのか、という問題が発生しそうだ。
どちらかというと前半戦に弱いイメージのあるDFMだったが、今シーズンはここまで無傷の8連勝。先に上げた攻撃的なスタイルを選択することが多いのにも関わらず、ここまでひとつも取りこぼしがないのは、チーム力の充実っぷりを感じざるをえない。相変わらずトップのEvi選手は圧倒的なパフォーマンスでダメージシェア31.3%と、今のメタでは異次元の数値をたたき出している。
いい勝負に持ち込まれることはあっても、Gaeng選手、Steal選手のエンゲージ判断が素晴らしく、集団戦もリーグ1の上手さと言っていいだろう。
ひとつやふたつ、弱点を挙げたいところだが、正直死角が見当たらず、後半戦も挑戦的なピックを出して失敗する、といったことがなければレギュラーシーズンはこのまま無敗で駆け抜けても不思議はない。
後半戦のキープレイヤー:ミッド Ceros選手
ここまでそういった役割を求められていないものの、平均DPMは全チームのミッドレーナー8人中7位と、無敗のチームのミッドレーナーとしては物足りないスタッツになっている。チームの星勘定には余裕がありそうなので、後半戦で彼がアジールなどでキャリーするような構成も見てみたい、といういちファンの感情から、彼をキープレイヤーに選んだ。
シーズン前は下位評価するファンも多かったが、前半戦が終わって大接戦の5割ラインに留まっている。
特にトップのRayFarky選手の成長は目を見張るものがあり、レーン戦のスタッツや平均DPMはEvi選手に次ぐ2位を記録している。新加入のProud選手は集団戦のポジショニングが非常に巧みで、Once選手との連携も組んで間もないとは思えないほどの仕上がりだ。
チーム全体で見ても、自分たちがしっかりと準備できたときのファイトのパフォーマンスは、DFMにも勝るとも劣らないのがBCの魅力と言えるだろう。
一方で自分たちから有利を手放してしまうようなリスクの高いプレーも目立ち、ややサポートがローム傾向にあるとはいえ、Yuhi選手は15分段階でのCSが対面と比べて最も負けているプレイヤーになってしまっている。
後半戦のキープレイヤー:ADC Yuhi選手
いまやジャングルに次ぐ数の韓国人選手がひしめくADCというロールで、ここまで苦しいレーニングが続いているYuhi選手。しかし、レーン戦の苦しさのわりに平均DPMはポジション4位と、日本人選手の中ではトップの成績を残している。
前項で説明したように、パッチ10.4はADCのプールが広がりそうで乗り越えるべき障壁も多いが、彼のレーニングが強化されればBCの低いドラゴン獲得率も改善され、チームもよりアグレッシブなスタイルを選択できるようになるだろう。
4-1と好調に序盤戦を進めていたものの、Week3と4で3連敗を喫し、5割の混戦ラインに落ちてきてしまったCGA。ただ、Week4は新人のYoshi選手にニダリーやキンドレッドといったキャリー系を使わせてみたり、ボットレーンにタリヤ&パンテオンを出してみたりと、後半戦、さらにはプレーオフを見据えた実験的ピックを試しただけにも見えた。
メンバーは入れ替わってもスタイルは前シーズンと概ね同じで、ミッドのAria選手とADCのGango選手にゴールドを集めてキャリーさせるというプランで勝ち星を稼いでいる。特にAria選手のキャリー力は抜群で、Grendel選手も堅実にサポートのロールをこなしている。ジャングルとADC(とレーンを変更したサポート)と、過半数のスターターが入れ替わったにもかかわらず、いい意味で新チーム感は全くない。
Yoshi選手はいろいろ試す期間というのもあるが、リー・シンでは勝率100%、その他が勝率20%と極端な結果になっており、プレーオフを見据えるならシーズンエンドまでに自信の持てるピックをあとひとつは用意しておきたいところだ。
後半戦のキープレイヤー:ミッド Aria選手
Nap選手、Yoshi選手と現状課題が残るプレイヤーはもちろんいるが、プレーオフ進出の順位をひとつでも上げていこうとするならば、彼のキャリー力に頼ることになるだろう。ゾーイやルブランといった影響力の高いチャンピオンをターゲットバンされる機会も増えそうなので、今後どんな手札を出してくるのか楽しみだ。
