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『LoL』中国1部リーグ「LPL 2020 Spring」中間レポート:プレイオフに向けて上位チームを総ざらい
目次
『リーグ・オブ・レジェンド(LoL)』の中国1部リーグ「League of Legends Pro League(LPL)」は、COVID-19(新型コロナウィルス)の影響による1カ月近い延期を経て、3月9日よりオンライン環境にて再開された。
Week2~10の9週間で行う予定だった日程がWeek2~7の6週間に圧縮されたことにより、毎日Bo3(2本先取)を3マッチ(3月いっぱいまでは火曜日のみ2マッチ)という、普段以上に過密なスケジュールとなっている。
選手やコーチが移動制限により合流できていないチームも少なからず存在しているという状況ではあるが、Week4を終えていよいよリーグ戦も終盤へと差し掛かってきた。ここまでの「LPL 2020 Spring Season」を振り返るとともに、プレーオフ進出が期待される上位チームの総括をお伝えする。
近接チャンピオンが所持した際の追加ダメージが大幅に増加した「ルインドキング・ブレード」の強化は非常に影響が大きく、レネクトンやイレリア、セトなど多くのファイターがファーストアイテムとして購入するようになった。
とりわけレネクトンは、強化Wスキルによるバーストダメージが途轍もなく、序盤から終盤まで安定した活躍が見込めることから「マストバン or ファーストピック」という時流が出来上がっている。
これに伴って、近接チャンピオンと相性の良いセジュアニ、物理ダメージ過多を解消できるエリスやグラガス、エコーといった魔法ダメージ系チャンピオンの評価も上昇傾向にある。総じてこれらのチャンピオンは、タワーダイブを得意としているという点でも取り合わせが良い。
「ルインドキング・ブレード」はアクティブ効果によって敵の移動速度を奪えるというのも相まって、先んじて完成させた側が明確なアドバンテージを得られる。以前よりもトップレーンにジャングラーが張り付くという場面が増えている理由のひとつだ。
タワープレートの変更内容は、タワープレート破壊時の獲得ゴールドを増加させつつ、近接チャンピオンが破壊しやすくなるという、トップレーンの影響力を高めるために施されたものである。この変更によって、序盤のガンクやダイブで育ったトップレーナーは簡単にプレートを剥がせるようになった。
そのため、リフトヘラルドをトップレーナーのいるレーンで召喚する動きは、相対的に見ると非効率的だ。そこで、最初のリフトヘラルドが出現するタイミングでボットレーナーたちをトップサイドへと送る「レーンスワップ」を行うなど、キャリーのいるレーンでリフトヘラルドを召喚する動きが非常に多く見られた。
こうした背景を踏まえると、タワープレートの変更によって恩恵を受けたのは決して近接チャンピオンだけではない。
例えば、パッチ10.5においてアフェリオスはピック or バン率100%、そして勝率も86%と極めて高い数字をたたき出しているのだが、これには2つの要因が大きく寄与している。
まず1つは、使用した側のチームが比較的強いというシンプルなものである。アフェリオス以上に警戒させられるチャンピオンを多く持っているチームは、その分アフェリオスをピックする機会が増える。強いチームが使えば、自ずと勝率も上がるという仕組みになっている。
そしてもう1つが、前述した「レーンスワップ」との相性が良いということだ。
アフェリオスの長所は、2コア完成以降スケールし続ける優れた性能と、増加物理防御貫通をパッシブによって伸ばせる点、そして武器の組み合わせから得られる相乗効果にある。一方で、基礎ステータスが全体的に低く設定されているため、武器の組み合わせも自由に調整しづらい序盤が課題となりがちだ。
「レーンスワップ」でレーニング段階をある程度スキップさせながら、タワープレートのゴールドを得ることでパワースパイクを前倒しするという動きは、アフェリオスにとって非常に合理的なのである。
チームによって試合の消化数が異なるものの、Week4終了時点での順位表はこのようになっている。「LPL」はシングルラウンドロビン(全チームによる総当たり戦を1回)で行われているため、すべてのチームが折り返し地点を迎えている。
今回は、プレーオフ進出に向けて好発進を切った上位8チームの前半戦を総括する。
(※ロースター欄には出場機会のあったプレイヤーのみを記載)
トップ:Xiaobai
ジャングル:Wei
ミッド:Cryin
ボット:Wink
サポート:ShiauC
