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世界を見据えた国内大会「VALORANT 2021 CHAMPIONS TOUR–Challengers Japan」発表会レポート

2021年2月15日、ライアットゲームズとRAGE(eスポーツイベント)は、タクティカルシューターVALORANT』のeスポーツ展開に関するプレスカンファレンスを実施。世界規模で行われる公式大会「2021 VALORANT Champions Tour」に加え、国内予選として位置づけられた「Challengers Japan Stage 01」について、立ち上げの意図や今後の取り組みを明らかにした。

本稿では、オンライン形式で行われたカンファレンスの内容をレポート形式でお届けする。

▲RAGE・総合プロデューサーの大友真吾氏(左上)、合同会社ライアットゲームズ・CEOの小宮山真司氏(右上)、MCの並木万里菜氏(中央)

今回のカンファレンスで壇上に立ったのは、小宮山真司氏(合同会社ライアットゲームズ・CEO)と大友真吾氏(RAGE・総合プロデューサー)。まずは小宮山氏より『VALORANT』の競技シーンにおける現状、そして国内及び国外に向けた施策の展望が語られた。

「VALORANT 2021 CHAMPIONS TOUR」とは?

『VALORANT』のeスポーツ展開において掲げられた標題は合計4つ。小宮山氏はスライド資料にて「健全な競技性の確保」、「プレイヤーと真摯に向き合うこと」、「開かれた競技シーン」、「エコシステムの構築」を提示し、”世代を超えて愛されるeスポーツタイトル”として基盤作りに励む旨を表明した。

その核を担うのが、2021年より本格始動する「2021 VALORANT Champions Tour」(以下、VCT2021)。同メーカーのビッグタイトル『リーグ・オブ・レジェンド』で例えるところの「World Championship」(通称:Worlds)だ。

▲カンファレンス資料より

VCTは世界(日本含む)をまたにかけて行われる大会フォーマット。年間の世界最強チームを決める「VCT2021」を頂点とし、その下に「VCT」を目指す各地域の代表チーム同士がぶつかる「VALORANT MASTERS」(以下、MASTERS/年3回)、さらにMASTERSへの挑戦権をかけて争う「VALORANT CHALLENGERS」(以下、CHALLENGERS/年3回)の3ステップで構成されている。

CHALLENGERSで国内チームがしのぎを削り合い、上位大会のMASTERSでは国を背負った強豪チームが集い、激戦をくぐり抜けた真の猛者がVCTで最高峰を目指す……というイメージだ。

CHAMPIONSへ出場するための条件は「MASTERSのポイントランキングで日本1位に上り詰める」といったオーソドックスな手段をはじめ、「MASTERS3(国際戦)で優勝」や「APAC地域の最終予選をトップ通過」という別ルートも用意されている。なお、大会出場チームへの補助費等(運営費のサポート等)はなく、現時点は上位入賞チームへの賞金のみとなっている。

▲カンファレンス資料より

その第1歩となる「2021 VALORANT Champions Tour - Challengers Japan Stage 01」(以下、Challengers Japan Stage 01)は、ライアットゲームズ主導のもと、数々のeスポーツイベントを手掛けてきたRAGEが運営&制作を担う。国際戦の切符をつかむための関門とはいえ、そうそうたる規模感なのは間違いないだろう。Week1は総勢28チーム+シード枠4チームが参戦。

参戦チームは以下のとおり。

グループA
  • Cleaver Creator Club
  • FAV gaming
  • FENNEL
  • Gaming Team SELECTOR
  • IXA
  • Novagis Gaming
  • RELATION X

グループB

グループC
  • Atlas Gaming
  • CYCLOPS athlete gaming
  • FIRST Gaming
  • LOST EDEN
  • No Country
  • Noizy
  • 名無しの権兵衛

グループD
  • CNCI BLUE BEES
  • ConnectGaming
  • Glory be Diva
  • Lag Gaming
  • LFT
  • THE SHABLES
  • 思考行結

シード

なお、参戦チームはWeekごとに再選出される。

▲カンファレンス資料より

小宮山氏はRAGEとタッグを組んだ意図について、「eスポーツタイトルの競技シーン確立を達成するにあたり、すでに実績を有しているRAGEさんと手をにぎるのは本当に大事だと思っている。プレイヤーの皆さんに楽しんでいただける競技シーンを作っていく上で一番正しい道なのでは」とコメント。続けて「国内のeスポーツ文化を盛り上げ、最終的には国際戦を目標とした深みのある競技シーンを作りたい」と丁寧に語った。

『VALORANT』eスポーツ展開におけるRAGEの目標とは?

