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『レインボーシックス シージ』CAG快進撃の秘密は、強さと上手さの黄金比にあり!?【CAG BlackRay選手/SuzuC選手インタビュー】

目次
  1. 別ゲーから『R6S』へ 入り口は違えどプロへ辿り着いた2人の若武者
  2. 昼夜問わず練習に勤しむ日々と 実績を生み出す苦労
  3. プロゲーマーが感じた新型コロナウイルスの影響
  4. シーズン10 APAC FinalのWildcard Gaming戦が忘れられない
  5. 強いだけでも上手いだけでも駄目 強さと上手さの”黄金比”とは
  6. Six Invitationalは別格だからこそ 目指すべき魅力がある
CYCLOPS athlete gaming」(CAG)の『レインボーシックス シージ』(R6S)部門に所属する「BlackRay」選手と「SuzuC」選手のインタビューをお届けする。

『R6S』の競技シーンに熱心なファンならCAGの名声を知らない者はいないだろう。それほどまでに彼らは実績を収め続けている。「R6S Japan Championship 2020」では全国190チームの頂点に立ち、通年で開催された「Alienware JAPAN CHAMPIONSHIP」も王者に君臨。こうした国内大会をはじめ、APACや別地域の猛者が集う世界大会でも変わらず実力を発揮。2020年12月18日に開かれた「Six Invitational 2021 APAC予選」においては、決勝戦にて「Xavier Esports」(Xavier)を打ち倒し、「Six invitational 2021」への出場切符を見事手に入れた。

本稿でお伝えしたいのはCAGが秘める強さの源流。若干20歳前後のプレイヤーはどのような思考と思想で『R6S』に取り組んでいるのか。ゲームとの出会いからプロゲーマーへいたる道のり、そして競技シーンにおける強さの本質まで、BlackRay選手とSuzuC選手の2名にじっくりお話を伺った。

▲BlackRay選手

▲SuzuC選手

▲「R6S Japan Championship 2020」出場チーム紹介ページより

※収録は2020年12月にビデオ会議アプリで実施しました。

別ゲーから『R6S』へ
入り口は違えどプロへ辿り着いた2人の若武者

――そもそも本格的にゲームを始められたのはいつ頃ですか?

BlackRay:自分の兄が『Call of Duty:Black Ops2』(BO2)をプレイしていたんです。その様子を眺めているうちにFPSに興味を持つようになって。その後に発売された『R6S』は自分で「面白そう!」と思って買いましたね。『Call of Duty』(CoD)シリーズのサーチ&デストロイ(S&D)をもっと突き詰めたようなゲーム性に惹かれました。

▲Multiplayer Reveal Trailer - Official Call of Duty: Black Ops 2 Video

SuzuC:僕は『マインクラフト』(マイクラ)です。『マイクラ』を遊びたいからゲーミングPCを買ってもらいました。キッカケはゲーム実況動画を見ていたからです。MODも入れたいからPC版を選びました。

▲Minecraft: Nintendo Switch Edition ローンチ トレーラー

――本格的に遊び始めたのはPCゲームからなんですね。そこから『R6S』にいたるキッカケは?

SuzuC:『マイクラ』をプレイしているフレンドの1人が『バトルフィールド3』(以下、BF3)が無料になっているぞ!と教えてくれて(笑)。『BF3』が初FPSで、そのまま『バトルフィールド4』(以下、BF4)の競技シーンにのめり込んだんですよ。ただずっと続いたわけではなくて。応援していたプロゲーマーが『BF4』から『R6S』へ移行したのを見て、自分も同タイミングでこちら側へ移りました。

――『R6S』へ辿り着いた経緯はお二人とも違うということで。競技シーンへの参入は当初から考えていましたか?

BlackRay:遊び始めは純粋にFPSタイトルとして楽しんでいましたけど、競技シーンへ入るなら一緒にプレイできる仲間を探さないといけないじゃないですか。同時に人より上手くなる必要がある。だから買った当初から長時間かけて練習しましたし、チーム探しも自分で取り組んでいました。

――『CoD』シリーズは試合中にミニマップを確認できますよね。『R6S』にはマップ機能が無いので大変だったのでは?

BlackRay:おっしゃる通り大変でした。あとはエイム中にリーンできるのも手こずりました。

SuzuC:僕は『BF4』の頃から競技シーンを経験していた流れです。「JCG」(eスポーツ大会プラットフォーム)が運営していたオープン大会に参加して、そこから現在まで続いています。

――競技シーンへ挑んでプロ化を果たしましたが、そこで大きく変わった点はありますか?

