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『Mount & Blade II: Bannerlord』中世風の世界でリアルな白兵戦! プレイヤーの選択で何でもできるアクションRPG!【オススメPCゲームレビュー】
大人気ストラテジー/アクションRPG『Mount&Blade』がTaleWorlds Entertainmentより発売となったのは2008年。中世ヨーロッパをモチーフとし、1人の旅人としてゲームがスタート。王に仕えるもよし、盗賊の頭になって略奪するもよしの自由度の高さと、リアルな白兵戦や騎馬戦が楽しめる独自の戦闘システムで、世界中で大ヒットした。
その続編となる『Mount & Blade II: Bannerlord』(以下『M&B2』)が、8年の開発を経てついに2020年3月30日より早期アクセスを開始した。前作の楽しさをそのままに、グラフィックやインターフェースが改良され、正当進化といえる作品となっている。
2020年4月現在Steam内の売上げランキングでは1位を記録。プレイヤーの数も発売以降増え続けており、まさに全世界が待ち望んだゲームだ。本稿ではその魅力をじっくりとお届けしよう。
チュートリアルとなる依頼をクリアした後は完全に自由だ。8つの国が存在する大陸の戦乱の時代で好きなようにプレイできる。一人旅を続け、各都市の武術トーナメントで名を馳せてもよし、兵を募って自身のクランを巨大にし、国として独立してもよし。城を構えて内政を執り行ったり、行商人として財を成したり、結婚して子供をもうけることもできる。正義の道を進むのも悪に染まって破壊と略奪の限りを尽くすのも、決めるのはプレイヤー自身となる。
ゲームプレイでは基本的にワールドマップに点在する都市や村、城などを行き来する。自分のクランの兵が少ない頃は追い剥ぎや山賊に襲われることになるだろう。都市や村の人々から依頼を受け、賊を討伐したり、都市を行き来し行商を行ったりすることで資金を稼ぎ、さらに自分のクランを大きくしていくのが序盤のゲームの流れだ。
資金を稼ぐ方法は数多くあり、略奪行為をしたっていい。自分のクランが大きくなれば、国に兵団として仕官することができるようになる。仕官すればひとつの兵団として戦争に参加することになるだろう。仕官せずに城や都市を奪って建国することだってできる。そして大陸の中で強大な地位を築いていくのがゲームの流れだが、そんなのは全部無視して複数の国から追われる有名な盗賊団として生きていく、そんな楽しみ方だってアリだ。
そしてこのゲームにはゲームオーバーは存在しない。戦に破れ、軍団が壊滅しても敵軍の捕虜になり、敵軍の行軍についていくことなる。脱走したり、友軍に助けてもらったりすることで捕虜を脱することできるが、そのときはまた1人にもどってしまう。再起を図るために1から兵を集めよう。
このように、『M&B2』では、戦乱の世で好きなように“生きていく“ゲームだ。ゲームから与えられる大きな目的は存在しない。自分がやりたい様にふるまい、その自分を通すために実力をつける。まさに戦乱の時代の人々を駆り立てる野望を体感できるゲームとなっている。
ここでひとつ示しておきたいのが、『M&B2』はファンタジー世界ではないという点だ。この手の中世風世界が舞台となっているRPGで、「剣」と並べられるのが「魔法」の存在であろう。しかし『M&B2』では魔法は存在せず、存在するのは物質的な武器と馬と名誉と裏切りだけ。中世ヨーロッパ風のリアルな戦闘と国盗りが楽しめるようになっている。
『M&B2』では、史実の国家・地域をモチーフとした8つの国家がまたがる大陸カルラディアを旅することになる。町並みや服装、武器はもちろん、徴兵できる兵士の特徴も異なり、各地の最強の兵を集めた最強の軍勢を作ることも可能だ。異国風の町並みや文化が垣間見える世界は、現実の世界史が好きな人も楽しむことができるだろう。
中でも一番の特色とも言えるのが、馬に乗った戦闘だ。スピードボーナスという概念があり、馬で突撃して、速度の乗った馬上槍を突き刺すのは非常に爽快!