FunPlus Phoenixに続いてInvictus Gamingまでもを下し、誰も予想できなかった快進撃を続けるeStar Gaming。サポートキャリーを体現するShiauC選手と、判断力に優れたWei選手がエンゲージの要となって、常に自分たちが有利な集団戦を作り出している。
ボットサイドを中心に展開する傾向が強く、必然的にトップのXiaobai選手がプレッシャーを受けやすいのだが、幾度となくタワーダイブを捌いてチームが求める以上の役割を果たしている。
試合時間が全体平均より3分ほど長くはなっているが、攻め時を間違えることなくゲームを進めている結果と見て差し支えない。厳しいマークが予想される中、この勢いをプレーオフまで残すことができるのか注目だ。
トップ:TheShy
ジャングル:Ning / Leyan
ミッド:Rookie
ボット:Puff
サポート:Southwind
相も変わらず超攻撃的スタイルを貫き通し、チームDPMがついに2500を超えたInvictus Gaming。良くも悪くも振れ幅の大きいチームだが、新加入のボットデュオが比較的安定していることで、取りこぼしが少なくなっている。
やはりTheShy選手が抜群の存在感を放っており、DPMは全体で2位、チームダメージシェアも28.9%とトップレーナーらしからぬ高スタッツを残している。さらに、カリスタの印象を植え付けたことによって、相手のバン枠を確実に1つ使わせるという見事な仕事ぶりである。
ただ、レーニング段階における連携面は不安の残る内容となっており、プレーオフに向けて足並みを揃える必要がある。
トップ:GimGoon / Khan
ジャングル:Tian
ミッド:Doinb
ボット:Lwx
サポート:Crisp
調整不足の問題を解消したFunPlus Phoenixが、怒涛の7連勝で世界王者の本領を見せつけている。今季はDoinb選手に リソースを注ぐパターンがやや多く、本人もその期待に応えるかのようにチームダメージシェア30.8%という大暴れを見せている。
その一方で、縁の下の力持ちとしてスタッツからは読み取れない部分でチームを支えているのが、トップのGimGoon選手だ。毎度のごとく執拗なガンク・タワーダイブの標的にされながらもしっかり耐え凌ぐ姿は、さすがベテランと言わざるを得ない。
Khan選手はここまで出場機会に恵まれていないものの、トップキャリーのメタにも対応できる層の厚さは魅力的だ。
トップ:369
ジャングル:Karsa
ミッド:Knight
ボット:Photic
サポート:QiuQiu / yuyanjia
Top Esportsは一時的に調子を落としていたものの、ミッドに重点を置いたスタイルへと回帰することで順位を上げてきた。リフトヘラルドも優先してミッドレーンに使用することで、エース・Knight選手の影響力を高めている。
また、369選手のチャンピオンプールがメタとマッチしており、ガンクやタワーダイブを成功させた時に得られるリターンが大きいという点も追い風となっている。
新人のPhotic選手はDPMの低さがやや気がかりではあるものの、中盤以降に焦点を合わせることでパフォーマンス自体は改善しており、チームの舵取りはうまくいっているようだ。
トップ:Langx
ジャングル:XLB
ミッド:Xiaohu
ボット:Betty
サポート:Ming
5位という順位の割にはちぐはぐな印象が否めないRoyal Never Give Upだが、不利を背負う展開からでも集団戦で巻き返せる力は持っている。
期待の新人・XLB選手は概ね良好な滑り出しとなってはいるが、少々強欲なプレイが目立ち、ゲームをテンポダウンさせる引き金となっている。経験豊富なプレイヤーが務めてきたポジションということもあって、今後の浮き沈みに影響してくるだろう。
移動制限を受けてチームへの合流が遅れていたUzi選手も、現在14日間の隔離措置(※)を受けている最中で、問題がなければ4月5日のInvictus Gaming戦から出場可能となる予定だ。
(※)選手・スタッフは合流に際し、各ゲーミングハウスが所在する地域の規則に沿って、隔離措置を受けることが義務付けられている。
トップ:Zoom / 705
ジャングル:Kanavi
ミッド:Yagao
ボット:LokeN
サポート:LvMao
COVID-19の影響が最も顕著に現れているのは、おそらくJD Gamingだろう。どこからでもキャリーできる柔軟なスタイルを売りとしていただけに、湖北省へと帰郷していたZoom選手の不在が大きく響いている。
代わりを務めている705選手は、味方との連携が噛み合わず孤立するシーンがしばしば見られる。また、ボットサイドを中心に組み立てているとトップが瓦解してしまうため、ローテーションを駆使するなど狙いを絞らせないための工夫が必要不可欠だ。
Week1で圧倒的なパフォーマンスを見せていただけに残念ではあるが、何とかプレーオフ進出さえ決めることができれば、Zoom選手の合流が間に合うかもしれない。
