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【『Castlevania Advance Collection』開発者インタビュー】オリジナルを超えるプレイ環境とオプション機能でGBAの名作の現代向けリメイクを振り返る

過去の名作ゲームのリメイクや、インディーゲーム市場の隆盛などで、1980年代~2000年代にかけて人気を博していた、2Dスタイルのアクションゲームのリリースが増加してきた感のある昨今。そんな伝統的なアクションゲームの始祖のひとつともいうべきタイトル、『悪魔城ドラキュラ 』(『キャッスルヴァニア』)シリーズの中でも”探索型”と呼ばれる、ストーリー性とアクション性の高いタイプの作品を複数収録した『Castlevania Advance Collection』(キャッスルヴァニア アドバンス コレクション。以下『CAC』)が2021年9月24日に、KONAMIから発売された(Steam、Nintendo Switch、PlayStation 4、PlayStation 5、Xbox One、Xbox Series X|S)。

本記事では同作の制作を指揮したプロデューサーの谷口勲氏、ディレクターの島﨑勝也氏のインタビューをお届けする。開発の経緯やアクションゲームに対する想いを語ってもらった様子を、ぜひ目を通してもらいたい。

また、Alienware Zone読者向けにKONAMIから『Castlevania Advance Collection』オリジナルTシャツ(下記写真)をご提供いただいた。抽選で3名にプレゼントするので、こちらもふるって応募してほしい(応募詳細は本稿の最後にあり)。

▲プロデューサーの谷口勲氏(右)とディレクターの島﨑勝也氏(左)

開発会社とのチームワークで1年での制作を実現

――まずは『CAC』の制作が決まった経緯や、開発がスタートした時期などから教えてください。

谷口:
『CAC』みたいなものをやりたいと思ったのは、2020年の中頃だったと思います。『キャッスルヴァニア』というIPに関して、いまファンの方々に望まれているものってなんだろう……といろいろ調査していたら、「探索型アクションは好きだけど、『キャッスルヴァニア』はやったことがないんだよね」という声を見かけたんですよ。

――探索型アクションというジャンルは知っているけど、そのジャンルの源泉ともいえる『キャッスルヴァニア』シリーズそのものはプレイしていない人が多いと?

谷口:そうです。そういう状況はIP的にあまりよくないなと思い、『キャッスルヴァニア』の中でも現行のゲーム機やPCで遊ぶ環境がないタイトルを移植して、「『キャッスルヴァニア』って面白いんですよ」ということを知ってもらおうと思ったのが始まりですね。

――ということは、収録するタイトル自体はすんなり決まった?

谷口:ですね。いま遊びづらいタイトルであることと、これが探索型の『キャッスルヴァニア』です!』といえるものという基準で選定した結果、GBA(ゲームボーイアドバンス)の3タイトル、『悪魔城ドラキュラ サークルオブザムーン』、『キャッスルヴァニア 白夜の協奏曲』、『キャッスルヴァニア 暁月の円舞曲』と、スーパーファミコンの『悪魔城ドラキュラXX』、計4タイトルで決まりました。

▲2000年代前半にGBAで発売された『悪魔城ドラキュラ 』シリーズ3作が収録されている『Castlevania Advance Collection』。写真は『悪魔城ドラキュラ サークルオブザムーン』

島崎:あとは『悪魔城ドラキュラXセレクション 月下の夜想曲&血の輪廻』(2018年発売)だったり、『悪魔城ドラキュラ アニバーサリーコレクション』(2019年発売)が好評だったのも大きいですね。タイトルの時系列、ユーザーの希望、両方の側面から考えても、GBAの3本が今回は適切かなと。

――GBAの3本に加えて、スーパーファミコンの『悪魔城ドラキュラXX』が入ったのは?

