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出会って30分で契約! 元SKT T1のBlank&Pireanコンビが語る、2020年のSengoku Gamingの強さとは?
2月8日に開幕する「LJL 2020 Spring Split」。
まもなく始まるリーグ戦はもちろん楽しみだが、新チームの参入や大規模な選手移籍など、いわゆるストーブリーグも大いに盛り上がったオフシーズンだったと言えるだろう。
中でも強力なロースターを揃えて話題をさらったのが、Sengoku Gaming(以下、SG)だ。
トップのapaMEN選手、ADCのYutorimoyashi選手、サポートのEnty選手と、「LJL」でも各ロールでトップレベルに強力な日本人プレイヤー3人に加え、2019年のSummer Splitでその高いハンドスキルと緻密なマクロでリーグに衝撃を与えた元SK Telecom T1(以下、SKT)のBlank選手と再契約。
そして、残るミッドにはこちらもSKTに在籍経験があり、あのFaker選手をベンチに追いやってスターターを務めたこともあるPirean選手を招き入れ、はっきりいって「超」LJLレベルのスーパーチームを組み上げてきたのだ。
今回は、その新加入のPirean選手、そして引き続きSGでジャングルを務めることになったBlank選手の両名に、開幕直前にインタビュー。Pirean選手加入の経緯や2人の関係、チームの完成度、意気込みなど語ってもらった。
ご存じない方のために、軽くPirean選手の来歴にも触れておこう。
Pirean選手は2016年にNA LCS(北米リーグ)でキャリアをスタート。その後2018年にはSKTに移籍。昨年はLEC(欧州リーグ)でプレーオフ出場と、世界各地の一部リーグを渡り歩いてきたトッププロの一人だ。
▲2019年に所属していたLEC SK GamingでのPirean選手のPRビデオ
いちファンの目線としては、「広いチャンピオンプールを活かしてチームのために確実に仕事ができる」タイプのプレイヤーだと思っていたが、まず彼自身の思う自分のプレイスタイルからたずねてみた。
──今回はインタビューを引き受けてくださりありがとうございます。Pirean選手、あなたのことをよく知らない日本のファンの方もいらっしゃると思います。Pirean選手がどんなタイプのミッドレーナーなのか、どういったプレーが自分の強みなのかというところを聞かせてください。
Pirean選手:私のプレイスタイルは「静かにやることをやる」って感じですね。
──「静かにやることをやる」ですか。
Pirean選手:レーン戦で強く勝ちに行くというよりも、きついマッチアップでも大きく負けないプレイングが得意です。チャンピオンプールも広くて、メイジが好きですけど、もちろんADチャンピオンやルブランみたいなアサシンもプレイできます。
──ほんとチャンピオンプールが広くてオールラウンダーですよね。NA LCSで活躍されていた頃のイメージは、まさにいまおっしゃられたような感じでした。NA LCSといえば、プロとしてキャリアをスタートさせたのもNAでしたよね?
Pirean選手:はい、2016年のSpring Splitからです。
──当時は10代だったと思うんですが、キャリアのスタートが海外というのは不安だったりしませんでしたか?
Pirean選手:当時から一人暮らしをしていましたし、海外での生活には特に不安はなかったですね。去年もEUでプレイしましたが、どちらの地域でも外国人選手に対してのサポートがしっかりしていたので問題ありませんでした。
──なるほど。日本での暮らしはどうですか?
Pirean選手:日本は韓国から近いですし、暮らしやすいですね。
──それはよかったです。何かお気に入りの日本食は見つかりましたか?
Pirean選手:今はコックの方がいるので大丈夫ですが、いなかった時は週5でとんかつを好んで食べていました。
Blank選手:逆に、ラーメンに乗ってるアレ、食べられないよね。茶色くて細長いやつ。
Pirean選手:メンマ! アレは無理でした。全然おいしくない!
