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『VALORANT』クローズドベータプレイレポート! ライアットゲームズの新作は競技型FPSの覇権なるか
eスポーツ業界で高い影響力を誇るゲームパブリッシャー、ライアットゲームズ。『リーグ・オブ・レジェンド』(LoL)で有名な同企業が、ついにFPSに参戦する。5月5日より韓国サーバーにてクローズドベータテスト(CBT)が開催されている『VALORANT』(ヴァロラント)は、ライアットゲームズが手掛ける基本プレイ無料のFPSタイトルだ。少数戦が主体の戦略的なゲームデザインを採用しており、すでに国内外のeスポーツチームも正式参入を決定している、今注目すべきホットな作品だ。
そこで今回は、韓国サーバーのCBTを通して分かった本作の概要やキャラクター詳細、遊び方などをレポート形式で紹介しよう。まだ日本サーバーは実装されていないものの、正式なサービス開始を前に情報が気になる方は、ぜひ参考にしていただきたい。
本作は”タクティカルシューター”というジャンルの通り、何から何まで戦略的なFPSとなっている。
基本ルールは『Counter-Strike: Global Offensive』(CS:GO)に近く、攻撃側と防衛側に分かれて5vs5のチームバトルを繰り広げる。攻撃側はマップ内の拠点へボムを仕掛け、敵プレイヤーの妨害をしのいで爆破を狙う。対する防衛側は攻撃チームの侵入を食い止め、拠点を破壊されないよう立ち回る。
プレイヤーの残機数も1で固定されているため、完全に倒されるとリスポーンできない。互いのプレイヤーが入り乱れて激しく戦うというよりは、位置取りやルート確保といったアクションを丁寧に詰める……そんな印象を受けた。
両陣営ともに全24ラウンドで構成される試合をプレイし、どちらかの陣営が13ラウンド先取した時点でゲームは終了。最初から最後まで緊張感に包まれるなか、手に汗握る戦闘が楽しめる。
勝利条件(防衛):100秒間ボムが設置されない・仕掛けられたボムを爆発前に解除
勝利条件(共通):相手チームの殲滅
ラウンド数:24ラウンド
最終勝利条件:ラウンドを13本先取
”ボムの設置”を軸に両陣営がジリジリと睨みをきかせる作品というのは、何も珍しいことではない。上述の『CS:GO』しかり、筆者が本メディアで連載を担当している『レインボーシックス シージ』(R6S)もそのカテゴリーに含まれる。
『VALORANT』も例に漏れずルール周りは古典的なのだが、アビリティの異なるエージェント(キャラクター)を採用している点は特筆すべきポイントだ。プレイヤーは銃撃戦はもちろんのこと、索敵や陽動、戦闘に特化したアビリティを使い、戦況を有利に進める必要がある。つまり、固有アビリティを駆使したロールプレイが重要なのだ。この辺りは『オーバーウォッチ』や『Apex Legends』といった他作品に近いかもしれない。
加えて忘れてはならないのが、ラウンドごとに行う「買い物」。本作は銃器やアーマー類に加え、エージェントのアビリティにいたるまで、自ら資金を投じて物資を揃えていく。何も買わなければ武器はセカンダリーウェポン1丁だけとなり、言わずとも大きく不利を強いられる。購入の順番に決まりはなく、何をどう買うかは基本的に自由。買い物パートですでに戦いは始まっていると言っても過言ではないだろう。
なお、プレイ中に死んでしまった場合、購入した物資はリセットされる。単純に買い直すと資金がかさむため、大胆かつ慎重な立ち回りが求められそうだ。
資金の入手:ラウンドごとに付与
購入可能な物資:銃器・アーマー・エージェントの固有アビリティ
というのも、各エージェントはそれぞれ体力が共通であり、なおかつ銃弾が与えるダメージ量もそこそこ大きい。ヘッドショットは体感速度で即死、胴体でも片手で数える弾数をくらえば天使のお世話になってしまう。またキルタイムが短いのも特徴点だ。
「じゃあ攻撃系のアビリティを使えばいいのでは?」と思うかもしれないが、アビリティはあくまでも”サポート能力”なので、単体の効果で周囲を一掃できるブレイカーにはなりえない。やはり最後に物を言うのは、ターゲットを狙い撃つ”エイム力”だ。
