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“賢いALIENWAREの選び方”をALIENWARE STORE AKIBAで聞いてみた
目次
「宇宙最強のゲーミングPC」というコンセプトのもと、ゲーミングパソコンというジャンルを確立させたALIENWARE。
eスポーツのブームや新型コロナの影響による自宅環境の変化、PCゲーム人気の高まりなどもあって、ゲーミングPCはこれまで以上に注目されている。特に今年は、代表的なCPUメーカーであるインテルが第10世代インテルCoreシリーズをリリースし、ハイクオリティな画質やレスポンスでeスポーツを楽しめるようになってきた。
ALIENWAREシリーズも、薄型ゲーミングノートPCのALIENWARE m15/m17(R3)、デスクトップPCのALIENWARE AURORA(R11)、そしてデスクトップレベルの性能をそのままノートPCに詰め込んだALIENWARE AREA-51m(R2)というすべてのラインナップが第10世代インテルCoreシリーズに置き換わったが、自分にとって最適なマシンをどのように選べばいいのか、ゲームファンにとっても気になるところだろう。
そこで、ALIENWAREに日本で最も触れているALIENWARE ZONEのご意見番、ALIENWARE STORE AKIBAの中村店長に、2020年10月時点のALIENWAREシリーズの選び方をレクチャーしていただいた。新型コロナウイルスの影響はあったものの、ストアも元気に運営中だ。
毎年アドバイスをいただいているALIENWARE STORE AKIBAの中村店長
なお、GPU、CPU、メモリー、ストレージといった各パーツの意味や効果については、2019年夏モデルの記事を参考にしてほしい。
【2019年夏版】“ゲーミングPC選びのポイント”を、ALIENWARE STORE AKIBAで聞いてみた!
https://alienwarezone.jp/post/1872
まず予備知識として、ALIENWAREシリーズのモデルは、製品名の後ろにある「R○」によって世代を示している。これはデザイン上のモデルチェンジではなく、パーツの構成が変わったタイミングなど、いわゆるマイナーチェンジに応じて変更されている。
現行モデル(2020年10月現在)は、
その特徴は以下のとおりだ。
インテルの最新CPUをALIENWAREの全ノートPCに採用している。
最近は動画配信なども人気になってきているが、ゲームを遊びながらその映像を録画したり、動画編集の作業を行うためにPCに高い性能が求められがちだ。
第10世代CPUは当然以前よりも高性能になっており、それに伴って熱対策も必要になっている。ヒートシンクやファンといった物理的に冷やす機構もパワーアップしているが、特に現行のALIENWAREのノートPCでは、熱伝導率が高いレギュレーターを惜しげもなく採用することで、従来モデルよりも安定して必要な電圧がかけられるようになっている。
内蔵モニターだけで遊ぶ人は多くはないかもしれないが、FPSで勝敗を左右するとまで言われる高リフレッシュレートモニターを選択可能になったこともゲーマーにとっては大きい。なんといっても魅力はその価格で、m15はプラス7000円、m17とArea-51mはプラス1万円と少ない投資で300Hzで遅延の少ないプレイングが可能になる。
ちなみに、300Hz級の市販モニターというと(サイズの違いもあるが)安くても5万円以上はする。この価格で300Hzでプレイできるのはかなりお得と言えるだろう。
さらに、上位モデルでは360Hzのリフレッシュレートを持つモニターもラインナップされ始めている。
m15/m17(R2)は最大16GBまでしかメモリーを搭載できず、オンボードのため購入時のBTO以外で増設もできない。しかしR3では、今回もオンボードではあるものの、32GBまで搭載可能になったことで、ゲーマーもクリエイターも積極的にmシリーズを選べるようになったと言える。
後半で詳しくご紹介するが、m15 R3とm17 R3は3スロット、Area-51m R2は4スロットのSSDスロットを備えている。これにより、RAIDを組んでアクセススピードを高速化したり、容量アップにも貢献できるようになった。ちなみに、M.2 SSDではあるもののスロットの幅や長さは異なるので、増設したい人は注意だ。
こちらも最新のインテル製CPUを搭載し、1PCでの実況配信などもできる余裕を備えた。特にALIENWARE AURORAはファクトリーオーバークロックが可能なCPU(末尾にKがつく)モデルも多く、「ALIENWARE COMMAND CENTER」によりさらに高い性能を、メーカーの保証付きで引き出すこともできる。
