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【VALORANT】賞金総額300万円!SCARZが初代チャンピオンの座に輝いた「EDION VALORANT CUP」現地観戦レポート
目次
10月2日から10月4日まで、RIZeSTとEDIONが共同で手掛けた招待制の『VALORANT』トーナメント「EDION VALORANT CUP」が開催された。当日は「Absolute JUPITER」や「DetonatioN Gaming」といった国内のFPS猛者が計6チーム集結。優勝賞金50万円(賞金総額300万円)とチャンピオンの座を巡り、3日間にわたる激闘を繰り広げた。
本稿では準々決勝(1日目)にはじまり、準決勝(2日目)、そして決勝戦(3日目)にフォーカスした観戦レポートをお届けする。リアルタイムで配信を視聴していた方やそうでない方もご覧いただけると幸いだ。
DetonatioN Gaming
Absolute JUPITER
Lag Gaming
REJECT
SCARZ
本大会の幕開けを担ったのは「REJECT」(以下、RC)と「BlackBird Ignis」(以下、BBI)。1stマップ「BIND」にて、両チームは早くもシーソーゲームの様相を見せた。攻撃側のRCがラウンドを連取すると、BBIも3ラウンドを取り返し、負けじとカウンターをお見舞い。20ラウンドを越えた戦いの末、BINDをBBIが制した。
続けて選ばれた2ndマップ「ASCENT」の第1ラウンドでは、前半戦で主導権を握ったBBIのファインプレーが飛び出る。一方のRCもマップを取り返したいところだったが、最後(第21ラウンド)はRiPablo選手がRC陣営をダブルキルで壊滅に追い込み、仕掛けられたスパイクも危うげなく解除。1stマップと2ndマップを勝ち取り、BBIが2-0でRCを下した。
ASCENTにて繰り広げられた第1ラウンド終盤、スパイクを解除するために拠点内へRCの選手が接近。4-1と圧倒的に不利な状況下だが、oitaN選手の操る「キルジョイ」はあらかじめ”ナノスワーム”を仕掛けていた。スパイク解除の無防備な瞬間を狙い、すかさずナノスワームを起動したoitaN選手。RCの選手を1人、また1人と落としていき、スパイクを絶対に解除させまいと巧みに時間を稼いだ。
■最終結果
準々決勝第2試合は「SCARZ」(以下、SG)と「Lag Gaming」(以下、LG)のマッチアップ。攻撃をSG、防衛はLGが行い、1stマップ「HAVEN」にて開戦の火蓋を落とした。こちらも第1試合に負けるとも劣らない激しい立ち上がりで、始動からSGが4ラウンドを取得し、その勢いを周囲に焼き付ける。HAVENでの争いは第24ラウンドまでもつれ込んだ結果、個々を生かした戦術で突破口を開いたSGの勝利で終わる。
そして2ndマップ「SPLIT」に入ってもなお、SGのターンは終わらなかった。1stマップと同様、幕開けから3ラウンド獲得。LGも第4ラウンドを皮切りに中盤で巻き返しを図るも、再度SGが第7ラウンドからマッチポイントまで一気にラウンドを奪取。marin選手のラストキルが決定打となり、SGの準決勝進出を確定させた。
HAVENの第21ラウンド。C拠点へ攻め込んできたRC陣営を警戒していたNpoint選手は、相手チームの襲撃に備える形でキルに移行。sakurai選手→Flax選手→KuuKai選手→2zzy選手の順番で1人ずつ刈り取っていき、自チームのアドバンテージに大きく貢献した。
■最終結果
準々決勝を勝ち抜けたBBIの前に立ちはだかったのは、本大会のシード枠に君臨する「DetonatioN Gaming」(以下、DNG)。ここを抜ければ決勝戦と意気込むBBIに対し、DNGは徹底的に統率の取れたプレイングで勝ち筋の構築に乗り出した。
1stマップを3-13と大差をつけて手中に収めた後は、リテイク(裏取り)の目立つBBIに翻弄されながらも、第19ラウンドにて先に王手をかける。第20ラウンドから再起を図りたいBBIだったが、第21ラウンドにて戦いは決着。単身残ったoitaN選手をmittiii選手が撃ち抜き、シード枠から決勝戦へ歩みを進めた。
SPLITの第15ラウンド。開幕から拠点へ詰め寄るBBIの面々に、ショットガンを構えたmittiii選手が襲いかかる。至近距離から弾丸を撃ち出し、あっという間にトリプルキル。相手に息つく暇も与えないままダブルキルを叩き出し、エース達成で会場を驚嘆の渦に巻き込んだ。
■最終結果
