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『RPGタイム!~ライトの伝説~』プレイインプレッション:ポップな見た目と特濃のゲーム体験を両立! 前評判最高なインディーゲームの大物の実力やいかに!?

インディーゲーム界の大物がついに本格始動! 2018年の「BitSummit」を皮切りに世界各国のゲームイベントで受賞を重ね、コアなゲームファンから注目を集め続けてきたデスクワーク社の『RPGタイム!~ライトの伝説~』(正式名称は「RPG」が全角文字。以下『RPGタイム! 』)が、2022年3月10日発売に向けて、着々とマスターアップへと近づいている。

本記事では、1ステージ目を丸ごとプレイしたインプレッションをお届け。全7ステージが用意されているゲームの“さわり”部分とは思えないぐらい、情報量と遊びのアイデアが詰まっていた様子を紹介していきたい。


『RPGタイム!~ライトの伝説~』のポイント
  • 高いオリジナリティと情報量の多いグラフィック
  • 1ステージに詰め込まれた大量のアイデア
  • ゲームマスター、ケンタくんの空気を読んだアドバイス(ヒント機能)

独自性と情報量に圧倒されるグラフィック

『RPGタイム!』でまず目を引くのは、やはり独特のグラフィックだろう。本作はゲームが大好きな少年、ケンタくんがノートに描き矯めたRPGを、ケンタくんが用意した文房具やダンボールで作った操作デバイスとして活用してゲームを進めていく設定、世界観。そのためゲームの画面中央ではノートに描かれた鉛筆絵風のキャラクターが動き回り、ノートの外側にはダンボールで作られた方向キー、鉛筆や消しゴム、測定メジャーなどで手作り感あふれるステータス画面が配されていて、ただ目を引くだけでなくゲームが持つ世界観をわかりやすく表すことにもひと役買っている。

▲細部まで描き込まれた鉛筆絵風のグラフィックが特徴的な本作

ただ、グラフィックの雰囲気が“子どもが作った風”なだけで、クオリティそのものに関しては(大手メーカーが作ったゲームと比べても)一級品。ケンタくんが描いたとされる鉛筆絵の点数は膨大で、しかもシーンに応じてアニメーションで動く、マンガのようなコマ割りやフキダシが出る、必要に応じて描き足されたり削られたりする……などなど、目まぐるしく変わっていく。

加えてノート(メイン画面)の端っこの文字やノートの外側も、ゲームの進行やプレイヤーが操る勇者の状態に応じて変化する凝りよう。多彩な演出によるサービス精神と画面の情報量の多さも、本作のグラフィックが持つ魅力のひとつだろう。


▲ノートに描かれた絵という設定だが、ゲームの進行に応じた描き足し/描き消し、ノートの外のアイテムなどで“動きのある”演出が次々と展開される

▲背景に隠されたキャラ探しや、調べるとゲームと実生活で役立つかもしれない豆知識が得られるポイントなど、ゲームの進行と直接関係ない部分の作り込みも充実

複数のゲームジャンルが
詰め込まれたステージ構成

しかし『RPGタイム!』の場合、サービス精神が豊富で情報量が多いのは、グラフィックだけではない。今回実際にプレイさせてもらって最も驚いたのは、1ステージの中に用意されている“遊び”(ゲームジャンル、アクションの種類)の量だ。

まず本作で一番スタンダードと思われるゲームパート、勇者を操作してフィールドを移動する場面だけでも、たとえば最初のステージだと、①ザコ敵との戦闘、②ゲームの進行に必要なポイントやアイテムを探るアドベンチャーパートのほか、③障害物をかわして進む横スクロールアクション、④突然現れた戦車を操縦、⑤敵戦車が放つボールをバットで撃ち返す野球(?)ゲーム……と、大ざっぱに分類して5つほどの要素が盛り込まれていた。