本作のプレイヤーキャラクタ―は他のNPCと同じ耐久力しかなく、現実で致命傷となる攻撃を受ければすぐに倒れてしまう。ヒリつくような高難易度のアクションを求めている人にもおすすめだ。もちろん難易度調整で敵の攻撃のダメージを減らすこともできるので、アクションゲームがあまり得意ではない人にも楽しめる設計にもなっている。
本作ではマルチプレイヤーモードも存在し、対人戦も楽しめるにようになっている。前述の戦闘システムが気に入った人や、『MORDHAU』や『Chivalry: Medieval Warfare』のような白兵戦対人TPSが好きな人もぜひプレイしてみてほしい。
……とここまで散々アクションゲーム的な要素をクローズアップして書いたが、それは『M&B2』におけるひとつの側面に過ぎない。本作の面白い要素として、大軍を指揮するウォーシミュレーションのような戦争ができる点がある。自分のクランの兵が少なく、戦闘の雌雄を決めるファクターが個々の実力であるあいだはアクションゲーム的な要素が強いが、クランが大きくなり、100 vs 100のような大規模な戦闘になると、自分の戦闘技術だけではどうすることもできなくなる。
すると重要になってくるのが指揮だ。戦闘中に、“弓兵はこの地点で待機、歩兵はゆっくり前進、騎兵はヒットアンドアウェイを“という具合に自分の指揮下の兵を兵科ごとに細かく指揮することができ、RTSさながらの大規模戦闘が行えるのだ。
兵士の育成要素も存在し、自分の好きなように歩兵・弓兵・騎兵を編成し、自分だけの軍団を作ることもできる。大軍の各部隊を細かく指揮しながら、一方では個人の技量で敵兵を倒していく戦闘システムこそが、本作ならではの楽しさ・面白さであろう。
開発は公式でMODに対応することも発表済。前作では、ゲームバランスやシステムを調整するものから、舞台を実際の日本の戦国時代に変更する大規模なMODまで存在した。これから様々なMODが制作され、これも長く楽しめる要素になるだろう。
中世風の戦乱世界の自由なロールプレイやリアルでやりがいのある戦闘が楽しめる本作。早期アクセス開始して間もない現在(2020年4月)は、前作と変わらない面白さと言っていい。名作『M&B』のプレイフィールやグラフィックが向上し、Windows10に最適化された……というだけでも良作だと言えるだろう。今後、早期アクセスを経た結果、『2』としてどのような進化を遂げるのかも楽しみだ。バグも散見されるが、早期アクセス開始後は毎日のようにアップデートが続けられており、正式リリースが待ち遠しい作品だ。
TaleWorlds Entertainment
https://www.taleworlds.com/
Mount & Blade 公式Twitter
https://twitter.com/Mount_and_Blade
『Mount & Blade II: Bannerlord』Steamストアページ
https://store.steampowered.com/app/261550/
その続編となる『Mount & Blade II: Bannerlord』(以下『M&B2』)が、8年の開発を経てついに2020年3月30日より早期アクセスを開始した。前作の楽しさをそのままに、グラフィックやインターフェースが改良され、正当進化といえる作品となっている。
2020年4月現在Steam内の売上げランキングでは1位を記録。プレイヤーの数も発売以降増え続けており、まさに全世界が待ち望んだゲームだ。本稿ではその魅力をじっくりとお届けしよう。
中世の戦乱を生き抜け! 自由なキャンペーンモード
