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『エースコンバット7』開発者ロングインタビュー(後編)──「Unreal Engine 4」による開発、eスポーツ展開、そして“アンカーヘッド”について

目次
  1. 過去作で培ったノウハウを「Unreal Engine 4」で再現
  2. 「空の色」の出し方に苦労
  3. 機種についていろいろ

PC(Steam)版が2月1日に発売された(PlayStation 4 /Xbox One版は1月17日発売)、バンダイナムコエンターテインメントの最新フライトシューティングゲーム『エースコンバット7 スカイズ・アンノウン(ACE COMBAT 7: SKIES UNKNOWN)』。ALIENWARE ZONEとしては「祝!Steam版発売!」ということで、ブランドディレクター河野一聡氏と、『エースコンバット7』プロデューサーの下元学氏に、発売後のPC版の内容に迫ったインタビューを行った。

コンソール版発売からちょうど1カ月近く経った後の、2月14日に行ったインタビューであるため、ユーザーからの反応や開発時に苦労したことなどが語られた。

後編では、「Unreal Engine 4」で実現したこだわりやeスポーツ展開、コミュニティとの関わりなどについてお届けする。

過去作で培ったノウハウを「Unreal Engine 4」で再現

――ここからは、『エースコンバット7』の中身や技術に関して伺います。今作は「Unreal Engine 4」(以下、UE4)で開発されていますが、従来の「エースエンジン」と比べて開発に違いを感じた部分はどんなところでしたか?

下元氏:今までの「エースエンジン」は歴代シリーズを重ねるごとに改良に改良を重ねてきました。今回はその「秘伝のタレ」の「エースエンジンをUE4上で再現するという取り組みになりました。

『ACE COMBAT 7: SKIES UNKNOWN』プロデューサーの下元学氏

それこそ歴代シリーズを作ってきたベテランスタッフの努力の結晶で、たぶんお客様も機体の挙動に関しては今までのシリーズと違いを感じることなく遊べていると思います。


河野氏:今回はUE4と「trueSKY」というミドルウェアを使っていたので、ルックが固まるのが非常に早かった印象ですね。


一番の違いは、瞬く間に画面が出てくるところです。今までの開発だと、雲なんて最後の最後まで表示されないので、地平線と飛行機だけが表示され、そこにマップのラフのようなものが乗っかり、ゲームを組み込んでいきながら最終的なビジョンが固まるという流れだったのですが、UE4で作ると最初の数週間で建物を筆頭に、山や森がある程度出た状態で見た目が上がってきます。

2015年の映像はUE4上でできていて、ルックが固まると「これが実現するんだ」、「これで遊べるようにするんだ」というパワーが開発に作用するので、「どこを向いているかわからない」という試行錯誤がなかったのです。

PS4「エースコンバット 7」PSX出展用トレーラー

昔の開発は「絵をどこまでキレイにすべきなのか?」や「今回求められているビジュアルはどういうものなのか?」といった試行錯誤の時間が結構長かったのですが、早い段階で「『エースコンバット7』ってこうなるのね」というイメージをチーム全体で共有できたというのが、UE4の特徴でしたね。

「空の色」の出し方に苦労

下元氏:空の色づけには苦労されていましたよね。今回太陽の位置と大気中の光の減衰に加え、光の拡散率、そして雲の位置関係で空の表情が変わります。アートディレクターの菅野昌人さんと河野の2人によってこのシリーズの空は決まるのですが、最終的な空を決めるのも大変でしたね。


河野氏:昔は、太陽側は赤、反対側は青で、それらの色の数字をダイレクトに入力すれば望色になったのですが、今回はそれを表現するには太陽の位置を変え、拡散率を変え、太陽光をどれくらい受けているのか? という数値を変えて行った結果、(空の色が)赤や青になるという作りなので「この青を出すためには、何をいじればいいのか?」という苦しみがありましたね。

――開発が考える空の色にするためには、膨大な微調整が必要だったんですね。

河野氏:『エースコンバット』は空のゲームなので、空に対する目標地点が高く、それは最終的には感性の話なんです。

下元氏:ネット上にある気に入った雲の写真とかを河野が持ってくるんですよ。「この空の色」と写真を出して、皆で「この空の色はどういう気象条件でなるんだろう?」「金色に雲の縁が輝く」ってどうすればいいんだとか。