CPUに水冷が選択できるのは従来と同様だが、BTOでGPUにも水冷ユニットが搭載可能になった。第10世代インテルCoreシリーズは、その高性能ゆえに熱対策も重要と言われているが、この冷却性能の高さはまさにALIENWREの真骨頂。他社PCと比較した際の価格の差の秘密はここにある。
ボタンひとつでサイドパネルが開き、あらゆるパーツにアクセスできる整備性の良さは、第2世代AURORAからそのまま受け継がれている。特にデスクトップの場合は、メモリー、ストレージ、GPUなどの改造はもちろん、たまったホコリの清掃や不具合チェックなどがすぐにできるところもメリットになる。これも、パーツの寄せ集めではなく、細部に至るまでユーザーの使い勝手を考え抜いたものしか販売しないという、ALIENWAREのポリシーのひとつだ。
ALIENWARE史上最薄を実現したゲーミングプレミアムノートPCが、ALIENWARE m15/m17だ。両者の違いは画面サイズに伴うサイズの違いくらいで、CPU、GPU、ストレージなどの構成は似通っている。
CPUは第10世代インテルCoreシリーズを搭載し、「ハイパフォーマンス・グラフィック」を表す「H」がついた6コア12スレッドのCore i7 10750Hを全モデルで標準採用。構成によってはCore i7 10875H(8コア16スレッド)、ファクトリーオーバークロック対応のCore i9 10980HK(8コア16スレッド)へのBTOも可能となっている。
GPUはNVIDIA GeForce GTX 1660 Tiをベースとして、RTXシリーズを選択可能。最高スペックはRTX 2080 SUPER Max-Qデザインだ。Max-Qはクロック周波数のトップとボトムを使用状況により可変させることで、必要なときにだけインテリジェンスに負荷をかけられる仕様となっている。
メモリーは16GBか32GBの2択だが、注意したいのがいずれもオンボード直付けであること。後から追加はできないので、予算が許せば32GBを選びたい。
ハードドライブは3つのM.2 SSDスロットが用意されている。シングルSSDは単純に1枚のSSDのみ、デュアルSSDは同じ容量の2枚のSSDを1枚のSSDのように動かす「RAID0」(ストライピング)によりシングルSSDよりも高速に読み書きできる。そしてトリプルSSDは、デュアルSSDとデータ保存用のシングルSSDの組み合わせだ。特にFPSなどはストレージへのアクセスが頻繁に起こるため、デュアルSSDもしくはトリプルSSDがオススメだ。
ディスプレイはリフレッシュレートとパネルの違いにより、3タイプから選択可能。標準はフルHD(1920x1080)144Hzでこれでも十分に遊べるが、フルHD 300Hzの高リフレッシュレートパネルが追加された。応答速度も3msと非常にレスポンスがよく、アップグレード価格も1万円に満たないので、ゲーマーであればこれを選ばない手はない。
さらに上のモニターとして、m15には4K有機EL 60Hzのパネル、m17はウルトラHD(3840×2160)60HzでAdobe RGBのパネルが選べる。これらはゲーマーというよりもクリエイターなどにオススメしたい高画質なモデルだ。
キーボードについては、本体カラーにルナホワイトを選んだ場合のみ日本語キーボードが選択可能。日本語キーボードのLEDのカスタマイズは4エリアとなっている。英語キーボードならキーひとつひとつでカラーを設定可能なので、演出にこだわりたい人は英語キーボードを選ぼう。キーボードのストロークや打ち心地も前モデル(R2)より質感が向上している。
ポート関係は、背面にモニター接続用のポート(HDMI、Mini-Display)、Thunderbolt3ポートと外部グラフィックス用のALIENWARE Amplifierポートがまとまっているのは従来と同様。側面にはUSB-A、オーディオ出力、LANポートに加えて、microSDスロットも追加されている。
ALIENWARE Area-51mは、ALIENWAREの中で本当のフラッグシップにしか名乗ることを許されない「Area-51」を冠したゲーミングプレミアムノートPCだ。ゲームに没頭できる17インチサイズオンリーのこのモデル最大の特徴は、デスクトップ向けCPUを搭載していること。その分本体サイズも厚く重くなってはいるが、最高の性能を持ち歩きたいという人に向けた欲張りなモデルと言える。
