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<前編>120Hz G-SYNC液晶を搭載した「ALIENWARE 15 R3」で“宇宙最強”の意味を再確認する
重量級ゲームも軽々と動かせるハイパワーなゲーミングノートPCはゲーマーなら一度は使ってみたいアイテムだ。デザインやスペック、価格などで様々なメーカーが多種多様な製品をリリースしているが、その中でも飛び抜けた存在といえばデルの「ALIENWAREシリーズ」だ。そのALIENWAREシリーズの最新モデルのひとつ、「ALIENWARE 15 R3」をテストする機会に恵まれた。最新ゲームでどの程度使えるのかレビューしてみたい。
前編では、主に「ALIENWAR 15 R3」の持つスペックについて、お伝えしていく。
昨年のTGS 2016で発表された「ALIENWARE 15 R3(プラチナモデル)」。15インチのフルHD液晶を備えた中型ノートだが、ゲーミングノートとしては最強レベルのスペックを備える。直販サイト“ALIENWARE ZONE”では税別230,980円で発売中だ
全方向に隙のない充実のスペック
今回入手した「ALIENWARE 15 R3」のスペックは、CPUにインテル® Core™ i7-6700HQにGeForce® GTX 1070を組み合わせたもの。メモリーはDDR4の16GB、ストレージは512GBのSSD(PCI-Express 3.0 x4接続)に1TBのHDD(7200回転)と、どこをとっても隙のない内容で固めている。特にSSDが512GBと大容量のものを使っている点はゲーマー的には非常に安心。最近は大作ゲーム1本で60GB程度占有するのは決して珍しくない。いろいろなゲームを同時進行的に遊びたい人にとってはとても心強い装備だ。SSDのほかにHDDも内蔵しているので、実況動画などの保存も完璧だ。HWiNFO64で搭載ハードのスペックをチェック。ノート用のCore i7にGTX 1070を筆頭に、妥協なき内容で固められている
だが本機の見所は液晶のスゴさだ。15インチフルHDと数値の上ではありふれた印象があるが、リフレッシュレート120Hz、かつG-SYNCにも対応した高級なパネルが使われている。リフレッシュレーについては当サイトの“FPSで勝率を上げるためのに必要な4つの設定”を参照して頂きたいが、一般的な液晶パネルの2倍の速度で画面が書き換わる。そしてG-SYNCはGPUの描画と画面の書き換わるタイミングを同期させることで、ティアリングや遅延を最小限にするというもの。
どちらもコアゲーマー向け液晶ではお馴染みのものだが、「ALIENWARE 15 R3」ではこれがそのまま搭載されているのだ。もちろん毎秒120フレーム(120fps)表示を行うにはそれなりのパワーが必要だが、「ALIENWARE 15 R3」であれば心配なし。G-SYNC液晶なのでフレームレートが60fpsを割っても普通の液晶よりも見やすいのだ。
ハイスペックノートにしては液晶の解像度は控えめだが、その分リフレッシュレートが120Hzのものを採用。精細さよりも素早い動きを見せられることを優先している。しかもティアリングや描画遅延を完封できるG-SYNC対応なのだ
ハイスペックな分、本体重量は約3.49kgと重いため据え置き前提の設計だが、そのぶん搭載インターフェースも充実している。左右にアクセス頻度の高いUSBやオーディオ入出力を配置し、背面には電源や有線LAN、外部ディスプレイ出力など邪魔になりやすい端子をまとめてある。ちなみにネットワーク機能はゲームの通信に強いとされているRivet Networks製(以前はQualcomm Atheros)のKiller E2400に加え、802.11ac(最大867Mbps)の無線LANであるKiller Wireless-AC 1535も備えている。ゲーム用の帯域と動画配信用の帯域を別にすることもできる(Killer DoubleShot Pro)など、ディープな使いこなしも可能だ。
本体右側にはUSB3.0ポート1基のみ。マウスを右側に置く事を想定し、ケーブルを極力右側に出さないための配慮だろう
一方左側面にはオーディオ入出力等を配置。USB3.0のType-Aポートは充電対応、さらに今後活躍するであろうType-Cポートも備える。背面のType-C端子とは異なり、こちらはUSB3.0としてのみ動作する
背面には有線LANやMini DisplayPortやHDMI出力、デル独自のGPU外付けシステム“Graphics Amplifier”接続ポート等を備える。こちらにもUSB Type-Cポートがあるが、こちらは"Thunderbolt3としても"機能する
天板はこれまでと同様に、エイリアン(グレイ)の顔をあしらった未来的なデザイン。背面両側にある排気口のデザインもなかなかカッコ良い
裏面には大きな吸気用の空間があり、GPUとCPUの熱はここから2機のブロワーファンで吸い込んだ空気で冷却し、背面の排気口から排出するデザインだ
どのアプリの通信を優先して通すかを確認できるKiller LAN専用の設定ツール。ゲームと配信アプリを同時に起動しても、ネットワーク帯域を奪い合わないように自動的に設定する(たたしKiller DoubleShot Proの有効化が必要)など、かなり高度な設定も可能
ハイスペックな本機の電力消費をまかなうため、ACアダプタの出力は約240Wとかなり大型。G-SYNC液晶を搭載した本機の場合、消費電力を抑えるために内蔵GPUに切り替えることはできないため、内蔵バッテリの駆動時間はあまり期待できない。遊ぶゲームにもよるが、バッテリ持続時間は1時間程度だ
