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【LoL連載】V3 Esportsの挑戦「eSportsチームで働いてみて思ったこと」 専門学校生・高本君の場合

初めまして。現在、東京アニメ・声優専門学校eSports学科に通っている高本と申します(2018年3月卒業見込み)。

2年前、eSports学科が設立されるということで少し話題になった、あの専門学校の卒業一期生です。eSports学科ではおもに、『League of Legends』というゲームのプロ選手として活躍するための練習や選手としてマインドの作り方を学んできました。

今回はeSportsチームで働くにあたって僕が経験、感じたことを皆さんと共有し、少しでもeSportsチームのスタッフの業務について、具体的なイメージの参考になればと思い執筆させていただきます。


V3 Esportsに参加するに至った経緯

V3 Esportsに入るきっかけは、東京アニメ声優専門学校で開催されたトライアウトでした。卒業後、eSportsの大会を運営している会社に就職するために準備をしていたときに、先生に「11月に合同トライアウトがある。いままで頑張ってきたから受けてみなさい。就職の話はそれが終わってからにしよう」と言われたので受けることにしました。

自分が今までやってきたことをチーム関係者様の前でプレゼンし、そこで幸いにもV3のマネージャーの方からチームのスタッフとして一緒に働かないかというお声をいただきました。

当時は、自分になにができるかまったくわからなかったのですが、とりあえず百聞は一見にしかずと思い、参加することを決意。12月半ばからV3のインターンとして2ヶ月間ゲーミングハウスでの生活をはじめました(当時のrateはGold2でした……)。


ゲーミングハウスは洋風3階建ての一軒家で、都内近郊の駅から徒歩15分程の住宅街にありました。各選手には各々の部屋があり、PlayingRoomはスペースに余裕のある広い部屋でした。

僕が初めて訪れたとき、V3 Esportsの選手達は練習試合の最中で、全員が声を出しながらその部屋の広さに負けない異様な熱気に包まれていたのを覚えています。eSportsチームの一員として、いよいよ働き始めるんだと実感した瞬間でした。

僕が今回のインターンを通して担当した業務はおもに下記の3点になります。

■アナリスト業務

■マネージャー業務
■スポンサー業務

どのような内容を実施して、そのときなにを感じたかをひとつずつ解説していこうと思います。これからeSportsチームに加わろうと考えている方々のなにかしらの参考になれば嬉しいです。

アナリストの仕事

右も左も分からない自分が初めにやった業務は、アナリストの仕事でした。選手の練習試合の記録を何十行にもおよぶExcelシートに打ち込み、それらがどのような影響をゲームに与えているかを資料にまとめあげる業務です。

「選手がプレイ中に、無意識に実施していることを可視化させ、それらを資料にまとめ上げてコーチに伝える。このようにチームの成長を数値で示すことは、より堅実な勝利につなげるための重要な作業なんだ」とマネージャーのエーデムが説明していたのが、印象的でした。

ひとつひとつの作業は小さいけれど、それが積もってくるうちにチームの傾向と対策が少しずつ分かるようになり、ゲームを別の視点から観察できるようになったように思えました。なにより自分が作った資料が、チームの勝利のための練習計画やアドバイスなどに利用され、チームの一員として少しでも勝利に貢献できていると感じられることが嬉しかったです。

マネージャーの仕事

アナリストの仕事が一段落して、次に任されたのはマネージャーの仕事でした。おもに、新しくできた『LoL』2部チーム「V3 New Generation」を担当しました。

具体的には、選手たちの練習試合の計画を立てたり、練習試合の撮影や編集、アップロード、大会へのエントリーや運営との連絡などをします。

アナリストとは違って、ゲーム外のことでチームをサポートする仕事でした。ゲーム外の仕事がほとんどだったので、eSportsの仕事をやっているという感覚は少なかったのですが、選手たちがゲームに集中できる環境を作るためには、この業務をやる人がいないとチームが成り立たない、チームにとってなくてはならない仕事だとも思いました。

またシーズンが始まると、選手たちの不安が少なからず出ます。それがコーチの方針、選手間の連携、プレイ環境への不満などにつながり、より具体的な言葉として出てくるようになります。

現場の言葉をひとつひとつ拾って選手側の目線に立ち、チームの潜在的な問題点を把握。それらの問題をひとつずつ改善することで、チームの結束力を高められるといった点も、この仕事の醍醐味だと思いました。

スポンサーの仕事

スポンサーの仕事は、まさにイメージしていた社会人の方々がやるような業務でした。提案資料の作成や発表練習、メール対応など、僕の中では一番社会人デビューを感じた瞬間でした。

それぞれの企業様に対して、自分たちのチームの活動目的や内容を説明し、企業様に対してなにを提供できるかを考える毎日でした。さまざまな人と意見を交換し、レビューしてもらうことで、自分が考えたこともない視点をいただく機会に恵まれました。

慣れないスーツに身を包み、30階建てのビルの一室で名刺交換をしたあと、作成した資料を相手側の立場になって説明する。学生時代には意識していなかった、プレイヤー以外の業界を作り、支えている人たちとの対話は、eSports業界の明るい未来が少し垣間見える、ドキドキする時間でした。

最後に

今回のインターンを通じて、貴重な経験ができたなと思います。また、eSportsチームの課題として、スタッフのモチベーションを上げさせる要素が少ない点に気づきました。

これからeSportsチームに参加しようと考えている方々は、もう一度自分がeSportsチームを通じて「何を達成したいか、何に貢献したいか」を整理してからチームの門を叩くと、より充実した時間を過ごせると思います。

eSportsチームは、結果により将来が大きく左右される勝負の世界です。それらの勝負にチームスタッフの姿勢と努力が、確実に貢献していることを実感できたインターン経験でした。



■関連リンク
リーグ・オブ・レジェンド
http://jp.leagueoflegends.com/
V3 Esports
http://v3esports.com/
V3 EsportsのTwitter
https://twitter.com/V3EsportsJP
東京アニメ・声優専門学校
http://www.anime.ac.jp/

【連載】V3 Esportsの挑戦『リーグ・オブ・レジェンド』編

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