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ゲーマーたち狂熱の宴「EVO Japan」レポート!世界最大の対戦格闘ゲームの祭典、ついに上陸!
1996年に開かれたゲームイベント「Battle the Bay」を発端とし、いまや世界最大規模の対戦格闘ゲーム大会となった「Evolution Championship Series」(以下、「EVO」)。開催ごとに『ストリートファイター』シリーズ以外のタイトルを選出することで参加者を確実に増やし、2005年からはカジノとエンターテインメントの都市「ラスベガス」で開催されるほどの規模に拡大した。
ウメハラ選手、ときど選手、板橋ザンギエフ選手、ふ~ど選手といった日本人プレイヤーもプロゲーマー契約を結ぶ以前から渡米して参加している。梅原選手が「EVO 2004」の『ストリートファイターIII 3rd STRIKE』で見せた「背水の逆転劇」や、「EVO 2017」では無敗のまま『ストリートファイターV』の決勝戦まで勝ち進んだPunk選手(アメリカ)に対し、ときど選手が見事なまでの圧勝を収めたことなど、見る者すべてに強烈な印象と記憶をこれまでに残している。
そんな世界最大の対戦格闘ゲームの祭典が「EVO Japan」として日本でも開催されることが発表されたのは「EVO 2016」決勝戦の会場だ。同年に開催された東京ゲームショウ 2016のプレス説明会では、「EVO Japan」運営事務局から「オリジナルのEVOと変わらないものを」「さまざまな格ゲーコミュニティをひとつに」といった目的で開催に至った経緯を明かした。
あれから約一年半。2018年1月26日~28日の3日間、池袋サンシャインシティ文化会館(予選会場)とアキバ・スクエア(決勝戦会場)を舞台に「EVO Japan」の幕が上がった。当記事では予選会場内の様子を交えつつ、決勝戦から『鉄拳7』と『ストリートファイターV ARCADE EDITION』(以下、『ストV AE』)をピックアップしてご紹介しよう。
この日はメイントーナメントの決勝戦に向けて『ストV AE』『BLAZBLUE CENTRALFICTION』『THE KING OF FIGHTERS XIV』の予選と、Nintendo Switchから『ARMS』の予選決勝戦が行なわれた。
メイントーナメント予選会場ではレバーとボタンの操作音がカチカチと響く静かな戦いが繰り広げられる中、同会場内ではサイドトーナメント「AnimEvoJapan」と、ゲーム毎に有志のプレイヤーたちによる企画を実施するサイドイベントも実施。
こちらは基本的にプレイヤー主体による催しであることや、アーケードゲームの筐体が持ち込まれたことから、ゲームセンターの雰囲気をパッケージングしたような熱い空気感で「EVO Japan」の盛り上げを手伝っていた。
レバーとボタンといった周辺機器を扱う三和電子や、家庭用アーケードコントローラーやゲームパッドでおなじみのHORIなど、企業による協賛ブースも多数出展。中でもSNKブースでは会場限定のグッズも販売されていたことから、長蛇の列をなしていた。
優勝と準優勝をともに収めたのはプロゲーミングチーム「ROX」所属のKNEE選手とCHANEL選手というチームメイト同士によるワンツーフィニッシュで幕を閉じた。試合後のインタビューでは「ROXのメンバーや生放送を見てくれたファンのみなさんなど、多くの人による力でこの結果が出たと思っていますみなさまにも感謝の気持ちをお送りいたします。これからもこういった大会は増えてほしいですし、みなさんにも『鉄拳』を愛してほしいと思います。ファイナリストに残ったのは2015年の大会ぶりで、今回は優勝できるかどうか自信はありませんでしたが、優勝という結果を出せて嬉しいです」とコメントした。
メイントーナメント最後のタイトルとなった『ストV AE』。白熱する試合展開は「EVO Japan」で最大級の注目度を集めた。
「EVO」はダブルイリミネーションというルールを採用しており、本戦を勝ち抜く「ウィナーズブラケット」と、初戦で負けても敗者戦から勝ち上がることができる「ルーザーズブラケット」にそれぞれ分けられている。『ストV AE』でのベスト8は以下のとおりとなった。
・ウィナーズブラケット
MOV選手/INFILTRATION選手(韓国)/Humanbomb選手(香港)/竹内ジョン選手
・ルーザーズブラケット
ときど選手/板橋ザンギエフ選手/ウメハラ選手/ストーム久保選手
ウメハラ選手やときど選手といったスタープレイヤーをはじめとする日本人選手が多くを占める中、香港を代表するHumanbomb選手や、国を超えて2チーム(「Razer」「Team GRAPHT」)に所属する韓国のプロゲーマー・INFILTRATION選手といったアジア圏を代表する強者プレイヤーも入り混じり、「誰が一番強いのか」を決めるのには最高の環境が整ったといえるだろう。
ウィナーズブラケットでは竹内ジョン選手がグランドファイナルへ駒を進める一方、ルーザーズブラケットでは、ウメハラ選手がMOV選手と板橋ザンギエフ選手、そしてときど選手らを次々と制する快進撃を見せたが、INFILTRATION選手を相手に惜しくも敗北。