決勝進出チームが明らかとなる準決勝第2試合。ここではシード枠として「Absolute JUPITER」(以下、JUP)が参戦を果たし、SGと相まみえることになった。両チームの試合に際して集計された下馬評(アンケート)では、「JUPが勝利する」方へ92%もの票が集まった一方、SG側の得票数はわずか8%。いわば大多数の視聴者がJUPの勝利を予想してわけだが、1stマップをSGが勝ち得たことで波乱の展開を呼ぶことに。2ndマップにおいても主導権を保ち続け、先手必勝と言わんばかりに5ラウンドを連取。途中で反撃にあうも、第17ラウンドにて早くもJUPを追い詰めた。
しかしJUPもただでは終わらない。「RAGE VALORANT JAPAN TOURNAMENT」での優勝をはじめ、『VALORANT』の競技シーンにおいて存在感を放つ実力を示さんと、背水の陣さながらに追随を開始。王手をかけられた第12ラウンドから5ラウンド返し、驚異的な粘りを見せつける。ところが先に聖杯を手にしたのはSG。第23ラウンドにてmarin選手のダブルキルでJUPを沈黙させ、絶対王者の猛攻を跳ね除けることに成功。見事に決勝戦への切符を手に入れた。
ASCENTの第17ラウンド。スパイクを拠点へ設置するも、JUPに戦力を削られて劣勢に追い込まれる。そんな戦況をひっくり返したのはSak選手。拠点内を孤軍奮闘してJUP陣営を蹴散らすと、最後はbarce選手との1vs1にもWIN。JUPよりも一足早く、SGのマッチポイント獲得を実現させた。
■最終結果
準々決勝、準決勝と勝ち進んだ猛者がぶつかり合う決勝戦。泣いても笑っても勝者と敗者が決する舞台に上がったのはSGとDNGの2チーム。前者は1日目から順当に勝ち上がり、後者はシード枠からBBIを打倒して決勝へたどり着いた。事前の下馬評が示していた通り、どちらが勝っても不思議ではない状況のなか、BINDにて開戦の狼煙(のろし)が上げられた。
先手を打ったのはDNG。第1、第2ラウンドともにmittiii選手の活躍もあり、攻撃スタートで4ラウンドを連続GET。会場内にDNG陣営の雄叫びが響き渡るなか、相対するSGは驚きの7ラウンド連取を決める。序盤こそ完全にDNGが流れを掴んでいたものの、中盤から終盤にかけて見せたSGの進撃はさすがの一言。攻守交代後に追いついてきたDNGのプレッシャーに怯むことなく、第22ラウンドで1stマップを手中に収める。
2ndマップになると試合模様はさらに激化。DNGが7-3で大差をつけたかと思えば、SGもすぐさま背中を追いかけ、今度は8-9と1ラウンド差をつけて突き放す。奇しくも1stマップと同じ展開をなぞったまま、両チームともマッチポイントを獲得。試合は本大会初となるオーバータイム(延長戦)へ突入した。
オーバータイムは通常ルールと異なり、どちらかのチームが2ラウンド差をつけるまで試合は続行される。DNGが13-12で逃げ切るかと思いきや、SGも必死に1ポイントを取り戻して食らいつく。真剣な眼差しでモニターを眺め、語気を強めながらも冷静に声をかけあう選手たち。「一進一退の攻防がこのまま数分、数十分と続くのではないか」、筆者がそう思った矢先、アドバンテージを得たSGがついに動き出す。
嚆矢となったのはmarin選手。DNGが射線を敷く通路へと忍び寄り、通路奥を覗き込んでZODIAX選手をキル。脱出の際にmystic選手のカバー射撃をくらってダウンするも、ade選手のキルと合わせてSGの人数有利を確実なものとした。戦闘の舞台がA拠点へ移ると、ryota-選手もTENNNを抑え込み、オーバータイムに終止符を打たんと進むSG陣営の動きに注目が集まる。
ラストキルを飾ったのはNpoint選手だ。自身の右奥にDNGの選手が2名控えているなか、一瞬のスキを突いて物陰から移動。前方に見えたmystic選手とSTABA選手を1人で一層。この瞬間、オーバータイムを制したSG陣営の勝利が確定。優勝賞金50万円と副賞に加え、映えある「EDION VALORANT CUP」初代チャンピオンの座が与えられることになった。
決勝戦は試合そのものがハイライトと呼ぶにふさわしい内容だったが、特筆すべきは随所で見られた”スナイパー対決”。両者がお互いの居場所を把握しつつも、決して身を乗り出すことはしない。スコープを覗いたまま、気づけば30秒ほど時間が過ぎていた……なんて状況も珍しくなく、どちらかが動いた瞬間、スコープを覗いていた時間の何十分の1という速さで雌雄が決する。まさに西部劇に登場するガンマンさながらの所業だ。
最終結果
──優勝おめでとうございます!決勝戦は延長戦までもつれ込みましたが、プレイ中はどのような心持ちでしたか?