CPUにはデスクトップ向けの第10世代インテルCore i7 10700(8コア16スレッド)、オーバークロックも可能なCore i7 10700K(8コア16スレッド)、Core i9 10900K(10コア20スレッド)が標準採用。Core i9 10900(10コア20スレッド)も選択可能。
GPUはNVIDIA GeForce RTX 2060からで、RTX 2070 SUPER、RTX 2080 SUPERへのアップグレードも可能だ。ちなみに、Area-51mは第1世代(R1)からデル独自規格ながらビデオカードも交換可能となっている。
メモリーはスロットを2基備え、ユーザー自身での増設も可能。最大で32GB×2枚の64GBまで対応し、動作周波数は3200MHzまでサポートする。
ハードドライブは最大でなんと4スロット! 本体サイズが大きいため、ハードディスクと組み合わせた大容量ドライブ構成も可能になっている。
ディスプレイはフルHDの144Hzと300Hzのパネルに加えて、m17と同じウルトラHD AdobeRGBのパネルが選択可能。m15/m17との違いとしては、すべてのモデルに視線を可視化できるTobii Eyetrackingテクノロジーが搭載されている。
キーボードはm15/m17と同様に、日本語/英語のキー配列からチョイスできる。
最後に、ゲーミングプレミアムデスクトップのALIENWARE AURORAだ。
AURORAシリーズはその時々で筐体のデザインが刷新されてきたが、2019年9月発表のR9で3度目のリニューアルとなった。以前の筐体に搭載されていた光学式ドライブが廃止されたことでケース上部に余裕が生まれ、エアーフローの改善と冷却のためのラジエターを配置できるようになった。
トライアドデザインのALIENWARE Area-51は販売が終了しているため、事実上このAURORAが唯一かつ最高峰のALIENWAREデスクトップPCとなっている。サイドパネルをワンタッチで開いて、メモリー、ストレージ、ビデオカードをはじめとしたポートへのアクセスが容易な点も健在だ。
標準搭載のCPUは、Core i5 10400F(6コア12スレッド)、Core i7 10700F(8コア16スレッド)、Core i7 10700F(8コア16スレッド)、Core i9 10900KF(10コア20スレッド)。Core i9 10900F(10コア20スレッド)もBTOで選べる。KFがついたモデルは内蔵グラフィックスがなく、別にGPUが必ず必要なモデルだ。
GPUは下はNVIDIA GeForce 1650 SUPER、1660 Tiから、RTX 2060〜2080シリーズ、さらには水冷機構付きやデュアルGPUのRTXシリーズも選択可能。そして、RTX3080〜3090もオプションで選択可能になっている。ただしその価格もかなりのものになっている。
メモリーは4つのスロットを備え、最大128GB(32GB×4枚)まで搭載可能。すべての構成でHyperX製のハイパフォーマンスメモリーを採用している。
ハードドライブはM.2 SSDに加えて3.5インチHDDのスロットも備える。
その他、電源にはデュアルGPUでも余裕の1000wユニットを採用しており、将来的なパーツ交換や拡張性も含めて、長く遊び続けられる設計となっている。
Q. ALIENWAREはいろいろ構成がありますが、どれが自分に合うのかよくわかりません。
「まず最初に、公式サイトでそれぞれの『フルカスタマイズ』を選び、自分にとって必要な構成を作ってみてください。それができたら、自分が作った構成に最も近いプリセットのモデルをチェックします。CPUやGPUなどを選んでいくと、近い構成が見つかるはずです。
たいていの場合、プリセットの方が少し安くなると思うので、プリセットに足りないパーツをBTOで追加してみましょう」
Q.自分が遊びたいゲームができるかどうかを知りたいです。
「大まかな指標としては、CPUに関しては第10世代Core i7以上であれば、十分に最新のeスポーツ関連のゲームは快適にプレイ可能です。もし動画の生配信や編集を行いたいのなら、選べる中でさらに高性能なCPUとメモリー増量を考えたいですね。
ALIENWARE AURORAとALIENWARE Area-51mに関しては、公式サイト上にゲームごとのフレームレートを示す機能があります。このデータは「3D Benchmark」といったベンチマークソフトで有名な「UL」という会社のデータを参照しているので、ひとつの指標として参考にしていただけると思います」
公式サイトにあるFPS値。あくまで目安ではあるが性能の違いが一目瞭然だ
Q.CPUとGPU、どちらを重視すべきですか?
