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世界最強のプロゲーミングチームはどこだ!? 獲得賞金額を元にランキング!<2018年版>【シブゲーアーカイブ】
目次
※本記事は「SHIBUYA GAME」で掲載された記事のアーカイブです。当時の内容を最大限尊重しておりますが、ALIENWARE ZONEへの表記の統一や、一部の情報を更新している部分もございます。なにとぞご了承ください。(公開日:2019年3月13日/執筆:シブゲー編集部)
2019年2月、『レインボーシックス シージ』の世界大会「Six Invitational 2019」にて野良連合が世界4位に輝いた。日本eスポーツチームの世界進出――そこから巻き起こった盛り上がりは、目を見張るものがあった。同時接続5万人越え、世界に名だたる名門チームの撃破。 鳥肌がたつほどの凄まじい熱狂を肌で感じた人もいたのではないだろうか。
「強いチームは多くの熱狂を生み出し、数々のトーナメントを制していく」 野良連合は我々にそのことを教えてくれたはずだ。
では世界的な熱狂を生み出すような強豪チームは、どれほどの勝利を――そしてどれほどの賞金を獲得しているのだろうか。
獲得賞金額はチームの実力を測るバロメーターのひとつであり、獲得賞金額が多ければ多いほど、そのチームは確かな強さを有していると言えよう。
そこで気になってくるのが「世界で最も賞金を稼いでいるゲーミングチームはどこなのか?」ということ。
誰もが気になるその情報を本記事ではTOP10にしてまとめてみた。是非ともご覧になってほしい。
※本記事で紹介するランキングは、あくまでも「現貨幣価値で換算した場合の獲得賞金の総額ランキング」となる。
※現存しているチームのみが対象。休止・解散しているチームはランキングに含めない。
※現存しているチームのみが対象。休止・解散しているチームはランキングに含めない。
1位 Team Liquid 約28億円
大会実績数は圧巻の1475。
世界で最もお金を稼いだプロゲーミングチームは文句なしの「Team Liquid」である。
日本ではストリートファイターやスマッシュブラザーズ、フォートナイトなどのイメージが強いかもしれないが、獲得金額で最も高いのは7割を占めるDotaシリーズ。次いでCSシリーズの1割弱、そしてスタークラフトシリーズ(5%)となっている。 フォートナイトは4番手となる約4%、スマブラは1.5%、ストリートファイターは約1%。
『スタークラフト:ブラッドウォー』の元選手であるVictor "Nazgul" Goossens氏により2000年に設立されたオランダのゲーミングクランであり、設立当初のメンバーはたった4人。 そこから何年もの時間をかけて成長し、今では歴史ある多国籍プロeスポーツ団体として名前が知られるようになった。
出場トーナメント数が他のチームと比べても抜きんでており、日々の活動の賜物による実績と言えるだろう。
2位 Evil Geniuses 約23億円
大会実績数は746。
サンフランシスコに本拠地を置くeスポーツ団体。 その成り立ちは古く、当時絶大な人気を誇った『Quake』というFPSにおいてクランとして設立されたことが始まりとされており、既に20年以上の歴史を築いている(法人設立は1999年)。
獲得金額的には8割以上が『Dota2』、次点でスタークラフトの約4%、そして3番手にコールオブデューティシリーズ(3%)がランクインしている。
3位. Team OG 約20億円
大会実績数は53。
2015年に設立された非常に新しいチームであり、ヨーロッパ全体をその活動の本拠地としている。 獲得金額の99%以上が『Dota2』という『Dota2』特化のチーム。特にTeam OGの実力を世界に知らしめたのは世界最大のゲームトーナメントとなる「The International 2018(通称TI8)」である。
「TI8」は中国チーム「PSG.LGD」が優勝候補筆頭とされていた中で、中堅とされていた「Team OG」がダークホースとして逆転優勝をもぎ取った。これは『Dota2』の競技シーンにおいては正に青天の霹靂ともいえる出来事であった。このトーナメント勝利により「Team OG」は賞金11,234,158ドルを見事獲得。
有象無象のeスポーツチームが乱立する中、金額面で圧倒的な成功を収めた新規チームである。 極端に少ない大会実績数からも、その真価が伺える。
大会実績数は137。
「新参者」を意味するNewbieという単語をもじったチーム名が特徴。またチームロゴも盾を持った朴訥なウォーリアーであり、他のチームと一線を画する独自性が垣間見える。
『Dota2』(97%)の世界大会「The International 2014(TI4)」にて世界を制した中国のeスポーツチーム。中国語では「新兵电子竞技俱乐部」となる。
5位 Fnatic 約14億円
大会実績数は809。
eスポーツに携わる人ならば多くの人がその名を知っている、超名門プロeスポーツチーム。
「Fnatic」をFnaticたらしめているのは多岐に渡る活動範囲である。FPSジャンルを代表する『CS:GO』はもちろんのこと、『Dota2』『League of Legends(以下LoL)』『Heroes of the Storm』などのMOBA系ジャンルでも世界を股にかけて活躍している。
古くは『Painkiller』や『Counter-Strike』において多くの実績と賞金を重ねてきており、10年以上かけて一流のチームブランドを築き上げてきたロンドン発の古豪である。
6位 Virtus.pro 約13億5000万円
大会実績数は441。
