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『Wolcen: Lords of Mayhem』ようやくリリースされた次世代ハクスラ! 人気のあまり初日はサーバーダウン!?【オススメPCゲームレビュー】
熱心なファンが多いゲームジャンルのひとつに、ハック&スラッシュ(以下ハクスラ)がある。『Diablo』(ディアブロ)シリーズや『Path of Exile』(パス オブ エグザイル)、『Grim Dawn』(グリム ドーン)などに代表されるこのジャンルは、ひらすら敵を倒してアイテムを集め、ダンジョンを探求していくわけだが、自分なりにキャラを強化させていく楽しさ、レア武器を拾ったときの嬉しさなどにより、一度ハマるとなかなか抜け出せない魅力を持っている。
今回紹介するWolcen Studioの『Wolcen: Lords of Mayhem』(ウォルセン:ロード・オブ・メイヘム。以下『Wolcen』)は次世代ハクスラとして注目を集め、4年以上のアーリーアクセスを経て、2月13日にようやく正式リリースとなった。ハクスラの楽しさのエッセンスの部分は引き継ぎつつも、本作ならではの独自性も数多くある。まずはそれらをチェックしてみよう。
巨大なスキルツリーといえば、『Path of Exile』を彷彿とさせるが、『Path of Exile』のものと比べて、多少わかりやすく、とっつきやすくした印象だ。だからといってビルドの奥深さも失われておらず、ちょうどいい塩梅だといえる。
スキルツリーは円の中心から始まる。序盤のパッシブスキルは基礎ステータスの向上など汎用性が高いものだが、後半(円の外側)まで行くと特化した効果や、新たな独自リソースの追加される。一見無作為にノードが置かれているように見えるが、効果毎にゆるやかなまとまりが作られていて、そのまとまりに“Soldier”や“Assassin”など、クラスシステムのような名前になっている。ノードのとり方によっては半分戦士、半分魔術師というようなとり方も可能で、ここが『Wolcen』における自由度の高さの要と言っていいだろう。
パッシブスキルツリーは3つのTierに別れている円盤で、Tierごとに回転させることが可能。これにより、Tierをまたぐ時に自由なノードの接続ができて、“防御力の高い魔法使い”だったり、“攻撃速度特化の重装戦士”のような、非常に自由なビルドを組めるのである。
さらに、スキルツリーやステータスの振り直しがかなり手軽に行える設計になっており、1つのキャラクターでさまざまなビルドが試せるようになっている。筆者が実際にプレイした結果、最初は近接ビルドを試していたが、最終的にスタイリッシュに動き回りながら二丁拳銃を乱射するビルドになっていた。
ハクスラタイトルの中には、ビルドに失敗すると、ストーリーの途中で”詰み”が発生し、キャラクターの作り直しを余儀なくされることもあるので、『Wolcen』のシステムはかなり良心的であると言えよう。
次に挙げられるのが、近接ビルドの快適性とアクション要素だ。通常攻撃がデフォルトで範囲攻撃になっているうえ、定期的に通常攻撃が敵のそばにダッシュしてから攻撃するようになる“オートダッシュ”システムが存在する。
これらの仕様のおかげで、”敵を1匹1匹ちまちま殴る”、”敵のそばまで歩いて行ってから殴る”というような近接ビルド特有の問題が解消できている。
また、ハクスラではあまり見かけない“回避”アクションを行うことができるのも大きな特徴だ。ハクスラの戦闘といえば、防御ステータスと攻撃ステータスの数値の殴り合いになりがちだが、『Wolcen』では、ビルドによってはさながらアクションゲームのように高速で動き回り、敵の攻撃を悉く避けながら戦うこともできる。
他にもWillpowerとRageの相反するリソースを使うシステムのおかげで、魔法剣士のような複合ビルドが器用貧乏にならずに成立できている点や、得た装備をすべて装飾品にでき、染色もできるシステムなど、他作品では見られない画期的なシステムが数多く存在する。
その上で、敵を薙ぎ払う爽快感や、レアドロップ掘りといった”ハクスラらしい楽しさ”も失われていない。過去作の良い点を取り入れながらも、独自の要素で問題点を解消しようとしている『Wolcen』は、まさに”次世代のハック&スラッシュ”だと言えるだろう。
いわゆる"おつかい"が多く、"ストーリークリアまではチュートリアル"と言われがちなハクスラの中でちゃんとしたストーリーが用意されているのは珍しい。剣と魔法はもちろん、近代兵器も登場する重厚な世界で、古代遺跡や森林、古城などさまざまなロケーションを旅することになる。
ゲームエンジンにはCryENGINEが採用されており、Steamで配信されているハクスラタイトルの中では最上位クラスのグラフィックだ。ついつい風景を眺めてしまう、ということもしばしば。"ハクスラには興味はあったけど、グラフィックが古臭いのが多くて……"という人にもぜひオススメしたい。