「お店でもよく聞かれますが、GPUの性能が高ければCPUは低スペックでもいいというわけではありません。GPUが描画したデータを交通整理するのがCPUだと思ってください。どちらかが突出していてもダメで、バランスが大切です。
CPUに関しては前述のとおり、第10世代ならCore i7以上を搭載しておけば不満はないと思います。GPUはGTX 1660以上ならほとんど遊べますが、ちょっと画質もリッチにできるだけ遅延なしで遊びたいのなら、RTX 2060 SUPER以上をオススメしています」
Q.ノートPCのキーボードが英語と日本で性能が違いますが、どちらを選ぶのがいいですか?
「キーボードは英語キーボードをオススメします。Nキーロールオーバーやすべてのキーを個別にライティングできる機能は英語キーボードのみです」
Q.ストレージ構成がかなり増えて選びにくくなりました。オススメを教えてください。
「ストレージは、RAID0のデュアルSSD以上を体感していただきたいです。遊ぶタイトルにもよりますが、ストレージへのアクセス速度アップによってさまざまなシーンでスピードアップが体感できると思います」
Q.なにかお得に購入できる方法はありませんか?
「デルではこれまで、毎週火曜日にお得に購入できるクーポンキャンペーンを実施していましたが、10月からはクーポンなしの標準価格としてすべて値引き価格になっています。クーポンなどをいちいち入力しなくても、その分の値引きがあらかじめ設定されているんです。
さらに、機種や期間によって独自の値引きを行うこともあります。お得に購入できる情報は、公式サイト上でチェックしてみてください。
同じパーツを組み合わせたマシンは他社からも発売されているが、常にゲームをプレイすることだけにフォーカスして開発されたのがALIENWAREだ。冷却性能、メンテナンスしやすい設計思想、各部の質感やデザインなどは、実際に本体を見れば感じられるだろう。
新型コロナウイルスの状況下で難しい面はあるが、ぜひALIENWARE STORE AKIBAをはじめ、ALIENWAREを展示している家電量販店などに一度足を運んで、ALIENWAREの完成度を確かめてみてほしい。
ALIENWARE公式サイト
https://alienware.jp
eスポーツのブームや新型コロナの影響による自宅環境の変化、PCゲーム人気の高まりなどもあって、ゲーミングPCはこれまで以上に注目されている。特に今年は、代表的なCPUメーカーであるインテルが第10世代インテルCoreシリーズをリリースし、ハイクオリティな画質やレスポンスでeスポーツを楽しめるようになってきた。
ALIENWAREシリーズも、薄型ゲーミングノートPCのALIENWARE m15/m17(R3)、デスクトップPCのALIENWARE AURORA(R11)、そしてデスクトップレベルの性能をそのままノートPCに詰め込んだALIENWARE AREA-51m(R2)というすべてのラインナップが第10世代インテルCoreシリーズに置き換わったが、自分にとって最適なマシンをどのように選べばいいのか、ゲームファンにとっても気になるところだろう。
そこで、ALIENWAREに日本で最も触れているALIENWARE ZONEのご意見番、ALIENWARE STORE AKIBAの中村店長に、2020年10月時点のALIENWAREシリーズの選び方をレクチャーしていただいた。新型コロナウイルスの影響はあったものの、ストアも元気に運営中だ。
毎年アドバイスをいただいているALIENWARE STORE AKIBAの中村店長
なお、GPU、CPU、メモリー、ストレージといった各パーツの意味や効果については、2019年夏モデルの記事を参考にしてほしい。
【2019年夏版】“ゲーミングPC選びのポイント”を、ALIENWARE STORE AKIBAで聞いてみた!
