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【懐ゲー企画】『ランブルローズ』プロレスもセクシーも全力で — 連載:2001年 ゲームの旅—
1990年〜2000年代の名作ゲームを紹介するこのコーナー。ソニー・コンピュータエンタテインメント(現ソニー・インタラクティブエンタテインメント)、セガ(現セガゲームス)、任天堂の3社がしのぎを削る“次世代ハード戦争”の渦中にあったこの時期には、さまざまな名作が生まれてきた。今回は、あの大物クリエイターが無名時代に手掛けた、PlayStation 2の隠れた名作をお届けする。
世界規模の女子プロレス大会“ランブルローズ”を舞台に、10人(+α)のレスラーによる組んずほぐれつのリアルファイトを楽しみつつ、キャラクターごとに用意されたストーリーや、“泥レス”のモードやエッチな演出も味わえるというもの。
セクシー系と言ってしまうと、エッチな描写に全精力が注がれてしまったゆえに操作性などゲームの荒さが目立つ……というパターンが想像されてしまいがちだが、本作は“魅せること”を重視した攻防やアピール、フォールをめぐる細かいシステムなど、随所に“プロレスっぽさ”が盛り込まれた、ガチなプロレスゲームなのである。
おもなモードは4つ。
・エキシビジョン:1戦のみの対決を行う。2P対戦や、コンピューター同士の対戦も可能。“泥レス”で戦う“MAD MUD MATCH”やタイトルマッチもここで行える
・ストーリーモード:試合を勝ち抜きながら、各キャラクターに用意されたストーリーを楽しむモード。裏属性解放により、最大で20人分のストーリーが用意されている
・ギャラリー:エキシビジョンのタイトルマッチでチャンピオンになると解放される。ボタンを押さずに放っておくと、インタビューが始まるという隠し要素も
・チュートリアル:説明付きの動画を見ながら、プレイ方法が学べる
メインとなるのはストーリーモード。決まった相手と戦っていき、ランブルローズの頂点を目指す……という流れになる。とくにストーリー分岐などはないが、試合前後に会話シーンが盛り込まれている。クリアーすると、それぞれの裏属性(デフォルトがベビーならヒールが、ヒールならベビー)が解放され、各モードで選択可能に。
裏属性を解放するなど、ひと通りゲームを楽しんで慣れてきたら、エキシビジョンで泥レスを楽しんだり、タイトルマッチで勝利して該当キャラクターのギャラリーを解放させることが目標となる。ちなみに、タイトル獲得後、防衛戦を行って勝利すると、ギャラリーの舞台が通常のロッカールームだけでなくビーチも選択できるようになるのだ。
ただし、タイトルマッチに挑戦するにはノーマルマッチで属性ポイントを獲得して100%にする必要があるので、タイトルを獲った後に裏属性でも獲ろうと思うと若干苦労する。
そうして苦労の末に解放するギャラリーは、これがなかなかにエロい。当時のポリゴン数でも、中学生くらいなら余裕のデキである。なお、各キャラクターの声は日髙のり子さん、堀江由衣さんを始め、現在も第一線で活躍中の人気声優さんたちが担当しており、インタビューはぜひ聞いておきたいところだ。
プレイアブルキャラクターには、正統派美少女から柔道娘に歌姫、忍者、ナースに女子高生、女教師など、個性溢れるコスプレイヤー……じゃなかった、レスラーたちが揃い、見た目にもじつに楽しい面子となっている。とりあえず全員ディーバ(お色気担当)となり得るセクシーの持ち主なので、そこは安心してほしい(何を?)。
そのため、基本システムからしてしっかりプロレスゲームとして作られており、打撃、掴み(グラップル)、関節技、大技、そしてアピールと、プロレスを構成するあらゆる要素が盛り込まれているのだ。日本の女子プロレスよりは、だいぶアメリカのWWEのほうに近い作りではあるが……。
と言っても、難易度は緩めに設定されているので、「俺は……ただ女の子のセクシーな姿が見たいだけなんじゃ……」という正直な人も、基本さえ押さえておけば何とかなる“優しい”作りなのもうれしい。
一方、本作では体力ゲージ的なものはなく、代わりに頭、体、腕、脚の4つの部位に耐久力が設定されている。各部位の耐久力を減らした状態で必殺技を決めてフォールに持ち込むと3カウントが取りやすくなり、またその部位に関節技を決めるとギブアップさせやすくなる。そのため必殺技ゲージを溜めつつも、特定の部位に集中攻撃(打撃、関節技)を行うのが勝利への近道となるのだ。プロレスっぽい!