新規参入チームとして2位は上出来と見るか、チームメンバーの名前を見て思ったよりも伸び悩んでいるとみるべきか。SHGも激戦の4勝ラインで戦っているチームのひとつだ。
トップへコンバートしたDasher選手はここまで8試合で8種類のチャンピオンをピックし、ソロキル3回とアグレッシブにプレイしているにも関わらず、被ファーストブラッド率0%と高いレベルで安定している。
ボットレーンも15分でのCS差は1位と、新人デュオとは思えない高スタッツを残してる。
勝ち試合と負け試合の印象がガラっと変わるチームで、悪い時はチーム全体で集団戦でのポジショニングやイニシエートでミスをするシーンが目立つ。コミュニケーションの問題なのか、メンタルの問題なのかは分からないが、これを直せばいい、というものではないので修正はひと苦労だろう。Awakerコーチの手腕が問われる後半戦になりそうだ。
後半戦のキープレイヤー:サポート Pooh選手
レーン戦でのパフォーマンスの良さとは裏腹に、キル関与率は58.8%とロール最下位になっている。彼の集団戦でのパフォーマンスが上がってくればチーム全体の課題解決にもつながるだろう。
すでに新人らしからぬ落ち着いた素晴らしいプレーを見せてくれているだけに、さらなる躍進を期待したい。
プロシーンを長年見てきた筆者からすると、日本で見られるのが信じられないようなロースターを組んできたSGだったが、現状2位タイとはいえ苦戦を強いられている、といっていいだろう。
Week3まで使われたパッチ10.2では、ジャングルの影響力が非常に低く、チームのコミュニケーション問題も相まって2-4と沈んでいたが、パッチ10.3にパッチが変わったWeek4では、下位チーム相手とはいえ2連勝と調子を取り戻してきた感はある。
ミッドのPirean選手とジャングルのBlank選手のシナジーはさすがで、ミッドとジャングルの視界スコアの合計はDFMに次いで2位となっている。
中盤以降のゲームエンドに向けたイメージづくりで苦戦している印象で、フィジカル頼りになる場面が多い。プレイメーカーが多いチームなので、サポートのEnty選手はWeek4のようにモルガナやブラウムなど味方をフォローできるチャンピオンのピックを増やしたほうが取りこぼしが減るのではないだろうか。
後半戦のキープレイヤー:ジャングル Blank選手
ゲームエンドへ向けてのプラン建てや視界管理を行っていくうえで、ジャングルとサポートのふたりは重要な役割を担っている。チームの平均試合時間がリーグ平均より3分も長くなってしまっている現状を打破するために、彼自身のパフォーマンスというよりも、リーダーシップに期待をしたい。
トップ・ミッド以外が総入れ替えになり、ここもほぼイチからのチームづくりになったV3。前半戦が終了したが、まだ自分たちの安定した勝ちパターンというものを探している最中のように見受けられる。
というのも、新加入のArchar選手、Raina選手のボットレーンは爆発すればリーグNo.1の破壊力といっても過言ではないが、いまのところパフォーマンスが安定せず、ソロレーナ―のPaz選手、Ace選手は両方ともレーンでビハインドを背負いがちと、安定して起点になれるプレイヤーを欠いているのだ。
となるとジャングルのBugi選手が苦しい展開を強いられるのは致し方なく、ドラゴン獲得率、ヘラルド獲得率ともにリーグ最下位のスタッツになってしまっている。
後半戦のキープレイヤー:トップ Paz選手
「LJL 2019 Summer Split」では立川の決勝の会場に立ったプレイヤーだが、今シーズンは精彩を欠いている。あらゆるスタッツがリーグ下位の水準で、15分段階のCS差では昨年の夏が+5.4だったのに対し、今年春はなんと-19と絶不調。レーン戦で不利なオーンのピックが多いとはいえ、さすがに物足りない数字だろう。
ムードメーカーでもある彼が不調から抜け出さないことには、V3のプレーオフ進出は危ういだろう。