https://alienwarezone.jp/post/1872
「ALIENWARE」シリーズの見分け方
それでは、あらためて現行のALIENWAREの特徴と、それぞれに設定できるBTO(Build To Order)の概要を見ていくことにしよう。まず予備知識として、ALIENWAREシリーズのモデルは、製品名の後ろにある「R○」によって世代を示している。これはデザイン上のモデルチェンジではなく、パーツの構成が変わったタイミングなど、いわゆるマイナーチェンジに応じて変更されている。
現行モデル(2020年10月現在)は、
- ALIENWARE m15 R3
- ALIENWARE m17 R3
- ALIENWARE Area-51m R2
- ALIENWARE AURORA R11
ALIENWAREゲーミングプレミアムノートPCの特徴
まずはノートPCから見ていこう。最近のゲーミングノートPCはデスクトップに勝るとも劣らない実力を備えており、外付けモニターなどをつなげて動かせるデスクトップとしても十分に使えるポテンシャルを持っている。その特徴は以下のとおりだ。
その1 第10世代インテルCore iシリーズを搭載
インテルの最新CPUをALIENWAREの全ノートPCに採用している。
最近は動画配信なども人気になってきているが、ゲームを遊びながらその映像を録画したり、動画編集の作業を行うためにPCに高い性能が求められがちだ。
第10世代CPUは当然以前よりも高性能になっており、それに伴って熱対策も必要になっている。ヒートシンクやファンといった物理的に冷やす機構もパワーアップしているが、特に現行のALIENWAREのノートPCでは、熱伝導率が高いレギュレーターを惜しげもなく採用することで、従来モデルよりも安定して必要な電圧がかけられるようになっている。
その2 リフレッシュレート300Hzのモニターが安価に選択可能
内蔵モニターだけで遊ぶ人は多くはないかもしれないが、FPSで勝敗を左右するとまで言われる高リフレッシュレートモニターを選択可能になったこともゲーマーにとっては大きい。なんといっても魅力はその価格で、m15はプラス7000円、m17とArea-51mはプラス1万円と少ない投資で300Hzで遅延の少ないプレイングが可能になる。
ちなみに、300Hz級の市販モニターというと(サイズの違いもあるが)安くても5万円以上はする。この価格で300Hzでプレイできるのはかなりお得と言えるだろう。
さらに、上位モデルでは360Hzのリフレッシュレートを持つモニターもラインナップされ始めている。
その3 m15/m17の最大メモリー量が32GBに
m15/m17(R2)は最大16GBまでしかメモリーを搭載できず、オンボードのため購入時のBTO以外で増設もできない。しかしR3では、今回もオンボードではあるものの、32GBまで搭載可能になったことで、ゲーマーもクリエイターも積極的にmシリーズを選べるようになったと言える。
その4 多彩なストレージバリエーション
後半で詳しくご紹介するが、m15 R3とm17 R3は3スロット、Area-51m R2は4スロットのSSDスロットを備えている。これにより、RAIDを組んでアクセススピードを高速化したり、容量アップにも貢献できるようになった。ちなみに、M.2 SSDではあるもののスロットの幅や長さは異なるので、増設したい人は注意だ。
ALIENWAREプレミアムゲーミングデスクトップPCの特徴
現在、ALIENWAREのデスクトップPCはAURORAのみ。ただし、性能アップを果たしたことでハイエンドからエントリーまで幅広いユーザーをカバーできるだけのポテンシャルを持っている。その1 第10世代インテルCore iシリーズを搭載
こちらも最新のインテル製CPUを搭載し、1PCでの実況配信などもできる余裕を備えた。特にALIENWARE AURORAはファクトリーオーバークロックが可能なCPU(末尾にKがつく)モデルも多く、「ALIENWARE COMMAND CENTER」によりさらに高い性能を、メーカーの保証付きで引き出すこともできる。
その2 CPU、GPUともに水冷ユニット(オプション)を採用