Blank選手:僕もメンマはダメ。韓国人はあんまり好きじゃない味なのかも。
──とんかつ週5回も驚きましたが、メンマが2人そろって苦手というのも面白いですね。
世界トップレベルのプレイヤーの意外な弱点がわかったところで話を戻しますと、NAで2年プレイした後、2018年には韓国に戻ってSKTへ加入されたわけですが、SKTに加入するというのは大きな決断だったんじゃないですか?
Pirean選手:自分にとって成長の機会になると思って、オファーを受けました。実際、先輩たちにはいろんなことを教わって成長できたと思います。
──すでにNA LCSでスターターを務めていた、つまりプロプレイヤーとして一線で活躍していたわけですが、それでも学べることは多かったと。
Pirean選手:はい、具体的に言えば、ゲーム外だと試合前のコンディション作りの仕方を学びました。あとスクリム(練習試合)に対する取り組み方も。
他にも、これは文化の違いだと思いますが、NAだとスクリムの後ソロQをしなくても何も言われなかったんですよね。でもSKTではみんな遅くまでソロQで練習していましたね。まあ、とにかく厳しかったです。
──韓国のプロチームの練習の厳しさはよく知られてますよね。辛くはなかったですか?
Pirean選手:まあ、厳しいということは知っていたので、なんとかついていけました。
──そのSKTでBlank選手と出会ったわけですけど、実は2人は同い年で誕生日も同じ4月なんですよね?(Blank選手が1998年4月30日生まれ、Pirean選手が1998年4月9日生まれ。ともに21歳)
Pirean選手:実は出身地も同じ大田広域市なんです。
──えっ、同郷なんですか! ということは、SKTに入る前から2人は知り合いだったりしたんですか?
Blank選手:いや、SKTに入って初めて知り合いました。僕は地元で中学生でチャレンジャーになったプレイヤーとして有名だったんですけど、Pireanは僕のことを知らなかったみたいで。
Pirean選手:全然知らなかった(笑)。
Blank選手:まあ、同じ大田広域市出身だけど、住んでいたところは日本で言うと千葉と大阪くらい離れてるからね。
Pirean選手:だから、SKTで初対面だったんですけど、地元の話なんかで盛り上がってすぐ仲良くなりましたね。
Blank選手:FAになったのはチームの計らいで……他のリージョンからのオファーがあったら受けられるように、ということでFAにしてもらいました。再契約したのは、SGの新チームメンバーが非常に強くて優勝できそうだったこと、あとはオーナーから前向きな言葉をかけてもらったからですね。
──再契約を決めた時には、もう他の日本人メンバーが決まっていたんですね。Yutorimoyashi選手、Enty選手とは昨シーズンライバルでしたが、チームメイトになってみてどうですか?
Blank選手:2人とも上手いプレイヤーだって知っていましたし、実際に一緒に生活してみるとプレイはもちろん上手いですし、明るくてチームメイトになれてよかったなと感じています。
──Pirean選手は、Blank選手が声をかけてSGに加入したんですか?
Blank選手:いや、それは違いますね。
Pirean選手:FAになっていた私のところに、チームからSNSでメッセージが来たんです。
──SNSで! それで韓国で直接会って交渉されたんですね。
Pirean選手:はい。エージェントと一緒にSGのオーナーに会って、「はじめまして」って挨拶して、その30分後には合意してました。
──電撃的ですね。なにが決め手になったんでしょうか。
Pirean選手:SGが優勝できそうなメンバーだったことやエージェントの薦めもあってですね。全く迷いませんでした。
──おふたりとも新ロースターにかなり期待しているんですね。SGはBlank選手以外全員が入れ替わって完全に新しいチームになったわけですが、チームの完成度はいかがですか?
Blank選手:まだゲーム内の日本語でのコミュニケーションが完璧にできているわけではないので、正直100%とは言えないですね。
──いまは主に何語でコミュニケーションをとっているんですか?
