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【DreamHack Japan 2023主催者 ドノバン・アヨン氏 インタビュー】「ゲームを中心に家族みんなで楽しめる、遊園地のようなイベントにしたい」
目次
「DreamHack Japan」の開催が初めてアナウンスされたのは2022年10月のこと。それから約半年を経て、5月13日〜14日の2日間で「DreamHack Japan 2023 Supported by GALLERIA」が開催された。
一般的にはLANパーティーというイメージの「DreamHack」だが、イベントだけを見ると音楽ライブとゲームイベント、といった印象が強かった。そのいずれもそれぞれには盛り上がったが、これが「DreamHack」と言われてもなかなかピンとこない面もある。
そこで、イベント2日目の会期中に今回のイベントを主催したESL FACEIT Groupで日本を担当するカントリーマネージャー、Donovan Auyong氏(ドノバン・アヨン氏)にインタビューさせていただいた。自身も過去に『CS:GO』の選手として活躍されていた“こちら側”の人物だ。グローバルから見た日本のゲームファン・ゲームコミュニティは、ドノバン氏の目にどう映ったのだろうか。
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──非常にお忙しい2日間を過ごされていると思いますが、ドノバンさん自身は「DreamHack Japan」をご覧になれましたか?
ドノバン:はい、見ています! ただ、ずっと裏側でいろいろな打ち合わせがあり、なかなか全部見たいステージは見られていないんですけど。
──「DreamHack Japan」を開催すると発表してから、日本や世界からどんな声がありました?
ドノバン:一番は、日本にもDreamHackブランドを知っていた人が多くて、「DreamHackが来ます」ということをすごく喜んでいただきました。ローンチ時は海外の声の方が大きかったですね。やっぱりDreamHackに来るのはゲーマーなので、「ゲーミングの聖地の日本に行くんだ!」というような。その時は旅行に行きたいとか、有名なストリーマーたちもみんな日本に呼んでくれ! みたいなリクエストは多くありました。
──DreamHackというとLANパーティーのイメージが強いですが、世界各国で開催されている現在は、その国に合わせたイベントになっているそうですね。今回日本ではどんな工夫をされたのでしょうか?
ドノバン:国ごとに人気のゲームが違うので、日本で人気があるゲームタイトルの『VALORANT』と『Apex Legends』とさまざまなコンテンツを組み合わせました。VTuberを取り入れたのも、多分DreamHackとしては世界初だと思います。
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──一方で、「BYOC」については、今回は大きなイベントの中に小さく組み込まれているように見えてしまいました。
ドノバン:元々のDreamHackは「BYOC」をコアとして育っていったんですけど、これからのDreamHackはゲーミングフェスティバルというイメージなんです。でも、コンソールとかPCとかを、同じ場所で楽しめるところは作りたかったので、今回はBYOCエリアはあえて小さめに作って、フリープレイとかで新しいゲームや人気ゲームを自由に遊べるように設定しました。
海外では何千人規模のBYOCになっているんですけど、それは欧米の文化とクルマの文化があって、みんなパソコンを持ってきてテントとかクルマで寝られる文化があればこそです。日本はそういう土地柄じゃなくて、パソコンを持っていくのにもクルマはあまり乗っていませんし、電車や郵送でキャリーも必要ですからね。
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──開催地にローカライズするという話でいうと、今回はBYOCがメインではない一方で、『カウンターストライク2』はBYOCの参加者限定でしたね。
ドノバン:うちの会社は『CS』シリーズを長く扱っていたので、パブリッシャーから特別に権利をもらっていました。BYOCの外に置くか中に入れるかで悩んだんですが、BYOCは最もプレミアムな空間にしたかったので、BYOC参加者だけが遊べるようにするという今回の判断でした。
──あらためて、海外でのBYOCの楽しみ方や雰囲気を教えていただけますか?