marin:HAVENは自分たちのピックマップだったので、「とにかくここで勝ちたい!」という気持ちで一杯でした。
──SCARZは3日間を通して対戦されていましたが、印象深いマッチ等はありますか?
marin:Absolute JUPITER戦ですかね。2ndマップ(ASCENT)を勝ち取った瞬間が一番印象に残っています。自分たちは元々『Counter-Strike: Global Offensive』をプレイしていたのですが、そこでもAbsolute(JUPITER参加前の活動チーム名)は無敗でした。言ってみれば憧れの存在だったAbsolute JUPITERを、オフライン大会の場で倒すことができて嬉しかったです。
Sak:自分も同じですね。もちろん優勝した時も感動したのですが、Absolute JUPITER戦の2ndマップを取った瞬間が一番うれしかったです。
Npoint:自分は決勝戦でオーバータイム突入後に勝った時です。みんなが自身の力を出し切って取れたラウンド、それで優勝したタイミングだったので感慨深いです。
ryota-:初めてのオフライン戦だったので第1試合(vs Lag Gaming)が一番緊張しました。その後へ繋げる為にも気合が入りましたし、そういった意味では最も印象的ですね。
──ではもう少し細かく、「これは気持ちよかった!」と思えたキルシーンを教えてもらえますか?
ade:僕はDetonatioN Gaming戦でオーメンのアルティメットを発動したシーン。敵陣のリスポーン地点まで移動して3キル出来たので、相手の動きを読めたし、しっかりとエイムも合っていたので良かったです。
marin:自分もDetonatioN Gaming戦、ジェットのキルシーン(ブレードストーム発動)が爽快でした。
Sak:HAVENのA拠点を取られそうな試合で、静かに抜けていって2キル出来たシーンが気持よかったです。
──皆さんご活躍されていたと思いますが、チームメンバー全体でMVPを挙げるならどなたでしょうか?
一同:Npoint!理由はシンプルに強いからです(笑)
ade:強さもそうですが、彼は常に冷静。チーム全体を見守りつつ、”熱くなり過ぎず、冷め過ぎず”とちょうど良くメンタルをキープしてくれます。それが本当に支えになりました。
──満場一致の意見ですね(笑)。ありがとうございました!
計6チームを招いて行われた「EDION VALORANT CUP」の観戦レポートはここまで。別記事では新型コロナウイルス(COVID-19)の影響がつづくなか、久々に開催されたオフライン大会の”場”そのものに焦点を当ててレポートをお届けする。
EDION VALORANT CUP
https://www.rizestinc.com/evc/
VALORANT
https://playvalorant.com/ja-jp/
▲特設ステージが設けられた試合会場
本稿では準々決勝(1日目)にはじまり、準決勝(2日目)、そして決勝戦(3日目)にフォーカスした観戦レポートをお届けする。リアルタイムで配信を視聴していた方やそうでない方もご覧いただけると幸いだ。
全6チーム出場プレイヤー
BlackBird Ignis- oitaN、popogachi、RiPablo、poem、NeokinG
DetonatioN Gaming
- ZODIAX、TEN、mittiii、STABA、mystic
Absolute JUPITER
- barce、crow、Laz、Reita、takej
Lag Gaming
- KuuKai、2zzy、Flax、toru、sakurai
REJECT
- Dhimoruto、NoriseN、Dep、Kaminari、HaReeee
SCARZ
- Npoint、ade、marin、Sak、ryota-
REJECT vs BlackBird Ignis(準々決勝1試合目)
▲試合開始は1:22:41~本大会の幕開けを担ったのは「REJECT」(以下、RC)と「BlackBird Ignis」(以下、BBI)。1stマップ「BIND」にて、両チームは早くもシーソーゲームの様相を見せた。攻撃側のRCがラウンドを連取すると、BBIも3ラウンドを取り返し、負けじとカウンターをお見舞い。20ラウンドを越えた戦いの末、BINDをBBIが制した。
