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大学の『LoL』サークルに入ると人生が変わる!? 「LeagueU」グループマネージャー、フィリップ・リウ氏インタビュー
ライアットゲームズは、学生たちが『リーグ・オブ・レジェンド』(以下:LoL)をより楽しんでもらうために、「LeagueU」という学生支援プログラムを用意している。大学生や専門学校生による『LoL』のコミュニティやイベントを支える仕組みで、すでに全国の学校から100以上のサークルが参加、彼らが自主的に全国各地でイベントを行っている。
このLeagueUはどのような経緯で始まり、これからどこに向かうのか。ライアットゲームズのLeagueUグループマネージャー、フィリップ・リウ氏に話を聞いた。
リウ氏:この学生支援プログラム、もともとはアメリカの学生たちの活動がきっかけでした。多くの学生サークルが集まって、独自に『LoL』大会をやろうという話が持ち上がって、彼らから「大会をやるから何か賞品とか出してくれない?」と連絡があったんです。そんな楽しいことをするなら我々が積極的にサポートしなくては!ということで、学生を支援する施策が始まりました。
日本で学生支援プログラムを始めるにあたり、まず昨年(2016年)の段階では「eSports」という括りを打ち出して、Yahoo! JAPANさん、GameBankさんと一緒に「e-Sports×U」を立ち上げました。学生『LoL』プレイヤーを応援するというプロジェクトです。まずはこれで1年やってみて、さまざまな意見・反響を踏まえたうえで「e-Sports×U」を発展的に解消し、今年の3月から弊社による「LeagueU」を始動させました。個人参加もできますが、サークルで活動していただくことが中心となります。
登録してくれたサークルには、スターターキットを用意しています。さまざまなグッズが詰まっており、サークルメンバーを集めるのに利用してもらったりします。イベントを実施したいということであれば、トーナメントの賞品や参加者へのプレゼントなどを提供していますし、そのほかサークル活動でのさまざまな相談に答えています。
――アメリカと日本では、同じ学生支援プログラムでもやはり違う内容でしょうか?
リウ氏:アメリカの大学だと校内にある寮に住んでいる場合が多いので、人が集まりやすいんです。コミュニティールームとかに行けば友だちがいっぱいいますし、みんな自分のパソコンも持ってますので、「じゃあ『LoL』やろうか」ってすぐ始められます。
でも日本だとどうでしょう。集まる場所がいちばん大変です。大学公認サークルなら校内で部屋を持てますが、日本の場合は数年は非公認で活動した後でないと公認にできないところが多いんですよ。『LoL』サークルで大学の公認を得ているところは、いまのところ2つなんです。
――大学に部屋がない学生らはどこに集まっているのですか?
リウ氏:地方だとビジネスセンターの会議室を借りて大会を企画したりしてますね。そういう場合は、こちらから室料の一部をサポートしたり、パートナーメーカーから機材を借りるなどして支援しています。東京など首都圏だとPCカフェを使うことが多いのですが、この場合でもさまざまなサポートを行っています。
リウ氏:もちろんそれが一番多いですが、コスプレ会や初心者を教える会、BBQ会など、いろんな活動を行っているようです。サークルから連絡があれば、可能なかぎり何らかの形で支援をしていますね。
今でこそ学生のほうから「こういうことをやってみたい」というような積極的な姿勢の連絡がありますが、最初のころは「サークルを作ったはいいけど、何をしたらいいのかわからない」という状態でした。アメリカの学生は自分たちで率先してやりたがる人ばかりなのですが、日本だとイベントオペレーションやサークル運営の仕方がわからない、という方が多くて……。
なので、今年はサークルリーダー向けにハンドブックを作りました。サークルのリーダーとはどういうことをするのか、イベントはどのように準備し、進行するのかなど、細かく明記しています。もともとこれはアメリカの学生向けプログラムにもあったものなのですが、去年の活動を踏まえて日本向けにカスタマイズし、日本独自のハンドブックになっています。
初めてイベントをやるリーダーやサークルには、運営マニュアルやチェックリストなどを用意して、具体的なやり方を手助けしています。2回目以降は「じゃあ自分たちでやってごらん」と少しずつ手を引いて、本人たちに任せるようにしてますね。
――なるほど、一度経験すればどんどん積極的になっていくんですね。
リウ氏:でも、1回イベントを実施したら、そこでまたつまずくケースもありました。イベントをやってみたはいいけど、じゃあ次は何をしたらいいんだろう?と。
そこで、各地のリーダーを集め、こうした問題解決のためのクリティカル・シンキングを行ったんです。自分たちのサークルはこうしたい、それならこういうアプローチをすべき、ロードマップはこうしてみるのはどうか、といったことをみんなでトコトン話し合うんです。
また、学生たちのスキルアップのために、ブートキャンプも実施しています。6月は「LeagueU実況解説ブートキャンプ」を行い、多くの学生が集まりました。『LoL』は観戦しても楽しいゲームですが、そうした盛り上げ役に実況解説者は欠かせません。将来の職業のひとつとして実況解説者を目指してくれる人も出てきてくれると嬉しいですね。eSportsがどんどん広まれば確実に必要な職種になりますから。
リウ氏:そうですね、経験者が多いです。中には友だちを作りたいから『LoL』のサークルを作った、という方もいました。もともとあったゲーム以外のサークルのメンバーで本プログラムに参加したり、というケースもあります。
――リーダーは"ゲームのサークルをまとめている"という以上の経験ができますね。
リウ氏:LeagueUを通じて、リーダーはいろんなスキルを身につけることができると思います。理想を言えば、LeagueUのリーダーをやっていれば就職活動で有利になる、なんていう展開ですね。そうなるとすごく嬉しいです。リーダーシップやプロジェクトマネージメントの基礎を学べると思うので、社会人になったときにすごく役立つと思いますよ。
――リーダー以外の参加している学生さんたちはどういった層が多いのでしょうか? 単純にゲームがうまくなりたい!っていう人たちなのでしょうか?
