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『三國志14』シリーズ35年目、守りに入らない積極性が生み出した“駆け引き”要素が楽しい男前な最新作【オススメPCゲームレビュー】
時は令和。ここ数年で急速に広まりつつある技術が“AI(artificial intelligence=人工知能)”である。世の多くが何の略かもわからずに使っている用語ではあるが、とりあえず「エーアイエーアイ」と言っておけばどんな人にも一定の圧を与えられてしまう、魔法の言葉でもある。ゲームの世界では、いまから30年前に発売されたRPGで主人公以外の仲間たちが自動で戦う“AI戦闘”のシステムを導入した『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』によって、“AI”の名前はかなり早くから知られていた。
そして令和2年1月16日、AIが主役となってユーザーたちを唸らせるゲームが発売される。それが、コーエーテクモゲームスが誇る歴史シミュレーションのシリーズ最新作『三國志14』だ。本記事では、発売から約2カ月経ったいま、改めて本作の魅力を確認していく。
第1作『三國志』は、1985年12月10日、光栄(当時)がPC-8801mk2SRやPC-9801向けに発売を開始した。世界一有名な中国の古典である『三国志演義』をモチーフにした領国経営型のシミュレーションゲームで、優秀な人材を起用し、内政で国力を高め、高めた兵力で戦争をし、領土を広げていき中国全土の統一を目指すという基本システムはその後も脈々と受け継がれていくことになる。なお、ゲームとしての正式名称は『三國志』であり、『三国志』ではないので注意。
その後ファミコンを始めとした家庭用ゲーム機にも移植されたことで人気が爆発し、「信長の野望」シリーズとともに光栄大躍進の立役者となるのだが、それはまた別のお話。
ともかく、それ以来35年もの歴史を誇るご長寿人気シリーズなのである。
シリーズの特徴としては、新しいナンバリング作品が出るごとにシステムを新しくしてくることが挙げられる。君主ではない武将を選んで、配下もしくは在野プレイができるようになった作品もあるし、箱庭ゲームのような内政システムが採用された作品もある。毎回プロデューサーを変えながら、攻撃力に全振りして攻めてくるのは他の長寿シリーズにはなかなかない姿勢である。もっとも、正直なところ、全部が成功したとは言えないのだが……。
1."最小争奪単位・土地"と"補給線"の導入
2.こちらの隙を突いてくる、接待という言葉を知らない敵AI
3.人材は"質より量"
まずは土地の概念の導入について。
従来のシリーズ作品では、基本的にマップ上にある国や都市を奪い合うことで領土を広げていくシステムだったのだが、『三國志14』ではさらに小さい単位である土地も争奪の対象となっている。土地は、基本的には自軍の部隊を通過させれば自分のものにでき、さらに土地の中心である府を占領し、自軍の本拠地となる都市と繋げることで収入源として機能する。
土地は領有している勢力のカラーで塗り分けられるので、プレイを進めていくと領土が広がっていくさまがありありと実感できるのも楽しいところだ。
また、自軍の領土となった土地は補給線としての役割を持つことになる。これを分断されると、部隊の士気が大幅に下がって弱体化してしまったり、率いる武将によっては混乱状態に陥ってまったく役に立たなくなってしまうことさえある、新システムにして超重要な要素となっているのだ。
これまでのように何も考えずにただ敵拠点に向かって突進していると、回り込んだ敵軍に補給線をプッツリやられて「ぷぎゃぁぁぁぁぁっ!」とモニターに向かってザコのような断末魔を上げさせられるハメに……。そのため、侵略は基本的にはじわじわと領土を広げて戦線を押し上げながら行わなければならないのである。
一方、それは敵も同じことで、広大な領土を誇る相手でも、うまいこと部隊を回り込ませて拠点を分断してやれば、意外なほどアッサリ弱体化したりする。