続けて選ばれた2ndマップ「ASCENT」の第1ラウンドでは、前半戦で主導権を握ったBBIのファインプレーが飛び出る。一方のRCもマップを取り返したいところだったが、最後(第21ラウンド)はRiPablo選手がRC陣営をダブルキルで壊滅に追い込み、仕掛けられたスパイクも危うげなく解除。1stマップと2ndマップを勝ち取り、BBIが2-0でRCを下した。
意表を突いたナノスワーム・トラップ
▲キャスター陣も「クレバー」と評したoitaN選手のトラップ戦法
ASCENTにて繰り広げられた第1ラウンド終盤、スパイクを解除するために拠点内へRCの選手が接近。4-1と圧倒的に不利な状況下だが、oitaN選手の操る「キルジョイ」はあらかじめ”ナノスワーム”を仕掛けていた。スパイク解除の無防備な瞬間を狙い、すかさずナノスワームを起動したoitaN選手。RCの選手を1人、また1人と落としていき、スパイクを絶対に解除させまいと巧みに時間を稼いだ。
■最終結果
- 1stマップ(BIND):BBI 13-10 RC
- 2ndマップ(ASCENT):BBI 13-8 RC
- 勝利:BlackBird Ignis
SCARZ vs Lag Gaming(準々決勝2試合目)
▲試合開始は3:59:20~準々決勝第2試合は「SCARZ」(以下、SG)と「Lag Gaming」(以下、LG)のマッチアップ。攻撃をSG、防衛はLGが行い、1stマップ「HAVEN」にて開戦の火蓋を落とした。こちらも第1試合に負けるとも劣らない激しい立ち上がりで、始動からSGが4ラウンドを取得し、その勢いを周囲に焼き付ける。HAVENでの争いは第24ラウンドまでもつれ込んだ結果、個々を生かした戦術で突破口を開いたSGの勝利で終わる。
そして2ndマップ「SPLIT」に入ってもなお、SGのターンは終わらなかった。1stマップと同様、幕開けから3ラウンド獲得。LGも第4ラウンドを皮切りに中盤で巻き返しを図るも、再度SGが第7ラウンドからマッチポイントまで一気にラウンドを奪取。marin選手のラストキルが決定打となり、SGの準決勝進出を確定させた。
4連続カウンターキルで拠点を絶対死守
▲綺麗なカウンタープレイに「今日はNpointの日です!」と会場から名言も飛び出す
HAVENの第21ラウンド。C拠点へ攻め込んできたRC陣営を警戒していたNpoint選手は、相手チームの襲撃に備える形でキルに移行。sakurai選手→Flax選手→KuuKai選手→2zzy選手の順番で1人ずつ刈り取っていき、自チームのアドバンテージに大きく貢献した。
■最終結果
- 1stマップ(HAVEN):SZ 13-11 LG
- 2ndマップ(SPLIT):SZ 13-4 LG
- 勝利:SCARZ
BlackBird Ignis vs DetonatioN Gaming(準決勝1試合目)
▲試合開始は32:02~準々決勝を勝ち抜けたBBIの前に立ちはだかったのは、本大会のシード枠に君臨する「DetonatioN Gaming」(以下、DNG)。ここを抜ければ決勝戦と意気込むBBIに対し、DNGは徹底的に統率の取れたプレイングで勝ち筋の構築に乗り出した。
1stマップを3-13と大差をつけて手中に収めた後は、リテイク(裏取り)の目立つBBIに翻弄されながらも、第19ラウンドにて先に王手をかける。第20ラウンドから再起を図りたいBBIだったが、第21ラウンドにて戦いは決着。単身残ったoitaN選手をmittiii選手が撃ち抜き、シード枠から決勝戦へ歩みを進めた。
会場中も叫んだ開幕ショットガンで5連続キル
▲まさかのエース達成にmittiii選手を含め、会場中も大いに湧き上がった
SPLITの第15ラウンド。開幕から拠点へ詰め寄るBBIの面々に、ショットガンを構えたmittiii選手が襲いかかる。至近距離から弾丸を撃ち出し、あっという間にトリプルキル。相手に息つく暇も与えないままダブルキルを叩き出し、エース達成で会場を驚嘆の渦に巻き込んだ。
■最終結果
- 1stマップ(SPLIT):DNG 13-3 BBI
- 2ndマップ(ASCENT):DNG 13-8 BBI
- 勝利:DetonatioN Gaming
SCARZ vs Absolute JUPITER(準決勝2試合目)