敵がやって来そうなポイントへ網を張り、あらかじめ照準を合わせておき、体が見えた瞬間にトリガーを引く。地味なように見えて、実力がはっきりと現れる競技性の高い仕様となっている。
ちなみにライアットゲームズの担当者は本作について、「インテル(情報収集)・プランニング(計画)・エクスキュート(実行)が大事」と話していた。その言説の通り、行き当たりばったりではなく綿密なプランのもとに戦うほうが勝率はグッと上がると感じた。
移動中:射撃は行えるもののブレが激しい
リコイル:制御しなければブレが大きくなる
銃弾が命中:銃弾を浴びたプレイヤーは一時的に移動速度が低下
全10名のエージェントを個性づけているのは、やはり先述のアビリティの違いではないだろうか。各エージェントは3つのアビリティ(最初から所持&ラウンドごとに購入)のほか、強力なアルティメットスキル(必殺技)を有している。マップ内のオーブを獲得するか、プレイヤーをキルするとゲージがたまり、任意のタイミングでアルティメットスキルを発動できる……という仕組みだ。
使いどころが肝心なのは言わずもがな、エージェントの個性を生かした役割分担も必須だ。「コントローラー」は戦場を管理して陣営を勝利へ導く。防衛力が自慢の「センチネル」は、エリア確保や裏取りの警戒に勤しむ。最前線に躍り出るなら「デュエリスト」がベストだし、味方のチャンスを生み出したいなら「イニシエーター」を使って索敵に励むのもオススメ。
以下の4名は、CBTのゲーム開始時にデフォルトでアンロックされているエージェントだ。どのロールに徹すればいいか迷っている方は、とりあえずエージェントを触ってみてアビリティの確認から始めることを勧める。慣れてきたらマップ構造や味方の構成と照らし合わせ、適材適所を心がけたプレイングを意識しよう。
インセンディアリー:燃焼効果のあるグレネード
スカイスモーク:好きな場所へスモーク効果
オービタルストライク:好きな場所を空爆
スロウオーブ:範囲内に移動スピード低下効果
ヒーリングオーブ:味方の回復
リザレクション:味方の蘇生
カーブボール:フラッシュバン投擲
ホットハンズ:着弾地点が炎上
ラン・イット・バック:任意の場所から復活
ショックボルト:爆発効果を持つボルト射出
リーコンボルト:索敵効果を持つボルト射出
ハンターズフューリー:貫通効果を持つ3本のボルト射出
通信システムの整備と並び、運営陣は改造プログラム対策も抜かりない。
FPSにおいては、レーダーの有無に関わらず相手を視認できる「ウォールハック」が蔓延しているが、本作では位置情報の処理データをサーバー側で逐次管理し、ウォールハックのメリットを限界まで消滅させている。キャラクターの移動スピードアップやテレポートに関しても同様、移動データをサーバーの管理下に置くことで、チートの”うま味”をなくしている。こうした取り組みは正式サービス開始後も継続的に行われる模様だ。
正式サービスは少し先だが、今は日本を含めた世界中のプレイヤーと渡り合えることを心待ちにしたい。
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『VALORANT』公式サイト
https://playvalorant.com/ja-jp/
『VALORANT』Twitter
https://twitter.com/VALORANTjp
そこで今回は、韓国サーバーのCBTを通して分かった本作の概要やキャラクター詳細、遊び方などをレポート形式で紹介しよう。まだ日本サーバーは実装されていないものの、正式なサービス開始を前に情報が気になる方は、ぜひ参考にしていただきたい。
拠点爆破を目指す王道の5vs5チーム戦
▲5人固定のチーム戦はいやがおうにもチームワークが勝敗の鍵を握る
本作は”タクティカルシューター”というジャンルの通り、何から何まで戦略的なFPSとなっている。
基本ルールは『Counter-Strike: Global Offensive』(CS:GO)に近く、攻撃側と防衛側に分かれて5vs5のチームバトルを繰り広げる。攻撃側はマップ内の拠点へボムを仕掛け、敵プレイヤーの妨害をしのいで爆破を狙う。対する防衛側は攻撃チームの侵入を食い止め、拠点を破壊されないよう立ち回る。
