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吉本興業、eSports事業に本格参入! プロチーム運営、ゲーム実況配信、イベント運営を柱に
タレントマネージメントをはじめ、あらゆるエンターテインメントに関わる吉本興業は2018年3月7日、eスポーツ事業に本格参入することを発表した。
会見の冒頭でまず、慶應義塾大学教授であり、旧日本eスポーツ協会 元理事でもある中村位知哉氏が登壇しeSportsについて解説。「eSportsが新しい産業、新しい文化、新しいスポーツになります。世界市場は年32%くらいで成長しておりまして、プレイヤー数も世界で1億人を数えます。アジア大会での正式種目化も決まりました。しかし、日本はゲーム大国でありながら、eSports後進国でした。市場規模は世界の15分の1程度、プレイヤーは20分の1程度と言われています」と世界と日本の現状を紹介。その上で、eSports関連団体のJeSUへの統一によるライセンス発行や賞金付き大会の開催、海外大会への日本代表の派遣が可能となったことを説明した。
そして、「6000人以上の芸人を擁する吉本興業ですから、新しいeSportsの楽しみ方とか観戦方法を開発してくれるんじゃないでしょうか。日本列島のeSportsを吉本が揺るがしてくれたらと思います」と語った。
続いて、よしもとクリエイティブ・エージェンシー、スポーツ事業センター長の星久幸氏よりeSports事業についての概要が紹介された。吉本興業eスポーツ事業では、3つの柱を軸に活動を進めていくという。
まずは、格闘、FPS、MOBA、スポーツ、レースといったeスポーツの各分野におけるプロチーム「よしもとゲーミング」の運営。ただし、自社ですべてを運営するわけではなく、様々な企業との協業を行っていく。
具体的には、まずプロチーム世界一を目指すチーム運営として、eSportsトップチームの運営経験が豊富な「DeToNator」と協業し、「よしもとデトネーター」を立ち上げる。eスポーツ市場で成長著しいフィリピンを活動拠点として、外国人選手でチームを編成し、国外のプロゲーマーの発掘・育成を行いながら、高額賞金で有名な『Dota 2』部門での世界一を目指す。
一方、日本人中心のチームとしては3チーム。チーム「アキハバラ エンカウント」とのタッグで『Overwatch』部門の台湾リーグに挑戦する「よしもとエンカウント」、国内を主戦場として日本人選手や芸人の加入も見越した、スマートフォンゲーム『Shadowverse』部門に参戦する「よしもとリバレント」、『ポッ拳 POKKEN TOURNAMENT』部門を専門として活動する「よしもとエクストラクター」。いずれもそれぞれにeSports分野で実績を持つ企業やチームとの協力体制をもって進めて行く。
また、吉本興業として初めて、3名のプロゲーマーと契約を締結。いずれも吉本興業に所属するお笑いタレント出身もしくは現在も活動中の面々だが、ゲームの腕前は折り紙つきだ。
▲よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属のプロゲーマー第一号となったジョビンさん(左)、西澤祐太朗さん(中央)、小池龍馬さん(右)
『ストリートファイター』シリーズを得意とするジョビンは、NSC大阪校27期生。リアル格闘家としてDEEPフェザー級第4代チャンピオンにも輝いており、リアル&ゲームでのチャンピオンを目指す。
『スプラトゥーン』シリーズを得意とする西澤祐太朗は、NSC東京校16期生。現在も、裏切りマンキーコングとしてコンビ活動を行っており、YouTubeでのゲーム実況も実施。Libalentのチーム「Libalent Calamari」ですでにプロゲーマーとしても活動している。
そして、『コール オブ デューティ』シリーズの世界ランカーでもある小池龍馬は、NSC東京校18期生。お笑いコンビ、マケレレとして活動してきたが、「会社に解散しろと言われた」ことでこれからはプロゲーマーに専念するという。
ちなみに、3名とも同社が芸人とは決して結ばないと言われる契約書類により、月給制での活動となっており、賞金のみで活動するというわけではないという。