河野氏:例えば、今までの『エースコンバット』の夜景ステージは、それこそ暗い建物や地面を作り、空の色も暗くして夜景に見えるようにつくっています。

ただ、今回の夜景ステージは、夜でも作る上で太陽が必要なんです。ちゃんと太陽がリアルに地球の反対側に置いてあるので、その太陽の光と太陽から受けた月の光が建物に反射することでエッジが強調される。昔みたいな絵作りの考え方とは違います。

高度によっても色が変わっていますので、そういう面では作り方は今回で変わったなと。

下元氏:ミッション18「王無き国」の雲はとてもこだわりました。ピンク色と金色に輝くように。


――ミハイが登場するミッションですよね。

河野氏:ここは菅野とは大喧嘩でしたね。

――具体的にどんなことが起きたんですか?

河野氏:(パラメーターを)ひゅっと下げたら金色の雲が出てきて「えっ!? できるじゃん、なんでこれ入っていないの?」と。

それで、1日中アートディレクターの隣に僕が座って「そのパラメーター、ちょっといじってみて」、「大気中のフォグをちょっと濃くしてみて」、「反対側がこの色にならないの?」、「じゃあいったん大胆に太陽をここまで動かしますか」、「空気中の散乱率変えますね、どーん」というのをイチから全部一緒にやった日があったんです。

下元氏:もう少し詳しく解説すると、菅野さんと河野さんの想い描く空の色が違うために、開発途中の空の色が右往左往してしまうんです。「2人で決着をつけてください!」と私の方で日時を設定しました。雲についてこのふたりで協議し合う日を「空の日」と呼んでいます。この日は歴代スタッフたちがそこにいたくないんですよ。巻き込まれるのを知っているから(笑)。だから、周りのスタッフたちも何かと理由を付けては席を離れていました(笑)。

その2人ですべてを決めた結果、他の開発スタッフたちの都合をそっちのけで空が上書きされたので、夜間ミッションでは作ったカットシーンが全部真っ黒になり、雲の多いミッションではその位置が変わったためにカットシーンカメラと機体の間に雲が入り込んで何も見えなくなったりと……。あらゆるカットシーンを作り直す結果に……。


――夜景といえばミッション16のアンカーヘッドですが、多くのユーザーの間で「横浜っぽい」と話題になっていました。似ているのには何か理由があるのでしょうか?

下元氏:当時(ナムコ開発チームの所在地が)横浜だったからですか?

河野氏:そうでしょう。あと手近だからですね(笑)。真面目な話をすると、『エースコンバット2』のアンカーヘッドを作ったのは菅野なので、当時から菅野の中のイメージがそうだったのだと思います。(初代PS時代では)「マップパーツ」と呼ばれる正方形が何種類か決まっていてそのパーツの組み合わせで作るから、横浜を再現しようにも全然パーツが足りないわけです。当時はそれでアンカーヘッドが出来ていました。『エースコンバット2』レベルの作り方だと、横浜を再現することができなかったんです。


今作は当然ながら夜景も、ストーリー上も必要だし、菅野にも「『エースコンバット2』の夜景を超えるようなものを作ってほしい」とオーダーを出したためです。そこからは彼にお任せですね。

やっぱりアートディレクターの力は圧倒的で、彼がデザインして出してくるものは僕らの想像を超えてくるので。彼の中で横浜をモチーフに選んでいるということは、そういうことなのでしょう。

――なるほど、納得しました。また発売直後から国内外問わずユーザー間で『エースコンバット7』のマルチプレイ大会が開かれましたが、それについてはどう思われますか?

下元氏:とてもうれしいですね! 海外はファンコミュニティがしっかりあって、大会に関しては結構情報が入ってくるのですが、日本はネット上の情報を僕らが追い続けないとどうしても気づけないので、そういったところもキャッチアップできたらと思っています。それこそ、開発ベストチームで挑みたいじゃないですか!

河野氏:非常にありがたいことですよね。アメリカのファンコミュニティから「大会をしたい」と僕のところに連絡があって、コミュニティマネージャーを紹介してやりとりしてもらって、ダブルエリミネーションで大会を開くみたいです。そこまで行くとは思っていませんでした。


下元氏:「こういうルールでやりたい」と提案してもらってコミュニケーションを取っているので、もちろん遊び方はお客様の自由なのでいろいろなルールで遊んでいただいてかまわないのですが、何か1つ統一ルールみたいのができると、お客様も「そのフォーマットで1位を目指そう!」といった流れがつくれるなと。

大会ではありませんが、ネット上でよくあるタイムアタックとか、そういうものを通じてお客様と開発チームの距離を縮めたいと思っていて、密かにお客様が考えたタイムアタック競技とかは開発チームで記録を作っているので、出すべきかどうか悩んでいます。手前味噌ですがうちのエースパイロットたちは強いですよ!