BlackRay:やっぱりSNSに対する向き合い方はガラリと変えましたね。元々は言われようのない攻撃に反論していたんですけど、そういうのは控えるようにして。企業系アカウントの運用スタイルと言いますか、「〇〇の大会に参加します」という風にツイートしてみたり。プロゲーマーになってからは一層気をつけるようになりました。


SuzuC:自分はSNSでそこまで発言していなかったです。転機と言うか、『バトルフィールド4』を始めた頃からゲームばっかりしていたんです。だから「これからどうしよう」となった時に「もうプロゲーマーで食っていくしかねえな」と思って。あとは「20歳になるまでプロになれなかったら働く」と親にも相談して、本格的に『R6S』に集中しました。


――かつては「eiNs」にも所属されていましたよね。

SuzuC:そうです。そこで世界大会を経験した後、「Sengoku Gaming」(Sengoku)からスカウトされて、2019年には現在のCAGへ移籍しました。

昼夜問わず練習に勤しむ日々と
実績を生み出す苦労

――『R6S』の競技シーンにおいて活躍するお二人だからこそ伺いたいのですが、シーズン時はどのぐらい練習されますか?

BlackRay:日によりますけど大体は昼・夜あります。14時から16時まで2試合。夜は21時から0時まで3試合。内容的には5マップで5時間ですね。個人練習だと、僕の場合はランクマッチを回している様子を「Mildom」(ライブ配信プラットフォーム)で配信します。ランクマは練習にもなりますし、好きなオペレーターを使ってバンバン突っ込める。プレイ当初から気に入っています。

▲BlackRay選手のMildom配信模様

――やはり昼夜にかけて長時間取り組まれますよね。ちなみにSuzuC選手も個人練は行いますか?

SuzuC:個人練習は少ない代わりに他タイトルの競技シーンを追っていますね。『R6S』ではなくて『League o fLegends』(LoL)とか。「あんまり『R6S』と関係ないかな」と思っていましたが、全体の動きがきちんと統率されていたり、役割ごとに果たすべき目的があるのも素直に面白い。「こんな戦い方もあるんだ!」と気づきが得られるので飽きないです。

▲SuzuC選手のMildom配信模様

――別タイトルの試合から示唆を取り入れているのですね。『LoL』はチーム主体のMOBAなので、確かに根幹は近いかもしれません。

BlackRay:別タイトルの試合は見ないですけど、僕も『R6S』の動画は時折見ます。ただ競技シーンの戦略や最善手は理解しているつもりなので、あくまでも参考程度に留めている感じです。

――プロ化を果たした後、乗り越えるのに苦労したハードルや障壁はありましたか?

BlackRay:厳しい話かもしれませんが……実績です。やっぱりチーム結成時は勝てるかどうか分からないですよね。今は順調に結果を残せているものの、プロゲーマーになった直後は”プロという肩書き”だけ。なので実績を作るのに苦労しました。実績があれば応援してくれる方々も増えるし、各方面から信用も積み重なります。

https://alienwarezone.jp/post/2470

SuzuC:ハードルとは少し違うと思うけど、大事な世界大会で敗北した瞬間は「もっと頑張らないと」って落ち込みますよね。

BlackRay:だからこそ、世界大会へ出場できた時は嬉しかった。出たことが無いチームだと「世界大会出場」が大きな目標だと思います。チームとしても個人としても、ハードルの先に訪れた喜びは”世界大会の切符を手に入れた時”ですね。

――世界大会は選手と同じくファン目線でも特別な舞台のように思えます。ちなみにお二人から見たチームの現状についてはでどうでしょうか。

BlackRay:(SuzuC選手に確認を取りつつ)問題は……別にないよね? すべてが順風満帆というわけでもないですけど。

SuzuC:試合中のロール(役割)をよく変えたりしますけど、今はいい感じですね。これからもポジションを変えつつ、メンバー全体のレベルが上がればもっと良いチームに仕上がるはずです。

BlackRay:僕はアレコレ考えることはせず、とりあえず「自分が強くなればいいかな」と。割り振りをやってくれる人がいる。だったら自分は単純に強くなるだけです。当たり前かもしれませんが強いプレイヤーがいれば実際に勝てるので。

――至極真当な意見だと思います。ちなみにお互いの印象はどうですか?

