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<前編>『LoL』WCS決勝を会話や飲食を楽しみながら観戦! 神戸大学&阪南大学サークル主催のライブビューイング in ゲームバーClan
取材、文●山口佐和子
先日、大阪・心斎橋で開催された『リーグ・オブ・レジェンド』(以下『LoL』)の世界大会準々決勝ライブビューイング。このイベントは、11月初めまでの毎週末、7週間にわたって開催されている今年の世界大会の準々決勝を、集まったファンのみんなで観戦しようというものだった。取材目的の参加ではあったが、とても楽しく観戦できたため、違うタイプのライブビューイングも行ってみたくなった筆者。世界大会のクライマックスとなる11月4日の決勝戦でも前回の会場からほど近いゲームバーClanで、「Ko-oL」神戸大学LOLサークルの主催でライブビューイングが行われるという話を聞きつけ、前回とはまた違ったイベントを期待して早速取材を敢行した。
会場は「ゲームバー」
▲店の入口ではチャンピオン「バード」のイラストがお出迎え
今回のライブビューイングの会場は「ゲームバーClan」、心斎橋駅から御堂筋を南下して西に入ったところにある時間制のゲームバーだ。お店に入るとズラリと並んだゲーム用PCの群れに圧倒される。そこから奥へ目を向けるとバーカウンターがあり、さらに奥はテーブル席スペースとなっている。ライブビューイングはテーブル席スペースの約半分ほどを貸し切られて行われた。
▲こちらの一角でライブビューイングが行われた。撮影地点のすぐ左側にはプロジェクター用のスクリーンも設置。左側の壁全面にもゲーム用PCが立ち並ぶ
テーブル席は1テーブルごとに4~5人ほどが座れる低いソファの席で、各テーブルにモニタが備え付けられている。大画面のプロジェクタースクリーンも用意されたが、各テーブルのモニタにも試合画面を映し出してくれたため、スコア等の細かなゲーム内表示も見やすい環境だった。
また、バーでの開催ということで参加費はドリンクバーとしての料金となっており、開会式まえのイベント挨拶では乾杯の音頭が取られ、準々決勝イベントとはまた違う、リラックスな雰囲気が漂っていた。参加者は「Ko-oL」や阪南大学eSportsサークル所属の学生たちが多かったようだが、大学生がワイワイと観戦するイベントということで、関西圏の他大学からも多くの『LoL』ファンが参加していた。
参加者たちはプレイでも観戦でも『LoL』を楽しむファンの学生たち。オープニングセレモニー前の雑談も『LoL』の話でもちきりだ。自分たちが遊ぶチャンピオン性能などの話題から、「LJLキャスターの中で誰が好き?」「決勝戦の実況はどのキャスターにしてほしいか?」といった話題、今世界大会の準決勝までの試合で印象に残ったチームの話題など、日頃から力いっぱい『LoL』を楽しんでいることがうかがえる。
世界最高の試合を見ながら
モニター越しで行われていた世界大会のオープニングセレモニーでは、「住むところや人種、文化はちがっても『LoL』で通じ合える」と世界各地の『LoL』関係者が登場。続いてアジアのスーパーポップスターであるジェイ・チョウ氏がステージへと躍り出て、中国での『LoL』テーマソング「Hero」を熱唱。配信に映る現地会場は現地のスターの出演から大変な盛り上がりであったが、日本人の若者ばかりのライブビューイング会場では残念ながらジェイ・チョウ氏への反応は薄いものだった。決勝前夜祭のライブコンサートでも中華圏の著名アーティストが招かれてパフォーマンスを披露しているので、『LoL』は単なるゲームではなく若者たちにとっての新しい文化への入口になっているようだ。
▲今回のライブビューイングも「LeagueU」の後援があり、LJLグッズやサンダースティックが配布された。大スクリーンでの試合の行方を見守る
「Hero」の後は今大会テーマソング「Legends Never Die」が歌われ、曲中の演出ではなんと競技場にARでエルダードラゴンが舞い降りた。オープニングセレモニーが終わると、配信画面に登場したのはこれまで日本語公式配信の実況解説を務めてきたeyes氏・Revol氏・katsudion氏・Day1氏の4人で、なんとLJLキャスター勢揃いとなり、ライブビューイング会場が歓声に包まれる。
