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一瞬の駆け引きに息を呑み、血が滾る──『シージ』久々の有観客イベント「RJL2022 Season1 Playoff Stage2」現地レポート

目次
  1. 久しぶりとなる『シージ』有観客開催大会
  2. Day1:RJL上位4チームが順当にベスト4へ
  3. Day2:圧巻のセミファイナル
    1. KAWASAKI SCARZ vs DONUTS USG
    2. CYCLOPS athlete gaming vs Crest Gaming Lst
    3. 3位決定戦:DONUTS USG vs Crest Gaming Lst
  4. 意地と意地のぶつかり合い! グランドファイナル
  5. Season2もまもなく開始
  6. 世界戦で日本リーグのさらなる成長が見られるか
レインボーシックス シージ』の国内リーグ「Rainbow Six Japan League 2022 (RJL)」。そのSeason1のチャンピオンを決めるPlayoff Stage2が、東京都、新宿住友ビル三角広場にて6月4日~5日にかけて開催された。


国内リーグである「RJL」と、誰でも参加できるオープン大会「Rainbow Six Japan Open 2022(RJO)」を勝ち上がったチームが混合して行われるPlayoffだが、オンラインで開催されたStage1では、RJLチームがRJOチームを下す結果となっていた。


久しぶりとなる『シージ』有観客開催大会


新型コロナウイルスの影響を受けながらも成長を続けるeスポーツ界隈だが、今大会Stage2はオフライン有観客での開催となった。『レインボーシックス シージ』の公式大会としては、2019年11月に愛知県常滑市で行われた「プロリーグ シーズン10」以来とのこと。

■関連記事:世界の強豪が誇りを胸に挑んだ戦場に密着「レインボーシックス シージ プロリーグ10ファイナル」Day1取材レポート


コミュニティ大会や、無観客のオフライン開催などもあったが、やはり多くのファンと空間を共にして、国内トッププロのプレイを見る空間は特別なもので、客席前方が確約されるSS席・S席は早々に完売となった。

客席間は個々に十分な距離が確保され、マスク着用のうえで発声も許されていた。1キルごとに起こるバルーンスティックを叩き応援する音や拍手、クラッチやマルチキルなどのプレイに漏れるどよめき声など、オフラインならではの臨場感が存分に感じられるものとなった。

会場の張り詰めた空気感や、ビッグプレイに沸く雰囲気など、どれだけ遠方の地をつなぐ技術が発達しても、これらはオフラインという場でしか味わえないものだ。

会場には各チームのブースも展開され、チームグッズの販売や選手・スタッフとの交流、写真撮影などに興じていた。


Day1:RJL上位4チームが順当にベスト4へ


オフライン開催かつ有観客での開催となった6月4日(土)のStage2 Day1では、行われた4試合すべてがマップスコア2-0という結果で、RJL上位4チームがベスト4に進出。

これは、「APAC North」で戦うFnaticFAV gamingが敗れるというかたちになり、2022年からRJLに参戦しているDONUTS USGとKAWASAKI SCARZ、RJL2022で大きな成長を見せたCrest Gaming Lst(CGL)が勝ち上がった。


そんなこれまで国内リーグを牽引してきたチームが勝ち残れない中でも、堅調に勝利したのはCYCLOPS athlete gaming(CAG)だ。

5月末にアメリカ・シャーロットで行われた「Six Charlotte Major 2022」に出場していたCAGは、(BlackRay選手を除いて)帰国に時間を要し、この日の夕方に帰国、空港から直接新宿へ向かいBO3を戦うという過酷極まりないスケジュールであったが、堅調にラウンドを重ね、REJECTを圧倒した。

Anitun選手の華々しいACEが飛び出すなど、疲労を見せない冷静な戦いぶりに、世界で戦うCAGの強さが垣間見えた。


Day2:圧巻のセミファイナル


6月5日(日)のDay2では、ベスト4から最強を決めるグランドファイナルまでの戦いが繰り広げられた。新生同士の戦いや、確かなプレイを見せるCAGとそれにくらいつくCGLなど、見どころを振り返っていく。

KAWASAKI SCARZ vs DONUTS USG


RJL2022から参戦した新生同士による対決は、あっけないものとなった。SCARZが少人数戦での強さや個々の撃ち合い、判断力の高さを見せ、マップスコア2-0で危なげなく勝利をもぎとる。

MAP1 オレゴン:SCARZ 7-3 DONUTS USG
MAP2 カフェ:SCARZ 7-5 DONUTS USG

CYCLOPS athlete gaming vs Crest Gaming Lst


RJL2022から調子を上げているCGLは、王者CAGとの戦い。

MAP1「ヴィラ」ではCAGが対応力を見せ、ラウンドスコア7-5で勝利するも、MAP2「クラブハウス」はCGLが対応させず7-3でCAGを下す。

そして、今大会初の3rdMAPへもつれこんだ運命の「テーマパーク」は、8-6でCAGが勝利。大接戦を見せるも、CAGが戦術の広さや、BlackRay選手がラウンドを覆すACEを繰り出すなど、圧巻の撃ち合いを見せ、会場も大いに盛り上がった。