BlackRay:CAGで一緒になる前の印象は特に無くて、顔を合わせてからは普通に仲良くなりましたね。チームメンバー歴も長いし、ちょっと気は合わないですけど。……いや、うそうそ(笑)。

SuzuC:自分もBlackRayの事は「撃ち合いが強い」ぐらいしか知らなくて。「よく分からないけど強い人」という感じです。チームを組んだあともそこまで印象は変わらなかった。とにかく「強いから楽だな」って。……あ、ちなみに気は合わないです(笑)。

BlackRay:(笑いを交えながら)いや、どっちかと言えばチームの中で気は一番合うほうですよ。割と地元も近かったし。CAGはゲーム中やそれ以外もある程度は仲が良いほうだと思います。

プロゲーマーが感じた新型コロナウイルスの影響

――2020年は新型コロナウイルスの影響を受けてeスポーツ界隈も大きな打撃を受けました。選手の目から見ても身の回りで支障や変化は多かったのではないでしょうか。

BlackRay:世界規模の公式大会、例えばAPAC予選などは毎回オーストラリアで行うのが恒例だったんです。でも今年は新型コロナの影響で行われなかった。必然的にオンライン大会を開催せざるを得なかったと思いますけど、オフライン大会の方がPing値の差は少なかったはずです。


――こうした職業なので色々とeスポーツイベントを取材させていただきましたが、2020年は本当にオンライン大会が多かった。ちらほらあった少数のオフライン大会も「無観客」(選手と運営陣のみ)でしたね。

BlackRay:そうなりますよね。観客の皆さんがいるとプレイ中も視線を感じますし、何より音の聞こえ方が違う。無観客の方が集中できるかな……いや、環境面の話ですよ? 感情面で言えばもちろん観客は居てくれたほうが良いです。そっちのほうが盛り上がりますし。

SuzuC:自分もそう思います。ベストプレーを出せた時に気分がアガるので。今年は観客を入れない大会が幾つかありましたけど、「観客いたらもっと楽しかったんだろうな」と思いましたね。

シーズン10 APAC FinalのWildcard Gaming戦が忘れられない

――ここからは『R6S』の競技シーンについてお伺いできればと。お二人はプレイヤーとして既に経験を積まれていますが、印象深い試合や忘れそうにない試合はありますか?

BlackRay:「プロリーグ シーズン10 APAC Final」であたった「Wildcard Gaming」(Wildcard)との戦い。あれはもう忘れられません。本当に「やらかした」という気持ち。自分たちは毎回アクシデントに見舞われるので、「いよいよお祓いいくか?」みたいに受け止めました。

https://alienwarezone.jp/post/2128

SuzuC:Wildcardもそうですし、直近のSix Invitational 2021 APAC予選も印象強いです。

――先ほど話題に上がりましたが、Six Invitationalはまさしく世界大会ですよね。グループステージ出場、本当におめでとうございます。一方で印象深いプレイヤー、もしくは尊敬しているプレイヤーはいますか?

SuzuC:始めた頃は「Ninjas in Pyjamas」のjulio選手とか。好きなプレイヤーを応援していましたが、プロになってからは特定の選手に尊敬する機会は少なくなってきましたね。対等な目線からプレイを見ているからなのかも。


BlackRay:数年前は尊敬しているプレイヤーもいましたけど……今は特にいないです。自分たちの実力がついてきたのもあるし。同じぐらいの視点で試合を眺めています。決して驕っているわけではなく、個人的には自信を持つことが大事だと思っていて。今は「勝てる!」と信じて試合に臨んでいます。

――含蓄ある言葉ですね。確かに「負けるかもしれない」と思った段階で勝てる試合も勝てなくなります。では国内外で注目しているチームは?

BlackRay:みんな知っているあたりで言えば「Sengoku Gaming」。SuzuCとかgatoradaが所属していた頃のイメージも相まって、復活した時も「やっぱSengokuだ!」みたいに応援する人が多かった。そういったファンの期待値。あとはSengokuの伸びしろに注目しています。

▲Sengoku Gamingの『R6S』部門ロースター

SuzuC:僕もSengokuですね。復活時にあのユニフォームを見て「Sengokuでやりたいな」と思ったりもしたので(笑)。メンバー構成も盤石だし、きっと自分がいた時より強くなるんじゃないでしょうか。スクリム(練習試合)を組んだ際も自分たちの想定を上回ってきたので、これからもっと伸びると思います。

BlackRay:戦ってみて強かったのは世界大会へ出場している強豪チーム。僕らの想像の遥か上を越えていました。トップレベルでも最善手は似通ってくるものですが、それでも予想できない。EUの「G2 Esports」は特に意味が分からない。試合を見ている時と矛を交えた時とでは全く違いましたし、「これが世界レベルなんだ」と痛感させられました。APACだと「Giants Gaming」とか「Cloud9」もズバ抜けてますね。”撃ち合いの精度+寝られた戦術”が噛み合うと段違いに強くなる。

――Six Invitational 2021 APAC予選で戦ったXavierはどうでしたか?