リウ氏:ガチで強くなりたいという学生さんもいますが、単純に仲間と一緒に遊ぶことが楽しい、という方が多いですね。ですので、このLeagueUではとにかく『LoL』を楽しんでもらうことを第一に考えて推し進めています。
いま開催中のLeagueUイベント「All Campus Series(オールキャンパスシリーズ)」(以下:ACS)は、まさに楽しんでもらうためのイベントです。ゲームの腕に関係なく参加できるものになっています。
ACSはゲームをプレイさえすればスキルレベルに関係なくポイントが手に入り、サークルの累計ポイントに加算されていきます。初心者でも貢献でき、サークルメンバー全員でポイント稼ぎができるので、メンバー勧誘もより積極的に行うことになるでしょう。決勝トーナメントは試合を行ってもらいますが、どこが勝ち上がってくるかまったく読めないので、どのサークルにもチャンスはあると思います。
――ACSのようなお祭りイベントも嬉しいですが、今年の3月に決勝大会が行われた「LeagueU Grand Tournament 2016」のような日本一学生サークル決定戦は、次回も予定はあるのでしょうか?
リウ氏:まだ検討中です。前回の大会はすごく面白かったので、またやりたいですね。
学生同士の対戦は、LJL(「League of Legends Japan League」の略称)のようなプロリーグとはまた違った面白さがあります。高校野球のような感じなのかもしれませんが、若さならではの勢いがあって、何が起こるかわからないんですよ。
前回の「Grand Tournament」でもユニークなサークルがありました。はこだて未来大学LoL部は、ランクがいちばん上の子でプラチナだったんです。それでも自分たちの戦法をひたすら練習して、この形にハマれば勝てる!というところまで極めた結果、準決勝まで勝ち上がったんです。作戦を練って、考えれば考えただけ結果が出るのも『LoL』の面白さだと思います。
――大学生・専門学校生向けだけでなく、たとえば高校生向けの支援プログラムなどは考えておりますでしょうか?