トップ:Curse
ジャングル:H4cker
ミッド:icon
ボット:Smlz
サポート:cold
Week1とはまるで別チームのようなプレイで、前シーズン最下位からの大躍進を果たしつつあるOh My God。オブジェクトの取捨選択をはじめとするマクロ面での判断が的確で、チームでの1分間あたりの獲得CSはリーグトップの32.8となっている。
icon選手がポークやオールインで体力を削ったところにエンゲージを仕掛け、Curse選手とSmlz選手が掃討するという集団戦の形がうまく機能していたのだが、icon選手へのターゲットバンが増えてきたことによってドラフトに迷いが見受けられる。
中堅どころによる熾烈なプレーオフ争いを勝ち切るためにも、今一度チームの意思統一を図り、自分たちの強味を活かせるようなプランの遂行が求められる。
トップ:Morgan
ジャングル:beishang
ミッド:Teacherma / Plex
ボット:Jiumeng
サポート:Missing
新人または2年目に相当するプレイヤーのみで構成されているTeam WE。チームを牽引するのはキャリー系ジャングラーのbeishang選手で、上位チームのジャングラーたちと比較しても遜色ないスタッツを残している。Week3の半ばからミッドをTeacherma選手に変えたことで、より動きやすくなったことが勝利に繋がっているようだ。
準新人であるJiumeng選手は調子にムラがあり、ダメージはしっかり出せているものの、少々危ういプレーが散見される。相方のMissing選手が得意のピールで支え切れるかがポイントになる。
勝ち数で並ぶJD Gaming・Oh My God、調子を上げているEDward Gaming・Vici Gaming辺りが、枠を争うライバルとなりそうだ。
出典:https://lol.qq.com/news/detail.shtml?docid=13177078584726218469
従来であればSpring Seasonの1位から6位のチームに与えられるポイントは、上から順に「90, 70, 50, 30, 10, 10」であるが、今季は「60, 40, 30, 20, 10, 10」になることが公式ルールブックに記載されている。春に成績が振るわなかったチームでも、夏の成績次第で挽回できるように配慮した変更だ。
「LPL」のプレーオフといえば、決勝戦で執り行われる豪華絢爛な開会式も楽しみのひとつだが、今季は他地域同様にオンラインあるいは無観客での開催が見込まれる。いちファンとして残念ではないといえば嘘になるが、大舞台を夢見て努力を重ねてきた選手・スタッフの心中は察するに余りある。それでもなお激闘を繰り広げる中国チームの雄姿を、後半戦もお見逃しなく。
リーグ・オブ・レジェンド
http://jp.leagueoflegends.com/ja/
LPL 公式サイト(中国語)
https://lpl.qq.com
LPL 公式配信チャンネル(英語)
https://www.twitch.tv/lpl
https://www.youtube.com/channel/UCaFMdq6QrAAEx5k2cLlZNPA
LPL 公式Twitter(英語)
https://twitter.com/lplenglish
LoL Esports VODs and Highlights
https://www.youtube.com/channel/UCzAypSoOFKCZUts3ULtVT_g
LPL 2020 Spring データページ (Leaguepedia、英語)
https://lol.gamepedia.com/LPL/2020_Season/Spring_Season
Week2~10の9週間で行う予定だった日程がWeek2~7の6週間に圧縮されたことにより、毎日Bo3(2本先取)を3マッチ(3月いっぱいまでは火曜日のみ2マッチ)という、普段以上に過密なスケジュールとなっている。
選手やコーチが移動制限により合流できていないチームも少なからず存在しているという状況ではあるが、Week4を終えていよいよリーグ戦も終盤へと差し掛かってきた。ここまでの「LPL 2020 Spring Season」を振り返るとともに、プレーオフ進出が期待される上位チームの総括をお伝えする。
パッチ10.5がもたらした変化について
まずは、Week3の途中から適用されているパッチ10.5におけるメタの変化について、2つのポイントから振り返っていこう。ポイント(1):ルインドキング・ブレード
