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「ゲーミングPC」は“特別”から“日常”へ ──「Alienware m16 R2」「Alienware x16 R2」新製品発表会レポート
目次
2024年2月27日、東京駅近隣にあるKITTE丸の内 1階アトリウムにて、「Inspironシリーズ」 および「Alienwareシリーズ」ゲーミングPC新製品発表会が開催された。会場は3月7日まで開催中のポップアップストア「WELCOME TO THE ZONE」で、XPSシリーズからAlienwareまでデル製品を実際に触れることができる。
今回はその中で、Alienwareシリーズについてあらためてお伝えしたい。
Alienwareシリーズといえば、古くは宇宙人のようなイメージと煌びやかなライティングなどで、ゲームの楽しさやサイバー感を演出するというゲーミングPCのデザインを切り開いたモデルだった。
今回発表された「Alienware m16 R2」と「Alienware x16 R2」は、そのシリーズの中でもよりコンパクトで、PCゲームを快適に遊ぶためのパワフルな機構を搭載したモデル。従来モデルよりも小型化が進み、しかもビジネスユースなども見据えた変更となっている。
「Alienware m16 R2」は、従来モデルよりも奥行き、横幅ともにコンパクトになった最新モデル。もともとAlienwareのゲーミングノートPCには、フラッグシップの「Area-51」、薄型の「m」シリーズ、さらに薄型コンパクトな「x」シリーズがあったが、現状は「m」シリーズが最上位となり、サイズや世代で性能も変化。「x」シリーズはコンパクトさを強みにしたラインナップに変わっている。
実際にm16を新旧で比較してみると、ちょうど旧モデルの背面にあった素材が異なる部分が切り取られたようになっている。
特徴的な機能のひとつが、ボタンひとつでゲーム優先からビジネス・カジュアル向けに性能を抑える「ステルスモード」だ。Alienware m16 R2のサイズ的に、これ1台だけでPCゲームをガンガン遊ぶというよりは、省スペースで持ち運びもでき、時にはビジネスや動画編集などの用途にも使えることが最大のメリットでもある。実際、最近ではビジネスユースでもハイスペックなGPUを搭載するモデルのニーズが増えているとのことで、特にノートマシンではその傾向が顕著なようだ。
これまでも、オーバークロックプロファイルなどを切り替えられる「Alienware Command Center」を用いれば同様の設定を行うことはできた。ただし、プロファイルの切り替えには再起動が必要だったり、抑えすぎるとかえって他の動作がうまくいかないといった面もあり、ユーザーが設定するにはいろいろと手間がかかったのも事実。今回、メーカーとして機能を実装したことで、ビジネスユースの人にもより使いやすいモデルになったと言える。
そして、忘れてはいけないのがIntel Ultra Coreシリーズの採用だ。「ステルスモード」の省電力化を支えているのは、この新しいCPUの恩恵もある。世間ではAI処理の高速化などが言われているが、ゲーミングPCにとっての恩恵は低消費電力でありながら処理能力が高いという点。
大排気量エンジンのクルマでパワーを抑えて走るのがIntel Core シリーズだとすれば、Intel Ultra Coreシリーズはプラグインハイブリッド車のように、エンジンとモーターを最適な場面で使い分けたり、同時に使ったりできるといったイメージだ。つまり、CPUの根本のところから、ゲーミング向けにもビジネス向けにも最適化されていると言える。
もうひとつの恩恵は、パームレスト部分の大型化だ。旧モデルは冷却のためのキーボード奥のスリット部分がかなり大きく取られていたが、R2では一般的なノートPCと変わらない程度のスリットに収まった。これにより、手前のタッチパッドとパームレスト部分の窮屈感はかなり解消されている。
ラインナップとしては、このAlienware m16 R2の上にさらにAlienware m18があり、GPUのBTOカスタマイズの選択肢としてはそちらの方がよりパワフルだ(m16 R2はRTX 4070まで)。日常的にPCゲームが目的で、ひたすらぶん回して遊びたい、という人にはm18が、ゲームだけでなくさまざまな用途でも使いたい、最新の技術を使ってみたいという人にはm16がおすすめできそうだ。
もうひとつの新製品、Alienware x16 R2の方は、m16 R2よりもさらに小型・薄型なモデル。カラーリングもシルバー基調のモデルとなり、より洗練された印象だ。