同じ順位のV3と似たような悩みを持つRascal Jester。ただし、キャリーのArt選手はダメージシェア33%ときっちり仕事をこなしていて、昨年通り安定したパフォーマンスを出せている点は好材料だ。Hachamecha選手はCGAのYoshi選手と並んでファーム量が少なく、その分チームに献身的なプレーをしている。
そんな中、ドラゴン・リフトヘラルド獲得率がともに5割を切ってしまっているのは、やはりソロレーンの問題。cogcog選手、ninja選手ともにビハインドを背負いがちだ。
相手チームもArt選手だけを狙えばいいという状況になってしまえば、集団戦をうまく運ぶのも難しい。安定して勝ち星を重ねていくには、やはりもう1本の軸がチームに必要だろう。
後半戦のキープレイヤー:ミッド ninja選手
ここまで8試合で8チャンピオンと、様々なチャンピオンを試しているが、個人的に一番印象に残ったのはV3戦で見せたリサンドラ。ゲーム中盤を支えつつ、終盤はArt選手のためのピールやイニシエート役を買って出られるという、チーム事情にマッチしたチャンピオンと言えるだろう。
先出ししやすいチャンピオンではないが、同様のユーティリティ性能に長けたチャンピオンで、文字通りチームの背骨的な活躍が望まれる。
今年も苦しいスタートになってしまったAXIZだったが、Week3、4で1勝ずつを獲得。上位チームが4勝で横並ぶ展開になっていることもあって、プレーオフ進出の目も見えてきた。
昨年からゲーム序盤のオブジェクト管理やローテーションは非常にうまく、最下位ながらファーストタワー獲得率は63%と非常に優秀だ。
トップレーンのuinyan選手にガングプランクをはじめとしたキャリー系を持たせ、ミッドのGariaru選手にユーティリティを、ジャングルのHoglet選手とサポートのCorporal選手が連動してゲームに関与していく、という自分たちのパターンがしっかり出来上がっている。
トップが崩れると、ADCのHide選手は平均DPMリーグ最下位と、いまのところ良いパフォーマンスとは言えないのでキャリーが不足してしまう。最低でもトップはイーブンレーンにするために、ジャングルのHoglet選手に有利なマッチアップを渡すなど、ドラフト面での工夫も必要になってくるだろう。
後半戦のキープレイヤー:ADC Hide選手
サポートのCorpral選手がジャングルと連動して動くのを得意としているプレイヤーなので、ひとりでファームする時間が多くなりがちなHide選手。その点で言うと、Week4でみせたザヤというピックは非常にチーム事情にマッチしていた。
他にもエズリアルのような自衛能力の高いチャンピオンがプールに加われば、AXIZはさらにプランを立てやすくなるだろう。
今季から「LJL」はダブルラウンドロビンに形式が変わり、試合数が昨年の3分の2に減ってしまった。そのぶん1勝あたりの価値は上がったので、後半戦は「自分たちが有利な試合を取りこぼさずにとっていけるか」という点が重要になってくるだろう。
各チームとも、当然のことながら自分たちの土俵に相手を引きずり込もうとするはずだが、総当たりが一周してお互いに手の内を知ったわけで、Week5から本格的に始まる総当たり2周目では、Week4でCGAが見せたようなドラフト面での仕掛けや奇策が飛び出す可能性も高くなるだろう。
残念ながら新型コロナウイルスの影響により、試合後のファンミーティングは休止となり、さらにWeek5以降は無観客試合にもなってしまった。しかし、Twitchの視聴者数は毎回2万人を超えるほどに配信視聴者数は安定しており、
熾烈な順位争い、隠し玉ピック、そしてプレーオフへの布石。リーグ後半戦、1試合も見逃せない熱い戦いを期待している。
リーグ・オブ・レジェンド
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LoL Esports