会場にはゲーム好き芸人として井上聡(次長課長)、藤田憲右(トータルテンボス)、菅良太郎(パンサー)、池田一真(しずる)らが登壇。それぞれのゲーム好きエピソードを語ったのち、プロの実力を試すということで『ストリートファイターV AE』でジョビンに挑む企画が行われ、体力差のハンデをつけるなどして挑んだがいずれもあえなく惨敗。最後はジョビンが目隠し状態で対決し、さすがのジョビンも勝つことはできなかったが、その強さをまじまじと見せつけた。
2本目の柱は、現在も多くのタレントが実施しているというゲーム実況配信事業。twitch、OPENREC.tv、Extractor.live、YouTube Gaming等の配信プラットフォームを用いたゲーム実況、ニコニコ動画、Abema TVなどのインターネット配信番組のゲーム番組への出演などに注力するという。すでに、ALIENWARE ZONEでもおなじみの芸人、エリック・ニコラスのPSO2配信や、『ポケモンGO』の攻略動画を配信している(株)はつだ「はっちゃんねる」なども活動しており、今後は実況に特化したタレント育成なども行っていくという。
3つ目はイベント・大会の実施だ。今後よしもとが運営している劇場や大型ショッピングモール、映画館などを使って、eSportsイベントを開催するという。eSportsの常設会場は数だまだまだ少なく、若者が集まるスポットにもないことから、小規模な大会やファン向けイベントなどのコンテンツの展開には期待が持てそうだ。
会見の最後にはサプライズとして、今年の8月3日〜5日の3日間、アメリカ・ラスベガスで行われる世界最大級の格闘ゲーム大会「EVO2018」に先立ち、競技対象タイトルを使用した招待選手選考イベントの開催も発表された。これは、上位入賞者とよしもとクリエイティブ・エージェンシーがプロ契約を結び、ラスベガスまでの渡航費、宿泊費などをサポートするというもの。会場はe-sports SQUARE AKIHABARAで、4月以降に開催予定。詳細はよしもとゲーミングのウェブサイト(http://yoshimoto-gaming.com)にて発表されるという。
得意とする企画・政策・流通・育成・PRといった国内外で展開する事業プラットフォームを、eSportsにも活用し、ビジネスエコシステムの構築、さらには日本のエンターテインメント界に新たな産業を創出に寄与したいという吉本興業。長期的なスパンで見たeSports事業がどのように展開され、国内eSports業界にどのような好影響をもたらしてくれるのか、今後の活動が楽しみだ。
会見の冒頭でまず、慶應義塾大学教授であり、旧日本eスポーツ協会 元理事でもある中村位知哉氏が登壇しeSportsについて解説。「eSportsが新しい産業、新しい文化、新しいスポーツになります。世界市場は年32%くらいで成長しておりまして、プレイヤー数も世界で1億人を数えます。アジア大会での正式種目化も決まりました。しかし、日本はゲーム大国でありながら、eSports後進国でした。市場規模は世界の15分の1程度、プレイヤーは20分の1程度と言われています」と世界と日本の現状を紹介。その上で、eSports関連団体のJeSUへの統一によるライセンス発行や賞金付き大会の開催、海外大会への日本代表の派遣が可能となったことを説明した。
そして、「6000人以上の芸人を擁する吉本興業ですから、新しいeSportsの楽しみ方とか観戦方法を開発してくれるんじゃないでしょうか。日本列島のeSportsを吉本が揺るがしてくれたらと思います」と語った。
続いて、よしもとクリエイティブ・エージェンシー、スポーツ事業センター長の星久幸氏よりeSports事業についての概要が紹介された。吉本興業eスポーツ事業では、3つの柱を軸に活動を進めていくという。
まずは、格闘、FPS、MOBA、スポーツ、レースといったeスポーツの各分野におけるプロチーム「よしもとゲーミング」の運営。ただし、自社ですべてを運営するわけではなく、様々な企業との協業を行っていく。
具体的には、まずプロチーム世界一を目指すチーム運営として、eSportsトップチームの運営経験が豊富な「DeToNator」と協業し、「よしもとデトネーター」を立ち上げる。eスポーツ市場で成長著しいフィリピンを活動拠点として、外国人選手でチームを編成し、国外のプロゲーマーの発掘・育成を行いながら、高額賞金で有名な『Dota 2』部門での世界一を目指す。