河野氏:ヒエラルキーで言えばファンが一番上なので、ファンコミュニティ発祥で、彼らがやりたいことを楽しんでくださることが一番正しいと思うんです。それに対して開発だったり僕らパブリッシャーが「こうしてください」と押しつけるのではなく、ファンが楽しんでやっていることを何か僕らがサポートできないかと考えた方がいいのかなと、今は思っています。

――以前のシリーズから考えてもこれだけネットの中で拡散されるというのは『7』が初めてですか?

下元氏:時代的には『インフィニティ』もそうだったと思いますが、『7』はPS4のShare機能の影響が大きいですね。


河野氏:1ボタンで世界に発信できるというのは、手間が違いますから。

下元氏:最近はPCも、グラフィックボード自体にそういう機能が搭載されていますからね。サッと撮れるし。

河野氏:見たら「僕も、僕も」となりますし、いい時代だと思います。

――なるほど。ところで『エースコンバット7』の公式大会やeスポーツ的な分野に関してはどうでしょうか?

河野氏:1月18日にテキサスの「PAX South」というイベントに行ってきたのですが、そこでアメリカ空軍バックアップで対戦イベントがあって、インフルエンサー4人 vs 現役米空軍パイロット4人で実際に対戦し、全試合空軍チームの勝ちでした。

1画面の中でプレイヤーをスイッチングしながらどういう状況かを解説してくれたのですが、やっぱりeスポーツ化していく上での見せ方というのはこれから考えなきゃなと。

特に『エースコンバット』ってわかりにくいので、「誰が誰を狙っている」、「どこから撃たれてやられた」とか、格闘ゲームなら1画面内で戦っている2人が見えますが、じゃあ「観客に対して『エースコンバット』の対戦の面白さをどう魅せるのか?」とゲーム作りとは別の視点で、これは下元の課題ですね。

――何か参考にされているタイトルはあるのですか?

下元氏:ゲーム的な参考はないですが、パイロットの方々に空戦における駆け引きとかはヒアリングさせていただいてます。「何をもって、どういう心理で駆け引きが生まれている」のか、本物の空戦での駆け引きとゲーム上で一致している駆け引きはどこなのか?……そういったところで、見せ方に持っていけないかと。

河野氏:ショーアップしていくことは考えなければと思っています。最近深夜のTV番組でもeスポーツが盛んになっていて、たまにみるんですが変わってきていて。

僕も昨年、自社のゲームとして『鉄拳』と『ソウルキャリバー』があるので「EVO」には視察に行っていたんです。やっぱり『鉄拳』はわかりやすいですね。体力ゲージがギリギリ同士で、どちらかが「あと1発」の状態でドラマが展開されたり、そこから全部ガードで防いで大逆転したとなると、会場がワーッと揺るぎますし。

そういうことがあってか、最近だとTV番組とかではゲージの体力が一般的な層のためにスコアになっていたりするのを見ました。わざわざ上からテロップをかけて、100をMAXとして、技が当たるとどんどん点数が減り、10 vs 90の状況をゲージではなくあえて点数化する。そうやっていかにお客様に状況を伝えるかを各メディアが工夫し始めていました。


『エースコンバット7』の対戦も、もちろんゲーム内には不足のないようにグラフ化されていて、どちらのチームがどれくらい勝っているかがわかるようになっていますが、ゲームをプレイしていない大多数のお客様からそれが見えるのかと言うと、「現在何位で、どちらのチームがどれくらい勝っているのか」というのはショーアップ表示する必要があるだろうと思います。プレイヤーと観客では知りたい情報も視点も違ってくるのだと思います。

これから『エースコンバット』が対戦として成立するためには、ゲーム内の駆け引きプラス、どうやってショーアップして見ている人がどれだけ楽しめるようになるのか、というのが課題として捉えている状況ですね。

――eスポーツ業界からの要望とかはあります?