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Spring Splitは、レギュラーシーズンをWeek1〜7まで行い、そのなかで全チーム総当たりを2回繰り返す「ダブルラウンドロビン方式」となっている。Week4までの段階で、その総当たりの1周目が終了しており、チームとしての仕上がり、対戦チームに対する戦績などがひととおり揃った状況での分析だ。
首位を独走するDFMと混戦化するリーグ
新チームの参入やロースターの大幅変更など、Detonation FocusMe(DFM)とBurning Core(BC)の2チームを除いて、過半数のスターターが変わる激動となったオフシーズンを経て開幕した「LJL 2020 Spring Split」。開幕前には、Rascal JesterやSoftBank Hawks Gamingといった3人の韓国人プレイヤーを擁するチームや、当サイトでもインタビュー記事を掲載した元SK Telecom T1の選手2人と実績のある日本人プレイヤーをずらっとスターターに並べたSengokuGamingなどが、王者DFMに迫るだろうと予想されていた。
しかしフタを開けてみれば、リーグ戦を半分終わってDFMが無敗のトップを独走、そして4勝4敗の勝率5割ラインになんと4チームが並ぶという、1強7混戦とも言うべきカオスなシーズンとなっている。
DFMはコミュニケーション、個々のパフォーマンスともに死角はなく、2位以下のチームの実力が拮抗していることも加味すると、レギュラーシーズン1位は固いように見える。
4勝ラインより下位の7チームは、BCを除き新チームになったことでコミュニケーションの問題が起きているチームが目立つ。強いプレイヤーを集めれば勝てるわけではない、という今の『LoL』の競技シーンの難しさを改めて実感させられる途中経過だ。
『LoL』の競技シーンにおけるコミュニケーション問題というのは、単に言語的な問題に限らず、「ゲーム観やイメージの共有」が深く関わってくるので、解決するためにはある程度時間に頼る部分もある。レギュラーシーズン終了に向けてどれだけそのイメージの共有の部分を詰めていけるかが、各チームの最終的な順位に直結していくだろう。
二極化したメタゲーム
そうした混戦模様のリーグ戦とは対照的に、ゲーム内のプレイスタイルとしては、以下のように大きく二極化が進んでいる。- 試合時間を引き延ばして後半のキャッチや集団戦にかけるスタイル
- 攻撃的にプレイして前半から先手先手でゲームを動かしていこうとするスタイル
この2つだ。
まず、(1)の後半型のプレイスタイルについて。これはシーズン10のエレメンタルドレイクに関する変更が大きな影響を与えている。
プレシーズン 2020のゲームプレイ:エレメントの目覚め|リーグ・オブ・レジェンド
https://jp.leagueoflegends.com/ja-jp/news/game-updates/preseason-2020-gameplay-rise-of-the-elements/
エレメンタルドレイク1体の価値はシーズン10になり激減した。例えばインファーナルドレイクの場合、バフひとつあたりの攻撃力・魔力ボーナスが4%になってしまった。
これがどれくらい低いかというと、2つバフを重ねても、シーズン9のひとつ分のバフ量(10%)に満たないほどだ。
他にも、マウンテンドレイクはオブジェクトへの追加ダメージから防御力の増加へと、バフの内容が変更された。ゲーム展開を早める効果だったはずのマウンテンバフは、むしろゲームを遅くする作用のものにすげ変わったわけだ。
結果、今シーズンは序盤有利を作ったチームがドラゴンを順当に確保していっても、シーズン9と比べてチーム全体のスノーボールへとはつながりにくいメタになった。それならばゲームを決定づける終盤に向けて、チーム全体のパワーを寄せていけばいい、という考えに至るのは自然だろう。
このスタイルを象徴するチャンピオンがゾーイ。中・終盤のキャッチ能力に優れた彼女は世界的にも人気のピックで、「LJL」でも2番目によくピックされているミッドレーナーとなっている。
では、(2)の前半型で攻撃的なスタイルはなぜ生まれたのか。それもシーズン10の新要素、「ドラゴンソウル」の影響だ。
