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Alienware最薄の16mmを実現した「Alienware xシリーズ」の冷却技術とは?

6月22日、デルコンピュータはプレミアムゲーミングパソコン「Alienware」シリーズの最新モデル「Alienware x15」「Alienware x17」を国内で初めて公開した。Alienware史上最薄を実現しつつも、従来モデルよりもパワフルに生まれ変わったゲーミングノートを、発表会の内容とともにあらためてじっくり解説していこう

Alienware x17 R1(左)とAlienware x15 R1(右)

グローバルゲーミング市場はeスポーツが牽引

まず、米デルテクノロジーズ ゲーミング製品管理担当バイスプレジデントのVivian Lien氏より、Alienwareとデルゲーミングの近況が報告された。


グローバルのゲーミング市場は、PCおよびモニターの出荷台数が5500万台で前年比27%増加。2025年まで年平均成長率は4.1%という予測で、8000万台近くまで達する見込みだという。

その流れを牽引するのがeスポーツ市場だ。日本では前年比109%の約67億円で、2024年には180億円まで拡大する見込み。一方、世界市場は10億8400万ドル(日本円にして約11兆9000億円)で、2023年には16億ドル(約17兆6000億円)にも達するという数字を示した。

この流れの中で、Alienwareとしては今季、Team Liquidとのパートナーシップ継続を発表し、さらにシナジーを強めていく。国内でもCYCLOPS athlete gamingへのサポートや、『エーペックスレジェンズ』のオープン大会「FACE」への協賛などで、プロからアマチュアまで幅広いプレイヤーをサポートしている。

▲Team Liquidとは、オランダ・北米にトレーニングファシリティセンターを設置。ストリーマーなどの活動も支援している

▲日本国内ではCAGをサポート。プロだけでなくアマチュアの大会も支援

国内でのAlienwareの実績としては、2021年第一四半期のAlienwareゲーミングノートパソコンの出荷台数が、前年同期比で143%と大幅な伸びを見せた。そこには、Dell G15シリーズの刷新や、約10年ぶりとなるAMD Ryzen搭載モデルの投入、CHERRY MXメカニカルスイッチを使ったウルトラロープロファイルキーボードを世界で初めて投入するなど、革新的な取り組みの結果もある。

AlienwareはゲーミングPC専門メーカーとして設立されて以来、常にPCにおける最高のゲーミング体験を追求し続けている。思わず使いたくなるようでいてユーザーに負担をかけない象徴的なデザイン、ゲーマーのニーズに応えゲーミングパソコンの課題を解決するイノベーション、最高のゲーム体験を実現するための妥協のないハイパフォーマンス、そして長時間・長期間の使用でも安心できるプレミアムな品質といった、宇宙最強のゲーミングパソコンブランドであり続けるための努力を惜しまない。

▲発表会では「ブランドの信条」としてAlienwareの考え方も公開された

それでも、日々進化を続けるゲームをいかに楽しく遊べるか、Alienwareは挑戦を続けている。ユーザーからの声として最も多いのはゲーミングPCの熱処理問題。これを解決し、なおかつコンパクトに仕上げたのが、今回発表されたAlienware xシリーズなのだ。

ゲームのためだけに研究・開発された機能

Alienware xシリーズは、まったく新しいラインナップとして登場したゲーミングノートPCだ。

Alienwareのゲーミングノートは、従来から厚みがあることがある意味では特徴ともなっていた。それは、デスクトップPCに対してスペースの制約があるノートPCでも、プレイヤーのゲーム体験に対して妥協を許さなかったからだ。

その証拠に、Alienware mシリーズの第1世代として登場したAlienware m15 R1Alienware m17 R1はかなり薄くなったものの、レジェンドデザインに切り替わった第2世代のAlienware m15 R2Alienware m17 R2以降はやや厚みが増し、デザインと性能に重きが置かれたように見えた。

