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ALIENWAREをeスポーツコンテンツで採用! ゲーム/eスポーツ専用施設「REDEE WORLD」ってどんな施設?

3月1日よりオープンした大阪初の本格eスポーツ/ゲーム施設「REDEE WORLD」(以下、REDEE)。その中にデル株式会社のゲーミングPCブランド、ALIENWAREが導入されていることは既報の通りだ。

日本最大のeスポーツ専用施設「REDEE」にALIENWAREが製品提供!
https://alienwarezone.jp/post/2426

去る2月28日に行われたプレス向けの内覧会にて、実際に施設を見学・体験することができた。今回はその模様と、運営会社であるレッドホース コーポレーション株式会社 社長執行役員・グループCOOの久秋貞雄氏へのショートインタビューをお届けしよう。

ゲームを学ぶ、ゲームで学ぶ総合エンタメ施設

REDEE設立のプレスリリースでは、「日本最大のゲーム/eスポーツ専用施設」として紹介されていたが、REDEEは多くのメディアで「eスポーツ」という側面が強く押し出されていた印象があった。しかし、実際に施設を見てみると、eスポーツ要素よりもゲームを題材として、最新のトレンドを体験できるレジャー施設という雰囲気がそこかしこに感じられた。

ターゲットは、eスポーツをバリバリ遊んでいるプレイヤーというよりは、「eスポーツ」という言葉は聞いたことがあるものの、どんなものなのかわからない人だ。館内にはPCを中心としたeスポーツタイトルを遊べるブースも用意されているが、現状では『リーグ・オブ・レジェンド』『ハースストーン』『フォートナイト』といった、対象年齢が幅広いゲームが多い。

では、どんなところにeスポーツ要素があるのかというと……「館内のあらゆるところ」にそれがみられた。

例えば、「大画面ゲーム動画視聴エリア」やアリーナでの「プロゲーマー体験」では、スマートフォンゲームの『クラッシュ・ロワイヤル』が採用されていた。「実況者体験エリア」では『ぷよぷよeスポーツ』の映像をベースに実況体験が楽しめるようになっている。


それ以外のアトラクションとしては、プログラミング、ドローン、VR、YouTuberといった、イマドキの子どもたちが憧れたりやってみたいと思っているような体験型コンテンツが多数用意されている。そして、これらが非常に興味深かった。特に、「YouTuber体験」はiPadのみで撮影から編集まで1時間程度で完結。番組の企画もあらかじめ複数用意されており、撮影に使えそうな小物などもあるので、子ども自身でいろいろ工夫もできそうだ。

本格的なeスポーツコンテンツにはALIENWAREが常備

そんなREDEEの中で、ALIENWAREが常設されていたブースをご紹介しよう。

まずは、1階にある「BOOTCAMP プロ練習ルーム」。こちらには、ALIENWARE Auroraとキーボード、マウス、ヘッドセットが揃っていた。チーム全員でゲームを戦い、振り返りや情報共有を行えるようなホワイトボードやミーティングスペースなどもある。


基本的には来場者が遊ぶために使う場所ではなく、プロeスポーツチームなどが練習できるスペースという位置付け。具体的な使われ方はあくまで想像だが、例えば地元大阪に本拠地を置くCYCLOPS athlete gamingの選手が、オフライン環境に近い練習のために訪れたりすると、それだけでもひとつのコンテンツになる。また、eスポーツ大会が開催されている期間中にファンミーティングやチームの作戦会議などで使うことも考えられそうだ。


もう1カ所は、2階にある「超没入型VR体験エリア」。GeForce RTX 2070を搭載する最新のALIENWARE Auroraが、日本初導入の「KATWALK」というVRセットとともにサイバーな雰囲気を醸し出していた。


KATWALK自体は、アナログコントローラーの操作を足元の丸いVRセットによって操作できる、いわば巨大なコントローラーのようなものだという。ソフト自体はVRゴーグルの「HTC VIVE Pro」で動くVRソフトを使っており、見学会ではスキーゲームを体験できた。操作はゴーグルで向いている方向に向かって滑り、両手のハンドコントローラーでストックを動かして進むというもの。目玉である足元のコントローラーも、スキーゲーム以上に使用する必要があるゲームの導入を予定しているという。


VRコンテンツのように大きな負荷が継続的にかかるコンテンツには、CPUなどのファクトリーオーバークロックで性能に余裕があり、長時間駆動でも安心の冷却機構を備えたゲーミングPCが最適だ。それも、REDEEのように多くの来場者が毎日訪れる環境であればなおさらだろう。

エンタメをしながら学べる「エデュテイメント」の思想

ゲーミングPCを常設し、プログラミングからeスポーツまで幅広いコンテンツを提供する「REDEE」だが、どのような経緯で設立に至ったのか。レッドホース コーポレーションの久秋氏にうかがってみた。