Blank選手:日本人選手が結構韓国語を聞き取れるので、日本語と韓国語を混ぜてコミュニケーションを取っています。もちろんEnty選手が一番うまいんですけど、Yutorimoyashi選手やapaMEN選手も聞き取りは結構上手ですね。
──なるほど、コミュニケーションの部分はまだ成長中ということですね。ゲーム外の話ですが、チームの雰囲気はどうですか?
Pirean選手:日本人選手3人はとても性格が明るくて、ちょっとウルサイくらいなんで、ハウスの雰囲気はとてもいいですね。練習に集中できています。
──SGの日本人選手といえば、Yutorimoyashi選手の筋トレが有名ですけど、2人は一緒にジムに行ったりしました?
Blank選手:僕は去年からジムに行ってましたが、新チームになってからは練習のあと、僕とEnty選手とYutorimoyashi選手の3人で一緒にジムに行ったりしてます。プロテインとかもyutorimoyashi選手オススメのものを使ってるんですよ。
──すっかりジム通いにハマってるかんじですね。Pirean選手は一緒に行かないんですか?
Pirean選手:私はジムには興味ないので行ってないです。
Blank選手:Pireanって趣味ないの?
Pirean選手:ないよ。『LoL』だけしか興味がない(笑)。
──さて、シーズンが変わってメタも少し変わりました。お二人のロールについても少し伺いたいです。まずはBlank選手。
今シーズンはジャングルモンスターの経験値が下がって、競技シーンでもジャングラーの影響力は少し低くなってしまったように見えます。
Blank選手:「KeSPA Cup」や先に開幕したLEC(欧州)、LPL(中国)のリーグを見ていても、ソロレーナーとのレベル差がつきすぎて辛いなって思ってます。
──ジャングラーが弱いメタの時、Blank選手はどういう立ち回りを重視していますか?
Blank選手:強いレーナーのカバーをしっかり行うようにしますね。それができれば50%くらいは自分の仕事をしたなと。弱くなったとはいえ、序盤でスノーボールできればゲームをキャリーするポテンシャルはまだあると思うので、やりがいのあるロールです。
──悩めるソロQジャングラーにオススメのチャンピオンを教えてください。
Blank選手:リー・シンです。6年前から、競技シーンでもソロQでも、ジャングルの基本はリー・シンです。
──Pirean選手、ミッドは常に重要ロールだと思いますが、今のメタでもそう感じていますか?
Pirean選手:変わらず責任が大きいロールだと思います。ただ、出てくるチャンピオンが変わったわけではないので、そんなに感覚の違いはないですね。
──本当にチャンピオンプールが広いですが、参考にしているプレイヤーはいますか?
Pirean選手:特定のプレイヤーはいませんが、高レートプレイヤーの自分が気になるマッチアップのリプレイはよく見ますね。レーン戦をどうやって戦うのかを中心に研究しています。
──ズバリ、今のメタ、ソロQのミッドでキャリーできるチャンピオンは誰ですか?
Pirean選手:キヤナです。「モビリティブーツ」を買えば誰よりも早く戦いに参加できますし、とんでもないバーストがいつでも出せるのでオススメです。
Pirean選手:そういったネガティブな声は気にせず、自分のパフォーマンスを発揮すれば、結果がついてくると思っています。日本のチームはまだ対戦したことがなくて正直わかりませんが、1勝1勝積み重ねていった先に、プレーオフ、優勝、MSI出場というのが見えてくるはずです。
──Blank選手は昨シーズン「LJL」で戦って他チームのこともわかると思いますが、ライバルになりそうなチームはありますか?
Blank選手:DetonatioN FocusMeは、ライバルというよりは挑戦者として戦って、勝ちたいという思いがあります。それ以外だと、Crest Gaming ActがミッドとADCにかなり強いプレイヤーが入っているので注目しています。
──最後に、2020年シーズンへの意気込みと、ファンへのメッセージをお願いします。
Blank選手:いい成績を残して優勝して「MSI」に出場し、世界の舞台でも活躍を見せたいです。
もうすぐ開幕でファンの方々と会えるのを楽しみにしています。応援よろしくお願いします!
