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eスポーツの“無観客試合”ってどう? 「LJL 2020 Spring Split」Week5を見てみた
新型コロナウイルスの影響により、ついに「LJL 2020 Spring Split」も3月1日(日)開催のWeek5から無観客試合となってしまった。
すでに他のイベントでも開催中止・延期が相次いでいる。フィジカルスポーツでは、サッカーやプロ野球のオープン戦などが無観客試合で行われた。eスポーツ関連イベントでも、この週末に開催された『鉄拳7』の日韓交流戦、『モンストプロツアー』の決勝戦などが、無観客試合として開催されている。
では、実際のところ無観客試合の現場はどんな様子なのか。別の取材のために今回Week5の会場にお邪魔した編集部の感想をお伝えしたい。
当たり前だが、ファンの声援もないなかで選手の声だけが響く。観客がいないためか、実況解説の声も観客席側では聞き取りにくい。きっとスピーカーの出力も抑えていたのだろう。
しかし、たとえ観客がいなくとも、試合の運営や撮影スタッフたちの仕事ぶりはまったく変わらず。「LJL」が日本最大のeスポーツイベントとして成立しているのも彼らがいてこそ。黒子であるがゆえに無観客試合では逆に目立つ彼らの動きにも、あらためて尊敬の念を抱く。
あえて無観客試合の「良さ」(では決してないのだが)を挙げるとしたら、選手たちのコミュニケーションの声が通常よりもはっきりと聞き取ることができたこと。誰がどんなふうにコミュニケーションを取っているのか、試合をリードするコールは誰が発するのかといったことは、普段の試合よりも明確にわかった。その意味では、ファンにとってはこれはこれで、試合会場ならではの臨場感とチームワークを感じられる貴重な体験だと思う。
試合後の握手も接触を避ける意味で中止され、勝利チームはそのままステージに立ち、カメラの前でPCやスマホを通して彼らを応援しているファンたちに感謝を伝える。テレビ番組などでは「カメラの向こうの誰か」に向けて会話や演技をするのは当たり前なのだろうが、選手たちが喜びを分かち合いたいのは目の前に来てくれたファンたち。やはりどこか寂しそうに見えた。
ちなみに、試合の途中には、解説陣や選手たちが会場に顔を見せることもあった。ホールの側から「LJL」を生で見られる機会はあまりなかったであろう。彼らにとっても新鮮な体験だったのかもしれない。
たとえばサッカーなどのスポーツでは、チケット販売が興行の大きな収益を占めている。テレビやラジオの中継もあるとはいえ、直接的な利益はやはりチケット料金だ。
しかし、eスポーツでは、「同時視聴者数」や「アーカイブ視聴者数」がテレビで言う視聴率かそれ以上の価値を持っており、会場に行けなかったとしても、配信を見て広告を再生することが、そのままリアルな数字として「LJL」の収益の一部にもなる。
今回のWeek5の配信も、Twitchを見る限りでは常時2万人ほどが視聴していた。これはWeek4までの観客を動員していた時と遜色ないか、タイミングによってはむしろ多かったほど。それも最後のゲーム8までほぼ2万人を割ることはなかった。
また、たとえ会場で実施することさえできなかったとしても、『レインボーシックス シージ』の予選のように、競技によってはオンライン対戦で大会を行うこともできる。無観客試合になること自体は残念だが、こういった状況でもeスポーツならば実施自体は可能だ。
ただし、ホールを運営するよしもと側は別だ。リアルなチケット代が収益となっている以上、痛手は大きい。しかも、「LJL」以外の興行まで中止に追い込まれてしまっている。エンターテインメントを生業とする企業にとっては本当に厳しい状況になっている。
弊社主催公演、イベントの中止又は延期につきまして|吉本興業ホールディング株式会社
https://www.yoshimoto.co.jp/
そしてこの苦境の状況でファンにできることといえば、会場に行けなくても最大限に『LoL』を、そして「LJL」を楽しむことだと思う。配信を見るでもいいし、ゲームを遊ぶでもいい。「LJL」公式グッズやチームグッズを購入するというのも、応援の手段のひとつだ。
いまのままでいくと、プレーオフ、そして4月25日〜26日に大阪で開催される予定の「LJL 2020 Spring Split FINALS」も無観客試合になる可能性はある。すでに世界中に蔓延する大災害になりつつあるなかで不謹慎なことは言えないが、一刻も早く、再びファンが集まれるようになってほしいと願わずにはいられない。