リウ氏:いろいろな年齢層のコミュニティに対してアプローチしたい気持ちはもちろんあります。ただ、我々サポート側の人間もそれほど多くの人数がいるわけではないので……。いまはLeagueUという大学生をメインとした支援プログラムを優先しています。LeagueUのこれからがどうなるのか、それしだいですね。
ちなみにオーストラリアは高校生向けの支援プログラムからスタートしました。いまは大学生向けも行っています。国や地域によって、このあたりも変わってきますね。
――LeagueUの今後の展望を教えてください。
リウ氏:LeagueUに入って人生が変わった、と思えてもらえるようにしたいです。どういうふうに実現していくかは考えていかなくてはならないことですが、LeagueUに入って楽しかった、友だちができた、いろんな経験ができた……。これだけでも十分価値のあるものだと思うんです。大きく人生に影響を与えるような活動になっていければな、と思っています。
……なんて堅苦しいことを言ってますが、参加する学生さんたちには『LoL』やサークル活動を目一杯楽しんでもらえればそれだけで嬉しいですね。
■関連リンク
ライアットゲームズ
http://www.riotgames.co.jp/
『リーグ・オブ・レジェンド』
http://jp.leagueoflegends.com/
「LeagueU」
https://leagueu.jp.leagueoflegends.com/
このLeagueUはどのような経緯で始まり、これからどこに向かうのか。ライアットゲームズのLeagueUグループマネージャー、フィリップ・リウ氏に話を聞いた。
▲ライアットゲームズ LeagueU グループマネージャー フィリップ・リウ氏
学生支援プログラム発足の経緯
――LeagueUはどのような経緯で始まったのでしょうか。リウ氏:この学生支援プログラム、もともとはアメリカの学生たちの活動がきっかけでした。多くの学生サークルが集まって、独自に『LoL』大会をやろうという話が持ち上がって、彼らから「大会をやるから何か賞品とか出してくれない?」と連絡があったんです。そんな楽しいことをするなら我々が積極的にサポートしなくては!ということで、学生を支援する施策が始まりました。
日本で学生支援プログラムを始めるにあたり、まず昨年(2016年)の段階では「eSports」という括りを打ち出して、Yahoo! JAPANさん、GameBankさんと一緒に「e-Sports×U」を立ち上げました。学生『LoL』プレイヤーを応援するというプロジェクトです。まずはこれで1年やってみて、さまざまな意見・反響を踏まえたうえで「e-Sports×U」を発展的に解消し、今年の3月から弊社による「LeagueU」を始動させました。個人参加もできますが、サークルで活動していただくことが中心となります。
登録してくれたサークルには、スターターキットを用意しています。さまざまなグッズが詰まっており、サークルメンバーを集めるのに利用してもらったりします。イベントを実施したいということであれば、トーナメントの賞品や参加者へのプレゼントなどを提供していますし、そのほかサークル活動でのさまざまな相談に答えています。
――アメリカと日本では、同じ学生支援プログラムでもやはり違う内容でしょうか?
リウ氏:アメリカの大学だと校内にある寮に住んでいる場合が多いので、人が集まりやすいんです。コミュニティールームとかに行けば友だちがいっぱいいますし、みんな自分のパソコンも持ってますので、「じゃあ『LoL』やろうか」ってすぐ始められます。
でも日本だとどうでしょう。集まる場所がいちばん大変です。大学公認サークルなら校内で部屋を持てますが、日本の場合は数年は非公認で活動した後でないと公認にできないところが多いんですよ。『LoL』サークルで大学の公認を得ているところは、いまのところ2つなんです。
――大学に部屋がない学生らはどこに集まっているのですか?
リウ氏:地方だとビジネスセンターの会議室を借りて大会を企画したりしてますね。そういう場合は、こちらから室料の一部をサポートしたり、パートナーメーカーから機材を借りるなどして支援しています。東京など首都圏だとPCカフェを使うことが多いのですが、この場合でもさまざまなサポートを行っています。
イベントの催し方を細かく明記した日本独自のハンドブック
――サークルが行うイベントとしては、ゲーム大会が多いのでしょうか。リウ氏:もちろんそれが一番多いですが、コスプレ会や初心者を教える会、BBQ会など、いろんな活動を行っているようです。サークルから連絡があれば、可能なかぎり何らかの形で支援をしていますね。
今でこそ学生のほうから「こういうことをやってみたい」というような積極的な姿勢の連絡がありますが、最初のころは「サークルを作ったはいいけど、何をしたらいいのかわからない」という状態でした。アメリカの学生は自分たちで率先してやりたがる人ばかりなのですが、日本だとイベントオペレーションやサークル運営の仕方がわからない、という方が多くて……。
なので、今年はサークルリーダー向けにハンドブックを作りました。サークルのリーダーとはどういうことをするのか、イベントはどのように準備し、進行するのかなど、細かく明記しています。もともとこれはアメリカの学生向けプログラムにもあったものなのですが、去年の活動を踏まえて日本向けにカスタマイズし、日本独自のハンドブックになっています。
初めてイベントをやるリーダーやサークルには、運営マニュアルやチェックリストなどを用意して、具体的なやり方を手助けしています。2回目以降は「じゃあ自分たちでやってごらん」と少しずつ手を引いて、本人たちに任せるようにしてますね。
▲LeagueU公式サイトにアップされているリーダーズハンドブック。リーダーとしての活動内容、学校に公認してもらう方法、イベントの計画や実施、LeagueU(大学)を卒業するときの引き継ぎ方法まで、30ページ以上に渡って詳しく明記されている
――なるほど、一度経験すればどんどん積極的になっていくんですね。
リウ氏:でも、1回イベントを実施したら、そこでまたつまずくケースもありました。イベントをやってみたはいいけど、じゃあ次は何をしたらいいんだろう?と。
そこで、各地のリーダーを集め、こうした問題解決のためのクリティカル・シンキングを行ったんです。自分たちのサークルはこうしたい、それならこういうアプローチをすべき、ロードマップはこうしてみるのはどうか、といったことをみんなでトコトン話し合うんです。
また、学生たちのスキルアップのために、ブートキャンプも実施しています。6月は「LeagueU実況解説ブートキャンプ」を行い、多くの学生が集まりました。『LoL』は観戦しても楽しいゲームですが、そうした盛り上げ役に実況解説者は欠かせません。将来の職業のひとつとして実況解説者を目指してくれる人も出てきてくれると嬉しいですね。eSportsがどんどん広まれば確実に必要な職種になりますから。
LeagueUに参加すれば人生経験が積める!?