下元氏:直接的にはあまりないですね。

河野氏:海外のコミュニティだけだよね。

下元氏:『エースコンバット』で一番ユーザーさんから望まれている部分は、キャンペーンを通した「エースパイロット体験」なので、そこを間違えちゃいけないと思っています。

ただマルチプレイとしては、これからの時代はそういった方向性は大事だなと思います。

昔からRTSやMOBAのゲームが大好きなので、eスポーツ系の流れはずいぶん前から追っていました。いつの日か自分も何かそういったものをやりたいなという想いはあり、温めていたものを実現すべく一生懸命考えているところです。

――ちなみに下元さんはRTSは何をやられていたんですか?

下元氏:沢山遊んだのは『Age Of Empires』シリーズです。eSportsを意識したのはBlizzardの『StarCraft』でした。初代『StarCraft』と『StarCraft 2』も長く遊んでいましたし、MOBAは『Dota 2』と『リーグ・オブ・レジェンド』、大好きなのは『Heroes of the Storm』ですね。

――コアなタイトルですね。最近の『LoL』からではなく過去作もちゃんと知っていらっしゃる方がいると聞くと期待が持てます!

下元氏:期待はたいへん嬉しいのですが大変だなと(笑)。やっぱり見せ方を……考えていかないといけないですね。

河野氏:可能性は色々と秘めているタイトルだし、「eスポーツの飛行機ゲーム」と言ってもメジャーなものは何もない。フライトジャンルは結果的に寡占しているから、自分たちで切り開かないと誰も切り開いてくれるわけではないですから。

――それは楽しみですね!

下元氏:頑張ります。スグにはできるものではないですが、まず目の前にものに着手しながらも、ゆくゆくはという想いだけは強いです。

「ACE COMBAT(TM) 7: SKIES UNKNOWN」シーズンパス ティザートレーラー

――楽しみにしています! そういった流れで『エースコンバット』のファンミーティングについてはどうでしょうか?

河野氏:ファンミーティングは、『ソウルキャリバー』のプロデューサーの大久保元博が日本のEVOでやったみたいなので、その行く末を見てからでもいいかなと(笑)。応援してくれるファンありきの施策で動いている軸はもうあるので、ゆくゆくはファンミーティングがあれば良いなと思っています。

――確かに『7』は発売後も熱量がすごいですね。Twitterでも未だにスクリーンショットが投稿されていますし。

河野氏:本当にありがたいことだなと思います。毎日『エースコンバット7』で検索していますが、やっぱり話題にされていますからね。僕は今地獄のようにTwitterをやっていて、いつやめたらいいのかと(笑)。

――ちゃんと見ていることを伝えるだけでも、ユーザー側からも反応がありますしね。

下元氏:河野と私は見ちゃいますね。気になってしょうがない(笑)。

河野氏:めちゃ見ています。リツイートして謝られることもあります。「まさか見られているとは!」みたいな(笑)。

下元氏:通勤時間が長いのでずっとTwitterを見ていますが、それでも見切れない時とかありますね。


河野氏:昨日の夜もずっとファンの皆様とやりとりしていて、いつまで経っても終わらないから「お風呂に入って寝るから邪魔しないでね」と宣言しました(笑)。こうやって僕たちがファンの近くにいるというのは昔と変わったところですね。昔みたいに一方的に企業側が商品として発信するメッセージってそんなに刺さらないんです。「対話」によって共感を呼ばないとダメというか。

結局『エースコンバット』ブランドの場合、僕個人という意味ではなく「ファンと人と人としてのお付き合いをしていないとダメなんじゃないか」と考えているんです。「実はこうなんだよ」とか「僕もこう思っていた」というふうに、「中の人」も人として振る舞ってファンと接することで、より『エースコンバット』を好きになってくれたりすると思っています。

Twitterに返信することが合っているのかどうかはわからないですが、ファンと一番近い距離に居られるのはTwitterだと思うので、その辺を大事に考え始めたという点は、『7』から変わったことですね。

機種についていろいろ

――そんなやりとりの変化が起きたのですね。少し登場する戦闘機についてお聞きしたいのですが、『7』ではよりハイクオリティになっていますが、今作の制作にはどれほど時間がかかったのでしょうか?

