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【LJL 2018 Spring Split】大波乱の前半戦、“最も印象的だったプレイヤー”「MIP」を振り返る

波乱の前半戦、と言っていいでしょう。
League of Legends Japanese League(以下、LJL)2018のSpring Splitが全10ラウンド中5ラウンドまでを消化し、早くも折り返しを迎えたところで、各チームの現状と後半戦の展望を……と思ったのですが、筆者はゴールドtierの、よく言って中級者。トップシーンのチームを上から目線で分析する立場にはありません。

ということで各チームで一番印象的だった選手「Most Impressive Player」(MIP)を独断と偏見で称えつつ、大変動の8.4パッチがやってくる後半戦に向けて、期待したいところを考えていきます。
では、さっそくいってみましょう。

6位:7th heaven(1勝4敗)

(左から)SatoRy選手、Savage選手、Rokenia選手、Haretti選手、ThintoN選手

MIP:Rokenia選手

7th heavenのエースがRokenia選手だというのは、おそらく多くの人が頷くところでしょう。
そのRokenia選手、今シーズンはマップの中心Midに固定され、チームのために働きに働いています。その姿に、時間の流れのはやさを感じます。
2015年に19歳で来日してから、もう3年近くがたちました。スキルとゲームメイク能力は当時から図抜けていましたが、どこかつかみどころがない雰囲気もありました。それが今では、チームから全幅の信頼とともに、細かい貢献と圧倒的なキャリーを託される存在に変貌しています。
前半戦の使用回数はライズとアジールが最多の3回ながら、1度ずつ見せたコーキとカサディンもスコアは驚異的。
これからやってくる8.4パッチでは、これらのハイパーキャリーに加えて統率の旗対策をかねてシンドラも人気です。Midの仕事が多い状況は続くので、引き続き「おれについてこい」と言わんばかりのプレーが見たいものです。
…と思っていたら、後半戦を前にTopへのコンバートが発表されました。MiDにはHW4NGコーチが選手として出場するとのこと。チームのためにロール変更をいとわないのも、なんともRokenia選手らしいところなのです。

5位:V3 Esports(2勝3敗)

(左から)cogcog選手、Smile選手、E hi選手、Keymaker選手、Kazu選手

MIP:Kazu選手

V3 Esportsについてはもうチームの意思統一がMost Impressiveです。
ショットコーラーがわかればその人にと思ったのですが、わからないのでKazu選手にします。
キレイなローテーションでタワーを破壊する行動はもちろん、相手につかまるギリギリのラインで一糸乱れぬ駆け引きを長時間続けられるのは、チームとしての練度の高さの証し。
チームで公式にネタ扱いされている「カズベイト」も、その場面では封印です。
タム・ケンチ、ブラウム、アリスターといったここまで好んで使用してきたチャンピオンたちは今後もメタの中心に居座りそうなので、その点も視界良好。
機会があれば、チームのコールは誰が担当しているのか聞いてみたいと思います。

4位:Rascal Jester(2勝3敗)

(左から)alleycat選手、WyverN選手、Fanxy選手、NoA選手、Yuki選手

MIP:alleycat選手


去年と今年でもっとも印象が変わったプレーヤーはalleycat選手じゃないでしょうか。
タンク系で安定感のあるプレーを見せる印象から、今季はナサスやらブラッドミアやらイラオイやら、LJLで他のTopレーナーが誰も使っていないチャンピオンを率先して使用しています。
Rascal Jesterの中心はJungleのWyverN選手とMidのFanxy選手だと思いますが、新鮮な驚きを与えているのはalleycat選手なのです。
以前、彼はこんなふうに言っていました。
「僕の仕事は、メタ通りにチャンピオンを使いこなして、マッチアップ通りの結果を出すこと」
しかし今シーズンのプレースタイルを見ると、メタをおさえたうえでその一歩先へ進んで、自分のところで有利を作り出そうという意志を感じます。
LoL』はいつでも変わらず重要な中心スキルとともに、絶えず変動する環境への対応力が問われるゲームでもあります。8.4パッチの大変動は、彼のようなタイプにこそ追い風になるのかもしれません。

3位:PENTAGRAM(2勝3敗)

(左から)Paz選手、Once選手、Ramune選手、YutoriMoyasi選手、Gaeng選手

MIP:Gaeng選手


今年もすさまじいダメージを毎試合出し続けるYutoriMoyasi選手……の横で、この新加入のSupportもすごいことをしています。
伝統の最強Botレーンを早くも再現しながら、何よりプレーの幅が広いです。
ジャンナからラカンまで、と言えば伝わるでしょうか。ここまでLJLでラカンを複数回ピックしたのは彼だけで、今後8.4パッチではさらにラカンの重要性が上がることを考えても、Gaeng選手の存在感は確実に増してくるでしょう。
本人も「コミュニケーションが最初は難しかった」と発言していますし、SupportとJungleというチームを動かす2つのポジションが代わったチームにとって、時間による上積みは大きいです。
くわえてPENTAGRAMはオフシーズンのペナルティで前半戦すべてのマッチを0-1からスタートしていたので、この順位が実力を正確に反映していない可能性が高いとなると、台風の目がPGMになっても全く不思議ではないでしょう。