ドノバン:BYOCの楽しみ方はさまざまで、ギターをやっている人もいるし、YouTubeを配信している人もいるし、ただ友達と一緒にYouTubeを見ているだけの人もいます。もちろん友達とゲームしながらコンテンツも作ったり、パソコンの作りからつなげ方、デコレーションのしかたも独特です。海外でもテーブルとイスは提供されるんですけど、上にもうひとつ棚を入れて、自分のPCに大きなモニュメントみたいなものを見せたりして「私のパソコンすごいでしょ?」といったアピールのしかたもありますね。
──別にゲームだけじゃなくなんでもアリなわけですよね。ただ、今回に関してはいろいろな事情があって、徹夜ができないといった制約もあった一方で、パソコン自体を協賛企業の「GALLERIA」や「INZONE」からレンタルできるなどの参加しやすい工夫もされていたのが印象的でした。もっとこうしたかった、というアイデアはありましたか?
ドノバン:BYOCのチケット購入者にとって、誰もが初めての「DreamHack JapanでのBYOC」なんですよね。そういう意味では、例えばゲームデザインの学校だったり、eスポーツの学校だったり、eスポーツチームの練習場だったり、もうちょっとコミュニティ感を作りたいですね。個人的に来てこの場で新しい友達を作るのもいいと思うんですけど、みんなで集まる意味を作りたい。この学校はこんなことを勉強しているので、みんな遊びにきてください、みたいな直接コミュニティにつながることはやりたいですね。
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──海外でのLANパーティー参加者も、やはり友達に誘われて、とかが多いのでしょうか?
ドノバン:友達から紹介されて一緒に来るケースもいっぱいあると思うんですけど、大きな海外と日本の違いは、BYOC内で行われる大会が全部賞金付きなところです。賞金を稼ごう、仲間を集めてチームを作って優勝を目指そう、というコンペティション感が高いんです。今回も『CS:GO』のコミュニティ大会とか『ブロスタ』の国際大会をBYOCエリアの外でやりましたが、ああいうものをBYOCの中でコミュニティとしてやって、そこに賞金が出せるようになるといいですね。
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──そのあたりが日本のゲームファンにも伝わって、日本流のやり方ができると、もう少し親しみが湧くかもしれませんね。
ドノバン:期待はいろいろあります。最初のイベントなのでいろんな勉強も反省も活かして。DreamHackは元々海外ではフリーの遊び場で、なんでもやってもいい、みたいな感じなんです。多分日本のお客さまに向けてはもうちょっとガイドした方がいいかなとか、こういうふうに楽しめるとか伝えたいです。それと、イベント自体ももっとわかりやすくアナウンスしたいですね。
世界屈指のクオリティと言われるコスプレイヤーが会場内をパレードする姿も
──今回は「ライブエリア」のチケット情報がかなり早くて、eスポーツやゲームイベントの情報はかなり遅めでしたよね。ただ、出演しているアーティストさんが『VALORANT』の大会などに本気で出ていて、アーティスト側にゲームがうまい方も多かったので、ゲームはそれほど興味がなくても、普段は知らないゲームのうまさを見れてよかったと思います。
ドノバン:朝の11時から夜の9時まで、全部のコンテンツを固定席で見るのはさすがにつらいですよね。もちろん、チケットを買っても興味がないイベントもあるでしょうし。そのあたりは次回はどうやってみんなの見たいものを調整していい会場を作れるのか、オーガナイザーとしての課題ですね。
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──ちなみに、日本特有のゲームコミュニティとして、今回は『ストリートファイターIII』『バーチャファイター ファイナルショーダウン』が一番人が集まって盛り上がっていました。日本のコミュニティの熱量についてはどう思われましたか?