島崎:最初から1本はサプライズ的なタイトルを入れたいという構想があって、GBAの3本とは違ったプレイ感覚で遊べる、『悪魔城ドラキュラXX』の収録が決まりました。探索型3本にプラスステージクリアー型1本というのは、いいバランスで遊べる形になったかなと思っています。

▲収録タイトルのうち唯一のステージクリア型のアクションゲームである『悪魔城ドラキュラXX』

――しかし2020年の夏ごろに制作が決まって2021年の9月24日に発売というのは、かなり早いペースでの開発が必要だったのでは?

島崎:そうですよね(笑)、スケジュールはタイトでした。

谷口:一度やろうって決まってからは、収録するタイトルラインナップや、どういう機能を追加しようかみたいな話は、今回移植を担当してもらったM2さん(※有限会社エムツー。1980年代~2000年代のアクション、シューティングゲームの移植を数多く手がけるゲームメーカー)と相談してすぐに話は進みました。開発は一気に駆け抜けた感じでしたね。

島崎:収録タイトルの選定もふくめての1年っていう期間だったので……。今回は『アニバーサリーコレクション』と違って探索型のタイトルを入れる以上、プレイのボリュームもに適切な量を考える必要があったんです。ちゃんと遊び切れる量でお届けしないと、適切に遊んでもらえないですし。

――1タイトルごとのボリューム的に、いっぱい入れりゃあいいってもんじゃないだろうと。

島崎:はい。ということもあって、まずはGBAの3作品をやりましょうという話になりました。それでも大変でしたね(笑)。当時の資料やデータは僕の方で集めて、制作で齟齬が出ないないように調整役をやらせてもらいました。

――オリジナル版の資料やデータとなると20年近く前のものになりますが、使える形で残っていたんですね。

島崎:はい。それぐらいの時代だとデジタル化されて残っていますね。ただ、逆にデータだと紙の資料と違ってお見せしてもあまり面白みがない部分もありまして(笑)。『アニバーサリーコレクション』のときはボーナスブックというものを作って当時のイラストや設定資料を載せていたんですけど、今回はゲーム内のギャラリーに収める形になりました。

▲ゲーム内に収録されている設定資料の一部

島崎:今回の移植は、まず当時の ROM イメージをエミュレーションでそのまま動かして、そのエミュレーションからの改造になっています。ですので(ゲーム内のデータは)基本的には残っている状態でした。

谷口:移植の精度に関しては、M2さんがプロフェッショナルな部分なので、本当に安心感というか、信頼がありましたね。

“現代的な”ガジェット機能で
遊びやすさをアシスト

――今回『CAC』を発売するにあたって、一番大きな追加要素といえるのは巻き戻し機能だと思うんですが、同じような機能をそなえたゲームと比べて戻せる時間がかなり長いように感じました。そこは意識して調整した部分ですか?

島崎:気をつけた部分ではありますね。最初は30秒前後を想定していたのですが、そのぐらいの秒数だとすぐ終わっちゃうと思って延ばしました。

――いまは普通にゲームを遊ぶ際に起こりうるミスはほぼ帳消しにできるぐらい戻せますよね。分単位で。あまり意味はないですけど、ボスを倒した直後に巻き戻せば、部屋に入って戦い始めるタイミングぐらいまでは戻せる印象です。

島崎:そう感じていただけたなら、制作側が考えている意図通りというか、ありがたいですね(笑)。

▲本作では4タイトルどのゲームを遊んでいる際でも、分単位でゲームの状況を巻き戻せる(写真は『キャッスルヴァニア 白夜の協奏曲』)

谷口:ユーザーのみなさんが想像している以上には巻き戻せるようにはなっていますね。この時間もどこまで戻せるかギリギリまで攻めました。秒数の調整はもちろん、巻き戻す時の再生スピードなんかもM2さんと相談しながら調整しました。

島崎:その辺のチューニングはちょっと複雑で、セーブできるスロット数との兼ね合いもあるんですよ。いつでもセーブできる機能や巻き戻し機能、あとはリプレイを保存する機能はすべてセットでサイズが決まっているんです。