『M&B2』では、メインストーリーのようなものは存在せず、キャラメイクした主人公は1人の旅人としてゲームは始まる。キャラメイクでは顔や体型を選ぶのはもちろん、自身の出自を選択し、その選択がステータスに反映される。▲キャラメイクの様子。幼少期や青年期にどう過ごしたかでステータスやスキルが変化する
チュートリアルとなる依頼をクリアした後は完全に自由だ。8つの国が存在する大陸の戦乱の時代で好きなようにプレイできる。一人旅を続け、各都市の武術トーナメントで名を馳せてもよし、兵を募って自身のクランを巨大にし、国として独立してもよし。城を構えて内政を執り行ったり、行商人として財を成したり、結婚して子供をもうけることもできる。正義の道を進むのも悪に染まって破壊と略奪の限りを尽くすのも、決めるのはプレイヤー自身となる。
ゲームプレイでは基本的にワールドマップに点在する都市や村、城などを行き来する。自分のクランの兵が少ない頃は追い剥ぎや山賊に襲われることになるだろう。都市や村の人々から依頼を受け、賊を討伐したり、都市を行き来し行商を行ったりすることで資金を稼ぎ、さらに自分のクランを大きくしていくのが序盤のゲームの流れだ。
資金を稼ぐ方法は数多くあり、略奪行為をしたっていい。自分のクランが大きくなれば、国に兵団として仕官することができるようになる。仕官すればひとつの兵団として戦争に参加することになるだろう。仕官せずに城や都市を奪って建国することだってできる。そして大陸の中で強大な地位を築いていくのがゲームの流れだが、そんなのは全部無視して複数の国から追われる有名な盗賊団として生きていく、そんな楽しみ方だってアリだ。
そしてこのゲームにはゲームオーバーは存在しない。戦に破れ、軍団が壊滅しても敵軍の捕虜になり、敵軍の行軍についていくことなる。脱走したり、友軍に助けてもらったりすることで捕虜を脱することできるが、そのときはまた1人にもどってしまう。再起を図るために1から兵を集めよう。
このように、『M&B2』では、戦乱の世で好きなように“生きていく“ゲームだ。ゲームから与えられる大きな目的は存在しない。自分がやりたい様にふるまい、その自分を通すために実力をつける。まさに戦乱の時代の人々を駆り立てる野望を体感できるゲームとなっている。
▲トーナメントの様子。優勝賞品を目指して何人もの戦士が参加する
▲国家に仕官して戦争に参加
ここでひとつ示しておきたいのが、『M&B2』はファンタジー世界ではないという点だ。この手の中世風世界が舞台となっているRPGで、「剣」と並べられるのが「魔法」の存在であろう。しかし『M&B2』では魔法は存在せず、存在するのは物質的な武器と馬と名誉と裏切りだけ。中世ヨーロッパ風のリアルな戦闘と国盗りが楽しめるようになっている。
『M&B2』では、史実の国家・地域をモチーフとした8つの国家がまたがる大陸カルラディアを旅することになる。町並みや服装、武器はもちろん、徴兵できる兵士の特徴も異なり、各地の最強の兵を集めた最強の軍勢を作ることも可能だ。異国風の町並みや文化が垣間見える世界は、現実の世界史が好きな人も楽しむことができるだろう。
▲ワールドマップを旅する。各国の諸侯や商隊、賊が入り乱れる
▲鍛冶スキルで自分だけの武器を作ることも
▲装備選択画面。地域ごとに異なる装備を集めるのも楽しい!
ランス突撃が気持ちいい! リアルな白兵戦ができる戦闘システム
『M&B2』の戦闘では、基本的にマウスとキーボードで操作する。武器を振るう方向や、盾を構える向きがマウスの動きと連動しており、非常にリアルな戦闘を行うことができる。本作では剣や盾はもちろん、弓や投擲武器など様々な武器が使用可能だ。武器もそれぞれ異なった特徴があり、アクションゲームが好きな人ならきっと満足できるだろう。中でも一番の特色とも言えるのが、馬に乗った戦闘だ。スピードボーナスという概念があり、馬で突撃して、速度の乗った馬上槍を突き刺すのは非常に爽快!
