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【独占インタビュー】けんきはダステルと本気で「世界」を目指したい【シブゲーアーカイブ】

※本記事は「SHIBUYA GAME」で掲載された記事のアーカイブです。当時の内容を最大限尊重しておりますが、ALIENWARE ZONEへの表記の統一や、一部の情報を更新している部分もございます。なにとぞご了承ください。(公開日:2019年6月7日/絵・取材:ゆうま/文・写真:モーリー)

はじめまして。イラストレーターをしているゆうま(@UMAmp4)と申します。

今回、先日から日本のeスポーツ界隈を騒がせている、”あの”方々にインタビューすることができました!




プロゲーミングチーム「父ノ背中」のダステルさんとけんきさんだ~~~!!

今回は電撃発表されたダステルさんの「父ノ背中」移籍発表、そして『レインボーシックス シージ』プロプレイヤー復帰。eスポーツ界に新たに吹き荒れようとしているこの風の真相についてインタビューしに行きました!

何故、ダステルさんは「父ノ背中」へ移籍したのか?新たに選手として『シージ』に挑む心境は?ダステルさんのプレイヤーとしての強さは何か?

ダステルさんの提案でけんきさんにもお越しいただき、台風の目とも言えるお2人にインタビューしてきました。今日はよろしくおねがいします!


ダステル - DustelBox

プロゲーミングチーム「父ノ背中」所属。

DetonatioN Gaming等に所属しながら、『Battlefield』のプレイヤーとして数々の大会で国内優勝など結果を残す。現在は動画配信においても活躍し、YouTubeのチャンネル登録者数は約28万人。

ダステル|オフィシャルサイトダステル|Twitterダステル|YouTubeチャンネル


けんき

プロゲーミングチーム「父ノ背中」副リーダー。

結果を残す彼の即断即決力は天性の才能。ゲスト解説としてJCGへの出演や、チャンネル登録者数28万人YouTubeで動画投稿も行っており、プレイ以外でも多くの視聴者に向けてゲームの楽しさを伝えている。

けんき|オフィシャルサイトけんき|Twitterけんき|YouTubeチャンネル

何故、ダステルは最前線に戻ったのか

ゆうま:どうしてダステルさんは「父ノ背中」に移籍されたんですか?

ダステル:「父ノ背中」と一緒に『レインボーシックス シージ』で世界を目指すためです。


ゆうま:世界……!

ダステルさんというと、今現在は配信やイベント等で活躍するタレント的な活躍が印象に残っているという人も多いと思います。現に、YouTubeの登録者数が約30万人、Twitterのフォロワーも10万人いらっしゃるのは、すごい実績だと思いますし。

それでも、今から新たにプレイヤーとして『シージ』に挑むわけですよね。

ダステル:はい、実は「父ノ背中」に加入することが決まってからはずっとチームでの練習に参加していましたが、『シージ』自体プロとしてプレイするのは初めてなので、毎日が必死です。

僕は元々『Battlefield』というゲームでプロとしてプレイしていましたが、その競技シーンが変わっていく中で、活動の中心は配信やイベント出演になっていきました。

実はその中でも、僕はずっとプレイヤーとしての活動を模索していました。中でも『シージ』は日本のFPSの競技シーンの中でも常に盛り上がりを見せていて、挑戦してみたいと思っていたんです。

ゆうま:なるほど、そういったプロ復帰への想いがありながら、今回「父ノ背中」で本当に復帰することになったきっかけは何ですか?

ダステル:けんきさんですね。けんきさんに強く誘ってもらって、この人となら一緒にやりたいと考えて入りました。

また、「父ノ背中」はチームとしての雰囲気も良くて、彼らとなら今からでも十分プロとして世界を目指せる、という確信を持ちました。


ゆうま:父ノ背中が露出にこだわり続ける理由 ゆうま 最初に誘われたのは、けんきさんからなんですね。

けんき:はい。実は「父ノ背中」の中でも、ダステルというプレイヤーが欲しいと前々から話題に上がっていました。

まず僕ら「父ノ背中」が求めているプレイヤーはプレイヤーとしての実力と、パフォーマーとしての魅力を併せ持っている人です。

普通のプレイヤーなら片方だけ持っていても、もう片方は今一つという人が多い。その中で、ダステルさんは実力も魅力も両方S級と言っていいレベルに持っている。だから僕らのチームに来てもらうため、本気で交渉していました。


ゆうま:実力と魅力を併せ持つからこそ、ダステルさんを口説き落としたと。

そもそも、「父ノ背中」が実力だけでなく魅力も重視する理由は何ですか?