プレイヤーの残機数も1で固定されているため、完全に倒されるとリスポーンできない。互いのプレイヤーが入り乱れて激しく戦うというよりは、位置取りやルート確保といったアクションを丁寧に詰める……そんな印象を受けた。
両陣営ともに全24ラウンドで構成される試合をプレイし、どちらかの陣営が13ラウンド先取した時点でゲームは終了。最初から最後まで緊張感に包まれるなか、手に汗握る戦闘が楽しめる。
基本ルール
勝利条件(攻撃):目標地点に設置したボムが爆発勝利条件(防衛):100秒間ボムが設置されない・仕掛けられたボムを爆発前に解除
勝利条件(共通):相手チームの殲滅
ラウンド数:24ラウンド
最終勝利条件:ラウンドを13本先取
▲ボムの設置を巡って攻撃側と防衛側が衝突。人数差をくつがえすにはより強固な連携プレイが必要
”ボムの設置”を軸に両陣営がジリジリと睨みをきかせる作品というのは、何も珍しいことではない。上述の『CS:GO』しかり、筆者が本メディアで連載を担当している『レインボーシックス シージ』(R6S)もそのカテゴリーに含まれる。
『VALORANT』も例に漏れずルール周りは古典的なのだが、アビリティの異なるエージェント(キャラクター)を採用している点は特筆すべきポイントだ。プレイヤーは銃撃戦はもちろんのこと、索敵や陽動、戦闘に特化したアビリティを使い、戦況を有利に進める必要がある。つまり、固有アビリティを駆使したロールプレイが重要なのだ。この辺りは『オーバーウォッチ』や『Apex Legends』といった他作品に近いかもしれない。
▲ラウンド開始前に資金を投じて物資を購入。もしくはデスしたプレイヤーの武器を拾って使うこともできる
加えて忘れてはならないのが、ラウンドごとに行う「買い物」。本作は銃器やアーマー類に加え、エージェントのアビリティにいたるまで、自ら資金を投じて物資を揃えていく。何も買わなければ武器はセカンダリーウェポン1丁だけとなり、言わずとも大きく不利を強いられる。購入の順番に決まりはなく、何をどう買うかは基本的に自由。買い物パートですでに戦いは始まっていると言っても過言ではないだろう。
なお、プレイ中に死んでしまった場合、購入した物資はリセットされる。単純に買い直すと資金がかさむため、大胆かつ慎重な立ち回りが求められそうだ。
買い物システム
概要:資金を投じて物資を調達資金の入手:ラウンドごとに付与
購入可能な物資:銃器・アーマー・エージェントの固有アビリティ
エイム力が物を言う銃撃戦
本作の戦闘において何よりも重要なのは、猪突猛進なプレイングでもなく、人数差を跳ね返す圧倒的なクラッチ力でもない。そもそもの大前提として、正確なエイム力がなくてはならない。というのも、各エージェントはそれぞれ体力が共通であり、なおかつ銃弾が与えるダメージ量もそこそこ大きい。ヘッドショットは体感速度で即死、胴体でも片手で数える弾数をくらえば天使のお世話になってしまう。またキルタイムが短いのも特徴点だ。
▲銃弾のダメージ量は高いからか、真正面の撃ち合いだと勝敗が決するまで数秒レベル
「じゃあ攻撃系のアビリティを使えばいいのでは?」と思うかもしれないが、アビリティはあくまでも”サポート能力”なので、単体の効果で周囲を一掃できるブレイカーにはなりえない。やはり最後に物を言うのは、ターゲットを狙い撃つ”エイム力”だ。
敵がやって来そうなポイントへ網を張り、あらかじめ照準を合わせておき、体が見えた瞬間にトリガーを引く。地味なように見えて、実力がはっきりと現れる競技性の高い仕様となっている。
ちなみにライアットゲームズの担当者は本作について、「インテル(情報収集)・プランニング(計画)・エクスキュート(実行)が大事」と話していた。その言説の通り、行き当たりばったりではなく綿密なプランのもとに戦うほうが勝率はグッと上がると感じた。
▲安定性を求めるなら立ち止まって射撃すること。移動時は手ブレが大きくなる
射撃の仕様
止まった状態:安定した射撃が可能移動中:射撃は行えるもののブレが激しい
リコイル:制御しなければブレが大きくなる
銃弾が命中:銃弾を浴びたプレイヤーは一時的に移動速度が低下
役割の分かれた10名のエージェント
ここからは『VALORANT』の目玉と言うべきエージェントの紹介に移る。全10名のエージェントを個性づけているのは、やはり先述のアビリティの違いではないだろうか。各エージェントは3つのアビリティ(最初から所持&ラウンドごとに購入)のほか、強力なアルティメットスキル(必殺技)を有している。マップ内のオーブを獲得するか、プレイヤーをキルするとゲージがたまり、任意のタイミングでアルティメットスキルを発動できる……という仕組みだ。