CPUに水冷が選択できるのは従来と同様だが、BTOでGPUにも水冷ユニットが搭載可能になった。第10世代インテルCoreシリーズは、その高性能ゆえに熱対策も重要と言われているが、この冷却性能の高さはまさにALIENWREの真骨頂。他社PCと比較した際の価格の差の秘密はここにある。
その3 内部へのアクセスを考え抜かれた設計
ボタンひとつでサイドパネルが開き、あらゆるパーツにアクセスできる整備性の良さは、第2世代AURORAからそのまま受け継がれている。特にデスクトップの場合は、メモリー、ストレージ、GPUなどの改造はもちろん、たまったホコリの清掃や不具合チェックなどがすぐにできるところもメリットになる。これも、パーツの寄せ集めではなく、細部に至るまでユーザーの使い勝手を考え抜いたものしか販売しないという、ALIENWAREのポリシーのひとつだ。
ALIENWAREシリーズの選び方
ここからは具体的な2020年モデルの構成をチェックしていこう。デルのサイト上ではなかなか気づけない特徴を知ることで、購入を検討する際のお役に立てれば幸いだ。ALIENWARE m15/m17 R3 〜メモリーとストレージが容量アップ
ALIENWARE史上最薄を実現したゲーミングプレミアムノートPCが、ALIENWARE m15/m17だ。両者の違いは画面サイズに伴うサイズの違いくらいで、CPU、GPU、ストレージなどの構成は似通っている。
CPUは第10世代インテルCoreシリーズを搭載し、「ハイパフォーマンス・グラフィック」を表す「H」がついた6コア12スレッドのCore i7 10750Hを全モデルで標準採用。構成によってはCore i7 10875H(8コア16スレッド)、ファクトリーオーバークロック対応のCore i9 10980HK(8コア16スレッド)へのBTOも可能となっている。
GPUはNVIDIA GeForce GTX 1660 Tiをベースとして、RTXシリーズを選択可能。最高スペックはRTX 2080 SUPER Max-Qデザインだ。Max-Qはクロック周波数のトップとボトムを使用状況により可変させることで、必要なときにだけインテリジェンスに負荷をかけられる仕様となっている。
メモリーは16GBか32GBの2択だが、注意したいのがいずれもオンボード直付けであること。後から追加はできないので、予算が許せば32GBを選びたい。
ハードドライブは3つのM.2 SSDスロットが用意されている。シングルSSDは単純に1枚のSSDのみ、デュアルSSDは同じ容量の2枚のSSDを1枚のSSDのように動かす「RAID0」(ストライピング)によりシングルSSDよりも高速に読み書きできる。そしてトリプルSSDは、デュアルSSDとデータ保存用のシングルSSDの組み合わせだ。特にFPSなどはストレージへのアクセスが頻繁に起こるため、デュアルSSDもしくはトリプルSSDがオススメだ。
ディスプレイはリフレッシュレートとパネルの違いにより、3タイプから選択可能。標準はフルHD(1920x1080)144Hzでこれでも十分に遊べるが、フルHD 300Hzの高リフレッシュレートパネルが追加された。応答速度も3msと非常にレスポンスがよく、アップグレード価格も1万円に満たないので、ゲーマーであればこれを選ばない手はない。
さらに上のモニターとして、m15には4K有機EL 60Hzのパネル、m17はウルトラHD(3840×2160)60HzでAdobe RGBのパネルが選べる。これらはゲーマーというよりもクリエイターなどにオススメしたい高画質なモデルだ。
キーボードについては、本体カラーにルナホワイトを選んだ場合のみ日本語キーボードが選択可能。日本語キーボードのLEDのカスタマイズは4エリアとなっている。英語キーボードならキーひとつひとつでカラーを設定可能なので、演出にこだわりたい人は英語キーボードを選ぼう。キーボードのストロークや打ち心地も前モデル(R2)より質感が向上している。
ポート関係は、背面にモニター接続用のポート(HDMI、Mini-Display)、Thunderbolt3ポートと外部グラフィックス用のALIENWARE Amplifierポートがまとまっているのは従来と同様。側面にはUSB-A、オーディオ出力、LANポートに加えて、microSDスロットも追加されている。