けんき:結論から言えば、戦うためにお金が必要だからです。

仮に、ちゃんと実力を持ってる人を5人集めて本気で1年練習したら、どんなチームでも1回は国内で優勝できると僕は思います。

けど、実はそれって不可能なんです。当たり前なんですけど、選手たちが1年戦うには生活費が必要で、その生活費ってゲームを遊んでるだけで稼ぐことは無理なんですよ。今でこそ賞金額も増えつつあるんですけど、それだけでチームを維持することは難しく、またスポンサーやオーナーに依存するのも確実とは言えない。

だから、僕らは最低でも2年間、ずっと安定して練習をし続けられるチームとして、父ノ背中を作っています。

配信や動画などのコンテンツを作り、自分たちでお金を稼げるエコシステムを重視しているのはそのための手段に過ぎないと考えています。そのためにも、ダステルという実力と魅力を両方持つプレイヤーは僕らにとって必要だったんです。

なので、僕らがこのシステムを完成させた上で一度日本一になれば、もうそこから手放す気はないですね。無論『シージ』だけじゃなくて、他のタイトルに僕らが挑んでも絶対に優勝し続けます。

▲一級のプレイヤーにしてインフルエンサーまで揃う、「父ノ背中」

ゆうま:ありがとうございます。

正直、私はけんきさんとダステルさんの仲睦まじい様子を見て「父ノ背中」に移籍することになったのかなと考えていたんですが、実際は本気で自分たちのゲームで世界を目指す、その目標のためにパフォーマーとして父ノ背中を作り、そこにダステルさんが必要になったというわけなんですね。

優先順位としても、見せることより、勝つことを優先されているのでしょうか。

けんき:ここまでずっと、勝つことしか考えていません。

動画などのコンテンツはそのための手段だと考えていて、だからこそ僕らは徹底してこだわりながら作っています。YouTubeで公開する動画の編集者は4人いますが、僕も「こうしたらもっと面白くなるんじゃないか」と思った時は彼らと議論しています。

むしろ、僕らがダステルさんを口説けたのは僕らのこういうやり方にあると思ってます。僕はずっとダステルさんに、先ほど話した父ノ背中が世界を目指すために、動画等のコンテンツ発信によって自分たちで稼げる環境を作っていることを説明してきました。

ダステル:そうですね。僕もけんきさんの考え方に共感できる部分がすごく多かったです。

新しい戦場、数年のブランク、それでもダステルは「強い」

ゆうま:しかし、いくら実力と魅力を両方持つダステルさんでも、選手としてのブランクに加え、初挑戦のタイトルともなると、さすがにプレッシャーを感じませんか?

ダステル:プレッシャーを感じないということはないですが、それが嫌とは思いませんね。先ほど話した通り、元々選手としてまた競技シーンに挑みたいという気持ちがあっただけに、やっとそのチャンスが来て嬉しく思っています。

確かに、初めて『シージ』を本格的に触れたのが最近なので、まだ他のメンバーについていくのが精いっぱいという程度ですが、それでも毎日成長を実感できてすごく充実しています。元々、自分にとってゲームを遊んでいて一番楽しい瞬間は、自分が成長を実感した時なので……。RPGを遊んでいるような感覚ですよ(笑)。

ゆうま:(めちゃくちゃ余裕だ……!)

ダステル:これまでは配信や動画を通して、純粋にゲームを楽しみつつ、見てくれている方をいかに楽しませるかを考えてきたのですが、選手として挑む以上ゲームに対する考え方も変わってきました。

また、けんきさんの合理的な考え方や姿勢にも影響を受けて、メンタルやマインドの部分でも成長できている実感があります。


ゆうま:なるほど。ずっと選手としてプレイしたい気持ちがあったからこそ、今の状況でも前向きに挑戦できているんですね。

次はけんきさんにお聞きしたいのですが、『シージ』をほとんどプレイしていないダステルさんを選手として迎えたのは何故ですか?先ほどは魅力と実力を併せ持つ、と仰っていましたが。

けんき:ダステルさんはエイム力など、基礎的な実力に関しても申し分ないと思いますが、彼の選手として大きな強みは、ゲームに対する非常にストイックな姿勢ですね。

基本的に、プロのゲーマーとアマチュアのゲーマーの違いって、ゲームに関わっている時間なんですよ。それは単にゲームをプレイしているんじゃなくて、風呂に入ったり寝る前にもゲームのことを考えたり、自分や他チームの試合のリプレイを観たり、自分たちのファンに向けて配信や動画を収録する時間を含めての、「ゲームに関わっている時間」です。

例えば、僕らは試合のリプレイを見る時間を1日6時間ぐらい取ってます。僕個人と国内外の試合併せて、1か月150試合ぐらい観戦してるのかな?それらを暗記したうえで、他チームの戦略を研究して試合に活かしていますね。

一方、普通の人はいくらゲーマーでも6時間ぐらいしか1日でプレイしないと思うんですが、逆に僕らは寝てる時間+3~4時間ぐらいしかゲームと無関係な時間がありません(笑)。

そうした生活を続けられるほど、ゲームに対してどれだけストイックに挑戦できる姿勢が、ダステルさんにはあった。だから迷いなく僕は彼をチームに入れたいと思いました。


ゆうま:ストイックな姿勢があるからこそ厳しい練習にも耐えられるわけですね。

それでも、既に成熟した『シージ』のプレイヤーたちに追いつくのはかなりの困難に思えますが……。

けんき:実はダステルさんは既に、『シージ』に最も必要な力を持っています。

ゆうま:そ、それは何ですか!?