薄型化のために底面のスリットが拡大したほか、滑り止めのためのゴムもありつつ、吸排気スペースも確保されている。
内側はブラックにしてゲームに集中できるようにし、外側はシルバーやホワイトにするというデザインは踏襲しており、外出の多いビジネスマンや持ち運びが必要な学生などには、より軽量なAlienware x16 R2の方が好まれるだろう。
なお、端子類はサイドにはなく背面に集中している。この設計は分厚かった頃のAlienwareノートPCから踏襲されている伝統であり、作業時やゲームプレイ時の見た目もケーブルが少なくシンプルにできることから、ミニマリストなどにも好まれそうだ。
さらに、新製品として既報ながら、新しいAlienwareゲーミングモニターも紹介された。31.5インチの4K QD-OLEDモニターの「AW3225QF」は曲面タイプで、最大240Hzのリフレッシュレート、GtGで0.03msという応答速度を誇る。
そして、27インチのQHD QD-OLEDモニター「AW2725DF」は、最大360Hz、0.03msというスペックになっている。
どちらもゲーミングモニターとしての性能は折り紙付きで、OLED(有機EL)モニターもかなり一般的になってきた。まだまだ価格はそれなりだが、今後はどんどん価格も下がって一般化していくだろう。
ゲーム体験において、モニターの性能は時にPC以上に重要になる。ちらつきがなく、長時間の視聴でも疲れにくいという特徴が、今後さらにゲーミングモニター分野で広がっていくだろう。
もうひとつの新製品は、Alienwareブランドとして「Pro」という名称を冠した初めてのキーボード&マウスだ。いずれもAlienwareがファシリティセンターなどで協力している北米Team Liquidのプロゲーマーたちからのフィードバックを受けて開発されているという。
そんな「Alienware Pro ワイヤレスキーボード」は、テンキーレスの75%サイズで、右端に修飾キーなどを備えたUS配列のワイヤレスキーボードだ。
大きな特徴は、あらかじめスイッチの交換が可能となっている点だ。対応するのは3ピン/5ピンで、市販スイッチをそのまま交換可能となっている。また、標準のスイッチは赤色だったが、静音のためのジェルが内蔵されており、必要以上のうるささを抑えているという。
「Alienware Pro ワイヤレスマウス」の方は、約70gと非常に軽量で、デザインはオーソドックス。スイッチはマグネット式のため、耐久性は物理スイッチよりもはるかに高く、クリック感も非常に軽い。
見た目や数値以上に軽く感じられるのは、重量バランスに偏りがなく、どこをつかんでもスッと軽く持ち上がるためだろうか。サイドボタンは左側のみとなっている。
底面も非常にシンプルで、DPI変更ボタン、オンオフスイッチなどを備える。
今回のポップアップでは、デルのビジネス・パーソナル向け製品が展示されているが、それ以外に中央にあるコクピットでは、Alienware Auroraと『アセットコルサ』による富士スピードウェイの走行体験も行える。
このポップアップのスローガンである「WELCOME TO THE ZONE」とは、スポーツの世界などでよく言われる「ゾーンに入る」ということとのダブルミーニングとなっており、デルが描く最新技術を紹介する「ゾーン」と、ゲームなどに没頭することによる「ゾーン」をかけている。
その際たるものとして、誰もがすぐに集中・熱中できるレースゲームをプレイ可能になっているというわけだ。
筆者もプレイしてみたが、フォーミュラカー風の寝転ぶような運転姿勢とコンパクトなステアリング、そして12面分に投影された映像は、すぐにドライバーを「ゾーン」に誘ってくれる。SUPER FORMULLAならではのソリッドな乗り味も再現されており、運転自体が難しいものの、リアル感覚を体験させてくれるはずだ。
高性能パーツを組み込めば高性能PCが出来上がるというBTOパソコンが全盛になって久しいが、そのような中でも老舗PCメーカーとして、ゲーミングPCの先駆者として、デル/Alienwareは日々飽くなき開発を進めている。
Team Liquidのような世界的eスポーツチームとの協業も含めて、今後もわくわくするようなゲーム体験、最新鋭のスペックを誇るゲーミングPCで、わたしたちゲーマーを楽しませてくれる。そんな期待感を抱かせてくれる新製品とポップアップストアだった。
参考記事:デル、Intel Core Ultraを搭載したAlienware m16 R2&x16 R2、同社初のプロ仕様キーボード&マウスを発売