すでに他のイベントでも開催中止・延期が相次いでいる。フィジカルスポーツでは、サッカーやプロ野球のオープン戦などが無観客試合で行われた。eスポーツ関連イベントでも、この週末に開催された『鉄拳7』の日韓交流戦、『モンストプロツアー』の決勝戦などが、無観客試合として開催されている。
では、実際のところ無観客試合の現場はどんな様子なのか。別の取材のために今回Week5の会場にお邪魔した編集部の感想をお伝えしたい。
スタッフと選手しかいないヨシモト♾ホール
いつもは観客で埋め尽くされているヨシモト♾ホールは、生放送のためのカメラスタッフと運営スタッフを除き、がらんと静まり返っていた。当たり前だが、ファンの声援もないなかで選手の声だけが響く。観客がいないためか、実況解説の声も観客席側では聞き取りにくい。きっとスピーカーの出力も抑えていたのだろう。
しかし、たとえ観客がいなくとも、試合の運営や撮影スタッフたちの仕事ぶりはまったく変わらず。「LJL」が日本最大のeスポーツイベントとして成立しているのも彼らがいてこそ。黒子であるがゆえに無観客試合では逆に目立つ彼らの動きにも、あらためて尊敬の念を抱く。
あえて無観客試合の「良さ」(では決してないのだが)を挙げるとしたら、選手たちのコミュニケーションの声が通常よりもはっきりと聞き取ることができたこと。誰がどんなふうにコミュニケーションを取っているのか、試合をリードするコールは誰が発するのかといったことは、普段の試合よりも明確にわかった。その意味では、ファンにとってはこれはこれで、試合会場ならではの臨場感とチームワークを感じられる貴重な体験だと思う。
試合後の握手も接触を避ける意味で中止され、勝利チームはそのままステージに立ち、カメラの前でPCやスマホを通して彼らを応援しているファンたちに感謝を伝える。テレビ番組などでは「カメラの向こうの誰か」に向けて会話や演技をするのは当たり前なのだろうが、選手たちが喜びを分かち合いたいのは目の前に来てくれたファンたち。やはりどこか寂しそうに見えた。
ちなみに、試合の途中には、解説陣や選手たちが会場に顔を見せることもあった。ホールの側から「LJL」を生で見られる機会はあまりなかったであろう。彼らにとっても新鮮な体験だったのかもしれない。
オンラインで戦えるeスポーツのメリット
会場で見る無観客試合の寂しさの一方で、eスポーツだからこそ、この無観客試合がしっかり成立するという利点もある。たとえばサッカーなどのスポーツでは、チケット販売が興行の大きな収益を占めている。テレビやラジオの中継もあるとはいえ、直接的な利益はやはりチケット料金だ。
しかし、eスポーツでは、「同時視聴者数」や「アーカイブ視聴者数」がテレビで言う視聴率かそれ以上の価値を持っており、会場に行けなかったとしても、配信を見て広告を再生することが、そのままリアルな数字として「LJL」の収益の一部にもなる。
今回のWeek5の配信も、Twitchを見る限りでは常時2万人ほどが視聴していた。これはWeek4までの観客を動員していた時と遜色ないか、タイミングによってはむしろ多かったほど。それも最後のゲーム8までほぼ2万人を割ることはなかった。
また、たとえ会場で実施することさえできなかったとしても、『レインボーシックス シージ』の予選のように、競技によってはオンライン対戦で大会を行うこともできる。無観客試合になること自体は残念だが、こういった状況でもeスポーツならば実施自体は可能だ。
ただし、ホールを運営するよしもと側は別だ。リアルなチケット代が収益となっている以上、痛手は大きい。しかも、「LJL」以外の興行まで中止に追い込まれてしまっている。エンターテインメントを生業とする企業にとっては本当に厳しい状況になっている。
弊社主催公演、イベントの中止又は延期につきまして|吉本興業ホールディング株式会社
https://www.yoshimoto.co.jp/
1日も早く会場で熱い戦いを!
海外のリーグでも、開催延期および無観客試合によって、この春シーズンが進行している。ただ、無観客試合はリーグを円滑に進めるために行うものだが、それ以上に価値あるものにはなりえない。ファンがいて、選手がいて、多くのスタッフたちに支えられてこその「LJL」だ。そしてこの苦境の状況でファンにできることといえば、会場に行けなくても最大限に『LoL』を、そして「LJL」を楽しむことだと思う。配信を見るでもいいし、ゲームを遊ぶでもいい。「LJL」公式グッズやチームグッズを購入するというのも、応援の手段のひとつだ。
いまのままでいくと、プレーオフ、そして4月25日〜26日に大阪で開催される予定の「LJL 2020 Spring Split FINALS」も無観客試合になる可能性はある。すでに世界中に蔓延する大災害になりつつあるなかで不謹慎なことは言えないが、一刻も早く、再びファンが集まれるようになってほしいと願わずにはいられない。