MAP1 ヴィラ:CYCLOPS athlete gaming 7-5 Crest Gaming Lst
MAP2 クラブハウス:CYCLOPS athlete gaming 3-7 Crest Gaming Lst
MAP3 テーマパーク:CYCLOPS athlete gaming 8-6 Crest Gaming Lst

3位決定戦:DONUTS USG vs Crest Gaming Lst


賞金だけでなく、「Rainbow Six Japan Championship(RJC)」へのポイントレースを勝ち取るうえでも重要な3位決定戦は、DONUTS USG vs Crest Gaming Lstの最終決戦だ。。

MAP1「カフェ」では、4-2で折り返したCGLが勢いを緩めずペースをつかみ、7-4で快勝。流れをそのままにMAP2「国境」ではCGLが攻撃6ラウンドすべて通しきり、7-1で圧勝。

CGLのカバーラインの引き方と、個々の撃ち合いの強さで拠点を突破していく力強さが存分に垣間見え、プラントへの判断など、ミクロなコミュニケーションで勝利を勝ち取った。

MAP1 カフェ:DONUTS USG 4-7 Crest Gaming Lst
MAP2 国境:DONUTS USG 1-7 Crest Gaming Lst

意地と意地のぶつかり合い! グランドファイナル


決勝に勝ち上がったのは、世界で戦うCAGと、その良きライバルであり、昨年のRJC2021のリベンジに燃えるSCARZだ。


MAP1 オレゴン
SCARZのピックマップである「オレゴン」を制したのはCAG。シーソーゲームが続くなか、攻撃に転じたCAGはAnitun選手のモンターニュによるリアルタイムの索敵や、盾を解除しての撃ち合いが光り、流れを手繰り寄せラウンドスコア7-5で勝利。

MAP2 高層ビル
攻撃スタートのSCARZは、CAGの前のめり気味にあたる戦い方に警戒しつつも、スキを見つけてディフューザー設置まで運び、その後もしっかりとしたクロスファイアでCAGのリテイクを抑え込む。

CAGがファーストブラッドをとる場面が多いものの、5-2とラウンド差をつけ、そのままSCARZが7-4で勝利。決着はMAP3「ヴィラ」へもつれ込んだ。

MAP3 ヴィラ
ラウンド1からSCARZのTaiyou選手のACEクラッチで幕を開けた「ヴィラ」。この勢いは留まることを知らず、なんと5ラウンドを連続で取得。世界で戦うCAGに7-1と圧倒的な差を見せつけ、優勝をもぎとった。


MAP1:オレゴン CYCLOPS athlete gaming 7-5 SCARZ
MAP2:高層ビル CYCLOPS athlete gaming 4-7 SCARZ
MAP3:ヴィラ CYCLOPS athlete gaming 1-7 SCARZ

旧Zepto時代からなかなかチャンスに恵まれてこなかったKAWASAKI SCARZだが、大きなチームに所属してRJLへ出場、RJCのリベンジを見事に果たし、Season1でいきなりトップの座に君臨するシンデレラストーリーを見せた。


Season2もまもなく開始


激闘のオフライン大会を終えたばかりだが、6月12日(日)からは早速次のシーズンが始まろうとしている。

Season1で完成したパワーバランスが崩れるのか、はたまた強さをそのまま突き通すのか、注目を続けていきたい。

そして、Season2のPlayoffも同様に、7月30日・31日にオフライン有観客で開催されることが決定している。やはり同じ空間でファンと時間を共にし、とんでもないプレイに興奮し、1秒単位の駆け引きに息を呑む体験は、どれだけ言葉を尽くしても伝えられるものでない。

来場者へのプレゼントキャンペーンや、出演者・選手との交流も含め、気になった方はぜひ次回は気軽に遊びにいってみてほしい。



世界戦で日本リーグのさらなる成長が見られるか


そして、RJLの先にあるのは世界リーグである「APAC North」だ。APAC Northの出場チームたちがRJLで軒並み敗退していくところを見ると、入れ替え戦ではどのチームが勝ち上がるのか予想をつけるのが難しいだろう。

RJLの発足によって国内プロリーグのレベルが大きく向上し、全体の底上げが行われたことは間違いなく、それが結果として顕著に見え始めている。Season2・3、そしてRJCと国内大会が重なっていく中で、どのような変化が起きるのか注目したい。

また、ゲーム内ではまもなくYEAR7 Season2「Operation Vector Glare」が開幕する。合わせて新オペレーターのAZAMI(アザミ)とSENS(センス)が競技シーンでも使用可能となる。メタが大きく変化するとみられるが、この流れにいち早く乗ることのできるチームが、大きなアドバンテージを得るだろう。

いずれにせよ、次シーズンの競技シーンは大きな変化を迎えそうだ。

レインボーシックス シージ
https://www.ubisoft.co.jp/r6s/
X-MOMENT
https://x-moment.docomo.ne.jp/r6s/rjl/

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