――リーダーになる方はやはり『LoL』経験者ですか?リウ氏:そうですね、経験者が多いです。中には友だちを作りたいから『LoL』のサークルを作った、という方もいました。もともとあったゲーム以外のサークルのメンバーで本プログラムに参加したり、というケースもあります。
――リーダーは"ゲームのサークルをまとめている"という以上の経験ができますね。
リウ氏:LeagueUを通じて、リーダーはいろんなスキルを身につけることができると思います。理想を言えば、LeagueUのリーダーをやっていれば就職活動で有利になる、なんていう展開ですね。そうなるとすごく嬉しいです。リーダーシップやプロジェクトマネージメントの基礎を学べると思うので、社会人になったときにすごく役立つと思いますよ。
――リーダー以外の参加している学生さんたちはどういった層が多いのでしょうか? 単純にゲームがうまくなりたい!っていう人たちなのでしょうか?
リウ氏:ガチで強くなりたいという学生さんもいますが、単純に仲間と一緒に遊ぶことが楽しい、という方が多いですね。ですので、このLeagueUではとにかく『LoL』を楽しんでもらうことを第一に考えて推し進めています。
いま開催中のLeagueUイベント「All Campus Series(オールキャンパスシリーズ)」(以下:ACS)は、まさに楽しんでもらうためのイベントです。ゲームの腕に関係なく参加できるものになっています。
ACSはゲームをプレイさえすればスキルレベルに関係なくポイントが手に入り、サークルの累計ポイントに加算されていきます。初心者でも貢献でき、サークルメンバー全員でポイント稼ぎができるので、メンバー勧誘もより積極的に行うことになるでしょう。決勝トーナメントは試合を行ってもらいますが、どこが勝ち上がってくるかまったく読めないので、どのサークルにもチャンスはあると思います。
――ACSのようなお祭りイベントも嬉しいですが、今年の3月に決勝大会が行われた「LeagueU Grand Tournament 2016」のような日本一学生サークル決定戦は、次回も予定はあるのでしょうか?
リウ氏:まだ検討中です。前回の大会はすごく面白かったので、またやりたいですね。
学生同士の対戦は、LJL(「League of Legends Japan League」の略称)のようなプロリーグとはまた違った面白さがあります。高校野球のような感じなのかもしれませんが、若さならではの勢いがあって、何が起こるかわからないんですよ。
前回の「Grand Tournament」でもユニークなサークルがありました。はこだて未来大学LoL部は、ランクがいちばん上の子でプラチナだったんです。それでも自分たちの戦法をひたすら練習して、この形にハマれば勝てる!というところまで極めた結果、準決勝まで勝ち上がったんです。作戦を練って、考えれば考えただけ結果が出るのも『LoL』の面白さだと思います。
――大学生・専門学校生向けだけでなく、たとえば高校生向けの支援プログラムなどは考えておりますでしょうか?
リウ氏:いろいろな年齢層のコミュニティに対してアプローチしたい気持ちはもちろんあります。ただ、我々サポート側の人間もそれほど多くの人数がいるわけではないので……。いまはLeagueUという大学生をメインとした支援プログラムを優先しています。LeagueUのこれからがどうなるのか、それしだいですね。
ちなみにオーストラリアは高校生向けの支援プログラムからスタートしました。いまは大学生向けも行っています。国や地域によって、このあたりも変わってきますね。
――LeagueUの今後の展望を教えてください。
リウ氏:LeagueUに入って人生が変わった、と思えてもらえるようにしたいです。どういうふうに実現していくかは考えていかなくてはならないことですが、LeagueUに入って楽しかった、友だちができた、いろんな経験ができた……。これだけでも十分価値のあるものだと思うんです。大きく人生に影響を与えるような活動になっていければな、と思っています。
……なんて堅苦しいことを言ってますが、参加する学生さんたちには『LoL』やサークル活動を目一杯楽しんでもらえればそれだけで嬉しいですね。
■関連リンク
ライアットゲームズ
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『リーグ・オブ・レジェンド』
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「LeagueU」
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