▲試合開始は2:58:05~決勝進出チームが明らかとなる準決勝第2試合。ここではシード枠として「Absolute JUPITER」(以下、JUP)が参戦を果たし、SGと相まみえることになった。両チームの試合に際して集計された下馬評(アンケート)では、「JUPが勝利する」方へ92%もの票が集まった一方、SG側の得票数はわずか8%。いわば大多数の視聴者がJUPの勝利を予想してわけだが、1stマップをSGが勝ち得たことで波乱の展開を呼ぶことに。2ndマップにおいても主導権を保ち続け、先手必勝と言わんばかりに5ラウンドを連取。途中で反撃にあうも、第17ラウンドにて早くもJUPを追い詰めた。
しかしJUPもただでは終わらない。「RAGE VALORANT JAPAN TOURNAMENT」での優勝をはじめ、『VALORANT』の競技シーンにおいて存在感を放つ実力を示さんと、背水の陣さながらに追随を開始。王手をかけられた第12ラウンドから5ラウンド返し、驚異的な粘りを見せつける。ところが先に聖杯を手にしたのはSG。第23ラウンドにてmarin選手のダブルキルでJUPを沈黙させ、絶対王者の猛攻を跳ね除けることに成功。見事に決勝戦への切符を手に入れた。
Sak選手とbarce選手の一騎打ち
▲あわやスパイクを解除されるかと思いきや、単身で状況を好転させたSak選手
ASCENTの第17ラウンド。スパイクを拠点へ設置するも、JUPに戦力を削られて劣勢に追い込まれる。そんな戦況をひっくり返したのはSak選手。拠点内を孤軍奮闘してJUP陣営を蹴散らすと、最後はbarce選手との1vs1にもWIN。JUPよりも一足早く、SGのマッチポイント獲得を実現させた。
■最終結果
- 1stマップ(HAVEN):SZ 13-10 JUP
- 2ndマップ(ASCENT):SZ 13-10 JUP
- 勝利:SCARZ
SCARZ vs DetonatioN Gaming(決勝戦)
▲試合開始は40:52~準々決勝、準決勝と勝ち進んだ猛者がぶつかり合う決勝戦。泣いても笑っても勝者と敗者が決する舞台に上がったのはSGとDNGの2チーム。前者は1日目から順当に勝ち上がり、後者はシード枠からBBIを打倒して決勝へたどり着いた。事前の下馬評が示していた通り、どちらが勝っても不思議ではない状況のなか、BINDにて開戦の狼煙(のろし)が上げられた。
先手を打ったのはDNG。第1、第2ラウンドともにmittiii選手の活躍もあり、攻撃スタートで4ラウンドを連続GET。会場内にDNG陣営の雄叫びが響き渡るなか、相対するSGは驚きの7ラウンド連取を決める。序盤こそ完全にDNGが流れを掴んでいたものの、中盤から終盤にかけて見せたSGの進撃はさすがの一言。攻守交代後に追いついてきたDNGのプレッシャーに怯むことなく、第22ラウンドで1stマップを手中に収める。
2ndマップになると試合模様はさらに激化。DNGが7-3で大差をつけたかと思えば、SGもすぐさま背中を追いかけ、今度は8-9と1ラウンド差をつけて突き放す。奇しくも1stマップと同じ展開をなぞったまま、両チームともマッチポイントを獲得。試合は本大会初となるオーバータイム(延長戦)へ突入した。
オーバータイムは通常ルールと異なり、どちらかのチームが2ラウンド差をつけるまで試合は続行される。DNGが13-12で逃げ切るかと思いきや、SGも必死に1ポイントを取り戻して食らいつく。真剣な眼差しでモニターを眺め、語気を強めながらも冷静に声をかけあう選手たち。「一進一退の攻防がこのまま数分、数十分と続くのではないか」、筆者がそう思った矢先、アドバンテージを得たSGがついに動き出す。
嚆矢となったのはmarin選手。DNGが射線を敷く通路へと忍び寄り、通路奥を覗き込んでZODIAX選手をキル。脱出の際にmystic選手のカバー射撃をくらってダウンするも、ade選手のキルと合わせてSGの人数有利を確実なものとした。戦闘の舞台がA拠点へ移ると、ryota-選手もTENNNを抑え込み、オーバータイムに終止符を打たんと進むSG陣営の動きに注目が集まる。
▲物陰からダブルキルにこぎつけたNpoint選手のキルシーン