Pirean選手:早いうちにチームワークを良くして、皆様にSGが強いというところを見せたいと思います!
2人とも「インタビュー慣れ」というべきか、「プロらしさ」というべきか、やや控えめなコメントが目立ったが、SGのチームスタッフは新チームにかなり手ごたえを感じているらしく、「開幕戦からプレーオフまで圧倒的な強さを見せて優勝できると思うので、注目してください!」と強気のコメントも飛び出した。
それを横で聞いたBlank選手も「OK」と力強く頷いていたところを見ると、選手たちも本心では新チームに自信あり、といったところだろう。
SGの開幕週(Week1/2月8日)の対戦相手は、SoftBank GamingとRascal Jester。どちらも3人の韓国人をロースターに迎えた、いわゆる「3KRチーム」(「LJL」での参戦年数に応じて韓国人選手が日本人枠になった。Tussle選手とviviD選手がLJLで初めて対象となった)。SGにとって試練の1週間になることは間違いないが、新Sengoku Gamingの実力を測るにはうってつけの相手ともいえるだろう。
2人の元SKT、そして日本人オールスターとも言うべき選手を集めたこの注目のチームが、快調な滑り出しを見せることができるのか。
2月8日、「LJL 2020 Spring Split」開幕戦から目が離せない。
Pirean選手のTwitter
https://twitter.com/pireanlol
Blank選手のTwitter
https://twitter.com/Blanklol98
Sengoku Gaming
https://sengokugaming.com/
Sengoku GamingのTwitter
https://twitter.com/Sengoku_Gaming
LJL
https://jp.lolesports.com/
まもなく始まるリーグ戦はもちろん楽しみだが、新チームの参入や大規模な選手移籍など、いわゆるストーブリーグも大いに盛り上がったオフシーズンだったと言えるだろう。
中でも強力なロースターを揃えて話題をさらったのが、Sengoku Gaming(以下、SG)だ。
トップのapaMEN選手、ADCのYutorimoyashi選手、サポートのEnty選手と、「LJL」でも各ロールでトップレベルに強力な日本人プレイヤー3人に加え、2019年のSummer Splitでその高いハンドスキルと緻密なマクロでリーグに衝撃を与えた元SK Telecom T1(以下、SKT)のBlank選手と再契約。
そして、残るミッドにはこちらもSKTに在籍経験があり、あのFaker選手をベンチに追いやってスターターを務めたこともあるPirean選手を招き入れ、はっきりいって「超」LJLレベルのスーパーチームを組み上げてきたのだ。
今回は、その新加入のPirean選手、そして引き続きSGでジャングルを務めることになったBlank選手の両名に、開幕直前にインタビュー。Pirean選手加入の経緯や2人の関係、チームの完成度、意気込みなど語ってもらった。
新加入のミッドレーナー・Pireanってどんな選手?
ご存じない方のために、軽くPirean選手の来歴にも触れておこう。
Pirean選手は2016年にNA LCS(北米リーグ)でキャリアをスタート。その後2018年にはSKTに移籍。昨年はLEC(欧州リーグ)でプレーオフ出場と、世界各地の一部リーグを渡り歩いてきたトッププロの一人だ。
▲2019年に所属していたLEC SK GamingでのPirean選手のPRビデオ
いちファンの目線としては、「広いチャンピオンプールを活かしてチームのために確実に仕事ができる」タイプのプレイヤーだと思っていたが、まず彼自身の思う自分のプレイスタイルからたずねてみた。
──今回はインタビューを引き受けてくださりありがとうございます。Pirean選手、あなたのことをよく知らない日本のファンの方もいらっしゃると思います。Pirean選手がどんなタイプのミッドレーナーなのか、どういったプレーが自分の強みなのかというところを聞かせてください。
Pirean選手:私のプレイスタイルは「静かにやることをやる」って感じですね。
──「静かにやることをやる」ですか。
Pirean選手:レーン戦で強く勝ちに行くというよりも、きついマッチアップでも大きく負けないプレイングが得意です。チャンピオンプールも広くて、メイジが好きですけど、もちろんADチャンピオンやルブランみたいなアサシンもプレイできます。
──ほんとチャンピオンプールが広くてオールラウンダーですよね。NA LCSで活躍されていた頃のイメージは、まさにいまおっしゃられたような感じでした。NA LCSといえば、プロとしてキャリアをスタートさせたのもNAでしたよね?