ドラゴンバフひとつひとつは弱くなったものの、1チームがドラゴンを合計4体倒したときに得られる新要素・ドラゴンソウルは非常に強力で、特にクラウドソウル以外の3つは獲得することで「勝ち」といっていいほどの効果を持っている。
序盤から強いチャンピオンを並べてドラゴンを(できれば)4体連続で獲得し、ドラゴンソウルを手に入れて早期のゲームエンドを目指す、というのがこの攻撃的スタイルの狙いだ。
このスタイルを実行するためにはドラゴンに近いサイド、つまりボットレーンの主導権を握ることが不可欠で、そのためにピックされるのがミス・フォーチュン。「LJL」では全チャンピオン中もっともピック数が多い彼女は、高いレーニング性能とスキルダメージを有しているため、ほとんどのADCに対して序盤で有利を作り出せるチャンピオンだ。
それぞれのスタイルにはもちろん弱点もあって、(2)の前半型の場合、ブッシュが増えてさらに難しくなったサモナーズリフトの視界管理とローテーションを完璧にやらないとドラゴンを相手にかすめ取られてしまい、それによってドラゴンソウルを獲得するのが遅れれば遅れるほど、(1)の後半型の構成に逆転されてしまうリスクが増えていく点が挙げられる。
逆に(1)の後半型は自分たちからは動きづらいので、(2)の前半型の構成が順調にドラゴンを取る展開に持ち込まれると、相手のミス待ちという状況に陥りやすい。
メンバーのプレイスタイルやチャンピオンプールなどを踏まえて、このどちらの構成に寄せていくかというのが、現メタでは重要になっている。
パッチ10.4以降のメタの変化予想とチームへの影響
さて、プレーオフに向けて負けられない戦いが続いていくリーグ後半戦は、主にパッチ10.4で行われるはずだ。パッチノート10.4
https://jp.leagueoflegends.com/ja-jp/news/game-updates/patch-10-4-notes/
ドラゴンやドラゴンソウル、タワープレートなど、ゲーム時間に大きく影響を及ぼしそうな変更は入っていないため、前項で述べた2つのスタイルを中心に、今後もメタゲームは動いていくことが予想される。
ただ、ロールごとに見るとそれなりに大きな変化もある。中でも一番影響が大きそうなのはバミ・シンダー系列のアイテムのバフだろう。
パッチ10.3ですでに強かったオーンが完全にOP化することは言うまでもないが、各チームのパワーバランスに影響を及ぼしそうなのは、セジュアニやザックといったタンクジャングラーがメタ上位に押しあがってきそうな点だ。
これらのチャンピオン、特にセジュアニは、ジャングラーのパフォーマンスを均一化させる傾向にある。そのためパッチ10.3はそれ以前と比べるとジャングラーの実力差が出るメタだったのに対し、パッチ10.4ではジャングラーの影響力そのものが減るわけではないが、実力差は出にくいメタになりそうだ。
もう1点気になるのは、アフェリオスのナーフの影響だ。
ここまで良くも悪くもメタの中心にいた彼がかなりマイルドに調整されたので、パッチ10.3までの、極端に言えば「アフェリオスとミス・フォーチュンだけプレイできればいい」というメタと比べると、ピックされるADCの種類も増えそうだ。
さらにオーンがバンされるようになれば、アフェリオスと相性が良くオーンに強いということでメタ上位にいたブラウムの価値も下落することが予想され、サポートも含めてボットレーンの顔触れはガラッと変わるかもしれない。
ベテランはこういった事態に対応しやすいだろうが、経験の浅いプレイヤーをボットレーンに抱えるチームにとっては、チャンピオンプールを広げることができるのか、という問題が発生しそうだ。
チームごとの前半戦総括と後半戦のキープレイヤー
ここからは、1位から順に前半戦の総括と、筆者の選ぶ後半戦のキープレイヤーについて書いていこうと思う。1位 Detnation Focus Me(8勝0敗)
