eSPORTS eスポーツに関する最新情報をチェック！
【SI2022】『レインボーシックス シージ』最大の祭典、死のグループステージを戦い抜いた日本代表CAGを振り返る
現地時間2月8日～20日にかけてスウェーデン・ストックホルムで行われている「うSix Invitational 2022」は、『レインボーシックス シージ』の競技シーンにおける最大の大会だ。日本からは「CYCLOPS athlete gaming」（以下CAG）が出場し、激闘のグループステージを戦い抜くも、結果は敗退となった。4試合を通して課題が浮き彫りになるシーンも見られたが、着実な成長もまた見えてくるのであった。
CAGが振り分けられたグループBは、正真正銘の死のグループであり、ラテンの季節を作り上げたTeam Liquidや、Six Sweden Major 2021優勝のFaZe Clan、NAL Stage 3で優勝したSpacestation Gamingが混在していた。本稿では、そんな死のグループを戦い抜いたCAGの激闘を振り返る。
初戦の緊張感の中、冷静さを見せた戦い
▲CAG vs Rougeの試合は6時間55分ごろから
MAP1：CAG Pick オレゴン CAG 4-7 Rogue
MAP2：Rogue Pick クラブハウス CAG 4-7 Rogue
Day2が初戦となったCAG。相手は直近のSix Sweden Major 2021でベスト4へ食い込んだRogue。APACのようなハードピークが魅力的なAceZ選手やLeonGids選手が真価を発揮し、ファーストブラッドを取られる場面が目立つCAG。柔軟な戦術で局所取りや囲い込みと対応するも、RogueのAmaruを用いたラッシュを用いた緩急のある戦術や、Cryn選手の耐えの防衛に苦しめられ敗北。マップスコア2-0でRogueの勝利。
初日ということもあり表情も固く、エンジンがかかりきっていない印象だったものの、隙を見つけて柔軟に対応する冷静さは健在だった。とりわけ、固く守っている部分を避けて局所取りに講じる機転の利かせ方は見事だった。
あと1ラウンドの壁、再び
▲CAG vs Team Liquidの試合は10時間8分40秒あたりから、
MAP1：Team Liquid Pick カフェ CAG 8-7 Team Liquid
MAP2：CAG Pick 銀行 CAG 6-8 Team Liquid
MAP3：DECIDER ヴィラ CAG 3-7 Team Liquid
第二戦は前回の世界大会からロースターが変わったTeam Liquid。試合序盤から前目に当たるCAGの強さが光るラウンドが続き、屋上ハッチとの戦いや、窓ラペリングへの撃ち合いなど、メンバーの調子の良さが伺えた。しかしただでやられないのがTeam Liquid、順調に追いつきオーバータイムへCAGを追い込む。
カフェのOTといえば、前回の記事でも触れた通りTeam EmpireとTeam BDSとの戦いを否が応でも思い出してしまう。緊張の最終ラウンド、ファーストブラッドを取られるも、Ayageter選手の絶妙なリテイクでかき乱し、最後は現地の守護神SuzuC選手が1v2クラッチでマップを獲得した。悪夢のカフェをCAGが乗り越えた瞬間だった。一人残されたSuzuC選手が、隠れてプラントを待つのではなく、自ら撃ち合うことで勝利を勝ち取りに行く気概と覚悟が、これまでの惜敗を振り切るようでエモーショナルな瞬間だった。
続く2ndマップ銀行では、当たりどころの上手い防衛の流れを汲み、順調にラウンドを重ね、CAGが6-3とマッチポイントに王手をかける。しかし前2試合で1マップも落とすこともなく勝ち進んでいたTeam Liquidは粘り強く、堅調にラウンドを重ね、なんと6-8と大逆転を魅せた。
運命の3rdマップヴィラでもその勢いを維持したTeam Liquidは、とりわけnesk選手の攻撃力が凄まじく、3-7とラウンド差をつけて勝利。マップスコア2-1でTeam Liquidが勝利。CAGの撃ち合いと戦略は互角に見えた銀行だったが、徐々にCAGに対応するTeam Liquidが一枚上手という結果になった。
HotancoldのFPSらしい防衛が光った逆転劇
▲CAG vs Spacestation Gamingの試合は7時間5秒あたりから