Pirean選手:はい、2016年のSpring Splitからです。
──当時は10代だったと思うんですが、キャリアのスタートが海外というのは不安だったりしませんでしたか?
Pirean選手:当時から一人暮らしをしていましたし、海外での生活には特に不安はなかったですね。去年もEUでプレイしましたが、どちらの地域でも外国人選手に対してのサポートがしっかりしていたので問題ありませんでした。
──なるほど。日本での暮らしはどうですか?
Pirean選手:日本は韓国から近いですし、暮らしやすいですね。
──それはよかったです。何かお気に入りの日本食は見つかりましたか?
Pirean選手:今はコックの方がいるので大丈夫ですが、いなかった時は週5でとんかつを好んで食べていました。
Blank選手:逆に、ラーメンに乗ってるアレ、食べられないよね。茶色くて細長いやつ。
Pirean選手:メンマ! アレは無理でした。全然おいしくない!
Blank選手:僕もメンマはダメ。韓国人はあんまり好きじゃない味なのかも。
──とんかつ週5回も驚きましたが、メンマが2人そろって苦手というのも面白いですね。
世界トップレベルのプレイヤーの意外な弱点がわかったところで話を戻しますと、NAで2年プレイした後、2018年には韓国に戻ってSKTへ加入されたわけですが、SKTに加入するというのは大きな決断だったんじゃないですか?
Pirean選手:自分にとって成長の機会になると思って、オファーを受けました。実際、先輩たちにはいろんなことを教わって成長できたと思います。
──すでにNA LCSでスターターを務めていた、つまりプロプレイヤーとして一線で活躍していたわけですが、それでも学べることは多かったと。
Pirean選手:はい、具体的に言えば、ゲーム外だと試合前のコンディション作りの仕方を学びました。あとスクリム(練習試合)に対する取り組み方も。
他にも、これは文化の違いだと思いますが、NAだとスクリムの後ソロQをしなくても何も言われなかったんですよね。でもSKTではみんな遅くまでソロQで練習していましたね。まあ、とにかく厳しかったです。
──韓国のプロチームの練習の厳しさはよく知られてますよね。辛くはなかったですか?
Pirean選手:まあ、厳しいということは知っていたので、なんとかついていけました。
──そのSKTでBlank選手と出会ったわけですけど、実は2人は同い年で誕生日も同じ4月なんですよね?(Blank選手が1998年4月30日生まれ、Pirean選手が1998年4月9日生まれ。ともに21歳)
Pirean選手:実は出身地も同じ大田広域市なんです。
──えっ、同郷なんですか! ということは、SKTに入る前から2人は知り合いだったりしたんですか?