https://gamerszone.jp/post/18161
今回はその中で、Alienwareシリーズについてあらためてお伝えしたい。
より小型化を果たしたAlienwareノートシリーズ
Alienwareシリーズといえば、古くは宇宙人のようなイメージと煌びやかなライティングなどで、ゲームの楽しさやサイバー感を演出するというゲーミングPCのデザインを切り開いたモデルだった。
今回発表された「Alienware m16 R2」と「Alienware x16 R2」は、そのシリーズの中でもよりコンパクトで、PCゲームを快適に遊ぶためのパワフルな機構を搭載したモデル。従来モデルよりも小型化が進み、しかもビジネスユースなども見据えた変更となっている。
「ステルスモード」を搭載したAlienware m16 R2
「Alienware m16 R2」は、従来モデルよりも奥行き、横幅ともにコンパクトになった最新モデル。もともとAlienwareのゲーミングノートPCには、フラッグシップの「Area-51」、薄型の「m」シリーズ、さらに薄型コンパクトな「x」シリーズがあったが、現状は「m」シリーズが最上位となり、サイズや世代で性能も変化。「x」シリーズはコンパクトさを強みにしたラインナップに変わっている。
実際にm16を新旧で比較してみると、ちょうど旧モデルの背面にあった素材が異なる部分が切り取られたようになっている。
特徴的な機能のひとつが、ボタンひとつでゲーム優先からビジネス・カジュアル向けに性能を抑える「ステルスモード」だ。Alienware m16 R2のサイズ的に、これ1台だけでPCゲームをガンガン遊ぶというよりは、省スペースで持ち運びもでき、時にはビジネスや動画編集などの用途にも使えることが最大のメリットでもある。実際、最近ではビジネスユースでもハイスペックなGPUを搭載するモデルのニーズが増えているとのことで、特にノートマシンではその傾向が顕著なようだ。
これまでも、オーバークロックプロファイルなどを切り替えられる「Alienware Command Center」を用いれば同様の設定を行うことはできた。ただし、プロファイルの切り替えには再起動が必要だったり、抑えすぎるとかえって他の動作がうまくいかないといった面もあり、ユーザーが設定するにはいろいろと手間がかかったのも事実。今回、メーカーとして機能を実装したことで、ビジネスユースの人にもより使いやすいモデルになったと言える。
そして、忘れてはいけないのがIntel Ultra Coreシリーズの採用だ。「ステルスモード」の省電力化を支えているのは、この新しいCPUの恩恵もある。世間ではAI処理の高速化などが言われているが、ゲーミングPCにとっての恩恵は低消費電力でありながら処理能力が高いという点。
大排気量エンジンのクルマでパワーを抑えて走るのがIntel Core シリーズだとすれば、Intel Ultra Coreシリーズはプラグインハイブリッド車のように、エンジンとモーターを最適な場面で使い分けたり、同時に使ったりできるといったイメージだ。つまり、CPUの根本のところから、ゲーミング向けにもビジネス向けにも最適化されていると言える。
もうひとつの恩恵は、パームレスト部分の大型化だ。旧モデルは冷却のためのキーボード奥のスリット部分がかなり大きく取られていたが、R2では一般的なノートPCと変わらない程度のスリットに収まった。これにより、手前のタッチパッドとパームレスト部分の窮屈感はかなり解消されている。
ラインナップとしては、このAlienware m16 R2の上にさらにAlienware m18があり、GPUのBTOカスタマイズの選択肢としてはそちらの方がよりパワフルだ(m16 R2はRTX 4070まで)。日常的にPCゲームが目的で、ひたすらぶん回して遊びたい、という人にはm18が、ゲームだけでなくさまざまな用途でも使いたい、最新の技術を使ってみたいという人にはm16がおすすめできそうだ。
シンプル&小型化したAlienware x16 R2
もうひとつの新製品、Alienware x16 R2の方は、m16 R2よりもさらに小型・薄型なモデル。カラーリングもシルバー基調のモデルとなり、より洗練された印象だ。
薄型化のために底面のスリットが拡大したほか、滑り止めのためのゴムもありつつ、吸排気スペースも確保されている。
内側はブラックにしてゲームに集中できるようにし、外側はシルバーやホワイトにするというデザインは踏襲しており、外出の多いビジネスマンや持ち運びが必要な学生などには、より軽量なAlienware x16 R2の方が好まれるだろう。
