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<後編>120Hz G-SYNC液晶を搭載した「ALIENWARE 15 R3」で“宇宙最強”の意味を再確認する
重量級ゲームも軽々と動かせるハイパワーなゲーミングノートPCはゲーマーなら一度は使ってみたいアイテムだ。デザインやスペック、価格などで様々なメーカーが多種多様な製品をリリースしているが、その中でも飛び抜けた存在といえばデルの「ALIENWAREシリーズ」だ。そのALIENWAREシリーズの最新モデルのひとつ、「ALIENWARE 15 R3」をテストする機会に恵まれた。最新ゲームでどの程度使えるのかレビューしてみたい。
前編では、基本的なスペックについてお伝えした。後編では、スコアなどから性能を比較し、その画質について検証していく。高フレームレートが出る設定は?
それでは「ALIENWARE 15 R3」の性能をチェックしてみよう。まずは定番どころとして描画性能をみる「3DMark」、そしてVR環境向けの性能をみる「VRMark」のスコアを比較する。【注意】以下の検証は、ALIENWARE ZONE編集部が独自に行ったものです。確かにALIENWAREの名を冠している媒体ではありますが、その結果に関してデルが保証するものではありません。あくまで参考としてご覧下さい。
3DMarkのスコア。上がフルHD相当の“Fire Strike”、下がDirectX12の描画性能を見る“Time Spy”
VRMarkのスコア。上がフルHD相当の“Orange Room”、下がDirectX12の描画性能を見る“Blue Room”
GeForce® GTX 1070搭載ノートだけあって、Fire Strikeのスコアは1万ポイントを超えるが、ここで注目したいのはVRMarkのOrange Roomのスコアの高さ。Orange RoomはHTC ViveやOculus Riftといった現行VRヘッドセットのスペックにターゲットを合わせたテストだが、本機では現行ヘッドセットの要求するフレームレート(90fps)をはるかに超える154fpsまで出せることを示している。つまりVR用としても十分な性能を獲得しているという訳だ。
それでは軽めのゲームの代表として『ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド』、および『ファンタシースターオンライン2(PSO2)』の公式ベンチマークをそれぞれ実行してみた。前者の画質は“最高品質(DirectX11)”、後者は“画質6”とし、解像度は液晶に合わせフルHDとした。
『ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド』公式ベンチマークでは、最高評価である“非常に快適”を獲得
左上の数値は「Fraps」を利用したフレームレート表示(以下同じ)。多数のキャラが出てくるシーンでもおおよそ120fps(上)。戦闘時のエフェクトがバンバン飛び交うシーンではさすがに重くなるが、それでも70fpsを切ることはなかった
『ファンタシースターオンライン2』の公式ベンチマークでも、“快適に動作する”という判定を獲得
PSO2は全体的に描画が軽いので、全編にわたり120fpsオーバーの非常に滑らかな描画を楽しめる。戦闘時はおおよそ130〜150fps(上)。重めのシーンでも120fps以上だった
『ファイナルファンタジーXIV』はエフェクトが多量に発生するとさすがに重くなるが、それでも普通の液晶よりも高いフレームレートでゲームが楽しめる。G-SYNCが効いているのでフレームレートが上下するシーンでもモタつく感じは一切感じられない。どちらのゲームも最高画質で軽快に遊べるはずだ。
中〜重量級ゲームになるとリフレッシュレート120Hzの液晶の性能を活かしにくくなってくる。そこでゲームの画質を一番高い設定と、2段階程度落とした設定にしてどの程度フレームレートが変化するかチェックしてみたい。
まずはハイペースな対戦型FPSの代表として『オーバーウォッチ』で検証してみた。画質は一番上の"エピック"と、2段階落とした"高設定"の2通りでチェックする。マップ“King's Row”でのカスタムマッチをプレイした際のフレームレートを「Fraps」で計測した。
『オーバーウォッチ』のフレームレート
エピック画質だと平均60fpsは超えるが、キャラの少ない場面(上)では80fps以上、乱戦時(下)では50fps台に低下する(注:スクリーンショット撮影時のフレームレートと、前掲のグラフの数値取得時は分けているため、数値は必ずしも一致しない)
高設定ではキャラが少ない所で120fps、乱戦時でも100fps程度の高フレームレートが得られた