――極論を言ってしまえば、巻き戻し機能を使えば絶対にゲームクリアーはできるようになっているじゃないですか。とくに『悪魔城ドラキュラXX』を遊んでいるときはありがたかったです。穴に落ちたことを帳消しにできるので(笑)。

谷口:巻き戻し機能には自分たちもデバッグの時に助けられました。『XX』は巻き戻し、探索型はいつでもセーブ・ロードを使っていただいている方が多いようです。

▲穴に落ちると即死する『悪魔城ドラキュラXX』では、より巻き戻し機能の重要性が高まる

――今回は日本版、欧州版、北米版と、3つの言語でそれぞれのタイトルを遊べるようになっていますが、ゲーム内容に変化はないですよね?

島崎:そうですね。基本的にはセリフや一部文字のテクスチャーが違うだけです。

――テキスト部分のテクスチャーというかドット自体はGBA版そのままなんですね。元がGBAのゲームとは思えないぐらい読みやすかったので、なんらかの調整が加えられているのかと思っていました。

島崎:それはやっぱり、ハードの性能面の違いだと思います。初期のGBAにはバックライトもなかったですし、液晶も当時だから仕方ないことなんですが、すごく暗い。なのでGBA版をプレイしていた方が本作をプレイすると、文字が読みやすいだけでなく画面がすごく明るく見えると思います。それは当時の液晶だと、かなり明るい色使いにしないとゲーム画面が見えないという実情があったからですね。

―― なるほど。『悪魔城ドラキュラ サークルオブザムーン』は、当時だと画面が暗くて見にくいという評価もあったようですけど、本作で遊ぶぶんにはまったく暗いと感じないですし、圧倒的に遊びやすいですよね。

島崎:はい。当時よりも遊びやすい環境を用意できたのは、今回移植をやってよかったなあと思った点のひとつですね、画面が大きくなったことで、アクションもやりやすくなり、GBAの『キャッスルヴァニア』ってここまで遊べるゲームなんだと改めて実感できました。

次作は『キャッスルヴァニアDSコレクション』!?

――谷口さん、島崎さんが個人的に気に入っているタイトル、あと『Castlevania Advance Collection』として発売されるにあたって追加、調整してとくに満足している機能はありますか?

谷口:好きなタイトルは一致しているんですよ。

島崎:意外なことに。

谷口:これはもう『キャッスルヴァニア 暁月の円舞曲』で、完成度というか全体的なまとまりがしっかりできていて、遊びやすくて面白い。やはり発売順に遊んでいくと、前作の制作経験を活かして作っている部分がすごく見えるので、『暁月』がいいですね。機能的なものだと、意外と気づかれていないのですが、探索型のタイトルを遊んでいるときにオプション画面を開くと、いまどこにいるかが表示されている点ですね。過去の攻略情報とか人の話を聞きながら遊ぼうとすると、エリア名が当たり前のように出てくるのに、ゲーム内では確認できない。「時計塔で〇〇しよう」とか言われるのですが、「あれ、僕はいまどこにいます?」みたいな(笑)。

そこでM2さんと相談して、オプション画面にエリア名が表示されるようにしてもらいました。

▲谷口氏お気に入りのエリア表示。地味ではあるが実際にゲームをプレイしてみると本当に助かる機能(写真は『キャッスルヴァニア 白夜の協奏曲』)

島崎:ぼくも好きなタイトルは『暁月』の完成度の高さと、当時のユーザーが気持ちよくプレイできるように考えられた、遊びやすさが好きですね。機能面でいうと、図鑑が気に入っています。

――図鑑も便利ですよね。スペルフュージョンとかDSS(デュアルセットアップシステム)みたいな、ゲーム内で強力な攻撃方法が一発でわかるので。

谷口:よかったです。図鑑も地味にめちゃくちゃ苦労した要素なので(笑)。

島崎:いま遊ぶとどのタイトルも難しいゲームなので、そういった情報は少しでも最初から知ってもらいたいと思って充実させました。

▲ゲームに役立つ攻略情報が充実している図鑑モード(写真は『キャッスルヴァニア 暁月の円舞曲』)。

――ちょっと気の早い話ではあるのですが、次作以降の構想は決まっていたりするのでしょうか? どのハードの『キャッスルヴァニア』を移植するのか、それとも新作を作るのか……。

