Steamでゲームを購入する方法はオンライン決済がほとんどで、ダウンロード販売となっている。そのため、パッケージ販売されているゲームを中古として買い取ってもらうようなことはできないし、そもそも一度購入したゲームは返品や返金ができないと思われがちだ。

しかし、運営元のValveは、ユーザーのさまざまな事情に合わせて、理由を問わずにほとんどすべてのゲームの返品・返金を受け付けている。

今回は、Steamで返品・返金する方法について簡単にまとめてみた。いざという時にしか使うことはないだろうが、返品・返金可能なケースやルールを覚えておこう。

Steamのゲームを返品・返金可能な条件

Steamで返品・返金を行うためには、大原則として以下の2つの条件を満たしている必要がある。


プレイ時間はあくまでSteam側に記録された時間であり、ゲームの起動から終了までのすべてを含む。体感でのプレイではなく厳密に計測されているので言い訳もできない。

支払い方法としては、以下のものはそのまま返金対応が可能とされている。後述するように、各種ウェブマネーや銀行振込などの場合は、Steam内だけで利用可能な専用マネー「Steamウォレット」に返金される。必ずしも現金で戻してくれるわけではないので注意しよう。

• PayPal
• Visa
• MasterCard
• JCB
• クレジットカード（国内利用）
• LINE Pay
• Merpay
• PayPay
• au PAY

返品の手続きが完了すると、対象のゲームはプレイできなくなる。支払った金額については、クレジットカードであれば取消手続きが、銀行振込などの場合は後日返金対応となる。多少タイムラグが発生することも覚えておこう。

Steamゲームの具体的な返品・返金手順

具体的な返品・返金の手順を順を追ってご紹介しよう。

1. Steam公式サイトの「Steamサポート」に移動し、「購入」ボタンを押す
https://help.steampowered.com/ja/


2. 次のページ下部に購入済みゲームが日付順に並ぶので、返品したいゲームを選ぶ


3. 選択したゲームに対するリクエストを聞かれるので、「返品を希望します」を選ぶ。請求の問題やゲーム自体の問題の報告などもここから行える


4. ゲームに関する情報が表示される。「プレイ時間」「購入日時」もここで表示されるので、返品・返金条件に合致しているかはここでわかる。「返品をリクエストしたい」を選択


5. 返金の方法を選択する。クレジットカード払いの場合、Steamウォレットに戻す方法と、クレジット会社側に購入を取り消す方法がある


6. 返金方法を選択したら、返品理由も伝えよう。単純に「面白くない」というものから、「クラッシュが多発する」といったものまでさまざまだ。


7. 返金方法・返品理由を選んだら、「リクエストを提出」ボタンを押す。返品・返金が承認されるとメールなどで連絡が届く

Steamゲームを返品・返金可能な特例

上記の条件だけではわかりにくい返品・返金の例を挙げてみよう。

・予約購入したゲームは？
予約購入により、発売日前に支払いが完了しているゲームなどは、リリース前であればそのまま返金可能。また、リリース日以降でも上記の2条件を満たしていれば返品は受け付けてもらえる。

・Steamウォレットクレジット
銀行口座やクレジットカードなどから、Steam上にチャージされた「Steamウォレットクレジット」については、追加分がまったく使用されていなければ返金可能だ。

・サブスクリプション
月額や年額として請求される「サブスクリプション」についても、初回購入もしくは自動更新から48時間未満／プレイ時間2時間未満であれば返品・返金の対象となる。

ただ、サブスクは「返金」というよりは「更新停止」を行うのが基本。支払い請求の周期をしっかり確認しておこう。

・Steamギフト
友人などへのSteamゲームの「ギフト」に関しては、受取人側でも贈り主側でもどちらからでも返品は可能だ。

贈ったはいいものの、相手のPCが動作環境を満たしていなかったとか、贈るゲームを間違えたといった場合にも上記の条件以内であれば返品できる。なお、受取側が返品した際には、当然ながら贈り主側に返金される。

・返金が「Steamウォレット」になるもの
主に現金での支払い方法を取っているものについては、返金とは言っても、Steamアカウントにチャージ金額として返金される。そのため、実際にはSteam上でしか使えないかたちでの返金だ。