ラストキルを飾ったのはNpoint選手だ。自身の右奥にDNGの選手が2名控えているなか、一瞬のスキを突いて物陰から移動。前方に見えたmystic選手とSTABA選手を1人で一層。この瞬間、オーバータイムを制したSG陣営の勝利が確定。優勝賞金50万円と副賞に加え、映えある「EDION VALORANT CUP」初代チャンピオンの座が与えられることになった。
▲試合後の1シーン。お互いの健闘を讃えて抱擁しあうSCARZメンバー
まるで西部劇のガンマン!動いたほうが負けるスナイパー対決
▲mittiii選手とmarin選手の”にらみ合い”は、両者が目を光らせたまま約40秒間も続いた
決勝戦は試合そのものがハイライトと呼ぶにふさわしい内容だったが、特筆すべきは随所で見られた”スナイパー対決”。両者がお互いの居場所を把握しつつも、決して身を乗り出すことはしない。スコープを覗いたまま、気づけば30秒ほど時間が過ぎていた……なんて状況も珍しくなく、どちらかが動いた瞬間、スコープを覗いていた時間の何十分の1という速さで雌雄が決する。まさに西部劇に登場するガンマンさながらの所業だ。
最終結果
- 1stマップ(BIND):SZ 13-10 DNG
- 2ndマップ(HAVEN):SZ 15-13 DNG
- 優勝:SCARZ
試合後コメント:SCARZ(リーダー:marin)
▲賞金ボードを抱えるSCARZメンバー。左からNpoint、Sak、marin、ryota-、ade(敬称略)
──優勝おめでとうございます!決勝戦は延長戦までもつれ込みましたが、プレイ中はどのような心持ちでしたか?
marin:HAVENは自分たちのピックマップだったので、「とにかくここで勝ちたい!」という気持ちで一杯でした。
──SCARZは3日間を通して対戦されていましたが、印象深いマッチ等はありますか?
marin:Absolute JUPITER戦ですかね。2ndマップ(ASCENT)を勝ち取った瞬間が一番印象に残っています。自分たちは元々『Counter-Strike: Global Offensive』をプレイしていたのですが、そこでもAbsolute(JUPITER参加前の活動チーム名)は無敗でした。言ってみれば憧れの存在だったAbsolute JUPITERを、オフライン大会の場で倒すことができて嬉しかったです。
Sak:自分も同じですね。もちろん優勝した時も感動したのですが、Absolute JUPITER戦の2ndマップを取った瞬間が一番うれしかったです。
Npoint:自分は決勝戦でオーバータイム突入後に勝った時です。みんなが自身の力を出し切って取れたラウンド、それで優勝したタイミングだったので感慨深いです。
ryota-:初めてのオフライン戦だったので第1試合(vs Lag Gaming)が一番緊張しました。その後へ繋げる為にも気合が入りましたし、そういった意味では最も印象的ですね。
──ではもう少し細かく、「これは気持ちよかった!」と思えたキルシーンを教えてもらえますか?
ade:僕はDetonatioN Gaming戦でオーメンのアルティメットを発動したシーン。敵陣のリスポーン地点まで移動して3キル出来たので、相手の動きを読めたし、しっかりとエイムも合っていたので良かったです。
marin:自分もDetonatioN Gaming戦、ジェットのキルシーン(ブレードストーム発動)が爽快でした。
Sak:HAVENのA拠点を取られそうな試合で、静かに抜けていって2キル出来たシーンが気持よかったです。
──皆さんご活躍されていたと思いますが、チームメンバー全体でMVPを挙げるならどなたでしょうか?
一同:Npoint!理由はシンプルに強いからです(笑)
ade:強さもそうですが、彼は常に冷静。チーム全体を見守りつつ、”熱くなり過ぎず、冷め過ぎず”とちょうど良くメンタルをキープしてくれます。それが本当に支えになりました。
──満場一致の意見ですね(笑)。ありがとうございました!
計6チームを招いて行われた「EDION VALORANT CUP」の観戦レポートはここまで。別記事では新型コロナウイルス(COVID-19)の影響がつづくなか、久々に開催されたオフライン大会の”場”そのものに焦点を当ててレポートをお届けする。
EDION VALORANT CUP
https://www.rizestinc.com/evc/
VALORANT
https://playvalorant.com/ja-jp/