2位:Unsold Stuff Gaming(3勝2敗)

(左から)apaMEN選手、Tussle選手、Gariaru選手、Gango選手、Enty選手

MIP:Gariaru選手

Gango選手は確かに飛びぬけてうまいです。もしかするとLJLのADCでトップかもしれません。
でも彼がスーパーであることは、過去の経歴を見れば分かっていました。だって2014年にSamusung Whiteが世界一になった時のサブなんですから。
そういう意味で最も印象的だったのは、Gariaru選手じゃないかと思います。昨年のUnsold Stuff Gamingは、完全なMidキャリーのチームでした。そのREMINDが抜けた時に、Midに韓国人選手を補強するのではなくGango選手をADCに迎える決断ができたのは、Gariaru選手のMidが計算できたからに違いありません。
そして今シーズンが開幕し、その期待が正しかったことも証明されました。ガリオ、アジール、タリヤ、ライズ、ゾーイと一線級のチャンピオンを使いこなし、マップ中央で存在感を発揮しています。
「はうちゃれ」というブログの管理人としても有名ですが、チャレンジャーのなり方どころか、LJLで戦う方法すら知っていたとは。油断ならない男です。
はにかむような笑い方がかなり気になる選手でもあるので、試合後のMVPに選ばれて話すところが見てみたい、というのが大きな願望です。

1位:DetonatioN FocusMe(5勝0敗)

(左から)Evi選手、Steal選手、Ceros選手、Yutapon選手、viviD選手

MIP:Evi選手

レーンの対面をほぼすべてのゲームで圧倒し、集団戦でも機能する。Evi選手の個人技は今シーズンとんでもなく冴えています。
MidのCeros選手とともにレーンを押し込むことで、Steal選手の行動範囲を広げる影響力も見逃せません。そういえばSteal選手も、チームにより溶け込んできたのか、表情が昨年より格段に柔らかくなったように見えます。
無理やり心配ごとをひねり出すとすればふたつ。
一つは統率の旗のあまりの強さゆえに後半戦のTopはどうやらタンクが中心になりそうで、ナーやカミールを使った時のような「楽しくてしかたない!」という姿を見る機会が減りそうなこと。
もう一つは、Jungleが確保できる視界が激減するので、レーンをプッシュすることのリスクが上がること。
どちらもそれなりに影響がありそうですが、今のDetonatioN FocusMeにとって致命的な問題になるとは考えづらいのも正直なところです。
現時点で2勝分のアドバンテージを持って首位を独走しているので、レギュラーシーズン1位はほぼ手中と言っていいでしょう。昨年はSpring Split、Summer Splitともに1位通過からFinalで敗れるという結果だったので、その流れを断ち切る準備に使う時間は十分にありそうです。



全体としては、チームとしての成熟度にはバラつきがあれど、プレーヤー単位で言うと多くの人が個性と実力を発揮しているシーズンだという印象があります。
そしてLJLにおいてとくに大きな意味を持つ順位は、実は1位よりも6位よりも、プレーオフ進出が可能になる3位と、入れ替え戦を回避できる4位です。

独走のDFMをのぞく5チームが団子の状況で、新パッチは世界的にもMidにサイオンが登場しちゃうくらいのカオス模様。
まさに予想不能な状態での後半戦、一つの勝ち負けがその重要な順位を左右しそうで目が離せません。

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■LJL 2018 Spring Split 戦績(ラウンド5終了時点。カッコ内は獲得ゲーム数)
Round 1
PGM(2)vs V3(1)
USG(2)vs RJ(0)
DFM(2)vs 7h(1)

Round 2
V3(1)vs RJ(2)
7h(0)vs USG(2)
PGM(0)vs DFM(2)

Round 3
7h(2)vs PGM(0)
USG(1)vs V3(2)
RJ(0)vs DFM(2)

Round 4
DFM(2)vs V3(0)
PGM(1)vs USG(2)
7h(1)vs RJ(2) 

Round 5
V3(2)vs 7h(0)
RJ(1)vs PGM(2)
USG(0)vs DFM(2)

■LJL 2018 Spring Split トッププレイヤー(ラウンド5終了時点)
平均KDAランキング
1 Ceros(DFM) 14.6
2 Yutapon(DFM) 11.8
3 YutoriMoyasi(PGM) 9.2
4 Gango(USG) 8.0
5 Ramune(PGM) 6.2

平均KILLSランキング
1 Gango(USG) 6.0
2 Yutapon(DFM) 5.9
3 NoA(RJ) 5.9
4 YutoriMoyasi(PGM) 5.4
5 E hi(V3) 4.1

平均ASSISTSランキング
1 viviD(DFM) 9.8
2 Gaeng(PGM) 9.0
3 Tussle(USG) 8.9
4 Enty(USG) 8.7
5 Steal(DFM) 7.8

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