ドノバン:どちらも素晴らしいコミュニティで、参加者はすごく盛り上がっていましたね。ただ、濃いコミュニティって他の方は混ざりにくくもなります。
外国人からの目線ですが、海外のイベントは同じ場所に集まるとみんなでしゃべって、すぐに仲間になれる。でも、日本のコミュニティはすごく盛り上がっているんですが、なかなか他のコミュニティにつながることは難しくて。「ここのステージはなんだろう? 面白そうだから5分だけ見てみよう」といったところはあまりないんですよね。
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──そう言われると、一見さんお断り、というイメージはどうしても感じられるかもしれませんね。実際に仲間に入ればみなさんフレンドリーなのですが、一歩を踏み出すのは勇気が要りそうなのもわかります。
ドノバン:「DreamHack」のいいところは、現地に来るといろいろなものが紹介してもらえて、別のコミュニティとふれることで実はこれも面白いとか、実はこういうゲームの楽しみ方もあるんだといった、新たな体験ができるところだと思います。PCもあれば、コンシューマーもあり、スマホもあって、みたいな感じで。そうなれるといいですね。
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──最後に、次回に向けて「DreamHack Japan」というイベントを今後どういうふうにしていきたいのかを聞かせてください。
ドノバン:海外も含めたDreamHack全体としては、若い層にターゲティングしたいことは事実です。イメージ的には音楽フェスじゃなくて、“夢の国”がイメージしやすいでしょうか。年齢層が違う人が集まっても、そこにいたらいろんな楽しみ方ができるような場所。
例えば家族で来て、お父さんはファイティンゲームを楽しみ、子どもは『スプラトゥーン3』、『フォートナイト』、『ブロスタ』のようなスマホゲームを遊ぶ。あまりゲームをしないお母さんやお姉ちゃんは、ライブアクティビティとかストリーマーの対戦を鑑賞できるというような。
会場限定のグッズもたくさん。親子の思い出にもなる
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──誰が来ても楽しめる空間、ですね。
ドノバン:そうですね。今回の「DreamHack Japan」ではまだ展開してないんですけど、海外には「体験型ゾーン」というものがあります。ちょっとサッカーをやったり歌を歌ったりレゴを作ったり、さまざまな趣味を持っている人がいて、どの家族が来ても楽しめるゲームの遊園地という感じです。
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──私たちのようなゲームメディアがイメージしているLANパーティーから発展するというよりも、「DreamHack」はもっと広く誰でも楽しめる場を目指しているんですね。
ドノバン:LANパーティーはDreamHackとしては20年以上やっているイベントですが、多分昔のイメージになりつつあります。ただ、これからもLANパーティーから外していくのではなくて、LANパーティーもありつつ他の楽しみを追加していく。メインは大きなeスポーツ大会だったり音楽ライブだったりと、別のものになっていくのかもしれません。
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──なるほど、LANパーティーとeスポーツだけでなく、時代に合わせてDreamHack自体も変わっていくと。
ドノバン:といっても、日本の市場に海外スタイルを無理やり合わせるのはよくないので、LANパーティーのモニターがずらっと並んでいるような光景もありつつ、何が一番やりやすいのかを調整しながら、バランスを探していくのはこれからの課題です。
──来年はさらにパワーアップした「DreamHack Japan」が見られそうで楽しみです。ありがとうございました!
DreamHack Japan 2023 Supported by GALLERIA
https://www.dreamhackjapan.com/
©︎DreamHack Japan 2023 Supported by GALLERIA
一般的にはLANパーティーというイメージの「DreamHack」だが、イベントだけを見ると音楽ライブとゲームイベント、といった印象が強かった。そのいずれもそれぞれには盛り上がったが、これが「DreamHack」と言われてもなかなかピンとこない面もある。
そこで、イベント2日目の会期中に今回のイベントを主催したESL FACEIT Groupで日本を担当するカントリーマネージャー、Donovan Auyong氏(ドノバン・アヨン氏)にインタビューさせていただいた。自身も過去に『CS:GO』の選手として活躍されていた“こちら側”の人物だ。グローバルから見た日本のゲームファン・ゲームコミュニティは、ドノバン氏の目にどう映ったのだろうか。
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ESL FACEIT Group カントリーマネージャーのドノバン・アヨン氏
ゲーミングの聖地・日本での「DreamHack」開催に、世界中から大反響
──非常にお忙しい2日間を過ごされていると思いますが、ドノバンさん自身は「DreamHack Japan」をご覧になれましたか?