また、本機はWindows Hello対応のRealtek製のWebカメラを搭載しており、カメラに顔を晒すだけでWindowsのログオンができる。さらにこのカメラはTobii社のアイトラッキング技術を利用し、ユーザ不在を検知すると積極的に省電力モードにする機能がある。本機の前に一定時間人がいない、もしくは人がいてもディスプレイを注視していないと判断すると画面を暗くしたり、本機をスリープさせるというものだ。
ただこの機能、ゲームのダウンロードや何らかの処理を待つために離席すると勝手にスリープしてしまう困った側面も持っている。Windows側の省電力設定よりも優先して機能するため、長時間放置する場合はEyeX Liteの省エネ機能も忘れずに無効にしておくことをオススメする。
液晶上部にあるWebカメラ。単にユーザが前に座っているだけでなく、画面を注視している(眼球の存在を認識しているようだ)かどうかも判断する。人の存在を探している時に赤く点滅する
タスクトレイのアイコン(図中丸印)をクリックするとアイトラッキング機能の設定が行える。「ゲームとアプリ」とあるが、アイトラッキングユニットが組み込まれていない「ALIENWARE 15 R3」では無意味。下の点2つはユーザの眼球を認識した時に点灯する
アイトラッキング機能を利用して、ユーザ不在の時に画面を暗くしたりスリープに入るための設定。ゲームを導入したり長時間処理をさせる場合は、前もってここでスリープに入るまでの時間を「オフ」にしておこう
ゴージャスな発光機能は健在
ALIENWAREシリーズの魅力は本体を包むハデな発光機能と極上のキーボード&サウンドだ。今ではいろいろなメーカーがこの機能を後追いしているが、やはりALIENWAREの洗練度を見てしまうと見劣りしてしまう。発光する部位はキーボード(マクロキーを含めれば4分割)、タッチパッドにエイリアンのエンブレムやボディー側面のライン等があるが、各々に自分の好きな色を設定できる。ゲームの勝敗に全く関係ない機能ではあるが、ゲームの時はハデに光らせて気分を盛り上げておきたいもの。アプリと発光パターンは連動できるので、真面目な作業の時は全て消しておくことも可能だ。キーボードバックライトで暗い部屋でもキーのポジションを即座に確認できる。左端1列のキー6つは後述するマクロ専用キーだ
本体と液晶の側面にもライン状に発光機能。さらにパッド部分は操作時のみボワッと光る機能が組み込まれている
発光のさせ方で雰囲気もガラリと変わる。ゲームのテンションを上げるためにも効果的かも?
発光機能を管理する「AlienFX」。発光できる部位やアプリごとに細かく発光色やパターンを設定できる
本機のキーボードの左端にある5つのキーには「Alienware TactX」で様々なマクロを記録でき、一番左上のキーを押すことでマクロの入れ替え(3パターン)にも対応する。ホームポジションから指を離して押す必要があるので、忙しく操作するタイプのゲームでは使いにくい欠点は否定できない。むしろ指定したアプリを起動したり、よく使うショートカットを登録するなど、ゲーム以外の用途での使い勝手の方がよいと感じる。
1〜5までのマクロキーにそれぞれ好きなマクロやショートカットを登録でき、一番上のXボタンでマクロのセットを入れ替える。使用中のマクロセットと発光色が連動するので、今どういう機能なのかが把握しやすい
ゲームでマクロキーを使うなら、複数のキー入力で発動するクイックチャット等を登録するのがオススメ。使用時はWASDキーから指が離れる(移動できない)ので、使いどころは限られてくる
そしてALIENWAREノートを語る上でもうひとつ避けられないのはサウンド機能。小さな空間にスピーカーを押し込んでいるために、純粋な音としては薄め(重厚さに欠ける)なのは仕方がないが、ボリュームを大きくしなくてもゲームの音が“しっかり把握できる”ようになっている。ゲーム中はファンがしっかり回転するため、それなりにファンノイズは発生するが、そんな中でもゲーム中の会話や爆発音がハッキリとしたエッジを伴って出てくる。Nahimicのサウンドプロセシング技術を使った本機のサウンドは一聴の価値ありだ。
サウンドシステムはA-Volute社の3Dサウンド技術「Nahimic2」をほぼそのまま採用している。ただゲームサウンドを流すだけでなく、バーチャルサラウンド化して出力することで立体感のある音場を演出できるのだ
実況動画を流す人にとても便利なサウンドエフェクト機能も搭載。ホットキーを割り当てておけば、それを押すと任意の効果音がなるというもの。前述のマクロキーを合わせて使うと面白そうだ
マイクで拾った音声のノイズを抑えたり、声調を変えたりする機能は、オンラインでボイスチャットを多用するゲーマーには嬉しい機能だ
面白い機能として、ゲーム中に音のした方向を画面上に強制的に表示するかなりチートに近い機能も利用できる。音だけで判断する神プレイヤーの挙動に少しでも近づけるかもしれない?
いかがだっただろうか。後編ではさらに「ALIENWAR 15 R3」の性能の検証をしていく。多くの人が気になるであろう、「3DMark」や「VRMark」のスコアを比較していく。
■後編はこちらから
<後編>120Hz G-SYNC液晶を搭載した「ALIENWARE 15 R3」で“宇宙最強”の意味を再確認する
■関連リンク
デル株式会社
http://www.dell.co.jp/
ALIENWARE
http://alienware.jp/
「ALIENWARE 15 R3」のページ
http://www.dell.com/jp/p/alienware-15-laptop/pd
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