また、呂布のような猪武者は囮(オトリ)をチラつかせると食いついてくるので、単独で飛び出してきたところを補給線を断ちつつ囲んでやれば、ある程度の能力差・兵力差があっても倒せるようになっている。これまでになかった、そういった駆け引きの要素は『三國志14』の大きな魅力のひとつと言えよう。
さらに、敵の進軍を妨げる“施設”を築いたり、計略や外交(同盟や降伏勧告)を使って揺さぶりを掛けるなど、慣れてくるとさまざまな作戦が使いこなせるようになってきて、しかもそのひとつひとつが効果的なのでじつに楽しい。同じパターンの城攻めに飽きてきたら、違う方法を試してみたりするとより長く楽しめるはずだ。
将棋や囲碁、トランプなどの古典的ゲームだけでなく、対戦格闘ゲームやシューティング、RTSに至るまで、多くのゲームには「これさえやっておけばいい」、「勝ちパターン」といった定跡(定石)的な要素がある。『三國志』シリーズにも当然あって、それを発見することはゲーム攻略の醍醐味でもあるからそれ自体は問題ないのだが、一方で「どの勢力をプレイしても同じような展開になってしまう」というジレンマを抱えることにもなっていた。
『三國志14』は、そんな長年の問題にひとつの答えを出す。それが、AIによるアルゴリズム開発の補強である。各君主に複数パターンの“行動傾向”を与えたうえで、ユーザーのプレイ内容に応じて“思考して”さまざまな行動を起こせるようにした。
たとえば、どこかの勢力を攻めるために領土全体から兵士を連れていってしまうと、守りが薄くなった拠点をすかさず他の勢力が狙うようになってきたり、これまでプレイヤーの専売特許だった多面作戦(同時に複数の拠点を狙うなどする)を敵が行ってきたりするようになったのだ。
ゲームを買ったばかりでシステムに慣れていないうちは、けっこうこれにやられてしまって無念のやり直しを迫られることになる。『三國志14』は、優しく、易しいゲームが主流になった昨今において、なかなかに厳しい作品かもしれない。
だが、慣れてくると敵の仕掛けにも対応できるようになり、最初は「なんだこの無理ゲー!」と悪態をついていた波状攻撃も難なくかわし、狙い澄まして反撃することだって可能になる。そうなると、今度はその難しさが快感に変わるのだ。
現在はユーザーによってAIの行動がかなり解析され、攻略法もだいぶ確立しているようだが、今後アップデートによってAIにさらなる対抗策を施してくる可能性も高い。それに対してわれわれはどう挑んでいくのか……、そんな楽しみもある。
筆者を含め、シリーズ作品をプレイしてきた古参という名の老害ユーザーたちは「人数ばかり増えても所詮はカス武将。使わねーし!」とせせら笑っていたものだが、『三國志14』においては武将はいくらいても足りないくらい、重要な存在なのである。
土地については先述した通りだが、土地を占領させるには直接部隊を送ったり、周辺の土地をまとめる府に担当官を派遣する必要があり、そのための武将が必要となる。とくに担当官は、いるといないとで収入に大きく差が出てしまうので、領地運営には欠かせない。
加えて、軍事要員、輸送要員、人材探索や計略、外交要員など何をするにも人材がいる。とくに戦闘は相手の補給線を狙わせたり、オトリ作戦や波状攻撃を仕掛けるなど、何か作戦を実行しようと考えたらそれだけの人数が必要となる。武将1000人と言っても、それは100年以上プレイしての合計人数である。同じ時期に同時に登場するのはその半分もいないので、実際はつねに人員不足にあえぐことになるのだ。
さらに、各武将には“個性”や“戦法”といった固有能力が与えられている。中には、内政時の効果を大きく上げるものや、輸送時の移動速度が落ちないといった、特殊な能力もあったり、城攻めには欠かせない攻城兵器を扱えるようになるものも。武力や知力といった能力が低くても、その固有能力によってほかの誰よりも役立つようになる武将も多く、そのことも各武将の価値を上げている。
『三國志』シリーズでは有数の低パラメーターを誇り、しかも裏切りやすいという救いようのない個性を持つ曹豹でさえも、いると何かの役に立ってくれるのだ。劉備の徐州時代、張飛とケンカをして呂布に寝返ったことで1800年後に伝説のカス武将として悪名を轟かせることになってしまった曹豹さんだが、『三國志14』ではついに誰からも必要とされる存在になったのだ……!