前半戦総括どちらかというと前半戦に弱いイメージのあるDFMだったが、今シーズンはここまで無傷の8連勝。先に上げた攻撃的なスタイルを選択することが多いのにも関わらず、ここまでひとつも取りこぼしがないのは、チーム力の充実っぷりを感じざるをえない。相変わらずトップのEvi選手は圧倒的なパフォーマンスでダメージシェア31.3%と、今のメタでは異次元の数値をたたき出している。
いい勝負に持ち込まれることはあっても、Gaeng選手、Steal選手のエンゲージ判断が素晴らしく、集団戦もリーグ1の上手さと言っていいだろう。
ひとつやふたつ、弱点を挙げたいところだが、正直死角が見当たらず、後半戦も挑戦的なピックを出して失敗する、といったことがなければレギュラーシーズンはこのまま無敗で駆け抜けても不思議はない。
後半戦のキープレイヤー:ミッド Ceros選手
ここまでそういった役割を求められていないものの、平均DPMは全チームのミッドレーナー8人中7位と、無敗のチームのミッドレーナーとしては物足りないスタッツになっている。チームの星勘定には余裕がありそうなので、後半戦で彼がアジールなどでキャリーするような構成も見てみたい、といういちファンの感情から、彼をキープレイヤーに選んだ。
2位タイ Burning Core(4勝4敗)
前半戦総括シーズン前は下位評価するファンも多かったが、前半戦が終わって大接戦の5割ラインに留まっている。
特にトップのRayFarky選手の成長は目を見張るものがあり、レーン戦のスタッツや平均DPMはEvi選手に次ぐ2位を記録している。新加入のProud選手は集団戦のポジショニングが非常に巧みで、Once選手との連携も組んで間もないとは思えないほどの仕上がりだ。
チーム全体で見ても、自分たちがしっかりと準備できたときのファイトのパフォーマンスは、DFMにも勝るとも劣らないのがBCの魅力と言えるだろう。
一方で自分たちから有利を手放してしまうようなリスクの高いプレーも目立ち、ややサポートがローム傾向にあるとはいえ、Yuhi選手は15分段階でのCSが対面と比べて最も負けているプレイヤーになってしまっている。
後半戦のキープレイヤー:ADC Yuhi選手
いまやジャングルに次ぐ数の韓国人選手がひしめくADCというロールで、ここまで苦しいレーニングが続いているYuhi選手。しかし、レーン戦の苦しさのわりに平均DPMはポジション4位と、日本人選手の中ではトップの成績を残している。
前項で説明したように、パッチ10.4はADCのプールが広がりそうで乗り越えるべき障壁も多いが、彼のレーニングが強化されればBCの低いドラゴン獲得率も改善され、チームもよりアグレッシブなスタイルを選択できるようになるだろう。
2位タイ Crest Gaming Act(4勝4敗)
前半戦総括4-1と好調に序盤戦を進めていたものの、Week3と4で3連敗を喫し、5割の混戦ラインに落ちてきてしまったCGA。ただ、Week4は新人のYoshi選手にニダリーやキンドレッドといったキャリー系を使わせてみたり、ボットレーンにタリヤ&パンテオンを出してみたりと、後半戦、さらにはプレーオフを見据えた実験的ピックを試しただけにも見えた。
メンバーは入れ替わってもスタイルは前シーズンと概ね同じで、ミッドのAria選手とADCのGango選手にゴールドを集めてキャリーさせるというプランで勝ち星を稼いでいる。特にAria選手のキャリー力は抜群で、Grendel選手も堅実にサポートのロールをこなしている。ジャングルとADC(とレーンを変更したサポート)と、過半数のスターターが入れ替わったにもかかわらず、いい意味で新チーム感は全くない。
Yoshi選手はいろいろ試す期間というのもあるが、リー・シンでは勝率100%、その他が勝率20%と極端な結果になっており、プレーオフを見据えるならシーズンエンドまでに自信の持てるピックをあとひとつは用意しておきたいところだ。
後半戦のキープレイヤー:ミッド Aria選手
Nap選手、Yoshi選手と現状課題が残るプレイヤーはもちろんいるが、プレーオフ進出の順位をひとつでも上げていこうとするならば、彼のキャリー力に頼ることになるだろう。ゾーイやルブランといった影響力の高いチャンピオンをターゲットバンされる機会も増えそうなので、今後どんな手札を出してくるのか楽しみだ。