『Dota2』と『CS:GO』の二本柱を中心に活躍するロシアのeスポーツチーム。『ハースストーン』や『World of Tanks』、『スタークラフト』においても多くの実績をあげている。 ロシア有数の実業家であるアリシェル・ウスマノフが創設したUSM Holdingsから1億ドルもの融資を受けたことで、業界を震撼させた。
2018年から2019年にかけて(特にCS:GO部門において)大幅な人員整理を行っており、一新されたメンバーによりどれほどの実績を残せるのか注目されている。
7位 LGD Gaming 約11億8000万円
大会実績数は125。
2009年に設立された中国のeスポーツ団体。『Dota2』を皮切りに『LoL』や『オーバーウォッチ』に参入してきた。 資金調達において長らく苦しんできたが、紆余曲折を経たのちに中国内最大のスポンサーシップ契約を結ぶことに成功した。
2018年4月、プロサッカーとして有名な「パリ・サンジェルマンFC」のeスポーツチーム「PSG eSports」と提携することが発表。今後の飛躍が期待されるプロチームである。
賞金獲得総額の内訳では『Dota2』が94%を占めているものの、『LoL』や『Overwatch』でも十二分の活躍をしており、広い領域でその実力は知れ渡っている。
大会実績数は394。
中国のマルチゲーミングeスポーツ団体。中国・アジア有数の富豪である王健林の息子である王思聪によって、2011年に設立。
『Dota2』『LoL』『スタークラフト2』などのMOBA系ゲームにて目覚ましい活躍をしてきている。また他にも『クロスファイア』などのFPSゲームでも多くの実績を重ねてきており、MOBAとFPSの両面でその存在感をアピールしている。
『Dota2』がこれまでのチームよりは少なめの57%、そして『LoL』が34%を占める。マルチゲーミングチームの名の通り、活躍場所を選ばないのがInvictus Gamingの特徴といえよう。
9位 Vici Gaming 約11億1000万円
大会実績数は254。
上海を拠点に活動を行っている中国のプロeスポーツチーム。
主に『Dota2』にて高い実績を誇っているものの、『LoL』でも名が知られており、カードゲームでは『ハースストーン』、FPSでは『クロスファイア』や『Counter-Strike』においても実績をあげている。
『Dota2』におけるサブ組織となる「VGJ.Thunder」と「VGJ.StormNBA」は、NBAバスケットボール選手として有名な「ジェレミー・リン」選手が所有している。
10位 SK Telecom T1 約9億4000万円
大会実績数は219。
『Dota2』における獲得金額0にもかかわらず、全世界でのTOP10入りを果たした唯一のチーム。韓国の電話会社である「SK Telecom」の実業団チームとして活動しており、特にスタープレイヤーの「Faker」はほぼ全ての『LoL』プレイヤーにその名が知られているといっても過言ではないだろう。
獲得金額に関しては『LoL』が7割を占め、スタークラフトが2割、残り1割が『ハースストーン』と『スペシャルフォース』。
最後に
チームがこれまで獲得してきた総計金額という話になると、やはり歴史の古い『スタークラフト』シリーズや『Dota』シリーズに対して強みを持っているゲーミングチームが上位を占めるという傾向がおわかりいただけるだろう。 特に『Dota2』は賞金プールの設定の仕組みが他の大会とは一線を画しているためか、桁違いの賞金獲得者が生まれやすい。事実1位から9位までのチームは『Dota2』による賞金獲得額によって支えられているといっても過言ではない。しかし上記のランキングを一通り眺めて、このように感じた人もいるのではないだろうか。
「なんだ、ゲームで稼いでいるチームはDota2の一発屋ばかりじゃないか」と。
それともこうだろうか。
「Dota2は人気タイトルで、しかも選手の給与状況も恵まれた素晴らしいゲームじゃないか」
University of North Carolina at Chapel Hillにて博士号を取得し、現在eスポーツ分野の研究も行っているWill Partin氏はこのように述べている。
また、同氏は以下のようにも述べている。
「Dota2の現体制に関する正当化でよく挙げられるのが『歴史上最も高給なプロゲーマーTOP50』のうち、49名がDota2のプレイヤーだったことである。これのほぼ全てが『The International』によるものである。 (中略) しかしDota2の(一部の)成功者による上層地殻は、トップ層以外の経済状況を私たちに提示してくれているわけではない。 (中略) Dota2経済における富の集中は、言い換えれば、現在の歴史的不平等における富の集中とよく似ている」
そういった環境にあえて身を投じるチームや選手は決して「一発屋」ではない。偉大なる「挑戦者」である。
もちろん獲得賞金額がそのままエンゲージメントにつながるわけではない。賞金額が『Dota2』ほど高くなくとも圧倒的な視聴数を博しているゲームタイトル(例えば『LoL』や『フォートナイト』)もある。それらタイトルの選手は、賞金を獲得していなくても配信活動によって我々の想像以上の影響力と経済力を有している場合も多い。
つまり賞金総額だけでチームの価値を判断することは到底できないのである。 むしろ昨今では「SNSや配信においてどれだけ影響力があるのか」ということが指標として重要になっており、高額賞金を稼げるかどうかはチームや選手にとっての一側面に過ぎないのだ。
とはいえ、冒頭で述べたように獲得賞金額はチームの実力を測るバロメーターのひとつであり、無視できない数字であることも確かな事実だ。
今後どういったチームが賞金ランキングの上位にいるのか。また日本チームがランキング上位に入ってくる日が来るのかどうか。 こういった側面にも注目すると、新たな視点でeスポーツを楽しめるかもしれない。
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