竹内ジョン選手とINFILTRATION選手が本トーナメントでふたたび組み合うというドラマチックな局面で迎えたグランドファイナル。初戦は竹内ジョン選手が一本取ったが、二戦目はINFILTRATION選手が制す。ここから動きが軽やかになったINFILTRATION選手は、優位に立つチャンスをひしひしと狙うスタイルと積極的な攻めの姿勢が見られるようになり三戦目、四戦目を勝利。
これによって、ルーザーズから勝ち上がったINFILTRATION選手でも優勝への切符を手にできる「リセット」となり、状況は一変。
リセット後の第一試合、そして第二試合をINFILTRATION選手が連勝したことにより王手をかける。かろうじて第三試合は竹内ジョン選手が取り返すものの、ここから戦況を変えることはできず、第四試合を制したINFILTRATION選手が『ストV AE』優勝の座に輝いた。
試合後のインタビューでは、
「”優勝しないだろう”という期待を裏切るような結果を出せて嬉しく思います。ときど選手とウメハラ選手の戦いを見て、『ストリートファイターII』のように昔の技を使っているのが印象的でした。いままでは「EVO」は韓国から遠いところで本家は行なわれているので簡単に行くことができなかったですが、「EVO Japan」としてアジアで初めて行われたことで気軽に来れる機会になったと思います。日本には才能ある若いプレイヤーの多さを実感しました。自分も見習いながら頑張ります」とコメントした。
全試合終了後、興奮の余韻が漂うステージ上には「EVO」のスタッフである「マークマン」ことMark Julio氏が登場し、「see you next year.」と発言。正式なアナウンスが出ていないが、来年も「EVO Japan」が開催されることに期待せざるを得ないだろう。
FPSやMOBAといったジャンルに注目されがちなeSports界隈だが、アーケードシーンから脈々と受け継がれた対戦格闘ゲームの存在ももちろん見過ごすことはできない。もし来年も開催されるのであれば、「格ゲーはわからない」という人でも足を運んでほしいと思う。なぜ毎年夏になると「EVO」が話題になるのか……身を持って知ることができるはずだ。
■関連リンク
EVO Japan
https://evo-japan.net/
ウメハラ選手、ときど選手、板橋ザンギエフ選手、ふ~ど選手といった日本人プレイヤーもプロゲーマー契約を結ぶ以前から渡米して参加している。梅原選手が「EVO 2004」の『ストリートファイターIII 3rd STRIKE』で見せた「背水の逆転劇」や、「EVO 2017」では無敗のまま『ストリートファイターV』の決勝戦まで勝ち進んだPunk選手(アメリカ)に対し、ときど選手が見事なまでの圧勝を収めたことなど、見る者すべてに強烈な印象と記憶をこれまでに残している。
そんな世界最大の対戦格闘ゲームの祭典が「EVO Japan」として日本でも開催されることが発表されたのは「EVO 2016」決勝戦の会場だ。同年に開催された東京ゲームショウ 2016のプレス説明会では、「EVO Japan」運営事務局から「オリジナルのEVOと変わらないものを」「さまざまな格ゲーコミュニティをひとつに」といった目的で開催に至った経緯を明かした。
あれから約一年半。2018年1月26日~28日の3日間、池袋サンシャインシティ文化会館(予選会場)とアキバ・スクエア(決勝戦会場)を舞台に「EVO Japan」の幕が上がった。当記事では予選会場内の様子を交えつつ、決勝戦から『鉄拳7』と『ストリートファイターV ARCADE EDITION』(以下、『ストV AE』)をピックアップしてご紹介しよう。
Day1(予選):2018年1月26日
開催初日となった1月26日は平日の金曜日だったが、朝早くから多くの参加者が会場内を埋め尽くしており、日本人プレイヤーのみならず海外からの来日勢も大挙していたことから、本家「EVO」顔負けの盛況を見せた。この日はメイントーナメントの決勝戦に向けて『ストV AE』『BLAZBLUE CENTRALFICTION』『THE KING OF FIGHTERS XIV』の予選と、Nintendo Switchから『ARMS』の予選決勝戦が行なわれた。
メイントーナメント予選会場ではレバーとボタンの操作音がカチカチと響く静かな戦いが繰り広げられる中、同会場内ではサイドトーナメント「AnimEvoJapan」と、ゲーム毎に有志のプレイヤーたちによる企画を実施するサイドイベントも実施。
こちらは基本的にプレイヤー主体による催しであることや、アーケードゲームの筐体が持ち込まれたことから、ゲームセンターの雰囲気をパッケージングしたような熱い空気感で「EVO Japan」の盛り上げを手伝っていた。
レバーとボタンといった周辺機器を扱う三和電子や、家庭用アーケードコントローラーやゲームパッドでおなじみのHORIなど、企業による協賛ブースも多数出展。中でもSNKブースでは会場限定のグッズも販売されていたことから、長蛇の列をなしていた。
Day2(予選):2018年1月27日