出典:https://jp.leagueoflegends.com/ja-jp/news/game-updates/patch-10-5-notes/近接チャンピオンが所持した際の追加ダメージが大幅に増加した「ルインドキング・ブレード」の強化は非常に影響が大きく、レネクトンやイレリア、セトなど多くのファイターがファーストアイテムとして購入するようになった。
とりわけレネクトンは、強化Wスキルによるバーストダメージが途轍もなく、序盤から終盤まで安定した活躍が見込めることから「マストバン or ファーストピック」という時流が出来上がっている。
これに伴って、近接チャンピオンと相性の良いセジュアニ、物理ダメージ過多を解消できるエリスやグラガス、エコーといった魔法ダメージ系チャンピオンの評価も上昇傾向にある。総じてこれらのチャンピオンは、タワーダイブを得意としているという点でも取り合わせが良い。
「ルインドキング・ブレード」はアクティブ効果によって敵の移動速度を奪えるというのも相まって、先んじて完成させた側が明確なアドバンテージを得られる。以前よりもトップレーンにジャングラーが張り付くという場面が増えている理由のひとつだ。
ポイント(2):タワープレート
出典:https://jp.leagueoflegends.com/ja-jp/news/game-updates/patch-10-5-notes/タワープレートの変更内容は、タワープレート破壊時の獲得ゴールドを増加させつつ、近接チャンピオンが破壊しやすくなるという、トップレーンの影響力を高めるために施されたものである。この変更によって、序盤のガンクやダイブで育ったトップレーナーは簡単にプレートを剥がせるようになった。
そのため、リフトヘラルドをトップレーナーのいるレーンで召喚する動きは、相対的に見ると非効率的だ。そこで、最初のリフトヘラルドが出現するタイミングでボットレーナーたちをトップサイドへと送る「レーンスワップ」を行うなど、キャリーのいるレーンでリフトヘラルドを召喚する動きが非常に多く見られた。
こうした背景を踏まえると、タワープレートの変更によって恩恵を受けたのは決して近接チャンピオンだけではない。
例えば、パッチ10.5においてアフェリオスはピック or バン率100%、そして勝率も86%と極めて高い数字をたたき出しているのだが、これには2つの要因が大きく寄与している。
まず1つは、使用した側のチームが比較的強いというシンプルなものである。アフェリオス以上に警戒させられるチャンピオンを多く持っているチームは、その分アフェリオスをピックする機会が増える。強いチームが使えば、自ずと勝率も上がるという仕組みになっている。
そしてもう1つが、前述した「レーンスワップ」との相性が良いということだ。
アフェリオスの長所は、2コア完成以降スケールし続ける優れた性能と、増加物理防御貫通をパッシブによって伸ばせる点、そして武器の組み合わせから得られる相乗効果にある。一方で、基礎ステータスが全体的に低く設定されているため、武器の組み合わせも自由に調整しづらい序盤が課題となりがちだ。
「レーンスワップ」でレーニング段階をある程度スキップさせながら、タワープレートのゴールドを得ることでパワースパイクを前倒しするという動きは、アフェリオスにとって非常に合理的なのである。
上位8チームの前半戦総括
出典:https://www.weibo.com/5756404150/IATeTffbrチームによって試合の消化数が異なるものの、Week4終了時点での順位表はこのようになっている。「LPL」はシングルラウンドロビン(全チームによる総当たり戦を1回)で行われているため、すべてのチームが折り返し地点を迎えている。
今回は、プレーオフ進出に向けて好発進を切った上位8チームの前半戦を総括する。
(※ロースター欄には出場機会のあったプレイヤーのみを記載)
1位 eStar Gaming(9勝1敗)
出典:https://www.weibo.com/6424306175/Iyj737diWトップ:Xiaobai
ジャングル:Wei
ミッド:Cryin
ボット:Wink
サポート:ShiauC
FunPlus Phoenixに続いてInvictus Gamingまでもを下し、誰も予想できなかった快進撃を続けるeStar Gaming。サポートキャリーを体現するShiauC選手と、判断力に優れたWei選手がエンゲージの要となって、常に自分たちが有利な集団戦を作り出している。
ボットサイドを中心に展開する傾向が強く、必然的にトップのXiaobai選手がプレッシャーを受けやすいのだが、幾度となくタワーダイブを捌いてチームが求める以上の役割を果たしている。
試合時間が全体平均より3分ほど長くはなっているが、攻め時を間違えることなくゲームを進めている結果と見て差し支えない。厳しいマークが予想される中、この勢いをプレーオフまで残すことができるのか注目だ。