ALIENWARE Area-51m R2 〜ノートPCとは思えない拡張性
ALIENWARE Area-51mは、ALIENWAREの中で本当のフラッグシップにしか名乗ることを許されない「Area-51」を冠したゲーミングプレミアムノートPCだ。ゲームに没頭できる17インチサイズオンリーのこのモデル最大の特徴は、デスクトップ向けCPUを搭載していること。その分本体サイズも厚く重くなってはいるが、最高の性能を持ち歩きたいという人に向けた欲張りなモデルと言える。
CPUにはデスクトップ向けの第10世代インテルCore i7 10700(8コア16スレッド)、オーバークロックも可能なCore i7 10700K(8コア16スレッド)、Core i9 10900K(10コア20スレッド)が標準採用。Core i9 10900(10コア20スレッド)も選択可能。
GPUはNVIDIA GeForce RTX 2060からで、RTX 2070 SUPER、RTX 2080 SUPERへのアップグレードも可能だ。ちなみに、Area-51mは第1世代(R1)からデル独自規格ながらビデオカードも交換可能となっている。
メモリーはスロットを2基備え、ユーザー自身での増設も可能。最大で32GB×2枚の64GBまで対応し、動作周波数は3200MHzまでサポートする。
ハードドライブは最大でなんと4スロット! 本体サイズが大きいため、ハードディスクと組み合わせた大容量ドライブ構成も可能になっている。
ディスプレイはフルHDの144Hzと300Hzのパネルに加えて、m17と同じウルトラHD AdobeRGBのパネルが選択可能。m15/m17との違いとしては、すべてのモデルに視線を可視化できるTobii Eyetrackingテクノロジーが搭載されている。
キーボードはm15/m17と同様に、日本語/英語のキー配列からチョイスできる。
ALIENWARE AURORA R11 〜目立たないが着実な改良で魅力が向上
最後に、ゲーミングプレミアムデスクトップのALIENWARE AURORAだ。
AURORAシリーズはその時々で筐体のデザインが刷新されてきたが、2019年9月発表のR9で3度目のリニューアルとなった。以前の筐体に搭載されていた光学式ドライブが廃止されたことでケース上部に余裕が生まれ、エアーフローの改善と冷却のためのラジエターを配置できるようになった。
トライアドデザインのALIENWARE Area-51は販売が終了しているため、事実上このAURORAが唯一かつ最高峰のALIENWAREデスクトップPCとなっている。サイドパネルをワンタッチで開いて、メモリー、ストレージ、ビデオカードをはじめとしたポートへのアクセスが容易な点も健在だ。
標準搭載のCPUは、Core i5 10400F(6コア12スレッド)、Core i7 10700F(8コア16スレッド)、Core i7 10700F(8コア16スレッド)、Core i9 10900KF(10コア20スレッド)。Core i9 10900F(10コア20スレッド)もBTOで選べる。KFがついたモデルは内蔵グラフィックスがなく、別にGPUが必ず必要なモデルだ。
GPUは下はNVIDIA GeForce 1650 SUPER、1660 Tiから、RTX 2060〜2080シリーズ、さらには水冷機構付きやデュアルGPUのRTXシリーズも選択可能。そして、RTX3080〜3090もオプションで選択可能になっている。ただしその価格もかなりのものになっている。
メモリーは4つのスロットを備え、最大128GB(32GB×4枚)まで搭載可能。すべての構成でHyperX製のハイパフォーマンスメモリーを採用している。
ハードドライブはM.2 SSDに加えて3.5インチHDDのスロットも備える。
その他、電源にはデュアルGPUでも余裕の1000wユニットを採用しており、将来的なパーツ交換や拡張性も含めて、長く遊び続けられる設計となっている。
ALIENWARE STORE AKIBA 中村店長に聞け!
