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『マインクラフト ダンジョンズ』 世界中で親しまれている『マイクラ』最新作はイージーなダンジョンクローラー兼ハクスラ!?【オススメPCゲームレビュー】

マイクロソフトのXbox Game Studiosは2020年5月26日、Mojang StudiosとDouble Elevenが開発した『マインクラフト ダンジョンズ』をPC/Xbox One/PS4/Nintendo Switch向けに配信を開始した。本作はメガヒット作『マインクラフト』の見た目をした作品で、それこそがフックとなるゲームだ。『マイクラ』好きにもってこいといえ、ハクスラやダンジョンクローラーへの入門となるべき作風となっている。

『マイクラ』ファンにもハクスラファンにもぜひ触ってみてほしいタイトルとなっているので、そのあたりをじっくり解説していきたいと思う。


クラフト要素ゼロの『マイクラ』で
ダンジョンを突き進む

ハクスラとダンジョンクローラー。この2つのジャンルについて説明をすると、まずハクスラは「ハック&スラッシュ」の略で敵をなぎ倒し良いアイテムを拾ってはまた敵をなぎ倒していく、というコアサイクルの作品。

一方ダンジョンクローラーはもっとシビアでハードコアな作風となっており、ひたすらダンジョンに潜ることこそが目的の作品だといっていい。

ただし、本稿において簡易と評するには相応の理由がある。おおむねダンジョンクローラーに分類される作品はストイックで長大な作風だが、本作はそれを簡易化して「ダンジョンに潜ること」をゆるくステージ制にした形になっており、それ以外にダンジョンクローラーにあるべきキャラクターの性質の決定などはない。1ステージも15分ほどと短い。

▲クォータービューが基本レイアウトとなる

『マインクラフト』の名を冠する以上、おそらく本作にはプレイ前に期待がもたれるはずだ。たとえばアイテムのクラフト、立地を変えるなどオブジェクトへのインタラクション。しかしその期待は良くも悪くも裏切られる。

本作にはアイテムのクラフト要素はない。ひたすらダンジョンに潜って戦い抜くことがメインプレイとなる。その中で敵がドロップするアイテムを拾って自分を強化(ビルド)していく。強化にあたってはレベルが上昇するとエンチャントポイントが付与されるので、それを使って装備を特定の方向付けを持たせて強化ができる。そして、クォータービュー(斜め見下ろし型)のダンジョンをクロールしてハック&スラッシュしていく。

本作のメインターゲットは、『マインクラフト』に親しみを持っていてハードコア過ぎないゲーマーだと思われるが、根拠としてそのビジュアルはもちろん複雑になりすぎないようシステムを簡略化してある点が挙げられる。もっと複雑にすればハードコアゲーマーの要求には応えられるだろうが、そうはなっていない。これは『マインクラフト』フランチャイズのメインターゲットと概ね一致するだろう。

▲ストーリーは「邪悪な村人が支配のオーブを入手して、無理矢理人心を掌握し王となった。それに立ち向かう清き勇者とはプレイヤーである」といった簡易なもの

本作の概要を語ったうえでおもなゲームプレイをみていこう。

戦闘では剣や斧やカトラスなど多岐にわたる基本攻撃武器以外にも、弓やクロスボウなどのセカンダリー攻撃もあり、さらには時間経過で再度使えるようになるアイテム群「アーティファクト」がある。ライフの回復ポーションも時間経過でいくらでも使えるので、本作において時間と戦闘行為のコントロールは重要な関係にある。

また、アーティファクトに目を向けるとおもしろいものがたくさん見受けられ、たとえば「お供のオオカミを召喚する肉」や「敵を倒すと勝手に溜まっていく“ソウル”を爆発させるもの」、「強烈な炎の矢を放てるようになるもの」など多岐に分かれているため、集めて使う楽しみがある。

▲案外ハードな戦闘が待っている

マルチプレイで楽しむもよし
レアアイテム求めてひらすら潜るもよし

ダンジョンでプレイヤーが倒れると、協力プレイヤーがいれば蘇生ができるものの、それもかなわず参加プレイヤー全員が倒れると全滅となってチェックポイントからやり直しとなる。

シングルで遊んでいるときは蘇生してくれる仲間がいないので、倒れれば即チェックポイントへ戻される。これは最大3回までチャンスがあり、4回目の全滅はゲームオーバー。こうなると途中からやり直すことはできず、キャンプに戻されて最初から攻略し直すことになる。

入手したアイテムや経験値などは持ち越せるという救済措置はあるものの、この仕様はうまく機能していないように感じられる。

▲レベル上げを要求するデザインになっている

各ダンジョンでは難易度が選べて、詰まったらクリア済みのダンジョンの難易度を上げて鍛え直すという手も用意されているし、同一のステージでもいくらかランダムに生成されるが、しかし同じステージであることに変わりはなく、基本的なステージギミックもそう変化しない。ほぼ同じことをやり直させられるためストイックな体験となるからだ。これはソロプレイである場合に負担が大きい。

▲担当編集M氏との協力プレイでなんとか打開したボス。いまのところ同じプラットフォームのユーザー同士でしかマルチプレイできないが、将来的には異機種間同士でのクロスプレイ実装も視野に入れているという

しかしながら、本作は『マインクラフト』のガワを借りたダンジョンクローラー、ハック&スラッシュである。『マインクラフト』らしさは単なる見た目や武器の種類にとどまっているが、しかしそれだけで十分なのである。

マインクラフトらしくとっつきやすいビジュアルで遊べるため、ゲームに不慣れな人や、これからゲームに触れ出す年頃の子も遊べる。なにより4人までの協力プレイに対応していることが嬉しいし、前述したストイックな体験を変えてくれる。

本作の本質はライトな協力プレイゲームといったところで、もちろん、それがいいのである。1人で遊べばポテンシャルを感じられないが、協力プレイであれば大いに楽しめる、そういった作品だ。

なおPCでのプレイについて補足を少々。筆者の場合、最初はマウスとキーボードでプレイしたもののポイントクリックで移動、弓矢もエイムしなければならずだったので、難易度が高く感じられた。そこでゲームパッドを繋いでみたところ、弓矢がオートエイムできてスルスル進めるようになったので、家庭用ゲーム機向けに最適化されているようだ。PC版でプレイするつもりの人もゲームパッドがあるといいだろう。

繰り返すが本作はハック&スラッシュでもあるため、ひと通りのクリアだけでは終わらない。4人でなければどうしようもないほどより深き楽しみも用意されている、そんな喜びもある。

『マインクラフト』はちょっと苦手だったという人こそ、『マインクラフト ダンジョンズ』はk遊んでみてほしい1本だ。


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●タイトル:マインクラフト ダンジョンズ
●発売元:Xbox Game Studios
●開発元:Mojang Studios / Double Eleven Limited
●ジャンル:アクション / アドベンチャー
●発売日:2020年5月26日
●価格:2640 円
●必須スペック:
OS: Windows 10 64 bit
●推奨スペック:
OS: Windows 10 64 bit
プロセッサー: Core i5 2.8GHz
メモリー: 8GB RAM
グラフィック: GeForce GTX 660 or Radeon HD 7870
DirectX: Version 11
●公式サイトURL:https://www.minecraft.net/ja-jp/about-dungeons/
●ダウンロードサイトURL:https://www.microsoft.com/ja-jp/p/minecraft-dungeons-windows-10/9p8mk4nc0ljb
【連載】Alienware Zone PCゲームレビュー<2020年版>

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