翌日27日は土曜日ということで、「EVO」というイベントを体験・経験したい入場者たちが多く押し寄せ、会場内は初日以上にごった返していた。また、この日から『GUILTY GEAR Xrd REV 2』と『鉄拳7』、『大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U』がメイントーナメントの予選に加わり、人気タイトルの勝負をひと目見ようと、予選会場に設置されたモニター前には観客がズラリと並んでいた。Day3(決勝):2018年1月28日
そしてアキバ・スクエアで迎えた「EVO Japan」最終日の決勝戦。『鉄拳7』はベスト8に進出した選手のうち、2000年代初頭から『鉄拳』シリーズの強豪として頭角を現している韓国勢のプレイヤーが6人も名を連ねており、その牙城っぷりを今回も示しているようにも見えた。優勝と準優勝をともに収めたのはプロゲーミングチーム「ROX」所属のKNEE選手とCHANEL選手というチームメイト同士によるワンツーフィニッシュで幕を閉じた。試合後のインタビューでは「ROXのメンバーや生放送を見てくれたファンのみなさんなど、多くの人による力でこの結果が出たと思っていますみなさまにも感謝の気持ちをお送りいたします。これからもこういった大会は増えてほしいですし、みなさんにも『鉄拳』を愛してほしいと思います。ファイナリストに残ったのは2015年の大会ぶりで、今回は優勝できるかどうか自信はありませんでしたが、優勝という結果を出せて嬉しいです」とコメントした。
メイントーナメント最後のタイトルとなった『ストV AE』。白熱する試合展開は「EVO Japan」で最大級の注目度を集めた。
「EVO」はダブルイリミネーションというルールを採用しており、本戦を勝ち抜く「ウィナーズブラケット」と、初戦で負けても敗者戦から勝ち上がることができる「ルーザーズブラケット」にそれぞれ分けられている。『ストV AE』でのベスト8は以下のとおりとなった。
・ウィナーズブラケット
MOV選手/INFILTRATION選手(韓国)/Humanbomb選手(香港)/竹内ジョン選手
・ルーザーズブラケット
ときど選手/板橋ザンギエフ選手/ウメハラ選手/ストーム久保選手
ウメハラ選手やときど選手といったスタープレイヤーをはじめとする日本人選手が多くを占める中、香港を代表するHumanbomb選手や、国を超えて2チーム(「Razer」「Team GRAPHT」)に所属する韓国のプロゲーマー・INFILTRATION選手といったアジア圏を代表する強者プレイヤーも入り混じり、「誰が一番強いのか」を決めるのには最高の環境が整ったといえるだろう。
ウィナーズブラケットでは竹内ジョン選手がグランドファイナルへ駒を進める一方、ルーザーズブラケットでは、ウメハラ選手がMOV選手と板橋ザンギエフ選手、そしてときど選手らを次々と制する快進撃を見せたが、INFILTRATION選手を相手に惜しくも敗北。
竹内ジョン選手とINFILTRATION選手が本トーナメントでふたたび組み合うというドラマチックな局面で迎えたグランドファイナル。初戦は竹内ジョン選手が一本取ったが、二戦目はINFILTRATION選手が制す。ここから動きが軽やかになったINFILTRATION選手は、優位に立つチャンスをひしひしと狙うスタイルと積極的な攻めの姿勢が見られるようになり三戦目、四戦目を勝利。
これによって、ルーザーズから勝ち上がったINFILTRATION選手でも優勝への切符を手にできる「リセット」となり、状況は一変。
リセット後の第一試合、そして第二試合をINFILTRATION選手が連勝したことにより王手をかける。かろうじて第三試合は竹内ジョン選手が取り返すものの、ここから戦況を変えることはできず、第四試合を制したINFILTRATION選手が『ストV AE』優勝の座に輝いた。
試合後のインタビューでは、
「”優勝しないだろう”という期待を裏切るような結果を出せて嬉しく思います。ときど選手とウメハラ選手の戦いを見て、『ストリートファイターII』のように昔の技を使っているのが印象的でした。いままでは「EVO」は韓国から遠いところで本家は行なわれているので簡単に行くことができなかったですが、「EVO Japan」としてアジアで初めて行われたことで気軽に来れる機会になったと思います。日本には才能ある若いプレイヤーの多さを実感しました。自分も見習いながら頑張ります」とコメントした。
全試合終了後、興奮の余韻が漂うステージ上には「EVO」のスタッフである「マークマン」ことMark Julio氏が登場し、「see you next year.」と発言。正式なアナウンスが出ていないが、来年も「EVO Japan」が開催されることに期待せざるを得ないだろう。
FPSやMOBAといったジャンルに注目されがちなeSports界隈だが、アーケードシーンから脈々と受け継がれた対戦格闘ゲームの存在ももちろん見過ごすことはできない。もし来年も開催されるのであれば、「格ゲーはわからない」という人でも足を運んでほしいと思う。なぜ毎年夏になると「EVO」が話題になるのか……身を持って知ることができるはずだ。
■関連リンク
EVO Japan
https://evo-japan.net/