2021年で6年目を迎えるeスポーツイベント「RAGE」。CyberZ、エイベックス・エンタテインメント、テレビ朝日の3社で運用中の本イベントでは、これまでさまざまなゲームタイトルの公式大会ないしエキシビジョンマッチ等が行われてきた。

▲カンファレンス資料より

その総合プロデューサーを務める大友氏は「JAPAN TO GLOBAL」という標語のもと、「グローバルなeスポーツシーンに引けを取らない競技文化を、ライアットゲームズさんと一緒に作っていく」と表明。同時に「日本の大会と言えど、世界から注目されるような大会にしたい。そのためにも、他地域の視聴者数を日本大会だけで追い抜く」と述べつつ、本大会における”裏テーマ”と言うべき目標について言及した。

▲カンファレンス資料より

CHALLENGERSの発足に際して、RAGEでは大会の視聴者へ向けたいくつかの取り組みが予定されている。今回明らかとなったのは“ゲームAPIと絡めた画面演出”。例えば「MAPやエージェント選択時の画面エフェクト」、「試合時における各プレイヤーのスタッツ集計」、「試合間(幕間)の素材配置」……等々、ゲーム内情報をシームレスに視聴者へ伝える手段を模索するとのこと。

▲カンファレンス資料より

また、試合をよりディーブに楽しみたいコアユーザー層に向け、料金定額制のサブスクリプションコンテンツも提供する模様。大会の試合シーンをベースとした周辺コンテンツを生み出しつつ、イベント全体の盛り上がりを幅広く訴求するのが狙いだ(2021年3月より開始予定)。

加えて、同大会の参加チームや選手を積極的に応援するべく、地上波放送の「ReAL eSports News」(テレビ朝日系)と連携したプロモーションも調整中と発表した。

▲カンファレンス資料より

カンファレンスの最後は登壇者による質疑応答パートへ移行。イベント開催の詳しい意図や主催側の方針について、メディア側よりいくつか質問が投げかけられた。「VALORANTの公式大会を開くにあたってRAGEの強みは?」という質問に対し、大友氏は「立ち上げから6年を経て蓄積したノウハウと経験。地上波を介した露出機会が多いのも強み」と回答。「VCT」で具体的に予定しているプログラムの詳細はまだ明らかにできないものの、オフライン大会等については「コロナ禍の現状を考慮しつつ、時勢を鑑みて逐次検討していく」という意思を示した。

今回の発表で述べられた通り、メーカー(ゲームタイトル運営)と興行主(イベント企画)が手を取り合う光景は、日本のeスポーツシーンを盛り上げるだけでなく、グローバルな競技文化の産出に欠かせないものだ。特に『VALORANT』はローンチからまだ日は浅いものの、「FIRST STRIKE」をはじめとした世界大会、ならびに公認大会やコミュニティ大会が多数開催されてきた。そうした土壌の上に満を持して登場するのが「VCT」であり、その注目度は同タイトルの競技シーンにおいて過去最高レベルになるものと予想される。

すでに判明しているWeek1の参戦チームも、日本を代表するeスポーツチームが肩を並べており、さらに新たなチームが挑戦してくる可能性も残されている。

いずぜれにせよ、嚆矢となる「Challengers Japan Stage 01」は筆者としても大いに注目したい所存だ。


VALORANT
https://playvalorant.com/ja-jp/
ライアットゲームズ
https://www.riotgames.com/ja
RAGE
https://rage-esports.jp/

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