役に立たない人材などない。「能力の低い社員なんていらねーんだよ」とのたまうパワハラ上司には、ぜひ『三國志14』をプレイしてもらって大いに反省してほしいものである。
ここまでいいところばかりズラズラと並べてきたが、改善してほしい箇所も大いにある。そもそも「三國志」シリーズは毎回システムを大幅に変えてくるため、ゲームバランスについても毎回かなりの部分リセットされているのだ。今回も、発売後のアップデートで褒賞や一騎討ちシステムの改善が行われてきたが、まだ攻城戦がワンパターンになりやすいなどの問題点が挙がっており、2020年3月9日現在で今後の改善が待たれている。
また、武将の検索や閲覧がしづらいなど、UI(ユーザーインターフェース)の使いづらさも指摘されており、『三国志』マニア、武将マニアにとってはストレスが溜まる要因にもなっている。そのあたりも解決が待たれるところだ。
ただ、全体的にはシリーズ14作目にして戦術的な新境地を切り拓いていたり、駆け引きを楽しめるAIを用意していたりと高評価をつけられる作品となっている。腕に覚えのあるシミュレーション好きなプレイヤーには、ぜひ挑戦してみてほしい。
Illustrated by Keiji Hida
© KOEI TECMO GAMES CO., LTD. All rights reserved.
『三國志14』公式サイト
https://www.gamecity.ne.jp/sangokushi14/
『三國志14』 Steamストアページ
https://store.steampowered.com/app/872410/14/
コーエーテクモゲームス「GAME CITY」
https://www.gamecity.ne.jp/
そして令和2年1月16日、AIが主役となってユーザーたちを唸らせるゲームが発売される。それが、コーエーテクモゲームスが誇る歴史シミュレーションのシリーズ最新作『三國志14』だ。本記事では、発売から約2カ月経ったいま、改めて本作の魅力を確認していく。
▲迫力満点のリアルな顔CGは本作でも健在。オッサンたちの魅力に溺れてほしい
攻撃力全振りで攻めてくる男前なシリーズ
まずは『三國志』シリーズについて、少しおさらいしよう。第1作『三國志』は、1985年12月10日、光栄(当時)がPC-8801mk2SRやPC-9801向けに発売を開始した。世界一有名な中国の古典である『三国志演義』をモチーフにした領国経営型のシミュレーションゲームで、優秀な人材を起用し、内政で国力を高め、高めた兵力で戦争をし、領土を広げていき中国全土の統一を目指すという基本システムはその後も脈々と受け継がれていくことになる。なお、ゲームとしての正式名称は『三國志』であり、『三国志』ではないので注意。
▲初代『三國志』(復刻版)
その後ファミコンを始めとした家庭用ゲーム機にも移植されたことで人気が爆発し、「信長の野望」シリーズとともに光栄大躍進の立役者となるのだが、それはまた別のお話。
ともかく、それ以来35年もの歴史を誇るご長寿人気シリーズなのである。
シリーズの特徴としては、新しいナンバリング作品が出るごとにシステムを新しくしてくることが挙げられる。君主ではない武将を選んで、配下もしくは在野プレイができるようになった作品もあるし、箱庭ゲームのような内政システムが採用された作品もある。毎回プロデューサーを変えながら、攻撃力に全振りして攻めてくるのは他の長寿シリーズにはなかなかない姿勢である。もっとも、正直なところ、全部が成功したとは言えないのだが……。
戦術の定跡を大きく変えた“土地”概念の導入
そして前作『三國志13』から4年の時を経て、満を持して登場した『三國志14』もまた、かなり尖った新システムを持ってきたのである。1."最小争奪単位・土地"と"補給線"の導入
2.こちらの隙を突いてくる、接待という言葉を知らない敵AI
3.人材は"質より量"
まずは土地の概念の導入について。
従来のシリーズ作品では、基本的にマップ上にある国や都市を奪い合うことで領土を広げていくシステムだったのだが、『三國志14』ではさらに小さい単位である土地も争奪の対象となっている。土地は、基本的には自軍の部隊を通過させれば自分のものにでき、さらに土地の中心である府を占領し、自軍の本拠地となる都市と繋げることで収入源として機能する。
