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【インタビュー】日本のeSportsを世界へ! DetonatioN Gaming CEO 梅崎氏に聞く

代表的な日本のゲーム業界団体としてゲームショウなども主催する「一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)」とオンイランゲームメーカーで作る団体「一般社団法人日本オンラインゲーム協会(JOGA)」、eSports業界団体の「一般社団法人日本eスポーツ協会(JeSPA)」と「一般社団法人e‐sports促進機構」「一般社団法人日本eスポーツ連盟(JeSF)」の5団体は9月19日にeSports団体の統合と新設を行うと発表した。

東京ゲームショウ2017の基調講演でeSports団体の統合と新設を発表した 一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会 会長 岡村秀樹氏

これはアジアオリンピック評議会が2022年に中国杭州で開催されるアジア競技大会で、eSportsを公式種目にすると発表したのを受けたものであり、上記5団体で新設する団体は日本オリンピック委員会(JOC)への加盟も目指している。乱立状態だったeSports関連の団体を1本化することで、eSportsの“日本代表選手”を選考して世界大会へ選手を送り込む体制を整えるほか、eSports選手の正式なプロライセンスの発行など、eSportsの選手がアスリートとして本格的に活躍できる場を作っていこうというものだ。なお、eSportsは2024年のパリ大会でも正式種目化が検討されている。

日本eスポーツ連盟の共同代表理事であり、日本最大級のプロeSportsチームである「DetonatioN Gaming」のCEOを務める梅崎伸幸氏に今後の日本のeSportsについて伺った。
(取材日:2017年7月13日)

梅崎伸幸(うめざき のぶゆき)1983年7月1日生まれ。福岡県福岡市出身。東海大学政治経済学部卒。株式会社Sun-Gence代表取締役。プロeSportsチーム DetonatioN Gaming CEO。日本eスポーツ連盟共同代表理事。

――アジア競技大会でeSportsが公式種目になりましたが、これに対して日本の動きを教えてください。

梅崎氏:eSportsの公式種目化に関しては、アジアオリンピック評議会が先行して動いていて、JOCから我々にこれに対応するための打診がありました。私たちとしては、「一般社団法人日本eスポーツ協会(JeSPA)」と「一般社団法人e‐sports促進機構」「一般社団法人日本eスポーツ連盟(JeSF)」の3つの団体が一体にならないと日本代表の選手団を結成できないと考え、新しいeSports団体を作ることを決めました。2017年の後半からeSportsのプロライセンスの発行など様々な大きな動きがありますので、ぜひ注目をして頂ければと思います。プロライセンスを発行する組織ができれば、今までよりメーカーさんが協賛する敷居が下がっていくので、よりeSportsの大会が盛り上がるのではないかと思います。

――この動きのなかで梅崎さんが果たす役割はどのようなものがありますでしょうか?

梅崎氏:まだ未定の部分も多いですが、日本代表の選手や監督の選定、育成などを担当していくと思います。日本代表の統一ユニフォームなども策定していくと思います。具体的な動きはもうすぐ正式に発表できるのではないかと思います。

――次はチームについて教えてください。2017年7月に『League of Legends(以下、LoL)』の国際大会「Rift Rivals」でDetonatioN Gamingも含む日本の「LEAGUE OF LEGENDS JAPAN LEAGUE(以下、LJL)」チームが優勝を果たしましたがこの勝因と課題について教えてください。

梅崎氏:LJL内で日本のライバルチーム同士がしのぎを削って実力を高められたのが一番の勝因かと思います。もともと、日本の選手は海外と比べてもプレイヤーとしての素質がありハンドスキルも高い人が多いです。ただし、日本の選手はコーチングと『LoL』における“マクロ”と呼ばれる分野が弱く、ゲーム全体の動かし方があまり上手くありませんでした。その結果、ゲームの序盤では有利になってもそれをどう動かしていくのか理解できていない選手が多かったのです。そこで私のチームではコーチングとマクロを徹底的に強化しました。特にマクロは、ゲームの後半をどう動かすかに力を入れて研究しました。その結果、私のチームは“マクロが強い”とまで評価を頂けるようになりました。そして他の2チームも同様の研究をし始め強化を行った結果、3チーム全体の実力が底上げされて今年の強さを発揮できたと思います。

ただ、試合前にチームで風邪が蔓延して体調を崩して熱を出してしまった選手が3人も居たので、選手たちの体調管理が課題です。とはいえ、体調の悪さ故に選手たちが慎重にセーフプレイに徹したのでその点も勝因の一つではあるかと思います。