また、一部の技を決めると相手の“Hゲージ”が上昇する。これはその名の通り、満タンになるとHな演出が発動する夢のゲージ。ムフフなカットインが挿入され、相手が屈辱(Humilation)状態に。そこで“Hムーブ”と呼ばれる必殺技を発動すると、究極の辱めを相手に与える技で攻撃、致命的なダメージ(精神的にも?)を与えることになる。
それが、泥レス“MAD MUD MATCH”である。
泥をかぶることで露出される肌面積は確実に減っているはずなのに、なぜかエロスは増している。また、基本モノトーンの泥のおかげで、テクスチャに必要なポリゴンも節約できる(光の当たり具合などで左右されるのかもしれないが)、開発側にとっても夢のアイデアと言える。
じつは、これは内田氏の思いつきの産物なのだが、実際は相当な苦労があったらしい(詳しくは公式サイトhttp://www.konami.jp/gs/game/rumbleroses/ps2/staff_1.htmlを参照のこと)。
筆者も、これをプレイするまでは「自分は性癖などない! ノーマルな人間だ!」と思っていたのだが、本作のおかげで「俺は何たる勘違い野郎だったのか……」と気付かされるハメになった。なお、泥レスというのはフェチビデオなどで実際にあるネタである。
売上こそ10万本そこそこに終わったが、後にはXbox 360版も発売され、確実にユーザーの記憶に残るゲームとなったはずの『ランブルローズ』。内田氏がユークスに在籍している今だからこそ、多少形を変えてでも新作を出してほしいと思う。現在のマシンパワー、技術を駆使すれば、きっととんでもないものができるはずだから。
ちなみに、後に『ラブプラス』シリーズで一躍有名となり、現在はマンガ家・イラストレーターとして各方面で活躍中の箕星太朗氏も、グラフィック系のスタッフとして本作には関わっている。メインヒロインの日ノ本零子の裏属性キャラクターである“麗琥”を担当しているとのこと。『ラブプラス』のおかげで“イラストを描く人”として有名になった箕星氏だが、3Dのモデリングや資料用の映像制作などもこなしてきたスゴい人なのである。お義父さん、お義母さんの久々の合体も見てみたいところ。
ゲームアーカイブスでは未発売のため、現在は中古市場などでソフトを探すしかないのだが、機会があればぜひプレイしてみていただきたい。
©2005 Konami Digital Entertainment
■関連リンク
KONAMI
https://www.konami.com/games/jp/ja/
ランブルローズ
http://www.konami.jp/gs/game/rumbleroses/ps2/index.html
某ビーチバレーにも劣らぬセクシー系女子プロレスゲーム!