2位タイ SoftBank Hawks Gaming(4勝4敗)
前半戦総括新規参入チームとして2位は上出来と見るか、チームメンバーの名前を見て思ったよりも伸び悩んでいるとみるべきか。SHGも激戦の4勝ラインで戦っているチームのひとつだ。
トップへコンバートしたDasher選手はここまで8試合で8種類のチャンピオンをピックし、ソロキル3回とアグレッシブにプレイしているにも関わらず、被ファーストブラッド率0%と高いレベルで安定している。
ボットレーンも15分でのCS差は1位と、新人デュオとは思えない高スタッツを残してる。
勝ち試合と負け試合の印象がガラっと変わるチームで、悪い時はチーム全体で集団戦でのポジショニングやイニシエートでミスをするシーンが目立つ。コミュニケーションの問題なのか、メンタルの問題なのかは分からないが、これを直せばいい、というものではないので修正はひと苦労だろう。Awakerコーチの手腕が問われる後半戦になりそうだ。
後半戦のキープレイヤー:サポート Pooh選手
レーン戦でのパフォーマンスの良さとは裏腹に、キル関与率は58.8%とロール最下位になっている。彼の集団戦でのパフォーマンスが上がってくればチーム全体の課題解決にもつながるだろう。
すでに新人らしからぬ落ち着いた素晴らしいプレーを見せてくれているだけに、さらなる躍進を期待したい。
2位タイ Sengoku Gaming(4勝4敗)
前半戦総括プロシーンを長年見てきた筆者からすると、日本で見られるのが信じられないようなロースターを組んできたSGだったが、現状2位タイとはいえ苦戦を強いられている、といっていいだろう。
Week3まで使われたパッチ10.2では、ジャングルの影響力が非常に低く、チームのコミュニケーション問題も相まって2-4と沈んでいたが、パッチ10.3にパッチが変わったWeek4では、下位チーム相手とはいえ2連勝と調子を取り戻してきた感はある。
ミッドのPirean選手とジャングルのBlank選手のシナジーはさすがで、ミッドとジャングルの視界スコアの合計はDFMに次いで2位となっている。
中盤以降のゲームエンドに向けたイメージづくりで苦戦している印象で、フィジカル頼りになる場面が多い。プレイメーカーが多いチームなので、サポートのEnty選手はWeek4のようにモルガナやブラウムなど味方をフォローできるチャンピオンのピックを増やしたほうが取りこぼしが減るのではないだろうか。
後半戦のキープレイヤー:ジャングル Blank選手
ゲームエンドへ向けてのプラン建てや視界管理を行っていくうえで、ジャングルとサポートのふたりは重要な役割を担っている。チームの平均試合時間がリーグ平均より3分も長くなってしまっている現状を打破するために、彼自身のパフォーマンスというよりも、リーダーシップに期待をしたい。
6位タイ V3 esports(3勝5敗)
前半戦総括トップ・ミッド以外が総入れ替えになり、ここもほぼイチからのチームづくりになったV3。前半戦が終了したが、まだ自分たちの安定した勝ちパターンというものを探している最中のように見受けられる。
というのも、新加入のArchar選手、Raina選手のボットレーンは爆発すればリーグNo.1の破壊力といっても過言ではないが、いまのところパフォーマンスが安定せず、ソロレーナ―のPaz選手、Ace選手は両方ともレーンでビハインドを背負いがちと、安定して起点になれるプレイヤーを欠いているのだ。
となるとジャングルのBugi選手が苦しい展開を強いられるのは致し方なく、ドラゴン獲得率、ヘラルド獲得率ともにリーグ最下位のスタッツになってしまっている。
後半戦のキープレイヤー:トップ Paz選手
「LJL 2019 Summer Split」では立川の決勝の会場に立ったプレイヤーだが、今シーズンは精彩を欠いている。あらゆるスタッツがリーグ下位の水準で、15分段階のCS差では昨年の夏が+5.4だったのに対し、今年春はなんと-19と絶不調。レーン戦で不利なオーンのピックが多いとはいえ、さすがに物足りない数字だろう。