ドノバン:はい、見ています! ただ、ずっと裏側でいろいろな打ち合わせがあり、なかなか全部見たいステージは見られていないんですけど。
──「DreamHack Japan」を開催すると発表してから、日本や世界からどんな声がありました?
ドノバン:一番は、日本にもDreamHackブランドを知っていた人が多くて、「DreamHackが来ます」ということをすごく喜んでいただきました。ローンチ時は海外の声の方が大きかったですね。やっぱりDreamHackに来るのはゲーマーなので、「ゲーミングの聖地の日本に行くんだ!」というような。その時は旅行に行きたいとか、有名なストリーマーたちもみんな日本に呼んでくれ! みたいなリクエストは多くありました。
──DreamHackというとLANパーティーのイメージが強いですが、世界各国で開催されている現在は、その国に合わせたイベントになっているそうですね。今回日本ではどんな工夫をされたのでしょうか?
ドノバン:国ごとに人気のゲームが違うので、日本で人気があるゲームタイトルの『VALORANT』と『Apex Legends』とさまざまなコンテンツを組み合わせました。VTuberを取り入れたのも、多分DreamHackとしては世界初だと思います。
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「ぶいすぽっ!」によるエキシビションマッチは、本人はおらず声とパネルのみながら、大勢のファンが集まった
──一方で、「BYOC」については、今回は大きなイベントの中に小さく組み込まれているように見えてしまいました。
ドノバン:元々のDreamHackは「BYOC」をコアとして育っていったんですけど、これからのDreamHackはゲーミングフェスティバルというイメージなんです。でも、コンソールとかPCとかを、同じ場所で楽しめるところは作りたかったので、今回はBYOCエリアはあえて小さめに作って、フリープレイとかで新しいゲームや人気ゲームを自由に遊べるように設定しました。
海外では何千人規模のBYOCになっているんですけど、それは欧米の文化とクルマの文化があって、みんなパソコンを持ってきてテントとかクルマで寝られる文化があればこそです。日本はそういう土地柄じゃなくて、パソコンを持っていくのにもクルマはあまり乗っていませんし、電車や郵送でキャリーも必要ですからね。
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オープン前からのセットアップもBYOCの醍醐味。思い思いの機材を持ち込んで自慢したり遊んだりする
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BYOCエリアの隣(写真奥)には大会や出展ブースも。BYOC自体もれっきとしたイベントのひとつになっている
──開催地にローカライズするという話でいうと、今回はBYOCがメインではない一方で、『カウンターストライク2』はBYOCの参加者限定でしたね。
ドノバン:うちの会社は『CS』シリーズを長く扱っていたので、パブリッシャーから特別に権利をもらっていました。BYOCの外に置くか中に入れるかで悩んだんですが、BYOCは最もプレミアムな空間にしたかったので、BYOC参加者だけが遊べるようにするという今回の判断でした。
BYOC内にもっとゲームコミュニティを取り込みたい
──あらためて、海外でのBYOCの楽しみ方や雰囲気を教えていただけますか?
ドノバン:BYOCの楽しみ方はさまざまで、ギターをやっている人もいるし、YouTubeを配信している人もいるし、ただ友達と一緒にYouTubeを見ているだけの人もいます。もちろん友達とゲームしながらコンテンツも作ったり、パソコンの作りからつなげ方、デコレーションのしかたも独特です。海外でもテーブルとイスは提供されるんですけど、上にもうひとつ棚を入れて、自分のPCに大きなモニュメントみたいなものを見せたりして「私のパソコンすごいでしょ?」といったアピールのしかたもありますね。
──別にゲームだけじゃなくなんでもアリなわけですよね。ただ、今回に関してはいろいろな事情があって、徹夜ができないといった制約もあった一方で、パソコン自体を協賛企業の「GALLERIA」や「INZONE」からレンタルできるなどの参加しやすい工夫もされていたのが印象的でした。もっとこうしたかった、というアイデアはありましたか?