MAP1：Spacestation Gaming Pick 山荘 CAG 6-8 Spacestation Gaming
MAP2：CAG Pick クラブハウス CAG 1-7 Spacestation Gaming
第三戦はSpacestation Gaming（以下、SSG)。セットプレイが上手いNAの強豪だ。また、グループ内でのポイント差が近いこともあり、この試合は互いにとって絶対に負けられない一戦だった。
▲吠えるAyageter選手
1stマップ山荘では好調な防衛でラウンドを重ね、6-1で早々にマッチポイントへ。このままマップを取り切れるかと思われたが、粘り強さを見せるのがSSG。CAGの攻撃の特徴をうまく掴んだSSGは、Hotancoldを筆頭にカバーすら許さない撃ち合いで防衛を制し、7ラウンド連続で大逆転を決め込む。序盤の好調を完全に覆され、前日に続き大逆転を許してしまうCAG。
2ndマップクラブハウスでは、SSGの作戦やCAGに対する読みのロックが尽く刺さり、1-7と、文字通りの圧勝。マップスコア2-0でSSGの勝利。勝ちきりたいマップを惜敗する展開が、2日連続で続く結果となってしまった。
個人技と戦術、CAGの強さを発揮
▲CAG vs FaZe Clanの試合は、10時間4分58秒あたりから
MAP1：CAG Pick 山荘 CAG 7-4 FaZe Clan
MAP2：FaZe Clan Pick ヴィラ CAG 1-7 FaZe Clan
MAP3：DECIDER カフェ CAG 4-7 FaZe Clan
運命の最終試合。相手はSix Sweden Major 2021で悲願の優勝を遂げたFaZe Clan。1マップも落とすことが許されないCAGは山荘をピック。互いに独特のピークタイミングや撃ち合い正面のぶつかりあいで3-3での折返し。BlackRay選手のACEやSuzuC選手の冴え渡ったピストルキルなど、個人技が光るだけでなく、局所取りを匂わせつつも裏をかく射線を確保するなど、戦略で押し切り7-4で勝利。
特に勝利を決めたラウンド11は、背後のカバーを信じつつOsaのTalon8シールドで前線を上げ、リテイクまで完全にロックする戦術は完璧だった。
2ndマップヴィラは、一転してFaZe Clanの強さが光る。時間を削り、進行を阻害する立ち回りや、Astroをはじめ完璧なピークタイミングでCAGを文字通り破壊することに先行。FaZe Clanは7-1で完封勝利。CAGは残念ながらこの時点でプレイオフへの道は閉ざされることとなった。
3rdマップのカフェでは、防衛スタートのCAGが持ち前のエントリー勝負や果敢な飛び出しでキルを重ね、4-2での折り返し。しかし攻撃でラウンドを取ることができず、7-4で敗北。マップスコア2-1でFaZe Clanの勝利となった。
一方で、やはり世界の壁が見えてきたのか、今大会では勝ち星をあげることができなかった。初戦は明らかに動きの固さが見られ、攻撃の安定性が低く決めきれない問題は修正が必要に思える。しかし「あと1ラウンド」の壁に関して、乗り越えつつあることは、Team Liquid戦やFaZe Clan戦から垣間見えたのではないだろうか。
残念ながら今回もグループステージ敗退という結果になってしまったが、ベイビーステップであれ、世界の壁をよじ登り、打ち崩そうとしている情熱と努力は存分に感じられる内容であった。イヤー7がどのようなメタに変化していくかわからないが、全員がチームの頭脳であり、全員がチームのエースであるCAGならきっと乗り越えてくれるだろう。
2021年は、Rainbow Six Japan League（RJL)の発足によって国内競技シーンのレベルが大きく向上した。2022年の競技シーンは、RJL2022やAPAC NORTHリーグなど、昨年に続き目白押しとなっている。さらなる日本の競技シーンの発展に期待したいところだ。
(C)2015 Ubisoft Entertainment. All Rights Reserved. Tom Clancy’s, Rainbow Six, The Soldier Icon, Ubisoft and the Ubisoft logo are trademarks of Ubisoft Entertainment in the U.S. and/or other countries.