最後に、ALIENWARE STORE AKIBA店長の中村氏に、よく聞かれるという質問を中心に選び方のコツを伺った。Q. ALIENWAREはいろいろ構成がありますが、どれが自分に合うのかよくわかりません。
「まず最初に、公式サイトでそれぞれの『フルカスタマイズ』を選び、自分にとって必要な構成を作ってみてください。それができたら、自分が作った構成に最も近いプリセットのモデルをチェックします。CPUやGPUなどを選んでいくと、近い構成が見つかるはずです。
たいていの場合、プリセットの方が少し安くなると思うので、プリセットに足りないパーツをBTOで追加してみましょう」
Q.自分が遊びたいゲームができるかどうかを知りたいです。
「大まかな指標としては、CPUに関しては第10世代Core i7以上であれば、十分に最新のeスポーツ関連のゲームは快適にプレイ可能です。もし動画の生配信や編集を行いたいのなら、選べる中でさらに高性能なCPUとメモリー増量を考えたいですね。
ALIENWARE AURORAとALIENWARE Area-51mに関しては、公式サイト上にゲームごとのフレームレートを示す機能があります。このデータは「3D Benchmark」といったベンチマークソフトで有名な「UL」という会社のデータを参照しているので、ひとつの指標として参考にしていただけると思います」
公式サイトにあるFPS値。あくまで目安ではあるが性能の違いが一目瞭然だ
Q.CPUとGPU、どちらを重視すべきですか?
「お店でもよく聞かれますが、GPUの性能が高ければCPUは低スペックでもいいというわけではありません。GPUが描画したデータを交通整理するのがCPUだと思ってください。どちらかが突出していてもダメで、バランスが大切です。
CPUに関しては前述のとおり、第10世代ならCore i7以上を搭載しておけば不満はないと思います。GPUはGTX 1660以上ならほとんど遊べますが、ちょっと画質もリッチにできるだけ遅延なしで遊びたいのなら、RTX 2060 SUPER以上をオススメしています」
Q.ノートPCのキーボードが英語と日本で性能が違いますが、どちらを選ぶのがいいですか?
「キーボードは英語キーボードをオススメします。Nキーロールオーバーやすべてのキーを個別にライティングできる機能は英語キーボードのみです」
Q.ストレージ構成がかなり増えて選びにくくなりました。オススメを教えてください。
「ストレージは、RAID0のデュアルSSD以上を体感していただきたいです。遊ぶタイトルにもよりますが、ストレージへのアクセス速度アップによってさまざまなシーンでスピードアップが体感できると思います」
Q.なにかお得に購入できる方法はありませんか?
「デルではこれまで、毎週火曜日にお得に購入できるクーポンキャンペーンを実施していましたが、10月からはクーポンなしの標準価格としてすべて値引き価格になっています。クーポンなどをいちいち入力しなくても、その分の値引きがあらかじめ設定されているんです。
さらに、機種や期間によって独自の値引きを行うこともあります。お得に購入できる情報は、公式サイト上でチェックしてみてください。
まとめ
ALIENWAREシリーズ最大の特徴は、最高のゲーム体験をもたらすために徹底的に鍛え抜かれた設計にある。同じパーツを組み合わせたマシンは他社からも発売されているが、常にゲームをプレイすることだけにフォーカスして開発されたのがALIENWAREだ。冷却性能、メンテナンスしやすい設計思想、各部の質感やデザインなどは、実際に本体を見れば感じられるだろう。
新型コロナウイルスの状況下で難しい面はあるが、ぜひALIENWARE STORE AKIBAをはじめ、ALIENWAREを展示している家電量販店などに一度足を運んで、ALIENWAREの完成度を確かめてみてほしい。
ALIENWARE公式サイト
https://alienware.jp
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