『オーバーウォッチ』のキャラクター「アナ」についての解説、第2回目をお届けします。第1回目では武器について紹介し、また“こういう場面ではこういうことが有効なんだ、という引き出しを増やしたうえでプレイ中にそれを使っていくこと”が重要だと書きました。
第2回では、アナの持つスキルを具体的にどういう場面で使うと有効なのか書いていきたいと思います。

戦況をひっくり返すインパクトを持つ「バイオティック・グレネード」

スキル名：バイオティック・グレネード
・ダメージ:60、回復:100
・範囲:半径4メートル(着弾地点からトレーニングボット2.5体分くらい)
・効果:4秒間敵の回復を阻害し、全ての回復効果を1.5倍にする
・CD:10秒
様々な使い方ができる非常に優秀なスキルです。放射状に飛んでいくため多少の慣れが必要ですが、使いこなすことで戦況をひっくり返すインパクトを持ちます。

1．攻撃的な使い方
（1）味方のアルティメットに合わせて
味方のザリアやラインハルト等のアルティメットに合わせてグレネードを使用します。ザリアのグラビトン・サージで巻き込んだ複数の敵に当てることができれば、その集団戦の勝利にぐっと近づきます。CDが長いので、該当のアルティメットが溜まっている状態では使用をできるだけ控えましょう。

（2）チョークポイントを抜ける敵集団に壁・天井等を利用して
オーバーウォッチのマップの多くには、チョークポイントという狭く通り抜けにリスクが発生する地形があります。こちらが守備の際に攻撃側がラインハルトを含めた地上戦特化の構成にしている場合、相手は基本的にはラインハルトの盾の後ろに隠れながら通り抜けることになります。グレネードの効果範囲の広さを活かして、うまく当てることができるポイントを押さえておきましょう。

ラインハルトの盾の上を狙い壁に当てることで、盾の裏にも効果が及びます

（3）味方のスキルに合わせて
味方のラインハルトが敵をピンして壁に激突する瞬間や、ロードホッグのフックで引き寄せた瞬間に当てることでキルの確実性を上げることができます。この際、敵に直接当てる必要はなく、味方の背中に当てるだけでも効果範囲内に入ります。

2．守備的な使い方
（1）敵のアルティメットに合わせて使用する
敵のザリアやラインハルトのアルティメットに巻き込まれた味方に使用してヒールすることで、効果が終了するまで味方を生かすことができる場合があります。

（2）自己回復として
バイオティックグレネードを真下に投げると一瞬で100回復することができます。ウィンストンやゲンジに絡まれて瀕死の場合、ためらわず自分に使用することをお勧めします。この際敵にも同時に当てることができればベターです。自分に回復が入る最大の距離を把握しておきましょう。真下に投げるよりも、敵に当てられる距離が延びます。

これくらいの角度でグレネードを使用すると、自分に当てた上で離れた敵にも効果があります

（3）敵のスキルに合わせて
敵のラインハルトに味方のタンクがピンされ壁に激突する瞬間や、ロードホッグにフックされた瞬間に当てることで、そのまま味方をヒールし続けることで状況を好転させることができます。

以上が基本的な使い方になります。ここで再度認識してほしいのが、CDが10秒と非常に長いという点です。さらに、グレネードを使用する音はかなり大きいです。
このスキルはアナの生存率と集団戦の勝敗の大きなカギを握っています。できるだけ状況をきちんと判断した上で使用しましょう。

右のボットに当てた場合でも、効果範囲内にいる左のボットにも効果が及んでいます

敵を無力化できる「スリープ・ダーツ」

スキル名：スリープ・ダーツ
・ダメージ:5
・効果:5.5秒間敵を無力化する。ダメージを与えると解除される。
・CD:12秒
敵を5.5秒間無力化する非常に強力なスキルです。こちらも使い方を紹介します。

1．相手のアルティメットに対して
ゲンジ・ファラ・ソルジャー等のアルティメットに対して当てることで、アルティメットを使用させた上で無力化・キルチャンスが生まれます。また、ナノブースト+龍撃剣等のウルトコンボに当てることができれば、一つのスキルで敵の2つのウルトを空振りさせることができます。ぜひ狙っていきましょう。

2．味方を守る
敵のラインハルトのチャージやロードホッグのフックに味方が捕まった場合に救うことができます。

3．スタンとして
スリープダーツで寝ている敵を攻撃すると起き上がりの動作時間があるため、その時間を活かしてキルを確実にできる場合があります。例えば、味方のロードホッグが敵のD.VAをフックしたとします。ロードホッグのフックコンボでは敵のD.VAを殺しきることができません。しかし、ロードホッグがプライマリを当てた直後にスリープダーツを当てることで、再度ロードホッグがプライマリを当て倒しきることができます。

以上、スキル2種の様々な使い方を紹介しました。これを頭に入れておき、実際のマッチ時に引き出してどんどん使っていきましょう。
次回でアナ編は最終回になります。次回はアルティメットと現在メタにおけるアナの状況について紹介します。

■プロゲーマー・letswiseのゲームの理解こそが上達のカギ
・第1回 そのキャラができることを知ろう『オーバーウォッチ』 アナ編 1
・第3回 アルティメットとメタの状況について『オーバーウォッチ』 アナ編 3
・第4回 ハイリスクハイリターンなヒーロー『オーバーウォッチ』 ゼニヤッタ編 1
・第5回 アルティメットとゼニヤッタを含めた構成『オーバーウォッチ』 ゼニヤッタ編 2

■letswise選手のプロフィール
Green Leavesのバックボーンでもある『Team Fortress 2』を筆頭に、数多くのゲームに参戦。24歳で新加入したにも関わらず、メンバー最長となる10年の競技歴を誇る。様々なゲーム遍歴でもたらされた適応力を活かし、あらゆるヒーローを高水準で使うチームの新たな屋台骨。ネイティブレベルの英語力を持つことから、海外での戦いも視野に入れるチームにとっては欠かせない存在。

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