レインボーシックス シージ公式eスポーツ大会サイト
https://rainbow6.jp/
Six Invitational 2022特設サイト
https://www.ubisoft.com/ja-jp/esports/rainbow-six/siege/events/six-invitational
Six Invitational 2022 配信チャンネル
https://www.twitch.tv/Rainbow6JP
https://www.youtube.com/Rainbow6JP
CAGが振り分けられたグループBは、正真正銘の死のグループであり、ラテンの季節を作り上げたTeam Liquidや、Six Sweden Major 2021優勝のFaZe Clan、NAL Stage 3で優勝したSpacestation Gamingが混在していた。本稿では、そんな死のグループを戦い抜いたCAGの激闘を振り返る。
初戦の緊張感の中、冷静さを見せた戦い
Day2: vs Rogue
▲CAG vs Rougeの試合は6時間55分ごろから
MAP1：CAG Pick オレゴン CAG 4-7 Rogue
MAP2：Rogue Pick クラブハウス CAG 4-7 Rogue
Day2が初戦となったCAG。相手は直近のSix Sweden Major 2021でベスト4へ食い込んだRogue。APACのようなハードピークが魅力的なAceZ選手やLeonGids選手が真価を発揮し、ファーストブラッドを取られる場面が目立つCAG。柔軟な戦術で局所取りや囲い込みと対応するも、RogueのAmaruを用いたラッシュを用いた緩急のある戦術や、Cryn選手の耐えの防衛に苦しめられ敗北。マップスコア2-0でRogueの勝利。
初日ということもあり表情も固く、エンジンがかかりきっていない印象だったものの、隙を見つけて柔軟に対応する冷静さは健在だった。とりわけ、固く守っている部分を避けて局所取りに講じる機転の利かせ方は見事だった。
CAG！CAG！Let's go CAG！#CAGWIN！#SixInvitational pic.twitter.com/t1F4VsyU0F
— レインボーシックス公式 (@Rainbow6JP) February 9, 2022
あと1ラウンドの壁、再び
Day3: vs Team Liquid
▲CAG vs Team Liquidの試合は10時間8分40秒あたりから、MAP1：Team Liquid Pick カフェ CAG 8-7 Team Liquid
MAP2：CAG Pick 銀行 CAG 6-8 Team Liquid
MAP3：DECIDER ヴィラ CAG 3-7 Team Liquid
第二戦は前回の世界大会からロースターが変わったTeam Liquid。試合序盤から前目に当たるCAGの強さが光るラウンドが続き、屋上ハッチとの戦いや、窓ラペリングへの撃ち合いなど、メンバーの調子の良さが伺えた。しかしただでやられないのがTeam Liquid、順調に追いつきオーバータイムへCAGを追い込む。
誰も止めることが出来ないAyagator戦車????????
— レインボーシックス公式 (@Rainbow6JP) February 10, 2022
▄▄▄▄██〓█●
▂▃▄▅@sss27iq █▅▄
████████████
◥⊙▲⊙▲⊙▲⊙▲⊙▲⊙◤#SixInvitational pic.twitter.com/AypIiMblR9
カフェのOTといえば、前回の記事でも触れた通りTeam EmpireとTeam BDSとの戦いを否が応でも思い出してしまう。緊張の最終ラウンド、ファーストブラッドを取られるも、Ayageter選手の絶妙なリテイクでかき乱し、最後は現地の守護神SuzuC選手が1v2クラッチでマップを獲得した。悪夢のカフェをCAGが乗り越えた瞬間だった。一人残されたSuzuC選手が、隠れてプラントを待つのではなく、自ら撃ち合うことで勝利を勝ち取りに行く気概と覚悟が、これまでの惜敗を振り切るようでエモーショナルな瞬間だった。
CAG 1stMAP勝利????????????
— レインボーシックス公式 (@Rainbow6JP) February 10, 2022
GH！攻めっけのあるこの姿勢こそCAG❗❗#SixInvitational pic.twitter.com/xCw81ebKGo
続く2ndマップ銀行では、当たりどころの上手い防衛の流れを汲み、順調にラウンドを重ね、CAGが6-3とマッチポイントに王手をかける。しかし前2試合で1マップも落とすこともなく勝ち進んでいたTeam Liquidは粘り強く、堅調にラウンドを重ね、なんと6-8と大逆転を魅せた。
運命の3rdマップヴィラでもその勢いを維持したTeam Liquidは、とりわけnesk選手の攻撃力が凄まじく、3-7とラウンド差をつけて勝利。マップスコア2-1でTeam Liquidが勝利。CAGの撃ち合いと戦略は互角に見えた銀行だったが、徐々にCAGに対応するTeam Liquidが一枚上手という結果になった。
神がかりプレイ°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°
— レインボーシックス公式 (@Rainbow6JP) February 10, 2022
BlackRay止まらない????????????????????????????????#SixInvitational pic.twitter.com/7ncxGRrIg7
HotancoldのFPSらしい防衛が光った逆転劇
Day4: vs Spacestation Gaming
▲CAG vs Spacestation Gamingの試合は7時間5秒あたりから
MAP1：Spacestation Gaming Pick 山荘 CAG 6-8 Spacestation Gaming
MAP2：CAG Pick クラブハウス CAG 1-7 Spacestation Gaming