河野氏:本当の詳細部分のことは担当外ですが、前よりも相当かかっているはずです。具体的な数字を今は出せないですが、脚回り(着陸装置)のモーションで死にかけていたという話は聞きました。複雑な動きをするし、相当こだわって作っているみたいで。

下元氏:お客様もそのこだわりに気付いてくれて、お褒めの言葉をいただいたりとか。


河野氏:リプレイ機能を入れて良かったよね。

下元氏:絶対!! 必要!!!」と言ってよかったですね。一回なくなる話がありましたし。


――リプレイでとてもキレイなスクリーンショットを撮れるのは本当に素晴らしいです。

下元氏:Twitterの#エースコンバット7写真部の皆様のご投稿は本当にうれしくて。

河野氏:たまに実写みたいなものも上がっていますよね。やっぱり戦闘機のゲームなので、戦闘機がハイクオリティで正しくきちんと出来ていなければいけません。

――その戦闘機の話になりますが、『7』では実在機が29機種収録されていますが、収録機体の選定はいつ頃決めているのでしょうか?

河野氏:ナンバリングタイトルだから30機種近くないと成立しないだろう」ということで、収録数のラインは最初に決まりましたね。その30機種の中で、西側/東側を含めて人気がある機体を順に入れています。「どの機体まで収録できるのか?」と悩むことはありましたけど。

下元氏:比較的早い段階で決まりますよね。開発前半だと思います。そこから実際に本当の戦闘機メーカーとの話し合いが始まりますので。確定するのは遅いですが、希望としては早い段階で決まりますね。

――オリジナル機体については「X-02」が新たに「ストライクワイバーン」として出てきたことに驚きました。


河野氏:僕もびっくりしましたね。複座になりましたし。ワイバーンは人気のある機体なので出そうという話になっていて、ミハイが実験部隊で乗ってくる機体というところで、隠し玉だったから映像に入れられなくて苦労しました。ずっとSu-30をフィーチャーしていましたね。

――それにミハイが乗ってくるというのも驚きでした。

河野氏:演出も含めて象徴的にやりたかったというのもあり、ミハイ自体は複座機に乗って後ろにデータを取得する機器を積んでいるという設定だったので。前のワイバーンは単座でしたが、複座のワイバーンが必要になったのでデザインを起こして、とやっていたみたいです。

下元氏:「丸い子」が後ろに……。

河野氏:名称のない「丸い子」。結局最後まで名称がわからない……。菅野が相当こだわっていて、「後ろでデータを録っているからキャノピーの色がこれじゃマズい」と言っていましたね。


それこそ夜景ステージであるアンカーヘッドには、いろいろな種類の看板がありますが、それがあったことも知らなくて。どこまで何を考えて、どういうものを入れてあるのかというのは、それぞれの頭の中にあるので、僕らも全部網羅はできていないですね。

――そろそろお時間というところで、最後に、初めてナンバリングタイトルの『エースコンバット7』とストレンジリアル世界に触れたPCゲーマーに向けて、メッセージをお願いします。

下元氏:ナンバリングタイトルとして、初めてPC環境でリリースできましたので、今まで『エースコンバット』という名前は知っていても、まだ手に取ったことのないPCユーザーの方にはぜひ触っていただきたいなと思います。

過去に『エースコンバット アサルトホライゾン』で触れていただいているお客様もまた、ナンバリングとして違う形で進化をしている『エースコンバット』なので、この機会にプレイしていただきたいですね。

特に、PC版はお客様の環境に合わせて最大で4K解像度と、内部解像度は8K解像度まで対応していますので、なるべくいいディスプレイとグラフィック環境を整えて楽しんでいただければと思います!


河野氏:PCへの対応はひとつの挑戦だったので、発売された約半月でいろいろ今考えるべきことがあるなというのが一番正直なところです。先日も開発へ行った時に、描画率は100のままながら、4Kモニター+60fpsで動いている状態を遊んでみましたが、PCならではの『エースコンバット7』の新たな楽しまれ方だなと思っていて、素直に私たち側も楽しんでいます。コンソールとはひと味違う楽しまれ方をしていてうれしく思います。

――長時間、ありがとうございました。

※ ※ ※

以上が『エースコンバット7』の河野BDと下元Pへ後編でのインタビュー内容だ。

前後編を合わせるとかなりの分量だが、本作の本編に関わる内容がこと細かに語られているので、興味があるユーザーはぜひともお読みいただきたい。

『エースコンバット7』は、今後シーズンパス(オリジナル機体3機、新規ミッション3つ)の配信が初夏から予定されている。今後も話題には事欠かなさそうだ。

「3本線」が背中に入ったジャケットを着る河野氏と下元氏

Alpha industriesとの接触が報告されたため、「3本線」ジャケットの商品化にも期待したい
出典:河野一聡Twitter(https://twitter.com/kazutoki/status/1090846854009372673

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