▲部隊が進んだコースがそのまま自分の領地となる
土地は領有している勢力のカラーで塗り分けられるので、プレイを進めていくと領土が広がっていくさまがありありと実感できるのも楽しいところだ。
また、自軍の領土となった土地は補給線としての役割を持つことになる。これを分断されると、部隊の士気が大幅に下がって弱体化してしまったり、率いる武将によっては混乱状態に陥ってまったく役に立たなくなってしまうことさえある、新システムにして超重要な要素となっているのだ。
これまでのように何も考えずにただ敵拠点に向かって突進していると、回り込んだ敵軍に補給線をプッツリやられて「ぷぎゃぁぁぁぁぁっ!」とモニターに向かってザコのような断末魔を上げさせられるハメに……。そのため、侵略は基本的にはじわじわと領土を広げて戦線を押し上げながら行わなければならないのである。
一方、それは敵も同じことで、広大な領土を誇る相手でも、うまいこと部隊を回り込ませて拠点を分断してやれば、意外なほどアッサリ弱体化したりする。
また、呂布のような猪武者は囮(オトリ)をチラつかせると食いついてくるので、単独で飛び出してきたところを補給線を断ちつつ囲んでやれば、ある程度の能力差・兵力差があっても倒せるようになっている。これまでになかった、そういった駆け引きの要素は『三國志14』の大きな魅力のひとつと言えよう。
さらに、敵の進軍を妨げる“施設”を築いたり、計略や外交(同盟や降伏勧告)を使って揺さぶりを掛けるなど、慣れてくるとさまざまな作戦が使いこなせるようになってきて、しかもそのひとつひとつが効果的なのでじつに楽しい。同じパターンの城攻めに飽きてきたら、違う方法を試してみたりするとより長く楽しめるはずだ。
駆け引きを楽しませてくれるAI
システムの変更が果たした役割は見逃せないのだが、『三國志14』がそれまでのシリーズ作品と決定的に違うのはAIの力によるところが大きい。平たく言うと「序盤が作業プレイにならなくなった」のだ。▲難易度選択で“上級”を選ぶと、敵が積極的に攻めてくるようになる。シリーズに慣れている人でも、最初は初級か中級を選ぶことをオススメする
将棋や囲碁、トランプなどの古典的ゲームだけでなく、対戦格闘ゲームやシューティング、RTSに至るまで、多くのゲームには「これさえやっておけばいい」、「勝ちパターン」といった定跡(定石)的な要素がある。『三國志』シリーズにも当然あって、それを発見することはゲーム攻略の醍醐味でもあるからそれ自体は問題ないのだが、一方で「どの勢力をプレイしても同じような展開になってしまう」というジレンマを抱えることにもなっていた。
『三國志14』は、そんな長年の問題にひとつの答えを出す。それが、AIによるアルゴリズム開発の補強である。各君主に複数パターンの“行動傾向”を与えたうえで、ユーザーのプレイ内容に応じて“思考して”さまざまな行動を起こせるようにした。
▲隙あらば攻めてくる、油断のならない曹操のような君主もいれば、基本的にはおとなしい劉表のような安全パイもいる
たとえば、どこかの勢力を攻めるために領土全体から兵士を連れていってしまうと、守りが薄くなった拠点をすかさず他の勢力が狙うようになってきたり、これまでプレイヤーの専売特許だった多面作戦(同時に複数の拠点を狙うなどする)を敵が行ってきたりするようになったのだ。
ゲームを買ったばかりでシステムに慣れていないうちは、けっこうこれにやられてしまって無念のやり直しを迫られることになる。『三國志14』は、優しく、易しいゲームが主流になった昨今において、なかなかに厳しい作品かもしれない。
だが、慣れてくると敵の仕掛けにも対応できるようになり、最初は「なんだこの無理ゲー!」と悪態をついていた波状攻撃も難なくかわし、狙い澄まして反撃することだって可能になる。そうなると、今度はその難しさが快感に変わるのだ。
現在はユーザーによってAIの行動がかなり解析され、攻略法もだいぶ確立しているようだが、今後アップデートによってAIにさらなる対抗策を施してくる可能性も高い。それに対してわれわれはどう挑んでいくのか……、そんな楽しみもある。
あの曹豹さんもなくてはならない人材に!?