今回取り上げてみたのは『ランブルローズ』。KONAMIより2005年2月17日に発売されたこの作品は、ジャンルをつけるならば“3Dセクシー系女子プロレスアクション”であろうか。世界規模の女子プロレス大会“ランブルローズ”を舞台に、10人(+α)のレスラーによる組んずほぐれつのリアルファイトを楽しみつつ、キャラクターごとに用意されたストーリーや、“泥レス”のモードやエッチな演出も味わえるというもの。
セクシー系と言ってしまうと、エッチな描写に全精力が注がれてしまったゆえに操作性などゲームの荒さが目立つ……というパターンが想像されてしまいがちだが、本作は“魅せること”を重視した攻防やアピール、フォールをめぐる細かいシステムなど、随所に“プロレスっぽさ”が盛り込まれた、ガチなプロレスゲームなのである。
おもなモードは4つ。
・エキシビジョン:1戦のみの対決を行う。2P対戦や、コンピューター同士の対戦も可能。“泥レス”で戦う“MAD MUD MATCH”やタイトルマッチもここで行える
・ストーリーモード:試合を勝ち抜きながら、各キャラクターに用意されたストーリーを楽しむモード。裏属性解放により、最大で20人分のストーリーが用意されている
・ギャラリー:エキシビジョンのタイトルマッチでチャンピオンになると解放される。ボタンを押さずに放っておくと、インタビューが始まるという隠し要素も
・チュートリアル:説明付きの動画を見ながら、プレイ方法が学べる
メインとなるのはストーリーモード。決まった相手と戦っていき、ランブルローズの頂点を目指す……という流れになる。とくにストーリー分岐などはないが、試合前後に会話シーンが盛り込まれている。クリアーすると、それぞれの裏属性(デフォルトがベビーならヒールが、ヒールならベビー)が解放され、各モードで選択可能に。
▲裏属性のキャラクターは、表属性と見た目だけでなく性格さえもまったく変わってしまっている人物もいる。こちらでもクリアーすれば専用のギャラリーが解放される
裏属性を解放するなど、ひと通りゲームを楽しんで慣れてきたら、エキシビジョンで泥レスを楽しんだり、タイトルマッチで勝利して該当キャラクターのギャラリーを解放させることが目標となる。ちなみに、タイトル獲得後、防衛戦を行って勝利すると、ギャラリーの舞台が通常のロッカールームだけでなくビーチも選択できるようになるのだ。
ただし、タイトルマッチに挑戦するにはノーマルマッチで属性ポイントを獲得して100%にする必要があるので、タイトルを獲った後に裏属性でも獲ろうと思うと若干苦労する。
そうして苦労の末に解放するギャラリーは、これがなかなかにエロい。当時のポリゴン数でも、中学生くらいなら余裕のデキである。なお、各キャラクターの声は日髙のり子さん、堀江由衣さんを始め、現在も第一線で活躍中の人気声優さんたちが担当しており、インタビューはぜひ聞いておきたいところだ。
▲まずはセクシーなアクションを十分に堪能してから、2周目のインタビューを聞くというのもアリだ
プレイアブルキャラクターには、正統派美少女から柔道娘に歌姫、忍者、ナースに女子高生、女教師など、個性溢れるコスプレイヤー……じゃなかった、レスラーたちが揃い、見た目にもじつに楽しい面子となっている。とりあえず全員ディーバ(お色気担当)となり得るセクシーの持ち主なので、そこは安心してほしい(何を?)。
新たな世界を開拓した(いろんな意味で)泥レス
本作を手掛けるのは、内田明理プロデューサーとユークスのタッグである。『ラブプラス』シリーズ、『ときめきメモリアル Girl's Side』シリーズで名を馳せ、現在は『AR PERFORMERS』というプロジェクトで話題を呼んでいる“職人”内田明理氏がプロデューサーとして携わり、開発を『闘魂列伝』シリーズなどいくつものプロレスゲームを手掛けてきた“ガチ勢”ユークスが担当している。そのため、基本システムからしてしっかりプロレスゲームとして作られており、打撃、掴み(グラップル)、関節技、大技、そしてアピールと、プロレスを構成するあらゆる要素が盛り込まれているのだ。日本の女子プロレスよりは、だいぶアメリカのWWEのほうに近い作りではあるが……。
と言っても、難易度は緩めに設定されているので、「俺は……ただ女の子のセクシーな姿が見たいだけなんじゃ……」という正直な人も、基本さえ押さえておけば何とかなる“優しい”作りなのもうれしい。
▲ふつうの技を掛けているはずなのに……なぜこんなことに(笑)試合ではまず、打撃、掴み、ガードの3択(それぞれに優劣がある3すくみの関係になっている)で攻防を行い、それぞれを成功させながら必殺技メーターを上昇させていく。必殺技メーターが溜まると“キラームーブ”や“リーサルムーブ”と呼ばれる必殺技が発動可能になるので、それを使ってからのフォール勝ちをめざすことになる。
一方、本作では体力ゲージ的なものはなく、代わりに頭、体、腕、脚の4つの部位に耐久力が設定されている。各部位の耐久力を減らした状態で必殺技を決めてフォールに持ち込むと3カウントが取りやすくなり、またその部位に関節技を決めるとギブアップさせやすくなる。そのため必殺技ゲージを溜めつつも、特定の部位に集中攻撃(打撃、関節技)を行うのが勝利への近道となるのだ。プロレスっぽい!