一方、日本人中心のチームとしては3チーム。チーム「アキハバラ エンカウント」とのタッグで『Overwatch』部門の台湾リーグに挑戦する「よしもとエンカウント」、国内を主戦場として日本人選手や芸人の加入も見越した、スマートフォンゲーム『Shadowverse』部門に参戦する「よしもとリバレント」、『ポッ拳 POKKEN TOURNAMENT』部門を専門として活動する「よしもとエクストラクター」。いずれもそれぞれにeSports分野で実績を持つ企業やチームとの協力体制をもって進めて行く。
また、吉本興業として初めて、3名のプロゲーマーと契約を締結。いずれも吉本興業に所属するお笑いタレント出身もしくは現在も活動中の面々だが、ゲームの腕前は折り紙つきだ。
▲よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属のプロゲーマー第一号となったジョビンさん(左)、西澤祐太朗さん(中央)、小池龍馬さん(右)
『ストリートファイター』シリーズを得意とするジョビンは、NSC大阪校27期生。リアル格闘家としてDEEPフェザー級第4代チャンピオンにも輝いており、リアル&ゲームでのチャンピオンを目指す。
『スプラトゥーン』シリーズを得意とする西澤祐太朗は、NSC東京校16期生。現在も、裏切りマンキーコングとしてコンビ活動を行っており、YouTubeでのゲーム実況も実施。Libalentのチーム「Libalent Calamari」ですでにプロゲーマーとしても活動している。
そして、『コール オブ デューティ』シリーズの世界ランカーでもある小池龍馬は、NSC東京校18期生。お笑いコンビ、マケレレとして活動してきたが、「会社に解散しろと言われた」ことでこれからはプロゲーマーに専念するという。
ちなみに、3名とも同社が芸人とは決して結ばないと言われる契約書類により、月給制での活動となっており、賞金のみで活動するというわけではないという。
会場にはゲーム好き芸人として井上聡(次長課長)、藤田憲右(トータルテンボス)、菅良太郎(パンサー)、池田一真(しずる)らが登壇。それぞれのゲーム好きエピソードを語ったのち、プロの実力を試すということで『ストリートファイターV AE』でジョビンに挑む企画が行われ、体力差のハンデをつけるなどして挑んだがいずれもあえなく惨敗。最後はジョビンが目隠し状態で対決し、さすがのジョビンも勝つことはできなかったが、その強さをまじまじと見せつけた。
2本目の柱は、現在も多くのタレントが実施しているというゲーム実況配信事業。twitch、OPENREC.tv、Extractor.live、YouTube Gaming等の配信プラットフォームを用いたゲーム実況、ニコニコ動画、Abema TVなどのインターネット配信番組のゲーム番組への出演などに注力するという。すでに、ALIENWARE ZONEでもおなじみの芸人、エリック・ニコラスのPSO2配信や、『ポケモンGO』の攻略動画を配信している(株)はつだ「はっちゃんねる」なども活動しており、今後は実況に特化したタレント育成なども行っていくという。
3つ目はイベント・大会の実施だ。今後よしもとが運営している劇場や大型ショッピングモール、映画館などを使って、eSportsイベントを開催するという。eSportsの常設会場は数だまだまだ少なく、若者が集まるスポットにもないことから、小規模な大会やファン向けイベントなどのコンテンツの展開には期待が持てそうだ。
会見の最後にはサプライズとして、今年の8月3日〜5日の3日間、アメリカ・ラスベガスで行われる世界最大級の格闘ゲーム大会「EVO2018」に先立ち、競技対象タイトルを使用した招待選手選考イベントの開催も発表された。これは、上位入賞者とよしもとクリエイティブ・エージェンシーがプロ契約を結び、ラスベガスまでの渡航費、宿泊費などをサポートするというもの。会場はe-sports SQUARE AKIHABARAで、4月以降に開催予定。詳細はよしもとゲーミングのウェブサイト(http://yoshimoto-gaming.com)にて発表されるという。
得意とする企画・政策・流通・育成・PRといった国内外で展開する事業プラットフォームを、eSportsにも活用し、ビジネスエコシステムの構築、さらには日本のエンターテインメント界に新たな産業を創出に寄与したいという吉本興業。長期的なスパンで見たeSports事業がどのように展開され、国内eSports業界にどのような好影響をもたらしてくれるのか、今後の活動が楽しみだ。