BlackRay:カフェ(1stマップ)は「もう無理だ」と割り切って切り替えました。Xavierの戦術はCAG寄りなので戦いにくいというか。お互いに対策を練っていれば対応できますけど……。Xavierは多分ランクマッチが好きなチームなんですよ。だから試合中も個々で動いている。そういったマンパワー重視のチームと戦う際は驚きますね。自分たちの考えが崩されてしまうから。

▲Six Invitational 2021 APAC予選の対Xavier Esports戦(試合開始は36:54~)

――では相手がXavierでなかった場合、どのように戦っていましたか?

BlackRay:セオリー通りに動くチームはパターンを予測します。逆にXavierみたいなチームはこちらも似たような戦い方を採用しますね。 とはいえ、ある程度は各チームのプレースタイルを把握できていました。

SuzuC:「相手はこう来るよな」と分かってしまうというか。

BlackRay:「マップの構造的に考えればAを攻めるはず。そのためにはBを取らないといけない。だったらこう来るよね」みたいな。

強いだけでも上手いだけでも駄目
強さと上手さの”黄金比”とは

――「分かってしまう」のがCAGが強者たる所以のように感じます。少し前に挙がった話題と繋げれば、CAGの強みは”撃ち合いの強さ”も含まれていますよね。

SuzuC:撃ち合いが強いのに加えて……自分で言うのもアレですけど「柔軟性」ですかね。

BlackRay:一番はやっぱり「撃ち合い」です。撃ち合いがあってこそいろいろな戦術がある。撃ち合いが強くないと戦術も台無しになります。

――マンパワーも疎かにできないと。お二人から見て撃ち合いに長けているチームはありますか?

BlackRay:APACで言えばXavierが撃ち合いに長けている。Cloud9は”上手い”という印象です。Giantsは”上手くて強い”。

▲APACファイナル エキシビション Giants Gaming vs Cloud9(試合開始は45:43~)

――強さは「射撃精度」、上手さは「戦術」でしょうか。それを踏まえて”強さ”と”上手さ”の優先順位はどちらが上でしょうか。

BlackRay:どうなんですかね……上手いプレイヤーは国内に少ないので。どちらにしろ、上手いプレイヤーと強いプレイヤーの両方が必要です。

SuzuC:CAGは今「1(上手い):4(強い)」ぐらいなんですよ。僕は上手さで戦っているので、自分で撃ち合いは強いと思っていません。何ならプロリーグの中で強さで言ったら一番弱いくらいです。「それでも勝てる!」というスタンスで臨んでいます。でも欲を言えば、うちのチームにも上手さがもう少し増えていいと思います。例えばAyagatoreとかは強いし上手さもある。おそらく上手さは2、強さが3で丁度良いんじゃないでしょうか。

――そうなると究極のバランスを実現させるのは難しそうです。

SuzuC:実現させた国内チームはほぼいないでしょうね。Giantsは「2(上手い):3(強い)」のバランスだから強敵なんだろうと思います。

――国内チームにも頑張って欲しいのですが、今後の成長は見込めそうですか?

BlackRay:強いプレイヤーが少ないので……。上手いプレイヤーは試合をある程度見ていると分かります。けれども強い人はあんまり。波がある人が多くて、活躍できる試合ももあればダメな試合もある。国内を見るとそういうプレイヤーが多い印象です。

SuzuC:たぶんCAGのメンバーは強い+上手い。その辺りは他の国内チームに勝っていると思います。 あとは国内チームのタクティクスに新しさがない。

――つまりタクティクス面は海外チームのほうが進んでいると?

SuzuC:海外勢のタクティクスはハッキリと断言できませんが、CAGの場合は「これやってみよう」と新しいスタイルを試しながら採用しています。その結果あんまり見たことないようなスタイルが生まれたりしますね。とはいえ国内チームは総じてやや保守的かもしれないです。基本どおりの教科書スタイルというか。

BlackRay:Xavier等はセオリーを崩す、というより不規則に立ち回る。だからセオリー通りに守っていると虚を突かれてしまう。

▲Xavier Esports vs Fnatic // Rainbow Six APAC North Division(試合開始は6:21~)

――つまるところセオリーがマストですよね。その点を踏まえると、国内チームはセオリーから脱却するための試行回数が足りていないのでしょうか。

SuzuC:各チームの事情もありますが、大体はトップ層(リーダー・オーナー)の発言にみんな従うじゃないですか。その考えは間違っていないと思いますけど、リーダー的存在の意見を重視するがあまり、革命が起こらないこともある。僕たちは互いに意見を出し合いつつ、色々とチャレンジしています。その辺りの姿勢が大きな違いかもしれません。新たな試みに対して「いやいや……」とあしらう前にとりあえずやってみる。そうすると国内の競技シーンだってレベルがどんどん上がってくるんじゃないでしょうか。

――CAGとしての改善点は浮かびますか?