けんき:常にあらゆる選択肢を取れる度量の広さです。

『シージ』というゲームの特徴は、まず多彩なマップやオペレーターを組み合わせた選択肢の豊富さです。

しかし、『シージ』は僅かなミスが死に繋がるリアリティあるゲームなので、特にプロ同士の試合中ではゲームに没入してしまい、徐々に死に対するプレッシャーで視野が狭くなり、マップの真ん中に5人で詰めるといった、リスクのある選択肢から順番に取れなくなったり、逆に焦って意味もなく前に出るような、リスクのある選択肢しか取れなくなるプレイヤーが大勢います。

僕はそんなプレッシャーの中でも視野を狭めず、常にチームにとって最善の選択肢を考え、提示できる人間が最も『シージ』において優秀なプレイヤーだと思います。「負けないようにしよう」と臆病になるわけでもなく、「勝たなければ」と自棄になるのでなく、「相手が今されて一番困ることは何か」と自分でなく相手の視点で考えられるプレイヤーこそ、本当に強い。

それができるのがダステルさんです。

ゆうま:『シージ』で世界を目指す上で、ダステルさんは申し分ない選手なんですね

けんき:もちろん、まだ始めたばかりで未熟な部分はありますが、根底にある部分はそうです。



下ネタを(ある意味で)愛するけんき (……ある程度打ち解けた頃)

ゆうま:すでにダステルさんはけんきさんと長い付き合いだと思うんですが、父ノ背中に入って改めてけんきさんに対してどんな印象を抱いてますか?

ダステル:すごく優しい人ですよ! あと物事をよく考えてる人ですね。

ただ強いて言うなら、何を考えてるかわからないことがある(笑)。

ゆうま:(笑)。確かに配信と違って、本日はけんきさん冷静に話されてますよね。最初は怒らせてしまったのかな……?と思ったのですが。

けんき:うーん、表情筋動かすのが面倒くさいんですよ。普段からこんな感じなので安心してください。配信中の「けんき」は、そういうコンテンツですから。

ゆうま:えっ、それ言っちゃっていいんですか?

けんき:配信と試合は別人だって姿勢は、割と配信でも話しているので大丈夫ですよ。

先ほども言ったように、僕が最優先で取り組んでいる『シージ』で、僕は他のメンバーをまとめる立場にあります。その立場から、僕は感情的に話してしまうことで、メンバーそれぞれの価値観などパーソナルな部分を傷つけないように気を付けているんです。だから感情は無駄なものだと思ってます。

その結果で何を考えてるかわからない、と思われちゃうかもしれないですね。でもご飯食べてる時は結構感情出してますよ。

(ダステルさんを見て)な!

ダステル:(笑)。


ゆうま:けんきさんが色々な立場にいるからこそ、色々な「けんき」さんを使い分けてるんですね。

けんき:そうですね。配信する時はエンタメを作るクリエイターとして、試合に挑む時はアスリートとして、チームを運営する時はビジネスマンとして、色々なけんきがいます。

ゆうま:「闇けんき」もいますよね。

けんき:(笑)。ただやりすぎると自分の本心がわからなくなってくる時もありますね。

ゆうま:でもちょっと待ってください、それだと配信でけんきさんも使ってる下ネタとかって、普段あまり使わないんですか?

けんき:配信だけでなく、試合中でも結構使ってますよ! 最近だとVTuberのかなえさんとコラボしたんですけど、彼のところには全力でぶち込みました。彼ああいうの好きですから。

ゆうま:(よかった……)

けんき:下ネタって便利なんですよね。もちろん、苦手な人の前では言いませんけど、ダステルさんを含めて男同士だと下ネタはよくウケるので。多分、共通用語なんですよね。で、短くて、パパッとテンションが上がるところが良い。ネットスラングも同様に使いやすくて、愛用してますね。

ゆうま:(あれ……?)

けんき:なんで、下ネタは合理的で好きですね。全員が共感しやすく、かつ短い、便利です。

ゆうま:……実はけんきさん、そんなに下ネタ好きじゃない?

けんき:いや? 下ネタは合理的だから好きですよ。

ゆうま&ダステル:えー。

けんき:え? なんで? (笑)。だって26の男が下ネタ本気で楽しんでたらヤバくないですか?

ダステル:普段から下ネタ好きじゃなかったんだ。ちょっとショックかな(笑)。

けんき:うーん? 僕はあまり理由がないことしないからなー。

ダステル:ね、こういう所がけんきさんの良い所なんですよ。

最後に

ゆうま:最後にお二人からコメントをもらってもいいですか?

けんき僕のYouTube動画みてください! そしてチャンネルも登録してください!

ダステル僕もチャンネル登録してほしいかな(笑)

えー、意気込みとして世界を目指してますけど、僕はただ強くなりたいと思っていて、その最後の目標が世界なのかなって。まぁ何が言いたいかと言うと、世界に挑みます!!




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