今後はさらにマクロの強化が重要です。そして自分達をいかに磨いて自分達に勝つか……これが課題です。世界大会で勝つためには、相手を研究して合わせるのではなく、自分達の戦略でやりたいこと、やれることを全部やってゲームを引っ張る必要があります。確かに相手を細かく研究すれば勝てますが、それ以上に自分達の強みを作り自分達のペースでゲームをけん引できるようになる必要があります。

――2015年からゲーミングハウスを設立され、選手達が合宿生活を行っていますが、その成果と今後について教えてください。

梅崎氏:2015年1月に千葉県の西船橋に最初のゲーミングハウスを設立しました。最初は選手とスタッフ込みで8名で合宿していました。家賃は40万円と当時の私どものチームにとってはかなり負担で設備も古かったです。そして現在の東京都に移転しましたが、現在は手狭になりつつあるので、移転を検討しています。

2年間共同生活をしてきましたが、結論からいうと必ずしも共同生活は必要ないのではないかと思います。もちろん、一緒に住むことでチームプレイに不可欠なコミュニケーションが取れます。しかし、共同生活には人により向き不向きがありますし、一緒に住むからこそお互いの悪い面も見えてしまうことがあります。今のチームのメンバーは幸いにして、共同生活にフィットしているので良い成果が出ていますが、ちゃんとしたコーチやマネージャーが居るなら一緒に住まなくても選手は育成できるのではないかとも考えています。とはいえ、当面は今のような共同生活を続けようかとは思います。

今は生活の場である“ハウス”と配信や練習をするオフィスが一緒になっていますが、将来的には分離したいと思います。海外の強いチームもオフィスとハウスは分離している傾向があります。ハウスとオフィスが一緒だと、選手たちの移動がなく負担が少ない反面、オンとオフの切り換えがどうしても曖昧になります。また練習時も個室でやるような形式ですので、どうしてもダラダラとやってしまうことがあります。その点、オフィスの方がオンとオフを切り換えられますし、選手達が周囲にスタッフやコーチが居る環境で緊張感を持って練習できます。ゲームの練習とはいえ、仕事と同じで能率的な時間の使い方が必要になってきています。


――DetonatioN Gamingとして注目のタイトルを教えてください。

梅崎氏:『スプラトゥーン2』と『グランツーリスモSPORT』です。『スプラトゥーン2』は、7月13日にDetonatioN Gamingでも新部門の設立を発表しました。これからのe-Sportsのタイトルとしてメジャーになっていくのではないでしょうか。また、『グランツーリスモSPORT』は車メーカーとの親和性が高いので、このゲームがe-Sportsのタイトルとして採用されるようになれば、スポンサーとして車メーカーさんからのご支援が期待できそうです。

――最後にチーム運営の今後の方針をお聞かせください。

梅崎氏:やはりチームを強化し主要タイトルで世界タイトルを獲得していくのが一番の目標です。具体的にはコーチ陣の強化を行っています。今までの日本のチームはコーチの力不足で選手がチームとしての実力に貢献できていませんでした。いまDetonatioN Gamingでは、コーチの育成に力を入れており、その成果が最近のタイトル獲得に繋がっていると思います。また、若手選手の育成、ジュニアリーグと2軍制の設立も目指しています。『LoL』でも最近は選手の平均年齢が上がってきており、そろそろ若い次世代の選手たちが必要です。特に『LoL』は若いプレイヤーが少ないので、早めに有望な人材を発掘する必要があります。継続的に若い人材を発掘することでチームの実力を維持することができます。また現役の選手たちには“2軍落ちするかも知れない”という緊張感が必要です。2軍制を採用することで、現役選手のモチベーションを保ちつつ、現状で実力は無くても可能性がある選手を2軍で育成し、即戦力とすることができます。

さらにそれと平行してサポートしてくれるファンの獲得が重要です。特に大切なのは選手やチームとファンとの一体感です。決してファンを置いてきぼりにしないことです。今後は配信番組とかもさらに増やしていきたいと思います。スポンサーとして支援して頂ける企業は、やはりファンの数や質を見ています。チームと選手、ファン、スポンサー企業のどれもがどうしたら満足できるかを常に考えて施策を打つ必要があります。何をすべきかは、私の中ではある程度見えているので、今後のDetonatioN Gamingにご期待ください。

■関連リンク
DetonatioN Gaming
http://team-detonation.net/
JESU 「一般社団法人日本eスポーツ連合」を設立
https://jesu.or.jp/contents/news/news_detail_180201.html
梅崎伸幸氏のTwitter
https://twitter.com/umezaki_ceo

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