SuzuC:もう少しセオリー通りに動いてみて良いのかもしれませんね。自分たちが得意とする変わったプレースタイルが逆に刺さらない相手も出てきているので、そんな時に教科書通りの戦い方もこなせたらと感じます。

BlackRay:現状だと撃ち合い系は大丈夫。となれば戦術系ですかね。連携の質ももう少し高められると思います。

Six Invitationalは別格だからこそ
目指すべき魅力がある

――「直近で成し遂げたい目標」をお聞かせください。

BlackRay:とりあえずはSix Invitational 2021でグループステージ突破。猛者を相手に2勝しないといけない。そこをどうにかくぐり抜けたいです。

SuzuC:僕も同意見です。グループステージを突破するだけでもかなりキツいと思うので。

BlackRay:大変なのは違いないけど、Six Invitationalは面白いです。選ばれし者が挑むわけじゃないですか。最強がぞろぞろ集ってくる。プロゲーマーの間でも「Six Invitationalは格が違う」と言う人がいるくらいですから。賞金額の大きさも加えて目指すべき魅力がありますよね。

▲【タイムシフト】日本語配信 Six Invitational 2020 メインステージ Day1(試合開始は1:20:22~)

――サッカーのワールドカップを彷彿とさせますよね。Six Invitational 2021は近い未来の目標ですが、時を進めて「数年後にこうありたい」といったビジョンは思い浮かびますか?

BlackRay:うーん……『R6S』がずっと続いていたら競技シーンでトップを常に保ち続けたいです。でも『R6S』が続いていなかったら、そもそもゲームをプレイしているかも分からない。別タイトルのセンスがあるか分からないし。もし幸運にも別タイトルに関わっているなら、しっかりと競技シーンに向き合っていたいです。

――その別タイトルというのは?

BlackRay:Apex Legends』はイケると思いますが、『VALORANT』はキツイかもしれません。『Counter-Strike: Global Offensive』系のタイトルに触っていないのもありますし、エイムせずに腰撃ち主体で戦うゲーム性が自分にとって難しいというか。まあタイトルは何であれ、ストイックに選手を続けていけたらと思います。

▲BlackRay選手の『Apex Legends』プレイシーン(Mildomより)

SuzuC:僕は競技シーンについて「どうしよう」とかは考えていません。何にも追われずに静かな場所でのんびりしたいです。

――とても意外です。数年後だったら20代前半ですよね。具体的に落ち着きたい場所とかってもう考えていますか?

SuzuC:四国ですかね。適当に魚釣ったり、野菜を育ててみたり。自然に囲まれるのが好きなんです(笑)。プロゲーマーになってから自然と触れ合う時間も少なくて。元々『マインクラフト』のワールド内でそういったことをしていましたね。もちろん『R6S』の競技シーンが続く限りは頑張りますが、僕の実力がもう通用しなくなったらサッと辞めます。

――現役引退後はいさぎよく隠居と。でも現状はまだまだ続けられますよね?

SuzuC:そうですね、まだまだいけます(笑)。

――そう言っていただけると1人のファンとして非常に応援し甲斐があります! 本日はお忙しい中お時間をいただきありがとうございました。

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幾度の修羅場をくぐり抜けて身につけたであろう勝負に対する実践的な思考力。相手が何者であっても自信を忘れない胆力。常に新しいタクティクスを生み出そうと試行錯誤を重ねる実践力。2人のマインドと振る舞いは「競技シーンのトップレベルに立つプレイヤーはこうあるべし」と裏付けるようであった。本当の勝負所はこれから始まるSix invitational 2021なのだろう。世界大会という過酷な環境下でCAGは何を成し遂げてくれるのか。競技シーンに少しでも興味があるのなら、ぜひ彼らの背中を追いかけてみて欲しい。

BlackRay選手 Twitterアカウント
https://twitter.com/_BlackRay_
SuzuC選手 Twitterアカウント
https://twitter.com/SuzuC00L
CYCLOPS athlete gaming
http://cyclops-osaka.jp/
Rainbow Six Siege 公式Eスポーツ大会サイト
https://rainbow6.jp/

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