第三戦はSpacestation Gaming（以下、SSG)。セットプレイが上手いNAの強豪だ。また、グループ内でのポイント差が近いこともあり、この試合は互いにとって絶対に負けられない一戦だった。
▲吠えるAyageter選手1stマップ山荘では好調な防衛でラウンドを重ね、6-1で早々にマッチポイントへ。このままマップを取り切れるかと思われたが、粘り強さを見せるのがSSG。CAGの攻撃の特徴をうまく掴んだSSGは、Hotancoldを筆頭にカバーすら許さない撃ち合いで防衛を制し、7ラウンド連続で大逆転を決め込む。序盤の好調を完全に覆され、前日に続き大逆転を許してしまうCAG。
2ndマップクラブハウスでは、SSGの作戦やCAGに対する読みのロックが尽く刺さり、1-7と、文字通りの圧勝。マップスコア2-0でSSGの勝利。勝ちきりたいマップを惜敗する展開が、2日連続で続く結果となってしまった。
個人技と戦術、CAGの強さを発揮
Day4: vs FaZe Clan
▲CAG vs FaZe Clanの試合は、10時間4分58秒あたりから
MAP1：CAG Pick 山荘 CAG 7-4 FaZe Clan
MAP2：FaZe Clan Pick ヴィラ CAG 1-7 FaZe Clan
MAP3：DECIDER カフェ CAG 4-7 FaZe Clan
運命の最終試合。相手はSix Sweden Major 2021で悲願の優勝を遂げたFaZe Clan。1マップも落とすことが許されないCAGは山荘をピック。互いに独特のピークタイミングや撃ち合い正面のぶつかりあいで3-3での折返し。BlackRay選手のACEやSuzuC選手の冴え渡ったピストルキルなど、個人技が光るだけでなく、局所取りを匂わせつつも裏をかく射線を確保するなど、戦略で押し切り7-4で勝利。
特に勝利を決めたラウンド11は、背後のカバーを信じつつOsaのTalon8シールドで前線を上げ、リテイクまで完全にロックする戦術は完璧だった。
SuzuCつよすぎいいいい❗❗❗❗❗❗
— レインボーシックス公式 (@Rainbow6JP) February 12, 2022
冴えてるよ❗❗❗❗ #CAGWIN #SixInvitational pic.twitter.com/LrZYKfUWmL
2ndマップヴィラは、一転してFaZe Clanの強さが光る。時間を削り、進行を阻害する立ち回りや、Astroをはじめ完璧なピークタイミングでCAGを文字通り破壊することに先行。FaZe Clanは7-1で完封勝利。CAGは残念ながらこの時点でプレイオフへの道は閉ざされることとなった。
3rdマップのカフェでは、防衛スタートのCAGが持ち前のエントリー勝負や果敢な飛び出しでキルを重ね、4-2での折り返し。しかし攻撃でラウンドを取ることができず、7-4で敗北。マップスコア2-1でFaZe Clanの勝利となった。
着実な成長と浮き彫りになる課題
この4試合を通じて、CAGの魅力であるエントリーでの戦いをはじめ、時間差でニトロを二つ投げたり、同時に飛び出してキルを狙ったりと、撃ち合いの強さと連携力の高さに磨きがかかった印象を受けた。局所的な少人数戦やコンパクトな攻めでも冷静に対処している様子は、チームとしての完成度と成長を感じる内容であった。一方で、やはり世界の壁が見えてきたのか、今大会では勝ち星をあげることができなかった。初戦は明らかに動きの固さが見られ、攻撃の安定性が低く決めきれない問題は修正が必要に思える。しかし「あと1ラウンド」の壁に関して、乗り越えつつあることは、Team Liquid戦やFaZe Clan戦から垣間見えたのではないだろうか。
There's no doubt that @CYCLOPS_OSAKA was the most entertaining team to watch during the #SixInvitational 2022 group stage.
— Rainbow Six Esports (@R6esports) February 13, 2022
We already miss your incredible energy! Until we meet again! ❤️❤️❤️ pic.twitter.com/DYE8QZmVHU
残念ながら今回もグループステージ敗退という結果になってしまったが、ベイビーステップであれ、世界の壁をよじ登り、打ち崩そうとしている情熱と努力は存分に感じられる内容であった。イヤー7がどのようなメタに変化していくかわからないが、全員がチームの頭脳であり、全員がチームのエースであるCAGならきっと乗り越えてくれるだろう。
2021年は、Rainbow Six Japan League（RJL)の発足によって国内競技シーンのレベルが大きく向上した。2022年の競技シーンは、RJL2022やAPAC NORTHリーグなど、昨年に続き目白押しとなっている。さらなる日本の競技シーンの発展に期待したいところだ。
(C)2015 Ubisoft Entertainment. All Rights Reserved. Tom Clancy’s, Rainbow Six, The Soldier Icon, Ubisoft and the Ubisoft logo are trademarks of Ubisoft Entertainment in the U.S. and/or other countries.
レインボーシックス シージ公式eスポーツ大会サイト
https://rainbow6.jp/
Six Invitational 2022特設サイト
https://www.ubisoft.com/ja-jp/esports/rainbow-six/siege/events/six-invitational
Six Invitational 2022 配信チャンネル
https://www.twitch.tv/Rainbow6JP
https://www.youtube.com/Rainbow6JP
MEMBERS ONLY 独自視点の記事やお得なキャンペーン記事など配信
eSPORTS RANKING eスポーツの人気記事ランキング！