──「REDEE」をオープンすることになった経緯をお聞かせください。

久秋:実はeスポーツありき、ではなかったんです。もともと3、4年前に同じ場所で「Orbi」という別の施設を運営していて、1年半ほど前に撤退していました。それ以降別の業態で運営していたんですけれども、僕がちょうど社長に就任した2018年末頃、最初のミッションがこの施設の再生だったんです。そこから今持っている機材がeスポーツに適していると気づきました。


横40m、高さ8mの「プロゲーマー体験」ができる大画面スクリーンは、そもそもは世界で一番大きいクジラの原寸大が映るということで以前の施設で作った設備です。「大画面ゲーム動画視聴エリア」のミニシアターも、ゴリラの生態を放映して驚いたりする時にイスが動く、というアトラクションでした。

それらをうまく活用して再生するための術として、3カ月間くらいかけていろいろなアイデアを出すなかで、2019年3月くらいに「eスポーツ」にたどり着きました。

──実際にeスポーツ施設に生まれ変わらせるためのご苦労はありましたか?

久秋:eスポーツは、持っている機材との相性がよかったのです。シアターの座席数も300席くらいありましたし、以前は撮影ブースとして使っていた場所を「実況者体験エリア」にしたりと、骨組みは変えずリノベーションできたのが、今回の「REDEE」です。

ただ、単なるeスポーツの興行をやりたいわけではなく、Orbi時代から引き継いでいる「エデュテイメント」という、エンタテインメントを通して学ぶ、知見を深めるという思いは引き続き持ちたい、という思いがありました。

VRやドローンもそうですが、「ゲーム」というものにはいろいろなテクノロジーが詰まっています。ただ、実際に遊んでいる人たちもそういう部分はなかなかわかっていないと思うんです。そこを少しでも知っていただけるような空間がないと、我々の理念は引き継がれません。


──コンテンツに関しては、協業している電通、ウェルプレイド、ネクストグループホールディングスという、各分野の専門家が提供しているんですね。

久秋:そうですね、特にネクストグループホールディングスさんのプログラミング教育などの部分は、我々もとても重要視しています。あの場所からゲームの楽しさ、ゲームが持つ知見の深さを、遊んでいる子どもたちよりも親御さんたちに見ていただきたいんです。

ゲームにたどりついたもうひとつの理由は、あらゆる意味で垣根がないことでした。性別、国境、年代、身体的な環境が違う方とも同じフィールドでコミュニケーションできるというのは、ゲームならではの特徴だと思います。そういったところも「エデュテイメント」という考え方に則しています。

僕も15歳の子どもを持つ親ですが、「ゲームはダメ」という声もあるなか、そうではない面もあるので、親子でREDEEに来て触れていただければと思っています。

──3年先、5年先を見据えた目標をお聞かせください。

久秋:弊社の主な事業はふるさと納税のシステム運用などで、約400自治体と契約しています。また、海外旅行の「おみやげ宅配便」という仕組みも50年以上行っています。小売り、流通業も実施しているのです。

レッドホース コーポレーションという会社だけですと「何の会社なの?」と言われてしまうこともあります。そういうこともあって、今回は弊社単独ではなく、プロデュースをお願いした但木一真さん、電通さん、ウェルプレイドさん、ネクストグループホールディングスさんなど、業界のネットワークと知見を持っている皆さまと一緒にやれたことが、本当にありがたいです。

REDEEは弊社のメイン事業として位置付けており、安定的に年間20万人くらいから、少しずつ利益を伸ばしていければいいと思っています。2025年の大阪万博などでは、我々が運用のノウハウを提供できるようにもなるでしょう。今後eスポーツ事業をやりたいと考えている方に、我々が協力できればと思っています。

──残念ですが、3月1日に実施予定だった「ウェルプレイド祭り」も取りやめになってしまいました。

久秋:そうなんですが、イベント自体は「中止」ではなく「延期」です。みなさんが不安なく外に出られるようになった時にはぜひやりたいですし、今回お招きできなかったオープンまでにお世話になった方々にも、きちんとごあいさつしたいと思っています。

我々は短期で終わらせようとは思っていません。まずは、ひとりでも多くの方々に不安なくご来場いただけたらと思っています。

※ ※ ※

日本中で続々eスポーツ施設や事業が増えている中で、大都市である大阪にこのような施設ができたことは、関西地方のさらなる盛り上げにも貢献する。ハイスペックなALIENWAREを使ったeスポーツコンテンツ、プログラミングなど子どもから大人まで、垣根なく楽しめるREDEE。残念ながら、新型コロナウイルスの影響により当初休館するとしていた3月27日を越えて、4月9日まで休館となってしまったが、2020年のeスポーツ業界に新たな風を吹き込んでくれそうだ。



REDEE
https://redee.game/

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