Blank選手:いや、SKTに入って初めて知り合いました。僕は地元で中学生でチャレンジャーになったプレイヤーとして有名だったんですけど、Pireanは僕のことを知らなかったみたいで。
Pirean選手:全然知らなかった(笑)。
Blank選手:まあ、同じ大田広域市出身だけど、住んでいたところは日本で言うと千葉と大阪くらい離れてるからね。
Pirean選手:だから、SKTで初対面だったんですけど、地元の話なんかで盛り上がってすぐ仲良くなりましたね。
BlankのFAはチームの配慮。PireanにはSNSからオファー
──Blank選手にもいくつか質問をさせていただきたいと思います。まず、一度FA(フリーエージェント)になってから再びSGに加入となったわけですが、どういった要素が再契約の決め手になったんでしょうか。Blank選手:FAになったのはチームの計らいで……他のリージョンからのオファーがあったら受けられるように、ということでFAにしてもらいました。再契約したのは、SGの新チームメンバーが非常に強くて優勝できそうだったこと、あとはオーナーから前向きな言葉をかけてもらったからですね。
──再契約を決めた時には、もう他の日本人メンバーが決まっていたんですね。Yutorimoyashi選手、Enty選手とは昨シーズンライバルでしたが、チームメイトになってみてどうですか?
Blank選手:2人とも上手いプレイヤーだって知っていましたし、実際に一緒に生活してみるとプレイはもちろん上手いですし、明るくてチームメイトになれてよかったなと感じています。
──Pirean選手は、Blank選手が声をかけてSGに加入したんですか?
Blank選手:いや、それは違いますね。
Pirean選手:FAになっていた私のところに、チームからSNSでメッセージが来たんです。
──SNSで! それで韓国で直接会って交渉されたんですね。
Pirean選手:はい。エージェントと一緒にSGのオーナーに会って、「はじめまして」って挨拶して、その30分後には合意してました。
──電撃的ですね。なにが決め手になったんでしょうか。
Pirean選手:SGが優勝できそうなメンバーだったことやエージェントの薦めもあってですね。全く迷いませんでした。
──おふたりとも新ロースターにかなり期待しているんですね。SGはBlank選手以外全員が入れ替わって完全に新しいチームになったわけですが、チームの完成度はいかがですか?
Blank選手:まだゲーム内の日本語でのコミュニケーションが完璧にできているわけではないので、正直100%とは言えないですね。
──いまは主に何語でコミュニケーションをとっているんですか?
Blank選手:日本人選手が結構韓国語を聞き取れるので、日本語と韓国語を混ぜてコミュニケーションを取っています。もちろんEnty選手が一番うまいんですけど、Yutorimoyashi選手やapaMEN選手も聞き取りは結構上手ですね。
──なるほど、コミュニケーションの部分はまだ成長中ということですね。ゲーム外の話ですが、チームの雰囲気はどうですか?
Pirean選手:日本人選手3人はとても性格が明るくて、ちょっとウルサイくらいなんで、ハウスの雰囲気はとてもいいですね。練習に集中できています。
──SGの日本人選手といえば、Yutorimoyashi選手の筋トレが有名ですけど、2人は一緒にジムに行ったりしました?
Blank選手:僕は去年からジムに行ってましたが、新チームになってからは練習のあと、僕とEnty選手とYutorimoyashi選手の3人で一緒にジムに行ったりしてます。プロテインとかもyutorimoyashi選手オススメのものを使ってるんですよ。
──すっかりジム通いにハマってるかんじですね。Pirean選手は一緒に行かないんですか?
Pirean選手:私はジムには興味ないので行ってないです。
Blank選手:Pireanって趣味ないの?
Pirean選手:ないよ。『LoL』だけしか興味がない(笑)。
──さて、シーズンが変わってメタも少し変わりました。お二人のロールについても少し伺いたいです。まずはBlank選手。
今シーズンはジャングルモンスターの経験値が下がって、競技シーンでもジャングラーの影響力は少し低くなってしまったように見えます。
Blank選手:「KeSPA Cup」や先に開幕したLEC(欧州)、LPL(中国)のリーグを見ていても、ソロレーナーとのレベル差がつきすぎて辛いなって思ってます。
──ジャングラーが弱いメタの時、Blank選手はどういう立ち回りを重視していますか?