2位 Invictus Gaming(7勝1敗)
出典:https://www.weibo.com/2099708877/Iya3Tf46Mトップ:TheShy
ジャングル:Ning / Leyan
ミッド:Rookie
ボット:Puff
サポート:Southwind
相も変わらず超攻撃的スタイルを貫き通し、チームDPMがついに2500を超えたInvictus Gaming。良くも悪くも振れ幅の大きいチームだが、新加入のボットデュオが比較的安定していることで、取りこぼしが少なくなっている。
やはりTheShy選手が抜群の存在感を放っており、DPMは全体で2位、チームダメージシェアも28.9%とトップレーナーらしからぬ高スタッツを残している。さらに、カリスタの印象を植え付けたことによって、相手のバン枠を確実に1つ使わせるという見事な仕事ぶりである。
ただ、レーニング段階における連携面は不安の残る内容となっており、プレーオフに向けて足並みを揃える必要がある。
3位 Funplus Phoenix(7勝2敗)
出典:https://www.weibo.com/6438449770/IzOaUAHc6トップ:GimGoon / Khan
ジャングル:Tian
ミッド:Doinb
ボット:Lwx
サポート:Crisp
調整不足の問題を解消したFunPlus Phoenixが、怒涛の7連勝で世界王者の本領を見せつけている。今季はDoinb選手に リソースを注ぐパターンがやや多く、本人もその期待に応えるかのようにチームダメージシェア30.8%という大暴れを見せている。
その一方で、縁の下の力持ちとしてスタッツからは読み取れない部分でチームを支えているのが、トップのGimGoon選手だ。毎度のごとく執拗なガンク・タワーダイブの標的にされながらもしっかり耐え凌ぐ姿は、さすがベテランと言わざるを得ない。
Khan選手はここまで出場機会に恵まれていないものの、トップキャリーのメタにも対応できる層の厚さは魅力的だ。
4位 Top Esports(6勝3敗)
出典:https://www.weibo.com/5449734852/IATG04wI3トップ:369
ジャングル:Karsa
ミッド:Knight
ボット:Photic
サポート:QiuQiu / yuyanjia
Top Esportsは一時的に調子を落としていたものの、ミッドに重点を置いたスタイルへと回帰することで順位を上げてきた。リフトヘラルドも優先してミッドレーンに使用することで、エース・Knight選手の影響力を高めている。
また、369選手のチャンピオンプールがメタとマッチしており、ガンクやタワーダイブを成功させた時に得られるリターンが大きいという点も追い風となっている。
新人のPhotic選手はDPMの低さがやや気がかりではあるものの、中盤以降に焦点を合わせることでパフォーマンス自体は改善しており、チームの舵取りはうまくいっているようだ。
5位 Royal Never Give Up(5勝3敗)
出典:https://www.weibo.com/5498972025/IzZwnfjtbトップ:Langx
ジャングル:XLB
ミッド:Xiaohu
ボット:Betty
サポート:Ming
5位という順位の割にはちぐはぐな印象が否めないRoyal Never Give Upだが、不利を背負う展開からでも集団戦で巻き返せる力は持っている。
期待の新人・XLB選手は概ね良好な滑り出しとなってはいるが、少々強欲なプレイが目立ち、ゲームをテンポダウンさせる引き金となっている。経験豊富なプレイヤーが務めてきたポジションということもあって、今後の浮き沈みに影響してくるだろう。
移動制限を受けてチームへの合流が遅れていたUzi選手も、現在14日間の隔離措置(※)を受けている最中で、問題がなければ4月5日のInvictus Gaming戦から出場可能となる予定だ。
(※)選手・スタッフは合流に際し、各ゲーミングハウスが所在する地域の規則に沿って、隔離措置を受けることが義務付けられている。
6位 JD Gaming(5勝4敗)
出典:https://www.weibo.com/6174976862/IAQzhuZlkトップ:Zoom / 705
ジャングル:Kanavi
ミッド:Yagao
ボット:LokeN
サポート:LvMao
COVID-19の影響が最も顕著に現れているのは、おそらくJD Gamingだろう。どこからでもキャリーできる柔軟なスタイルを売りとしていただけに、湖北省へと帰郷していたZoom選手の不在が大きく響いている。
代わりを務めている705選手は、味方との連携が噛み合わず孤立するシーンがしばしば見られる。また、ボットサイドを中心に組み立てているとトップが瓦解してしまうため、ローテーションを駆使するなど狙いを絞らせないための工夫が必要不可欠だ。