しかしAlienware xシリーズは、第11世代インテルCPUとNVIDIA GeForce RTX 30シリーズというトレンドを押さえつつ、ゲーミング体験により没入させてくれる「Legend 2.0デザイン」と、歴代Alienwareシリーズ最薄を両立。さらに、特許出願中の技術も多数盛り込まれている。

ここからは、Alienware xシリーズの特徴を細かくチェックしていこう。

「レジェンドデザイン2.0」で没入感をアップ

▲外装はホワイト、モニターを開いたキートップ面はブラックに統一

最も大きいのは「レジェンドデザイン」の進化だろう。デスクトップモデルのAlienware Aurora R9から、一見するとゲーミングパソコンには見えないような洗練されたデザインを採用し、現在はデスクトップ/ノートともに全ラインナップに広がっている。

Alienware史上最薄の15.9mm

そして今回のバージョン2.0では、モニターを開いた瞬間からゲームに集中できるように、キーボード部分を「ダークコア」と呼ぶブラック基調に変更。Alienware x17にはCHERRY MXメカニカルキーを採用したキーボードもオプションで選択可能とした。最高360Hzのモニターも選べ、圧倒的なゲーミング環境をこの1台だけで体験できる。

▲Alienware史上最薄を実現

この薄さの実現にあたっては、新開発の熱伝導素材により従来よりも熱効率を高めながら、ファンの数を2基から4基に増やし、AIによるファンコントロールも行うなど徹底している。

新素材と4ファンによる冷却機構「Cryo-Tech™」

ゲーミングPCにおいては、ベンチマークテストなどでの瞬間的な温度上昇よりも、長時間プレイし続けた時にサーマルスロットリングやパーツの寿命を縮めるような温度上昇を抑制することが最大のミッション。単にパーツを組み込んだだけの自作PCやBTO PCと、長期にわたる開発テストを続けた末にリリースされるAlienwareでは、根本的な設計思想が異なるのだが、なかなかスペックには現れない部分なのでまだまだ知られていない。

▲Alienware Cryo-Tech™と名づけられた冷却システム。新開発のガリウムシリコン エレメント31により、熱抵抗を25%向上させているという

新作PCのプレスリリースに、新技術や新たな機構がアナウンスされているかどうかをみるだけでも、デルがAlienwareブランドにかける意気込みは伝わる。ちなみに、コントロールにはこれまでと同様に、「Alienware Command Center」を使用するとのこと。

▲新開発素材、4つのファン、AIコントロールなどを組み合わせて、ストレスのないゲーミング体験を実現している

モバイルユーザーにうれしいACアダプターの小型化

今回の発表でもうひとつ、従来モデルユーザーにとって、電源アダプターの小型化も注目ポイントだ。従来のAlienwareノートPCはかなり大きな電源アダプターだったが、窒素ガリウムを採用することで、サイズ・重量ともに大幅にコンパクト化を果たした。家の中だけでなく、外出先でPCを使いたい人にも嬉しい変更点だ。

▲本体が軽く薄くても困りどころだったACアダプターにもメスが入った


「妥協のない薄さ」がAlienware xシリーズのポリシー


他ブランドのゲーミングPCを見渡せば、より薄いモデルは多数存在する。しかし、Alienwareはあくまで長時間、ストレスなくゲームをプレイし続けられる環境をサポートすることに注力している。

数mmを薄くしたために「薄いから冷却性能が貧弱でも仕方ない」「薄いからそこまで長くは遊べない」といったユーザーへの甘えは一切ない。キーボードもモニターもサイズの制約こそあれど、本格的なeスポーツのオフィシャル大会で使用されているものと遜色ないスペックを選択できる。

そして、冷却性能はPCの製品寿命にも直結する。度重なる高熱により見えない部分でパーツが劣化していくことで、ゲーミングPCは“調子が悪い”、“壊れた”と言われてしまう。そんな経験をしたことがある方は、ここでは語られなかったAlienware x15/Alienware x17に込められたデルの技術をじっくりチェックしてみてほしい。


Alienware x15 R1の詳細スペックはコチラ
Alienware x17 R1の詳細スペックはコチラ

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