オーバーウォッチは敵味方ともに動きが非常に速いため、動きをキッチリと捉えるためには少々画質を落とした方がずっと有利に立ち回れることが多かった。もちろん最高のエピック画質でも普通の液晶を搭載したノート並のクオリティーで遊べるのだが、せっかく120HzのG-SYNC液晶を使っているなら、画質は高程度に抑えておいた方が本機の性能をフルに活かせるというものだ。
続いてはウインタースポーツを題材にした『Steep』でテストしてみよう。スノーボードで急斜面を攻める時は一瞬の判断ミスが命とり。つまり本機の高リフレッシュレート液晶が輝くゲームなのだ。画質は全設定を一番高くした"最高設定"と、プリセットの"中設定"とを比較する。テストにはゲーム内のベンチマーク機能を利用した。
『Steep』のフレームレート。小数点以下がないのはベンチマーク機能の仕様による
最高設定だと軽めのシーンでは80fpsを少し割る程度(上)だが、建物等が一気に増えるシーンでは60fpsに近くなる。一番フレームレートが低くなるのはベンチマーク開始直後のようだ
中設定ではフレームレートがグンと伸びるというよりも、下の落ち込みが抑制される感じ。木々の多いコース(上)と建物が増えてきたシーン(下)
ベンチマーク機能のレポートでは最低fpsが大きく落ち込むが、実際の画面ではほぼ知覚できない。最高設定でもフレームレートは高めで安定している印象だが、ここでも『オーバーウォッチ』同様画質を少し下げた方が滑らかさがぐっと増す。最高画質でも余裕でプレイ可能だが、コースレコードを攻める時は画質を下げた方がよいだろう。
続いてリアル系fpsの代表として『バトルフィールド1』でも検証してみたい。ここでもプリセットの"最高設定"と"中設定"で比較する。テストはシングル用のキャンペーン“O LA VITTORIA”冒頭部分を遊んだ時のフレームレートを「Fraps」で計測した。
『バトルフィールド1』のフレームレート
最高画質設定ではおおよそ90fps前後の快適なフレームレートが出せる(上)が、爆発・炎上の表現が重なると短時間だが70fps台に落ち込むことも(下)
中設定にするとフレームレートは一気にアップ。爆発のあるシーンでもおおよそ90fps台で踏みとどまり(下)、大抵のシーンは100〜120fpsの間で推移する(上)
『バトルフィールド1』は爆発や炎上の表現が特に重くなるが、最高画質設定でもかなり快適に遊べる。シングルプレイは最高画質で景色やサウンドを堪能しながら遊び、対戦時は中画質で滑らかさ重視で勝ちにいくという使い分けがオススメだ。
熱と温度はどうなの?
最後に本機がゲーム中にどの程度熱くなるかをテストしてみたい。当サイトでも「NEW ALIENWARE 17」で24時間3D耐久試験をやってみたを実施しているが、本機はそれよりもふたまわりは小さい15インチモデル。ノートPCのボディーが小さければ、その分冷却が犠牲になってしまう。『バトルフィールド1』を25分プレイし、10分休憩した時の温度変化を「HWiNFO64」で追跡してみた。CPUとGPUの温度推移
最近のゲームはCPUもGPUも酷使するため、ゲーム開始直後からCPUの温度が一気に上がる。GPUはゲームのメニューが出たあたりから本格的に温度が上昇する。GPUに比べCPUの温度はかなり高めで安定(97℃前後)するが、ギリギリで踏みとどまっている。「ALIENWARE 17」に比べると冷却力はやや弱めだが、吸排気口をふさがない限り問題なく動くと考えてよいだろう。念のため絨毯やソファーの上に直接本機を置いてゲームを遊ぶよりも、堅い机の上で遊ぶことを推奨したい。
まとめ:あらゆる用途に活躍できるハイスペック。液晶の質が特にグッド
以上「ALIENWARE 15 R3」をテストしてきたが、全体のスペックに加え、付加機能のまとめかたが非常に優れている。特にリフレッシュレート120HzのG-SYNC液晶の効果はゲームでは絶大。本機で一度プレイした後に普通の60Hz液晶に戻ると、今までの液晶の性能不足が見えてしまい、心底残念な気持ちになるほどだ。高リフレッシュレート液晶を活かすためにはゲーム側で高fpsを出せるパワーが必要だが、本機はその点でも合格点。中量級ゲーム以上では画質をやや下げる必要はあるものの、それもGeForce® GTX 1070の力があってこその話だ。少々高くても満足のいくゲーミングノートが欲しいなら、この「ALIENWARE 15 R3」は最高の満足感が期待できるマシンになることは間違いない。ゲームだろうと実務だろうと、これを買っておけばあと数年は困ることはないだだろう。
■前編はこちらから
<前編>120Hz G-SYNC液晶を搭載した「ALIENWARE 15 R3」で“宇宙最強”の意味を再確認する
■関連リンク
デル株式会社
http://www.dell.co.jp/
ALIENWARE
http://alienware.jp/
「ALIENWARE 15 R3」のページ
http://www.dell.com/jp/p/alienware-15-laptop/pd
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