日本では、以下の支払い方法がSteamウォレット返金となる。

• コンビニ
• 銀行振込 (日本)
• ペイジー
• WebMoney
• Steamプリペイドカード
• nanacoギフト
• キオスク

返品・返金が受け付けてもらえないゲームコンテンツ

一般的には、返品・返金とはやむをえない事情に対してショップ側が対応してくれるケースを指す。当然のことながら、それが受け付けてもらえないケースも存在する。

・サードパーティーのCDキー
Steamのゲームは、Steam上で金額を支払うだけでなく、サードパーティーが販売している「Steamキー」を有効化することで購入できる場合もある。バンダイナムコが運営する「ASOBI STORE」でのSteamキーなどがそれだ。

このCDキーについては、購入先が各キー販売会社側となるため、それぞれのサービス側での対応となる。購入する際には気をつけよう。

・動画コンテンツ
Steamで有料配信されている映画やチュートリアルなどについては、2時間という制約の中でほとんど中身を見られてしまうこともあり、返品は不可となっている。

・一部のDLC
例えば、MMORPGで一定レベルまで自動的にアップさせるようなDLCなど、一度使用すると元に戻せないようなコンテンツについても、当然返品は不可だ。

・バンドル製品
複数のゲームタイトルをセットとしてバンドルしたような商品の場合、それらのバンドル内での合計プレイ時間で計算され、1本ずつ2時間未満とはならない。また、バンドルの中に返品できないゲーム／DLCなどが含まれている場合もあるので注意。

返品・返金ができない条件

ほとんどのケースで返品・返金は認められるが、一部の商品に関しては、返品が受け付けてもらえないケースもある。

原則として、元の商品が「消費」「変形」「譲渡」などされた場合は、コンテンツが「使用された」と見なされると覚えておけばいい。口をつけてしまった食べ物が返品できないのと同様だ。

具体的なケースをご紹介しよう。

・あまりにも返品・返金が多いユーザー
ちょっと賢い人なら、「それなら2週間以内に2時間でクリアしちゃえばタダで遊べるじゃん」と考えるかもしれない。

ただ、返金システムは体験版のようにお試しプレイするためのものではない。返品・返金の手続きの方が手間がかかってしまうためだろう。そのような使い方はValveから「濫用」と見なされ、今後返品リクエストに応じてもらえなくなる可能性もある。だからこそ、「体験版」や「デモ版」などを用意しているゲームも多数あるわけだ。

その他、返金対応ができない場合には、決済直前に必ずその旨の通知が表示される。返金に対応してくれるからといってやみくもに購入したりせず、支払い前にしっかり確認しておこう。

返品はユーザーの権利というわけではない。決して悪用しないように気をつけよう。

返金・返品できるコンテンツ

返品・返金が可能なSteamコンテンツは、以下のような商品だ。

・ゲーム本体を含むダウンロードコンテンツ

・セール直前で購入したゲーム
意外に思えるが、セールを行うという情報に気づかず、その直前に購入してしまったようなケースでは、事情を説明することでいったん返金後、セール価格で購入することも可能だ。ケースバイケースにはなるが、一度相談してみよう。

まとめ：返品・返金のルールを理解しよう

以上、Steamの返品・返金ルールをご紹介してきたが、単純に一般的なゲームショップに当てはめてみるとわかりやすい。


ただし、リアルショップよりも親切なのは、「2時間まではプレイしていてもOK」ということだ。ダウンロードソフトには封自体なく、中古市場も存在しない。そのため、リアルな商品と比べてやや緩やかなルールになっている。

だからといって「濫用」していいわけではない。原則として、自分が求めているゲーム体験が得られなかった作品や、完全にタイトルなどから間違えて購入してしまった作品、ハードウェア的にプレイすることが厳しかった作品を購入してしまった時のための救済策だ。

月に数十〜数百本ものゲームが誕生している Steam。返品・返金というルールをしっかり把握して、新しいゲーム体験を楽しもう。


Steam返金
https://store.steampowered.com/steam_refunds/?l=japanese
Steam返金 支払い方法リスト
https://store.steampowered.com/steam_refunds_methods