使いどころが肝心なのは言わずもがな、エージェントの個性を生かした役割分担も必須だ。「コントローラー」は戦場を管理して陣営を勝利へ導く。防衛力が自慢の「センチネル」は、エリア確保や裏取りの警戒に勤しむ。最前線に躍り出るなら「デュエリスト」がベストだし、味方のチャンスを生み出したいなら「イニシエーター」を使って索敵に励むのもオススメ。
以下の4名は、CBTのゲーム開始時にデフォルトでアンロックされているエージェントだ。どのロールに徹すればいいか迷っている方は、とりあえずエージェントを触ってみてアビリティの確認から始めることを勧める。慣れてきたらマップ構造や味方の構成と照らし合わせ、適材適所を心がけたプレイングを意識しよう。
▲エイム力でプレイヤーを排除するのと同じく、アビリティを使い分けるセンスも大事
BRIM STONE(コントローラー)
スティムビーコン:デバイスを仕掛けて連射速度を強化インセンディアリー:燃焼効果のあるグレネード
スカイスモーク:好きな場所へスモーク効果
オービタルストライク:好きな場所を空爆
▲マップ内の重要拠点にアクションを起こせる
SAGE(センチネル)
バリアオーブ:範囲内にバリア展開スロウオーブ:範囲内に移動スピード低下効果
ヒーリングオーブ:味方の回復
リザレクション:味方の蘇生
▲パーティーに一人は欲しい回復&補助役
PHOENIX(デュエリスト)
ブレイズ:炎の壁で行動阻害カーブボール:フラッシュバン投擲
ホットハンズ:着弾地点が炎上
ラン・イット・バック:任意の場所から復活
▲猛火を奮って戦闘と妨害を担う切り込み役
SOVA(イニシエーター)
オウルドローン:偵察ドローン展開ショックボルト:爆発効果を持つボルト射出
リーコンボルト:索敵効果を持つボルト射出
ハンターズフューリー:貫通効果を持つ3本のボルト射出
▲索敵に役立つ弓矢を携え、自陣の視界をクリアに保つ
公平さを追求した通信システム
『VALORANT』は競技性を最重要視したタイトルということもあり、公平性を念頭に置いて通信システムの整備が進んでいる。一瞬のラグによって試合が台なしになってしまわないよう、ライアットゲームズは1試合あたり1000人近くのプレイヤーを収容可能なサーバーマシンを用意。1秒間あたりの処理回数を表すTickレートは128をマークしており、通信速度に問題のあるプレイヤーもサーバー側で処理が施され、ラグが目立ちにくくなっている。▲曲がり角などから飛び出す際も、視野の誤差をサーバー側で補正する
通信システムの整備と並び、運営陣は改造プログラム対策も抜かりない。
FPSにおいては、レーダーの有無に関わらず相手を視認できる「ウォールハック」が蔓延しているが、本作では位置情報の処理データをサーバー側で逐次管理し、ウォールハックのメリットを限界まで消滅させている。キャラクターの移動スピードアップやテレポートに関しても同様、移動データをサーバーの管理下に置くことで、チートの”うま味”をなくしている。こうした取り組みは正式サービス開始後も継続的に行われる模様だ。
『VALORANT』は競技型FPSの巨人に並ぶのか?
2012年のリリースから競技型FPSの最前線を走る『CS:GO』をはじめ、戦略性に富んだタクティカルシューターは多くのプレイヤーを動員し、世界中の観戦者の心を掴んで離さない。『VALORANT』もそうしたタイトル郡に肩を並べる作品となり得るだろう。馴染みやすいシンプルなボム爆破ルール、銃撃戦に重きを置いた戦闘システム、運用方法の分かれたエージェント、そしてアビリティの数々……。今回のCBTを触っただけでも、本作が秘めるポテンシャルの高さは十分に伺えた。正式サービスは少し先だが、今は日本を含めた世界中のプレイヤーと渡り合えることを心待ちにしたい。
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『VALORANT』公式サイト
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