Week1で圧倒的なパフォーマンスを見せていただけに残念ではあるが、何とかプレーオフ進出さえ決めることができれば、Zoom選手の合流が間に合うかもしれない。
7位 Oh My God(5勝4敗)
出典:https://www.weibo.com/3165008832/IwV7dCdwVトップ:Curse
ジャングル:H4cker
ミッド:icon
ボット:Smlz
サポート:cold
Week1とはまるで別チームのようなプレイで、前シーズン最下位からの大躍進を果たしつつあるOh My God。オブジェクトの取捨選択をはじめとするマクロ面での判断が的確で、チームでの1分間あたりの獲得CSはリーグトップの32.8となっている。
icon選手がポークやオールインで体力を削ったところにエンゲージを仕掛け、Curse選手とSmlz選手が掃討するという集団戦の形がうまく機能していたのだが、icon選手へのターゲットバンが増えてきたことによってドラフトに迷いが見受けられる。
中堅どころによる熾烈なプレーオフ争いを勝ち切るためにも、今一度チームの意思統一を図り、自分たちの強味を活かせるようなプランの遂行が求められる。
8位 Team WE(5勝4敗)
出典:https://www.weibo.com/1869429662/IAq2j0a6nトップ:Morgan
ジャングル:beishang
ミッド:Teacherma / Plex
ボット:Jiumeng
サポート:Missing
新人または2年目に相当するプレイヤーのみで構成されているTeam WE。チームを牽引するのはキャリー系ジャングラーのbeishang選手で、上位チームのジャングラーたちと比較しても遜色ないスタッツを残している。Week3の半ばからミッドをTeacherma選手に変えたことで、より動きやすくなったことが勝利に繋がっているようだ。
準新人であるJiumeng選手は調子にムラがあり、ダメージはしっかり出せているものの、少々危ういプレーが散見される。相方のMissing選手が得意のピールで支え切れるかがポイントになる。
勝ち数で並ぶJD Gaming・Oh My God、調子を上げているEDward Gaming・Vici Gaming辺りが、枠を争うライバルとなりそうだ。
最後に:プレーオフについて
予定では4月19日にレギュラーシーズンが終了し、その後上位8チームによるプレーオフが行われることになっているが、日程について4月1日時点で未発表である。また、COVID-19によるチームへの影響やスケジュールの過密化に伴い、世界大会の出場権を得るために必要な「チャンピオンシップポイント」に関する変更が生じている。出典:https://lol.qq.com/news/detail.shtml?docid=13177078584726218469
従来であればSpring Seasonの1位から6位のチームに与えられるポイントは、上から順に「90, 70, 50, 30, 10, 10」であるが、今季は「60, 40, 30, 20, 10, 10」になることが公式ルールブックに記載されている。春に成績が振るわなかったチームでも、夏の成績次第で挽回できるように配慮した変更だ。
「LPL」のプレーオフといえば、決勝戦で執り行われる豪華絢爛な開会式も楽しみのひとつだが、今季は他地域同様にオンラインあるいは無観客での開催が見込まれる。いちファンとして残念ではないといえば嘘になるが、大舞台を夢見て努力を重ねてきた選手・スタッフの心中は察するに余りある。それでもなお激闘を繰り広げる中国チームの雄姿を、後半戦もお見逃しなく。
リーグ・オブ・レジェンド
http://jp.leagueoflegends.com/ja/
LPL 公式サイト(中国語)
https://lpl.qq.com
LPL 公式配信チャンネル(英語)
https://www.twitch.tv/lpl
https://www.youtube.com/channel/UCaFMdq6QrAAEx5k2cLlZNPA
LPL 公式Twitter(英語)
https://twitter.com/lplenglish
LoL Esports VODs and Highlights
https://www.youtube.com/channel/UCzAypSoOFKCZUts3ULtVT_g
LPL 2020 Spring データページ (Leaguepedia、英語)
https://lol.gamepedia.com/LPL/2020_Season/Spring_Season
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