プレイヤー数はそれまでの平均と比べてなんと約20倍にまで増加し、その結果オンラインサーバーがダウンし、2日間のメンテナンスを余儀なくされるほどであった(2月23日現在では復旧中)。
これは早期アクセス時点での売り上げやプレイヤー人口と比べると考えられないようなことであり、開発も予想だにしなかったことであろう。
有名な配信者やプロゲーマーが配信したことも大きい。最大同時視聴者数が10万人を超えた配信もあり、これでさらに注目されたようだ。正式リリース前のときは全体視聴者数100人程度がふつうだったゲームだったのだが……。
日本語ローカライズは2月現在なされていないが、公式ではコミュニティによる翻訳を募集しいるようで、日本語化に関する記述はまだないが、そう遠くない時期に何らかの形で実現するだろう。
サーバーダウンの件やバグの存在を見るに、なんとか形だけでも正式リリースにこぎ着けたと感じられる部分もあり、2月現在Steamの評価は“賛否両論”。しかしゲームそのものは非常に作り込まれており、長く楽しめそうな作品だ。今後のアップデートも予定しており、往年のハクスラ特有の難解さや不便さを改善しようという意気込みが感じられる。
ハクスラの複雑な面白さとシステムのわかりやすさを兼ね備えた本作『Wolcen』は、これまで多くのハクスラを遊んできたマニアはもちろん、初めてのハクスラとしてもおすすめできる作品だ。
© Wolcen Studio. Portions of Wolcen:Lords of Mayhem are included under license © 2004-2020 Crytek GmbH. All rights reserved
■関連リンク
『Wolcen: Lords of Mayhem』Steamページ
https://store.steampowered.com/app/424370/Wolcen_Lords_of_Mayhem/
Wolcen Studio
https://wolcengame.com/
今回紹介するWolcen Studioの『Wolcen: Lords of Mayhem』(ウォルセン:ロード・オブ・メイヘム。以下『Wolcen』)は次世代ハクスラとして注目を集め、4年以上のアーリーアクセスを経て、2月13日にようやく正式リリースとなった。ハクスラの楽しさのエッセンスの部分は引き継ぎつつも、本作ならではの独自性も数多くある。まずはそれらをチェックしてみよう。
伝統の面白さと革新性を兼ね備えたシステム
まず挙げられるのが、キャラクタービルドの自由度の高さだ。クラス選択が存在せず、レベルアップ毎にFerocity、Toughness、Agility、Wisdomの4つのステータスを振り分けていく。そして“Gate of Fates”と呼ばれる基礎ステータスを向上させる小さなノードと、大きな効果を得られるユニークノードからなる巨大なパッシブスキルツリーにとる、2つのステータスシステムで基本的なビルドを組むシステムとなっている。巨大なスキルツリーといえば、『Path of Exile』を彷彿とさせるが、『Path of Exile』のものと比べて、多少わかりやすく、とっつきやすくした印象だ。だからといってビルドの奥深さも失われておらず、ちょうどいい塩梅だといえる。
▲3層に別れた巨大な円盤状のパッシブツリー
スキルツリーは円の中心から始まる。序盤のパッシブスキルは基礎ステータスの向上など汎用性が高いものだが、後半(円の外側)まで行くと特化した効果や、新たな独自リソースの追加される。一見無作為にノードが置かれているように見えるが、効果毎にゆるやかなまとまりが作られていて、そのまとまりに“Soldier”や“Assassin”など、クラスシステムのような名前になっている。ノードのとり方によっては半分戦士、半分魔術師というようなとり方も可能で、ここが『Wolcen』における自由度の高さの要と言っていいだろう。
パッシブスキルツリーは3つのTierに別れている円盤で、Tierごとに回転させることが可能。これにより、Tierをまたぐ時に自由なノードの接続ができて、“防御力の高い魔法使い”だったり、“攻撃速度特化の重装戦士”のような、非常に自由なビルドを組めるのである。
▲ゲームを進めていくほどに派手な戦闘が行うことが可能
さらに、スキルツリーやステータスの振り直しがかなり手軽に行える設計になっており、1つのキャラクターでさまざまなビルドが試せるようになっている。筆者が実際にプレイした結果、最初は近接ビルドを試していたが、最終的にスタイリッシュに動き回りながら二丁拳銃を乱射するビルドになっていた。
ハクスラタイトルの中には、ビルドに失敗すると、ストーリーの途中で”詰み”が発生し、キャラクターの作り直しを余儀なくされることもあるので、『Wolcen』のシステムはかなり良心的であると言えよう。
▲ロックオンした敵に銃を掃射。アクティブスキルも多彩だ
次に挙げられるのが、近接ビルドの快適性とアクション要素だ。通常攻撃がデフォルトで範囲攻撃になっているうえ、定期的に通常攻撃が敵のそばにダッシュしてから攻撃するようになる“オートダッシュ”システムが存在する。