なお、端子類はサイドにはなく背面に集中している。この設計は分厚かった頃のAlienwareノートPCから踏襲されている伝統であり、作業時やゲームプレイ時の見た目もケーブルが少なくシンプルにできることから、ミニマリストなどにも好まれそうだ。
さらに、新製品として既報ながら、新しいAlienwareゲーミングモニターも紹介された。31.5インチの4K QD-OLEDモニターの「AW3225QF」は曲面タイプで、最大240Hzのリフレッシュレート、GtGで0.03msという応答速度を誇る。
そして、27インチのQHD QD-OLEDモニター「AW2725DF」は、最大360Hz、0.03msというスペックになっている。
どちらもゲーミングモニターとしての性能は折り紙付きで、OLED(有機EL)モニターもかなり一般的になってきた。まだまだ価格はそれなりだが、今後はどんどん価格も下がって一般化していくだろう。
ゲーム体験において、モニターの性能は時にPC以上に重要になる。ちらつきがなく、長時間の視聴でも疲れにくいという特徴が、今後さらにゲーミングモニター分野で広がっていくだろう。
Alienwareに「Pro」がついたキーボード&マウス
もうひとつの新製品は、Alienwareブランドとして「Pro」という名称を冠した初めてのキーボード&マウスだ。いずれもAlienwareがファシリティセンターなどで協力している北米Team Liquidのプロゲーマーたちからのフィードバックを受けて開発されているという。
そんな「Alienware Pro ワイヤレスキーボード」は、テンキーレスの75%サイズで、右端に修飾キーなどを備えたUS配列のワイヤレスキーボードだ。
大きな特徴は、あらかじめスイッチの交換が可能となっている点だ。対応するのは3ピン/5ピンで、市販スイッチをそのまま交換可能となっている。また、標準のスイッチは赤色だったが、静音のためのジェルが内蔵されており、必要以上のうるささを抑えているという。
「Alienware Pro ワイヤレスマウス」の方は、約70gと非常に軽量で、デザインはオーソドックス。スイッチはマグネット式のため、耐久性は物理スイッチよりもはるかに高く、クリック感も非常に軽い。
見た目や数値以上に軽く感じられるのは、重量バランスに偏りがなく、どこをつかんでもスッと軽く持ち上がるためだろうか。サイドボタンは左側のみとなっている。
底面も非常にシンプルで、DPI変更ボタン、オンオフスイッチなどを備える。
リアルなコクピットで「富士スピードウェイ」を走ろう
今回のポップアップでは、デルのビジネス・パーソナル向け製品が展示されているが、それ以外に中央にあるコクピットでは、Alienware Auroraと『アセットコルサ』による富士スピードウェイの走行体験も行える。
このポップアップのスローガンである「WELCOME TO THE ZONE」とは、スポーツの世界などでよく言われる「ゾーンに入る」ということとのダブルミーニングとなっており、デルが描く最新技術を紹介する「ゾーン」と、ゲームなどに没頭することによる「ゾーン」をかけている。
その際たるものとして、誰もがすぐに集中・熱中できるレースゲームをプレイ可能になっているというわけだ。
筆者もプレイしてみたが、フォーミュラカー風の寝転ぶような運転姿勢とコンパクトなステアリング、そして12面分に投影された映像は、すぐにドライバーを「ゾーン」に誘ってくれる。SUPER FORMULLAならではのソリッドな乗り味も再現されており、運転自体が難しいものの、リアル感覚を体験させてくれるはずだ。
高性能パーツを組み込めば高性能PCが出来上がるというBTOパソコンが全盛になって久しいが、そのような中でも老舗PCメーカーとして、ゲーミングPCの先駆者として、デル/Alienwareは日々飽くなき開発を進めている。
Team Liquidのような世界的eスポーツチームとの協業も含めて、今後もわくわくするようなゲーム体験、最新鋭のスペックを誇るゲーミングPCで、わたしたちゲーマーを楽しませてくれる。そんな期待感を抱かせてくれる新製品とポップアップストアだった。
参考記事:デル、Intel Core Ultraを搭載したAlienware m16 R2&x16 R2、同社初のプロ仕様キーボード&マウスを発売
https://gamerszone.jp/post/18161
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