このライブビューイングでは主催がミステリースキンを賞品とした「紙Pick'em」を開催。三連覇に手をかけるSK Telecom T1(SKT)と、昨年から引き続き王座への挑戦者たるSamsung Galaxy(SSG)、どちらが何勝何敗で勝つかという予想大会が開かれた。紙Pick'em参加者は、試合開始前に勝敗数予想を応募用紙に書き込んでいたが、LJLキャスター陣の予想も参考にしていたようである。
そして始まった第1試合は、非常にクリーンな展開でSSGが勝利という結果に。たった1本のタワーしかSKTに許さない試合展開に参加者たちも驚愕したが、SKTがかろうじてバロンスティールを決めた瞬間には大歓声を上げていた。ミッドレーンの「魔王」Faker選手を軸に戦うSKTに対し、SSGは昨年のリベンジに燃えるミッドのCrown選手が対面を押さえにかかり、トップ・ボットレーンのコントロールも強力だ。なによりSSGはマップの要所に的確なタイミングでワードを設置して視界を確保し、情報戦で大きな優位に立っていく。
第2試合ではSSGトップのCuVee選手が取ったナーに対し、SKTのHuni選手が「ヤスオ」を選択。今大会では3回めのピックとなったヤスオは物理攻撃型で操作難易度の高い近接攻撃チャンピオンで、最近のプロシーンではほとんど活躍がないものの、プロの手による華麗なプレイは人気が高く、ピック時にはこちらの会場でも活躍を期待する歓声が上がった。一方でFaker選手が選択したのは昨年までの世界大会で彼自身が圧倒的な結果を出してきたチャンピオン「ライズ」。試合が始まるとFaker選手はマップの中央をつらぬくミッドレーンから左右のレーンに影響をおよぼし、ゲーム展開をSKT側に寄せていく。しかし2回目のドラゴン戦でSKTは集団戦に完全敗北して全滅してしまう。第2試合の流れはこの時点で決まり、精彩に欠けるSKTをSSGが的確に処理しての勝利となった。
試合はSSGの2勝0敗となり、ディフェンディングチャンピオンの牙城を崩すまではあと1勝。運命の第3試合、起死回生を図るSKTは今大会メタのキーアイテムであるアーデントセンサーをサポートのWolf選手からFaker選手に移す戦術を実行。Faker選手を軸としたスタイルを取るしかないSKTに対し、緻密な連携とマップコントロールをもってひとつの生き物のような動きを見せるSSGが圧殺するのかと思われたが、世界大会優勝3回の経験は伊達ではなかった。SSGのスタイルに対して新たな戦術で適応したSKTは序盤から各レーンでキルを生み出し、順調にゴールドやタワーの有利を作っていく。だがSSGも指をくわえて見ているはずがない。
終盤のバロンファイトでBang選手のトリスターナが犯した位置取りのミスから集団戦を制したSSGは、2本のネクサスタワーまでぶち抜いてSKTのネクサス寸前にまで迫っていく。完全に背水の陣となったSKTも簡単には譲らず、返す手でSSGの本拠地へと乗り込むが、退却の際に起こった集団戦でFaker選手が陥落したのを皮切りに戦線が崩壊し、手に汗握るシーソーゲームを制したSSGが3勝0敗という圧倒的な結果をもって勝利した。昨年と全く同じメンバーでの雪辱を果たし、世界最強チームの証であるサモナーズカップを掲げることとなった。
ライブビューイング会場では、第2試合後にLeagueU提供の品がランダムに配られ、過去のLJL Finalイベント時のタンブラーや『LoL』の音楽データ集が収められたUSBメモリなどを入手できた参加者が、笑顔で景品を手にしていた。また前回同様にじゃんけん大会も行われ、勝ち残った参加者がマウスやヘッドフォンなどのLogicool製品をゲットした。
後編では、盛り上がりを見せるeSportsの関西コミュニティについて、詳しく取り上げていく。
■後編はこちらから
<後編>『LoL』WCS決勝を会話や飲食を楽しみながら観戦! 神戸大学&阪南大学サークル主催のライブビューイング in ゲームバーClan
■関連リンク
ライアットゲームズ
http://www.riotgames.co.jp/
『リーグ・オブ・レジェンド』
http://jp.leagueoflegends.com/
LeagueU
https://leagueu.jp.leagueoflegends.com/
LeagueUサークルインタビューVol.1(「神戸大学LoLサークル」、「阪南大学eSportsサークル」)
http://jp.leagueoflegends.com/ja/news/community/leagueu/circleinterview_Vol1
大阪・心斎橋のゲームバーClan
http://gamebar-clan.net