Blank選手:強いレーナーのカバーをしっかり行うようにしますね。それができれば50%くらいは自分の仕事をしたなと。弱くなったとはいえ、序盤でスノーボールできればゲームをキャリーするポテンシャルはまだあると思うので、やりがいのあるロールです。
──悩めるソロQジャングラーにオススメのチャンピオンを教えてください。
Blank選手:リー・シンです。6年前から、競技シーンでもソロQでも、ジャングルの基本はリー・シンです。
──Pirean選手、ミッドは常に重要ロールだと思いますが、今のメタでもそう感じていますか?
Pirean選手:変わらず責任が大きいロールだと思います。ただ、出てくるチャンピオンが変わったわけではないので、そんなに感覚の違いはないですね。
──本当にチャンピオンプールが広いですが、参考にしているプレイヤーはいますか?
Pirean選手:特定のプレイヤーはいませんが、高レートプレイヤーの自分が気になるマッチアップのリプレイはよく見ますね。レーン戦をどうやって戦うのかを中心に研究しています。
──ズバリ、今のメタ、ソロQのミッドでキャリーできるチャンピオンは誰ですか?
Pirean選手:キヤナです。「モビリティブーツ」を買えば誰よりも早く戦いに参加できますし、とんでもないバーストがいつでも出せるのでオススメです。
1勝ずつ積み重ねた先に優勝が見えてくる
──最後に、今シーズンの「LJL」のことについてお話しさせてください。ちょっと聞きづらいことなんですが、Pirean選手は昨年はLECでスターターの席を奪われてFAになり、Blank選手もSGで6位とパッとしなかった、と2人の実力を不安視する声もあります。実際、おふたりは優勝する自信はありますか?Pirean選手:そういったネガティブな声は気にせず、自分のパフォーマンスを発揮すれば、結果がついてくると思っています。日本のチームはまだ対戦したことがなくて正直わかりませんが、1勝1勝積み重ねていった先に、プレーオフ、優勝、MSI出場というのが見えてくるはずです。
──Blank選手は昨シーズン「LJL」で戦って他チームのこともわかると思いますが、ライバルになりそうなチームはありますか?
Blank選手:DetonatioN FocusMeは、ライバルというよりは挑戦者として戦って、勝ちたいという思いがあります。それ以外だと、Crest Gaming ActがミッドとADCにかなり強いプレイヤーが入っているので注目しています。
──最後に、2020年シーズンへの意気込みと、ファンへのメッセージをお願いします。
Blank選手:いい成績を残して優勝して「MSI」に出場し、世界の舞台でも活躍を見せたいです。
もうすぐ開幕でファンの方々と会えるのを楽しみにしています。応援よろしくお願いします!
Pirean選手:早いうちにチームワークを良くして、皆様にSGが強いというところを見せたいと思います!
※ ※ ※
2人とも「インタビュー慣れ」というべきか、「プロらしさ」というべきか、やや控えめなコメントが目立ったが、SGのチームスタッフは新チームにかなり手ごたえを感じているらしく、「開幕戦からプレーオフまで圧倒的な強さを見せて優勝できると思うので、注目してください!」と強気のコメントも飛び出した。
それを横で聞いたBlank選手も「OK」と力強く頷いていたところを見ると、選手たちも本心では新チームに自信あり、といったところだろう。
SGの開幕週(Week1/2月8日)の対戦相手は、SoftBank GamingとRascal Jester。どちらも3人の韓国人をロースターに迎えた、いわゆる「3KRチーム」(「LJL」での参戦年数に応じて韓国人選手が日本人枠になった。Tussle選手とviviD選手がLJLで初めて対象となった)。SGにとって試練の1週間になることは間違いないが、新Sengoku Gamingの実力を測るにはうってつけの相手ともいえるだろう。
2人の元SKT、そして日本人オールスターとも言うべき選手を集めたこの注目のチームが、快調な滑り出しを見せることができるのか。
2月8日、「LJL 2020 Spring Split」開幕戦から目が離せない。
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