ドノバン:BYOCのチケット購入者にとって、誰もが初めての「DreamHack JapanでのBYOC」なんですよね。そういう意味では、例えばゲームデザインの学校だったり、eスポーツの学校だったり、eスポーツチームの練習場だったり、もうちょっとコミュニティ感を作りたいですね。個人的に来てこの場で新しい友達を作るのもいいと思うんですけど、みんなで集まる意味を作りたい。この学校はこんなことを勉強しているので、みんな遊びにきてください、みたいな直接コミュニティにつながることはやりたいですね。
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BYOCエリア隣のフリープレイスペースには大人から子どもまで楽しめるタイトルが並ぶ
──海外でのLANパーティー参加者も、やはり友達に誘われて、とかが多いのでしょうか?
ドノバン:友達から紹介されて一緒に来るケースもいっぱいあると思うんですけど、大きな海外と日本の違いは、BYOC内で行われる大会が全部賞金付きなところです。賞金を稼ごう、仲間を集めてチームを作って優勝を目指そう、というコンペティション感が高いんです。今回も『CS:GO』のコミュニティ大会とか『ブロスタ』の国際大会をBYOCエリアの外でやりましたが、ああいうものをBYOCの中でコミュニティとしてやって、そこに賞金が出せるようになるといいですね。
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『CS:GO』のコミュニティ大会「HoneyCombS CUP #9」では優勝チームにゲームポイントやデバイスが贈られた
──そのあたりが日本のゲームファンにも伝わって、日本流のやり方ができると、もう少し親しみが湧くかもしれませんね。
ドノバン:期待はいろいろあります。最初のイベントなのでいろんな勉強も反省も活かして。DreamHackは元々海外ではフリーの遊び場で、なんでもやってもいい、みたいな感じなんです。多分日本のお客さまに向けてはもうちょっとガイドした方がいいかなとか、こういうふうに楽しめるとか伝えたいです。それと、イベント自体ももっとわかりやすくアナウンスしたいですね。
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新たなコミュニティに出会えるのも「DreamHack」の特徴
──今回は「ライブエリア」のチケット情報がかなり早くて、eスポーツやゲームイベントの情報はかなり遅めでしたよね。ただ、出演しているアーティストさんが『VALORANT』の大会などに本気で出ていて、アーティスト側にゲームがうまい方も多かったので、ゲームはそれほど興味がなくても、普段は知らないゲームのうまさを見れてよかったと思います。
ドノバン:朝の11時から夜の9時まで、全部のコンテンツを固定席で見るのはさすがにつらいですよね。もちろん、チケットを買っても興味がないイベントもあるでしょうし。そのあたりは次回はどうやってみんなの見たいものを調整していい会場を作れるのか、オーガナイザーとしての課題ですね。
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プロゲーマーとアイドルやストリーマーが対決した「VALORANT 女性プレイヤーエキシビションマッチ」。ライブエリアはエキシビションマッチやライブの予定が詰まっていたものの、イベントによってはどうしても空席も目立ってしまった
──ちなみに、日本特有のゲームコミュニティとして、今回は『ストリートファイターIII』『バーチャファイター ファイナルショーダウン』が一番人が集まって盛り上がっていました。日本のコミュニティの熱量についてはどう思われましたか?