本作のプレイヤーキャラクタ―は他のNPCと同じ耐久力しかなく、現実で致命傷となる攻撃を受ければすぐに倒れてしまう。ヒリつくような高難易度のアクションを求めている人にもおすすめだ。もちろん難易度調整で敵の攻撃のダメージを減らすこともできるので、アクションゲームがあまり得意ではない人にも楽しめる設計にもなっている。
▲馬のスピードの乗ったグレイブで一薙ぎ
本作ではマルチプレイヤーモードも存在し、対人戦も楽しめるにようになっている。前述の戦闘システムが気に入った人や、『MORDHAU』や『Chivalry: Medieval Warfare』のような白兵戦対人TPSが好きな人もぜひプレイしてみてほしい。
……とここまで散々アクションゲーム的な要素をクローズアップして書いたが、それは『M&B2』におけるひとつの側面に過ぎない。本作の面白い要素として、大軍を指揮するウォーシミュレーションのような戦争ができる点がある。自分のクランの兵が少なく、戦闘の雌雄を決めるファクターが個々の実力であるあいだはアクションゲーム的な要素が強いが、クランが大きくなり、100 vs 100のような大規模な戦闘になると、自分の戦闘技術だけではどうすることもできなくなる。
すると重要になってくるのが指揮だ。戦闘中に、“弓兵はこの地点で待機、歩兵はゆっくり前進、騎兵はヒットアンドアウェイを“という具合に自分の指揮下の兵を兵科ごとに細かく指揮することができ、RTSさながらの大規模戦闘が行えるのだ。
兵士の育成要素も存在し、自分の好きなように歩兵・弓兵・騎兵を編成し、自分だけの軍団を作ることもできる。大軍の各部隊を細かく指揮しながら、一方では個人の技量で敵兵を倒していく戦闘システムこそが、本作ならではの楽しさ・面白さであろう。
▲迷ったら全軍突撃! 序盤はこれも立派な戦術のひとつ
▲森林での戦い。混戦になること必至
▲大軍で行われる戦闘。これだけの兵士が並ぶと壮観だ
▲攻城戦の様子。破城槌やカタパルトも存在する
皆が待ち望んだ最新作! 早期アクセスは大好評!
初めはマイナーなゲームであった前作だったが、『Hearts Of Iron』シリーズなどの歴史ストラテジーで有名なParadox Interactiveがパブリッシャーとなった後はジワジワと売れだして人気作品となり(現在のTaleWorlds EntertainmentはParadoxとの関係を解消、独立している)、『M&B2』が出るまでの長い年月でファンを増やし続けた結果、この大盛況となった。国内でも大きな話題となり、日本語ローカライズは公式で追加予定となっているもののそれを待たずして有志による合同日本語ローカライズが開始、2週間も経たないうちに翻訳がすべて終わったという。それだけ多くの人が本作に注目していることがわかるトピックだろう。開発は公式でMODに対応することも発表済。前作では、ゲームバランスやシステムを調整するものから、舞台を実際の日本の戦国時代に変更する大規模なMODまで存在した。これから様々なMODが制作され、これも長く楽しめる要素になるだろう。
中世風の戦乱世界の自由なロールプレイやリアルでやりがいのある戦闘が楽しめる本作。早期アクセス開始して間もない現在(2020年4月)は、前作と変わらない面白さと言っていい。名作『M&B』のプレイフィールやグラフィックが向上し、Windows10に最適化された……というだけでも良作だと言えるだろう。今後、早期アクセスを経た結果、『2』としてどのような進化を遂げるのかも楽しみだ。バグも散見されるが、早期アクセス開始後は毎日のようにアップデートが続けられており、正式リリースが待ち遠しい作品だ。
TaleWorlds Entertainment
https://www.taleworlds.com/
Mount & Blade 公式Twitter
https://twitter.com/Mount_and_Blade
『Mount & Blade II: Bannerlord』Steamストアページ
https://store.steampowered.com/app/261550/