▲本作で最もスタンダードな絵面と言える、勇者を操作してフィールド移動や戦闘を行うパートだが……


▲ゲームを進行させていくと戦車を操作したり、野球(?)に挑戦するなど、プレイに起伏を与える展開が多数用意されている

そしてフィールドを移動するパートとはまた別に、⑥ターン制で戦うRPGライクなボス戦、⑦ゲームボーイ風の俯瞰視点のアクションゲーム“TANK TIME”……など、ゲーム画面とルールがガラリと変わるパートも存在。ゲームの序盤の序盤、1ステージ目だけでもこれだけの遊びが体験できるようになっていた。

本作の発売を担当するアニプレックスの広報いわく、「2ステージ目以降も1ステージ目と同等かそれ以上」のギミックが用意されているとのこと。ゲームボリュームの面から見ても、『RPGタイム!』は期待できそうだ。


▲1対1のボス戦はターン制でアクション要素は低め。相手の弱点を見極めての攻撃や、背景に散りばめられたギミックを使ってボスにダメージを与えていく

▲勇者がゲームの世界に閉じ込められた際にプレイすることになる「TANK TIME」。こちらはバリバリのアクションゲーム


▲TANK TIMEの最後はシューティング、脱出後はボクシングで決着などなど、ボスクラスとの戦いだけでも1ステージの中でバリエーションが存在する

ストレスなく遊ばせる工夫と
空気を読むゲームマスター

1ステージに多くの遊びが詰め込まれていて、さまざまな角度からプレイヤーを楽しませようとする『RPGタイム!』。

それゆえにゲームの局面によって要求される操作技術や、攻略法に気づくための閃きがそれぞれ異なるため、素早い操作が苦手な人ならアクションパートで、アドベンチャーゲームの経験が少ないならキーアイテム探しでゲームの進行が止まる、なんてことがあり得る。

筆者の場合、戦闘全般はほぼ1発でクリアーできたが、ステージ後半の鉄球から逃げるアクションパートと、ボス戦後の宝箱を開ける方法に気づくのには手間取った。

そこをカバーするために本作で充実しているのが、ゲームマスターケンタくんが空気を読んで語り出すアドバイス(ヒント機能)だ。本作ではゲームの進行に必要なアイテムが見つからずに一定時間右往左往したり、同じポイントで何度かミスしてHPがゼロになると、ゲームマスターのケンタくんがそれとなく調べるべき場所を“匂わせ”で教えてくれたり、アクションパートであれば操作の難度を下げるかどうかを相談してくれる。

そのため、やるべきことがわからずゲームが進まなくなる“詰み”に陥ることはないと同時に、アクションパートの難度調整はあくまで“相談”なので、自分の実力だけでゲームをクリアーしたいプレイヤーは納得いくまでチャレンジできる。遊びやすさへの気配りが効いているのも、個人的には好印象だった。


▲直接的なヒントの開示や難易度を調整するかどうかはプレイヤーに選択権がある。遊びやすさだけでなく、自力で攻略したい人への配慮もなされている

独自性の高いポップなグラフィックから感じるキャッチ―さだけでなく、ゲームとして飽きさせないためのアイデアや工夫が詰め込まれていそうな”風格”も漂わせている『RPGタイム!~ライトの伝説~』。今回の記事で本作に興味を持った人は、後日公開予定の開発スタッフインタビューにも目を通してみて、期待を高めてWindows版もしくはXbox版の発売を待っていてほしい。

(C)DeskWorks / Aniplex

●タイトル:RPGタイム! ~ライトの伝説~
●ジャンル:手作りノートアドベンチャー
●発売元:アニプレックス
●開発元:デスクワークス
●プラットフォーム:Xbox Series X|S、Xbox One、Windows(Microsoft Store)
●発売日:2022年3月10日発売予定
●価格:3650円[税込]
●必須スペック
OS: Windows 10/11 64bit
メモリー: 4GB
グラフィック: ビデオメモリ2GB / DirectX 11
●推奨スペック
OS: Windows 10/11 64bit
メモリー: 6GB
グラフィック: ビデオメモリ4GB / DirectX 11
●公式サイトURL:https://rpgtime.jp/
●ダウンロードサイトURL:https://www.xbox.com/ja-jp/games/store/rpg-time-the-legend-of-wright/9p0px95zxbxb

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