ドノバン:どちらも素晴らしいコミュニティで、参加者はすごく盛り上がっていましたね。ただ、濃いコミュニティって他の方は混ざりにくくもなります。
外国人からの目線ですが、海外のイベントは同じ場所に集まるとみんなでしゃべって、すぐに仲間になれる。でも、日本のコミュニティはすごく盛り上がっているんですが、なかなか他のコミュニティにつながることは難しくて。「ここのステージはなんだろう? 面白そうだから5分だけ見てみよう」といったところはあまりないんですよね。
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現役『ストIII』勢による「クーペレーションカップ」は特別盛り上がっていた
──そう言われると、一見さんお断り、というイメージはどうしても感じられるかもしれませんね。実際に仲間に入ればみなさんフレンドリーなのですが、一歩を踏み出すのは勇気が要りそうなのもわかります。
ドノバン:「DreamHack」のいいところは、現地に来るといろいろなものが紹介してもらえて、別のコミュニティとふれることで実はこれも面白いとか、実はこういうゲームの楽しみ方もあるんだといった、新たな体験ができるところだと思います。PCもあれば、コンシューマーもあり、スマホもあって、みたいな感じで。そうなれるといいですね。
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『ブロスタ』の世界大会「Mobile Monster」での優勝決定のシーン。eスポーツイベントも歓喜の声に包まれた
“夢の国”みたいな「DreamHack Japan」に
──最後に、次回に向けて「DreamHack Japan」というイベントを今後どういうふうにしていきたいのかを聞かせてください。
ドノバン:海外も含めたDreamHack全体としては、若い層にターゲティングしたいことは事実です。イメージ的には音楽フェスじゃなくて、“夢の国”がイメージしやすいでしょうか。年齢層が違う人が集まっても、そこにいたらいろんな楽しみ方ができるような場所。
例えば家族で来て、お父さんはファイティンゲームを楽しみ、子どもは『スプラトゥーン3』、『フォートナイト』、『ブロスタ』のようなスマホゲームを遊ぶ。あまりゲームをしないお母さんやお姉ちゃんは、ライブアクティビティとかストリーマーの対戦を鑑賞できるというような。
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スマホゲーム、PCゲームなどさまざまなフリープレイブースも用意されていた
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大人には懐かしく、若者には新鮮なアーケードゲームも大人気。そこに年齢などの垣根はない
──誰が来ても楽しめる空間、ですね。
ドノバン:そうですね。今回の「DreamHack Japan」ではまだ展開してないんですけど、海外には「体験型ゾーン」というものがあります。ちょっとサッカーをやったり歌を歌ったりレゴを作ったり、さまざまな趣味を持っている人がいて、どの家族が来ても楽しめるゲームの遊園地という感じです。
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DHLブースではスマホのシンプルなスコアアタックゲームの試遊も。賞金付きの世界大会もあるとか
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インテルブースでは、CPUやGPUの性能を確かめられる試遊ブースのほか、7ORDERメンバーのカスタムPCとそのパーツの展示も
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モンスターエナジーブースでは、グッズが当たるキャンペーンや『CoD』の試遊、インフルエンサーのトークショーなどを展開
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GALLERIAブースではPCゲームの試遊や『LoL』のインフルエンサートークショーが超満員。海外で活躍しているEvi選手も来場した
──私たちのようなゲームメディアがイメージしているLANパーティーから発展するというよりも、「DreamHack」はもっと広く誰でも楽しめる場を目指しているんですね。
ドノバン:LANパーティーはDreamHackとしては20年以上やっているイベントですが、多分昔のイメージになりつつあります。ただ、これからもLANパーティーから外していくのではなくて、LANパーティーもありつつ他の楽しみを追加していく。メインは大きなeスポーツ大会だったり音楽ライブだったりと、別のものになっていくのかもしれません。
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実はチケット購入者しか見られないライブエリア以外でもアイドルやインフルエンサーが参加していた。写真は岡崎体育や乃木坂46の吉田綾乃クリスティーなども参戦した「Apex Legendsチーム対抗戦」
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高校生が選ぶ『2023年NEXTトレンドランキング』にもノミネートされた黒宮れい、金子理江による新ユニット「REIRIE」のライブもアクティビティエリアで開催
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インフルエンサーやプロゲーマーが会場から配信を行った「CREATORS HUB」には『ホグワーツレガシー』の配信で伊織もえの姿も
──なるほど、LANパーティーとeスポーツだけでなく、時代に合わせてDreamHack自体も変わっていくと。
ドノバン:といっても、日本の市場に海外スタイルを無理やり合わせるのはよくないので、LANパーティーのモニターがずらっと並んでいるような光景もありつつ、何が一番やりやすいのかを調整しながら、バランスを探していくのはこれからの課題です。
──来年はさらにパワーアップした「DreamHack Japan」が見られそうで楽しみです。ありがとうございました!
DreamHack Japan 2023 Supported by GALLERIA
https://www.dreamhackjapan.com/
©︎DreamHack Japan 2023 Supported by GALLERIA
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