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「世界大会で1度はドン勝を獲りたい」【Crest Gaming Xanadu所属 Rio選手インタビュー】【シブゲーアーカイブ】
※本記事は「SHIBUYA GAME」で掲載された記事のアーカイブです。当時の内容を最大限尊重しておりますが、ALIENWARE ZONEへの表記の統一や、一部の情報を更新している部分もございます。なにとぞご了承ください。(公開日:2018年7月15日/執筆:綾本ゆかり)
『PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS』(以下、PUBG)のDMM GAMES公式大会「PUBG JAPAN SERIES」(以下、PJS)ではβリーグの開催が終了し、PUBG Corp.主催の世界大会「PUBG Global Invitational 2018」へ出場する2チームが決定しました。今回は、PJS βリーグを通して総合1位を獲得し、世界大会への切符を掴んだチーム「Crest Gaming Xanadu」のRio選手にインタビュー!
Rio選手のこれまでのゲーム歴にも触れつつ、入れ替え戦への出場からPJS βリーグの総合優勝にまで上り詰めた「Crest Gaming Xanadu」のストーリーを紐解いていきます。
『PUBG』を始めたのは、リリースから半年経った頃
――まずは、Rioさんのプレイヤー名の由来を教えてください。Rio:家で飼っている犬が「リボ」という名前なので、それを少し変えてつけました。Twitterのアイコンにもなっているポメラニアンです。
――ゲームをやり込むきっかけになったタイトルはありましたか?
Rio:高校生の時に、PC版の『Battlefield 4』(以下、BF4)を始めたのが、FPSゲームとの出会いです。それまで他のゲームに触れることもありましたが、がっつりプレイしたのは『BF4』が初めてで、2年くらい続けていました。
――その後、『PUBG』に至るまでのゲーム遍歴を教えてください。
Rio:『BF4』以降は、『Overwatch』や『Alliance of Valiant Arms』など、いろいろなPCゲームに触っていましたが、特にやり込んだタイトルはありませんでした。
その後、『BLACK SQUAD』というゲームをやっていた時に、『PUBG』をやろうと仲の良い友達から誘われて。それが2017年10月だったので、『PUBG』がリリースされて半年くらい経った頃でした。
――他の選手と比べると『PUBG』歴は短いと思いますが、それでも結果が出せている理由はどこにあると感じますか?
Rio:もともとやり込んでいた『BF4』は、不利なポジションでも撃ち合いが強ければ勝ててしまうくらい、撃ち合いの強さが重要なゲームでした。なにより『PUBG』に比べて、敵との交戦自体がかなり多いので、撃ち合いが身についたというのはあると思います。
『PUBG』を始めた翌月に、オフラインイベントでドン勝
――『PUBG』を始めたのが10月というと、その翌月には「PUBG FRYING PAN CUP(※)」に出場されていたことになりますね。※2017年11月~12月にわたって、e-sports cafeにて開催された全4回の『PUBG』オフラインイベント。SHIBUYA GAMEではその模様をレポートしていた。
Rio:友達の誘いがきっかけで出ることになったんですが、大会やイベントに参加したのは「PUBG FRYING PAN CUP」が初めてでした。
――初参加がいきなりオフラインイベントだったと。会場では、皆さんセッティングなどにも苦労されていたようでした。
Rio:その時は、デバイスも設定もかなり適当でした……。一応デバイスは持っていったんですけど、もとは父が仕事で使っていたようなキーボードだったので、TABキーを含めた4個以上の同時押しができなかったんです。最近になって、ちゃんとしたゲーミングキーボードに変えました。
――それでドン勝を2回も取っていたんですか……!?
Rio:実は、FPSゲームでは基本的にマウス加速度をOFFにするというのも、つい最近まで知らなくて。βリーグ期間中に、他の選手から教えてもらったんです。でも、マウス加速度がついた状態で慣れてしまったので、今もONにしたままです。
なので、センシ(マウス感度)も、だいたいこれくらいかなって感じで、ほとんどいじっていません。そもそもマウス加速度がついてる時点で、そういう細かいところは捨てているというか……(笑)。その辺は、ほぼ感覚でやってます。
結果を出せなかったαリーグ入れ替え戦がチームの転機に
――「PUBG FRYING PAN CUP」が、チーム結成のきっかけになったんですよね。Rio:ShianblueとAriesと僕の3人は、「PUBG FRYING PAN CUP」に出ていたメンバーで、イベントを通じて仲良くなりました。「Crest Gaming」のマネージャーとShianblueが中心になってメンバーを集めていて、まずはAriesが声を掛けられたんです。
AriesとはDUOを組んで出場したりもしていたので、彼が推薦してくれたこともあり、一緒に加入することになりました。それから、マネージャーの紹介でKaiph0neが加わって、「Crest Gaming Xanadu」の4人が集まりました。
――チームへの加入を決めた時、どのような気持ちでしたか?