ムードメーカーでもある彼が不調から抜け出さないことには、V3のプレーオフ進出は危ういだろう。
6位タイ Rascal Jester(3勝5敗)
前半戦総括同じ順位のV3と似たような悩みを持つRascal Jester。ただし、キャリーのArt選手はダメージシェア33%ときっちり仕事をこなしていて、昨年通り安定したパフォーマンスを出せている点は好材料だ。Hachamecha選手はCGAのYoshi選手と並んでファーム量が少なく、その分チームに献身的なプレーをしている。
そんな中、ドラゴン・リフトヘラルド獲得率がともに5割を切ってしまっているのは、やはりソロレーンの問題。cogcog選手、ninja選手ともにビハインドを背負いがちだ。
相手チームもArt選手だけを狙えばいいという状況になってしまえば、集団戦をうまく運ぶのも難しい。安定して勝ち星を重ねていくには、やはりもう1本の軸がチームに必要だろう。
後半戦のキープレイヤー:ミッド ninja選手
ここまで8試合で8チャンピオンと、様々なチャンピオンを試しているが、個人的に一番印象に残ったのはV3戦で見せたリサンドラ。ゲーム中盤を支えつつ、終盤はArt選手のためのピールやイニシエート役を買って出られるという、チーム事情にマッチしたチャンピオンと言えるだろう。
先出ししやすいチャンピオンではないが、同様のユーティリティ性能に長けたチャンピオンで、文字通りチームの背骨的な活躍が望まれる。
8位 AXIZ(2勝6敗)
前半戦総括今年も苦しいスタートになってしまったAXIZだったが、Week3、4で1勝ずつを獲得。上位チームが4勝で横並ぶ展開になっていることもあって、プレーオフ進出の目も見えてきた。
昨年からゲーム序盤のオブジェクト管理やローテーションは非常にうまく、最下位ながらファーストタワー獲得率は63%と非常に優秀だ。
トップレーンのuinyan選手にガングプランクをはじめとしたキャリー系を持たせ、ミッドのGariaru選手にユーティリティを、ジャングルのHoglet選手とサポートのCorporal選手が連動してゲームに関与していく、という自分たちのパターンがしっかり出来上がっている。
トップが崩れると、ADCのHide選手は平均DPMリーグ最下位と、いまのところ良いパフォーマンスとは言えないのでキャリーが不足してしまう。最低でもトップはイーブンレーンにするために、ジャングルのHoglet選手に有利なマッチアップを渡すなど、ドラフト面での工夫も必要になってくるだろう。
後半戦のキープレイヤー:ADC Hide選手
サポートのCorpral選手がジャングルと連動して動くのを得意としているプレイヤーなので、ひとりでファームする時間が多くなりがちなHide選手。その点で言うと、Week4でみせたザヤというピックは非常にチーム事情にマッチしていた。
他にもエズリアルのような自衛能力の高いチャンピオンがプールに加われば、AXIZはさらにプランを立てやすくなるだろう。
おわりに
いかがだっただろうか。今季から「LJL」はダブルラウンドロビンに形式が変わり、試合数が昨年の3分の2に減ってしまった。そのぶん1勝あたりの価値は上がったので、後半戦は「自分たちが有利な試合を取りこぼさずにとっていけるか」という点が重要になってくるだろう。
各チームとも、当然のことながら自分たちの土俵に相手を引きずり込もうとするはずだが、総当たりが一周してお互いに手の内を知ったわけで、Week5から本格的に始まる総当たり2周目では、Week4でCGAが見せたようなドラフト面での仕掛けや奇策が飛び出す可能性も高くなるだろう。
残念ながら新型コロナウイルスの影響により、試合後のファンミーティングは休止となり、さらにWeek5以降は無観客試合にもなってしまった。しかし、Twitchの視聴者数は毎回2万人を超えるほどに配信視聴者数は安定しており、
熾烈な順位争い、隠し玉ピック、そしてプレーオフへの布石。リーグ後半戦、1試合も見逃せない熱い戦いを期待している。
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