これらの仕様のおかげで、”敵を1匹1匹ちまちま殴る”、”敵のそばまで歩いて行ってから殴る”というような近接ビルド特有の問題が解消できている。
▲大技で敵を一掃。まさにハック&スラッシュ
また、ハクスラではあまり見かけない“回避”アクションを行うことができるのも大きな特徴だ。ハクスラの戦闘といえば、防御ステータスと攻撃ステータスの数値の殴り合いになりがちだが、『Wolcen』では、ビルドによってはさながらアクションゲームのように高速で動き回り、敵の攻撃を悉く避けながら戦うこともできる。
▲回避はスタミナを消費して行う
他にもWillpowerとRageの相反するリソースを使うシステムのおかげで、魔法剣士のような複合ビルドが器用貧乏にならずに成立できている点や、得た装備をすべて装飾品にでき、染色もできるシステムなど、他作品では見られない画期的なシステムが数多く存在する。
その上で、敵を薙ぎ払う爽快感や、レアドロップ掘りといった”ハクスラらしい楽しさ”も失われていない。過去作の良い点を取り入れながらも、独自の要素で問題点を解消しようとしている『Wolcen』は、まさに”次世代のハック&スラッシュ”だと言えるだろう。
▲装飾画面。もう“影に忍ぶ暗殺者なのにレアで強いから肩から炎が噴き出す金ピカの鎧を着ないといけない”なんて嘆かなくても良い
CryENGINEで描かれる重厚なファンタジー世界
戦争孤児だった主人公は、戦士として育て上げられ、徴兵されるところから本作『Wolcen』のストーリーは始まる。そして超常の力と遭遇し、主人公と同じように孤児から戦士として、兄弟として育てられた者たちとの絆や裏切りを描いていく。▲チャプター1冒頭のワンシーン
いわゆる"おつかい"が多く、"ストーリークリアまではチュートリアル"と言われがちなハクスラの中でちゃんとしたストーリーが用意されているのは珍しい。剣と魔法はもちろん、近代兵器も登場する重厚な世界で、古代遺跡や森林、古城などさまざまなロケーションを旅することになる。
▲同じくチャプター1冒頭。超常の力が顕現する
ゲームエンジンにはCryENGINEが採用されており、Steamで配信されているハクスラタイトルの中では最上位クラスのグラフィックだ。ついつい風景を眺めてしまう、ということもしばしば。"ハクスラには興味はあったけど、グラフィックが古臭いのが多くて……"という人にもぜひオススメしたい。
▲ムービーだけでなく、実際のゲーム画面でもグラフィックは美麗だ
大盛況とサーバーダウン
長年の開発を経て、2月13日正式リリースとなった『Wolcen』だが、そのリリースの直後からプレイヤーが爆発的に増加した。リリース時の値上げを受けての駆け込み需要も相まって、大盛況となった。2月23日現在、全世界売り上げランキングでは1位。プレイヤー人口はピーク時には10万人を超え、その後もつねに上位をキープしている。プレイヤー数はそれまでの平均と比べてなんと約20倍にまで増加し、その結果オンラインサーバーがダウンし、2日間のメンテナンスを余儀なくされるほどであった(2月23日現在では復旧中)。
これは早期アクセス時点での売り上げやプレイヤー人口と比べると考えられないようなことであり、開発も予想だにしなかったことであろう。
有名な配信者やプロゲーマーが配信したことも大きい。最大同時視聴者数が10万人を超えた配信もあり、これでさらに注目されたようだ。正式リリース前のときは全体視聴者数100人程度がふつうだったゲームだったのだが……。
▲レジェンダリー装備がドロップ。これこそハクスラの醍醐味だ
日本語ローカライズは2月現在なされていないが、公式ではコミュニティによる翻訳を募集しいるようで、日本語化に関する記述はまだないが、そう遠くない時期に何らかの形で実現するだろう。
サーバーダウンの件やバグの存在を見るに、なんとか形だけでも正式リリースにこぎ着けたと感じられる部分もあり、2月現在Steamの評価は“賛否両論”。しかしゲームそのものは非常に作り込まれており、長く楽しめそうな作品だ。今後のアップデートも予定しており、往年のハクスラ特有の難解さや不便さを改善しようという意気込みが感じられる。
ハクスラの複雑な面白さとシステムのわかりやすさを兼ね備えた本作『Wolcen』は、これまで多くのハクスラを遊んできたマニアはもちろん、初めてのハクスラとしてもおすすめできる作品だ。
© Wolcen Studio. Portions of Wolcen:Lords of Mayhem are included under license © 2004-2020 Crytek GmbH. All rights reserved
■関連リンク
『Wolcen: Lords of Mayhem』Steamページ
https://store.steampowered.com/app/424370/Wolcen_Lords_of_Mayhem/
Wolcen Studio
https://wolcengame.com/