Rio:PUBG部門の2チーム目にあたる「Crest Gaming Xanadu」は、楽しみながら上を目指していくチームだと話を聞いていたので、楽しくやれたらいいなという気持ちで加入しました。
――「楽しくやろう」というチームの意識が変化するタイミングはありましたか?
Rio:αリーグの入れ替え戦に出て、一気にメンバーの気持ちが変わりました。最初は調子が良くていけるかと思ったんですけど、結果としては昇格チームの枠に入れなくて。それが皆めちゃくちゃ悔しくて、その時にチームで「やるからには勝った方が楽しい」という話になったんです。
それからは気合いを入れて、スクリム以外にも集まって練習したり、週2程度だったスクリムの頻度を週5くらいに増やしたりして、勝ちに行くための練習をするようになりました。
βリーグ入れ替え戦の”あのシーン”はどうやって生まれた?
――2度目のチャレンジとなったβリーグの入れ替え戦では、昇格チームの枠に入る自信はありましたか?Rio:その時点では、チームの動き的にも仕上がっていて、スクリムでも上位が取れていたので、今度こそいけるだろうという自信はありました。
――わずか6試合で上位6チームの枠を獲得する必要があったわけですが、そのための戦略はありましたか?
Rio:PJSのポイントは10位以下の点数にあまり大きな差がないので、総合で上位6チームに入るためには、複数のROUNDで3位以内を取る必要があります。安定した動きをしていると、もしかしたら17位が12位になるかもしれないけど、そこからの大きな伸びはないと思っていて。
だから、交戦して負けたら20位になるリスクはあっても、確保できたら上位が狙える有利なポジションを取りに行くような、思い切ったプレイをしていました。
――その結果として、6試合中2回のドン勝があったと。まるで“主人公”とも言われた1vs3のシーンもありましたが、あの時どのようなことを考えていましたか?
Rio:最初は1対2対1なのかなと思っていたんですけど、相手が動き始めたタイミングで3人だとわかりました。まず1人は後ろを向いていたので、確実に倒せるなと。
残りの2人と戦う時、エリア内にもうひとつ手前で止まれる位置もあったんです。でも、1対1を2回繰り返すために1つ前の岩まで出て、右からの射線を切った場所で、まずは左の敵と1on1をして、という形で戦いました。
https://twitter.com/PUBG_DMM/status/990181917617147906
――あの最終場面で1人生き残って、なぜそれほど的確な判断ができたのでしょうか?
Rio:『BF4』をプレイしていた頃から、1対1を繰り返すという戦い方をしていたので、1対複数の戦いに慣れていたのかなと思います。自分はエイム力が際立って良いわけではないので、1対2の不利な状況で、一気に2人の敵を倒すようなプレイはできないんですよ。
でも、1対1に持ち込めばチャンスはあるかなと。『PUBG』は撃ち合いの強さだけでなく状況判断が重要なゲームだと思うので、自分が有利に戦える状況をいかに作るかというところに、意識を向けるようにしています。
――2回目のドン勝も不利な状況から、とても冷静な判断で撃ち勝っていました。こういった場面で、緊張したり焦ったりすることはありませんか?
Rio:もともとあがり症で、何でも緊張しやすいタイプなんですけど、ゲームでは大丈夫ですね。試合序盤のファーム中にいろいろ考えて緊張してしまうことはありますが、撃ち合いの場面になると、あまり緊張することはないです。
https://twitter.com/PUBG_DMM/status/990543072688656385
Rio:Class1に出場して、最初は自分たちのやるべき動きができていませんでした。大会本番での動きはスクリムよりも全体的に1.5倍くらい早くて、自分たちが取りに行くようなポジションも先に取られていて。
僕らは十分な物資を積んでから、強いポジションを取りに行って固定砲台のようにして戦うパターンが多かったんですが、ファームに時間を掛けすぎてしまったり、移動中に落とされてしまったりと、いろいろとミスが目立つ場面は多かったです。
――そこから着実に順位を上げ、ついにはβリーグ総合優勝に。Phase2では、3度もドン勝チームとしてインタビューをさせていただきました。
Rio:Phase1で、1パターンの動きだけでは通じないと痛感したので、中央を取りに行く動きだけでなく、エリアの端を取る考えも持って、臨機応変に対応できるように修正していきました。そういった部分を含めて、チームの改善が実践できたことが結果に結びついたと思います。
――リーグ期間中のインタビューで、「1度は世界大会に出てみたい」と言っていましたが、ついに実現することになりました。最後に、世界大会での目標を教えてください。
Rio:世界大会までの時間の中で、苦手な部分を克服して、伸ばせるところは伸ばしていきたいと思います。目標は、世界大会で1度はドン勝を取ることです。
――世界大会でのドン勝、期待しています。Rioさん、本日はありがとうございました!
Rio選手
Twitch
PUBG JAPAN SERIES 公式サイト
PUBG Global Invitational 2018(2018年7月25日~29日開催)