また、一部の技を決めると相手の“Hゲージ”が上昇する。これはその名の通り、満タンになるとHな演出が発動する夢のゲージ。ムフフなカットインが挿入され、相手が屈辱(Humilation)状態に。そこで“Hムーブ”と呼ばれる必殺技を発動すると、究極の辱めを相手に与える技で攻撃、致命的なダメージ(精神的にも?)を与えることになる。
▲屈辱状態(H状態)が発動すると、ムーディーなカットインがもちろん、通常の技でもかなりセクシーなものが多い。思わず戦いの中で戦いを忘れそうになるくらいである。さらに、本作のセクシーはそれだけでは終わらない。それまで、誰もが思いつかなかった戦いの舞台が用意されているのだ。
それが、泥レス“MAD MUD MATCH”である。
泥をかぶることで露出される肌面積は確実に減っているはずなのに、なぜかエロスは増している。また、基本モノトーンの泥のおかげで、テクスチャに必要なポリゴンも節約できる(光の当たり具合などで左右されるのかもしれないが)、開発側にとっても夢のアイデアと言える。
じつは、これは内田氏の思いつきの産物なのだが、実際は相当な苦労があったらしい(詳しくは公式サイトhttp://www.konami.jp/gs/game/rumbleroses/ps2/staff_1.htmlを参照のこと)。
筆者も、これをプレイするまでは「自分は性癖などない! ノーマルな人間だ!」と思っていたのだが、本作のおかげで「俺は何たる勘違い野郎だったのか……」と気付かされるハメになった。なお、泥レスというのはフェチビデオなどで実際にあるネタである。
▲せっかくのコスチューム(水着)も隠れてしまっているのに、なぜこんなにエロいのだろう
売上こそ10万本そこそこに終わったが、後にはXbox 360版も発売され、確実にユーザーの記憶に残るゲームとなったはずの『ランブルローズ』。内田氏がユークスに在籍している今だからこそ、多少形を変えてでも新作を出してほしいと思う。現在のマシンパワー、技術を駆使すれば、きっととんでもないものができるはずだから。
ちなみに、後に『ラブプラス』シリーズで一躍有名となり、現在はマンガ家・イラストレーターとして各方面で活躍中の箕星太朗氏も、グラフィック系のスタッフとして本作には関わっている。メインヒロインの日ノ本零子の裏属性キャラクターである“麗琥”を担当しているとのこと。『ラブプラス』のおかげで“イラストを描く人”として有名になった箕星氏だが、3Dのモデリングや資料用の映像制作などもこなしてきたスゴい人なのである。お義父さん、お義母さんの久々の合体も見てみたいところ。
ゲームアーカイブスでは未発売のため、現在は中古市場などでソフトを探すしかないのだが、機会があればぜひプレイしてみていただきたい。
©2005 Konami Digital Entertainment
■関連リンク
KONAMI
https://www.konami.com/games/jp/ja/
ランブルローズ
http://www.konami.jp/gs/game/rumbleroses/ps2/index.html
【コラム】2001年 ゲームの旅
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