『三國志14』には、シリーズ最多となる約1000人もの武将が収録されている。筆者を含め、シリーズ作品をプレイしてきた古参という名の老害ユーザーたちは「人数ばかり増えても所詮はカス武将。使わねーし!」とせせら笑っていたものだが、『三國志14』においては武将はいくらいても足りないくらい、重要な存在なのである。
土地については先述した通りだが、土地を占領させるには直接部隊を送ったり、周辺の土地をまとめる府に担当官を派遣する必要があり、そのための武将が必要となる。とくに担当官は、いるといないとで収入に大きく差が出てしまうので、領地運営には欠かせない。
▲ひとつの都市につき担当官を任命できる府は平均7つくらい存在する。つまり、戦闘要員も含めて1都市を占領するごとに10人以上の武将が必要になる計算に
加えて、軍事要員、輸送要員、人材探索や計略、外交要員など何をするにも人材がいる。とくに戦闘は相手の補給線を狙わせたり、オトリ作戦や波状攻撃を仕掛けるなど、何か作戦を実行しようと考えたらそれだけの人数が必要となる。武将1000人と言っても、それは100年以上プレイしての合計人数である。同じ時期に同時に登場するのはその半分もいないので、実際はつねに人員不足にあえぐことになるのだ。
さらに、各武将には“個性”や“戦法”といった固有能力が与えられている。中には、内政時の効果を大きく上げるものや、輸送時の移動速度が落ちないといった、特殊な能力もあったり、城攻めには欠かせない攻城兵器を扱えるようになるものも。武力や知力といった能力が低くても、その固有能力によってほかの誰よりも役立つようになる武将も多く、そのことも各武将の価値を上げている。
『三國志』シリーズでは有数の低パラメーターを誇り、しかも裏切りやすいという救いようのない個性を持つ曹豹でさえも、いると何かの役に立ってくれるのだ。劉備の徐州時代、張飛とケンカをして呂布に寝返ったことで1800年後に伝説のカス武将として悪名を轟かせることになってしまった曹豹さんだが、『三國志14』ではついに誰からも必要とされる存在になったのだ……!
▲相変わらず能力値は悲しい(それでも従来よりはだいぶ高まっている)が、どんな武将でも働く場がある本作ならきっと輝けるはず!
役に立たない人材などない。「能力の低い社員なんていらねーんだよ」とのたまうパワハラ上司には、ぜひ『三國志14』をプレイしてもらって大いに反省してほしいものである。
ここまでいいところばかりズラズラと並べてきたが、改善してほしい箇所も大いにある。そもそも「三國志」シリーズは毎回システムを大幅に変えてくるため、ゲームバランスについても毎回かなりの部分リセットされているのだ。今回も、発売後のアップデートで褒賞や一騎討ちシステムの改善が行われてきたが、まだ攻城戦がワンパターンになりやすいなどの問題点が挙がっており、2020年3月9日現在で今後の改善が待たれている。
また、武将の検索や閲覧がしづらいなど、UI(ユーザーインターフェース)の使いづらさも指摘されており、『三国志』マニア、武将マニアにとってはストレスが溜まる要因にもなっている。そのあたりも解決が待たれるところだ。
ただ、全体的にはシリーズ14作目にして戦術的な新境地を切り拓いていたり、駆け引きを楽しめるAIを用意していたりと高評価をつけられる作品となっている。腕に覚えのあるシミュレーション好きなプレイヤーには、ぜひ挑戦してみてほしい。
▲『銀河英雄伝説』シリーズや『ライザのアトリエ』とのコラボなど、ユニークなDLCも登場。そんな、リアルっぽさにとらわれない遊び心も評価したい
Illustrated by Keiji Hida
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