谷口:今後については特にお話しできることが何もないのですが…。ファンの声として間違いなく多いのは、Nintendo DSタイトルの移植ですよね(笑)。

島崎:ただ、Nintendo DS、3DSの移植の難易度はGBAと比べるとかなり高いんですよ。DSの上下2画面をそのまま今のモニターに持っていくと画面が圧縮されるし、タッチペンもNintendo Switchの携帯モード以外で再現するにはどうしたらいいのだろうとか。

谷口:今回はGBAの移植なので、当時のゲームをなるべくそのまま遊んでいただけるように作るという方向でよかったのですが、DSは多少手を入れないと厳しいだろうなと。とはいえ多くの方から要望をいただいていますし、僕個人としても出来るだけファンの皆様の希望に添えるように頑張っていきたいなと思っています。

――わかりました。最後にこれから本作が気になっている方や、あるいは買って遊んでいる方に向けてのメッセージをお願いできればと思います。

谷口:すでに買っていただいている方には、本当にありがとうございますとお伝えしたいです。今回の『CAC』は、探索型3本にステージクリアー型1本という構成なんですけど、『悪魔城ドラキュラ 』シリーズで支持されている世界観を構成する要素も、各タイトルそれぞれ収録しています。アートやサウンド、もちろんゲームプレイも存分に楽しめるようになっていので、気になっている方は、ぜひこの機会に『Castlevania Advance Collection』を触ってみてください。

――巻き戻し機能でゲームクリアーは絶対にできますしね。

谷口:はい。それでいて当時のままの難度でストイックにも遊べますので。ぜひ好きなプレイスタイルで楽しんでください。僕は使う派です(笑)。

島崎:既存のファンの方に当時を懐かしんでいただきつつ楽しめる作りなのはもちろんですが、『悪魔城ドラキュラ 』シリーズを新しく触る人が遊んだときにも、当時の難易度を乗り越えて遊んでいけるよう、バランス取りをしています。必ずプレイボリュームで満足してもらえると思うので、ぜひ手に取って頂ければなと思います。

『Castlevania Advance Collection』
オリジナルTシャツプレゼント!

『Castlevania Advance Collection』の発売を記念して、オリジナルTシャツ(サイズはM・Lいずれか)を抽選で3名様にプレゼント! 


応募期間

2021年12月26日まで。

当選発表

会員登録いただいたメールアドレス宛に、noreply@alienwarezone.jpのメールアドレスにて返信いたします。2022年1月中を予定しています。

応募要項

メールアドレスのみで無料で登録できる「Alienware Zone会員」に登録し、以下のキャンペーンページからアンケートにお答えください。ご応募は1人1回のみです。

(1)下の「ご応募はこちらから!」ボタンをクリックし、「Alienware Zone会員」に新規登録/ログインしてください。
※会員登録は無料です。

※応募受付は終了しました。たくさんのご応募、ありがとうございました。


(2)キャンペーン応募ページに切り替わったら、アンケートにお答えのうえ、ページ下部の「送信」ボタンをクリックしてください。アンケートページで登録いただいたメールアドレス宛に確認メールが届いたら応募完了です!
※画面が切り替わらない場合は、ログイン後、サイト右上の「マイページ」を選び、キャンペーン応募ボタンからもご応募いただけます。

※応募受付は終了しました。たくさんのご応募、ありがとうございました。

応募上のご注意

※応募の締切より前に、本プレゼントの当選をご連絡することはありません。
※ご連絡はご当選の場合にのみ行います。
※当選の場合、商品送付に必要な住所、氏名、電話番号以外の個人情報をお聞きすることはありません。
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※商品の発送は日本国内のみに限らせていただきます。
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