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『リーグ・オブ・レジェンド』春夏間の祭典、「Mid-Season Invitational」の歴史と見どころ

目次
  1. 「Mid-Season Invitational」とは?
  2. 「MSI」ヒストリー
    1. 2015年、記念すべき第1回大会
    2. SKTが前年の雪辱を果たした2016年
    3. 新たなる地域が興隆する2017年
    4. 2018年、ついにカップを手にした伏龍、Royal Never Give Up
  3. 「Worlds」前哨戦としての「MSI」
  4. 今大会の見どころ
    1. 注目ポジションはトップレーナー
    2. 「MSI」優勝トロフィーを掲げるのはどのチームに?
  5. 配信スケジュール
令和の始まりとともに幕を開けた『リーグ・オブ・レジェンドLoL)』の国際大会「Mid-Season Invitational(MSI)」。今年はベトナムと台湾を股にかけて開催されるこの大会は、どのような大会なのだろうか。MSIのこれまでの歴史や国際プロシーンでの位置づけ、これからの見どころなどを紹介しよう。

「Mid-Season Invitational」とは?

「Mid-Season Invitational」はいわゆる春スプリット(1~4月)と夏スプリット(6~9月)の間に行われる国際大会だ。各地域で春スプリットを制覇した優勝チームが集まり、その年の中間時点において最も強いチーム・地域を決定する大会である。

2014年まではこの時期にオールスターイベントが行われていたが、2015年から競技的な側面を強化した催しとして「MSI」が開催されるようになった。オールスターは現在、1シーズンの締めくくりとして世界大会(Worlds)後の12月開催に移動している。

初開催となった2015年にはEDward gaming(EDG)が中国チーム初の国際大会優勝を勝ち取り、2017年は新興地域ベトナムが台頭するなど、様々なドラマが生み出されてきた大舞台が「MSI」だ。今大会においても、昨年の世界王者Invictus Gaming(iG)や、昨年の不振から見事に復帰した韓国のSK Telecom T1(SKT)など多くのファンの注目するチームが集まっている。

「MSI」ヒストリー

2015年、記念すべき第1回大会

▲アメリカ・フロリダでの第1回大会から始まった「MSI」。決勝戦のドラフトで、EDGのPawn選手がライバルのFaker選手に対して仕掛けた罠が優勝への道筋を切り開いた

LPL代表の「EDward Gaming」が、中国チームとして初の公式国際大会優勝を飾った。あのSKTとの対決となった決勝戦は第5試合までもつれ込み、Faker選手に得意チャンピオン「ルブラン」をあえて渡して勝利したPawn選手の決断は、後々まで語られる伝説的なエピソードとなった。

SKTが前年の雪辱を果たした2016年

▲中国・上海で行われた第2回。この年のSKTはそのまま世界大会も優勝し、国際大会を完全に制覇する

この「MSI」優勝もまた、SKTという伝説的なチームが『LoL』の歴史に記した栄光のひとつだ。アジアの各強豪地域に囲まれつつも北米から出場したCounter Logic Gamingが、欧米チームとしては久々の躍進を見せたのも大きな話題となった。優勝カップを前に3勝0敗で敗れたものの、国際大会の決勝まで戦い抜いた様子には、欧米双方のファンが沸き立った。

新たなる地域が興隆する2017年

▲マイナーリージョンであるブラジルで開催された初の「MSI」。SKTが連覇を飾った

新興地域ベトナムが台頭したのが2017年の「MSI」だ。東南アジア地域代表のベトナムチーム、GIGABYTE Marinesのプレイは、五大リーグすら脅かす超攻撃的スタイルで脚光を浴びることとなった。

当時ベトナムは「東南アジア」地域を構成する複数の小地域のひとつでしかなかった。しかしこの時の好成績はベトナムが東南アジア地域から「VCS」として独立することとなった理由のひとつとなる。その後の国際大会でも、ベトナムから出場するチームは常に記憶に残る試合を見せ続けている。

2018年、ついにカップを手にした伏龍、Royal Never Give Up

▲プロとしてのキャリアも長く、中国国内でも絶大な人気を誇るRNGのUzi選手。ヨーロッパで開催された「MSI 2018」において、悲願ともいえるチーム史上国際大会タイトルを初めて獲得した

RNGの国際タイトル獲得――この結果は「Worlds 2018」の前兆を示す大会とも言えよう。それまで国際大会で圧倒的な戦績を収めてきた韓国「LCK」と中国を含めた他地域との間には、厳然たる差が存在するとみられてきた。ついにその差が埋まり、「韓国ではない最強地域」が出現するのではないかという雰囲気は、今も引き続き世界中に広がっている。

また、プレイイン・ノックアウトから参戦した「LMS」(台湾・香港・マカオ)代表の「Flash Wolves(FW)がグループステージで躍進し、五大リーグ一角としての矜持を見せた。

「Worlds」前哨戦としての「MSI」

▲今年の「MSI」、プレイインステージの開催場所は、ベトナムリーグ「VCS」が普段開催されているホーチミンのGG Stadium

いわゆる五大リーグ(LCS・LEC・LPL・LCK・LMS)にとっては、シーズン中間における各地域の強さを競う構図となる「MSI」。しかしそれ以外の地域にとっては、異なる意味を持つ大会となる。五大リーグ以外の、いわゆるマイナーリージョンの中で最も好成績を残した地域は、「Worlds」においてグループステージ参加枠を1枠獲得することができるのだ。

過去の「MSI」においてはこの枠はほぼベトナム地域が獲得しているが、他の地域も今シーズンは特に補強されているためその行方は予想しづらい。今年のMSI形式では、マイナーリージョン8チームから勝ち上がる2チームとLMS・LCS代表チームがプレイインノックアウトステージを戦う。マイナーリージョンと五大リーグの間の差はまだ大きく、グループステージを抜けることのできたチームがたとえプレイインの先に進めなかったとしても、「Worlds」グループステージ参加権を獲得する見込みがかなり高い。

もちろん、LCSやLMS代表のチームを破って、マイナーリージョンから2つの地域がその先のグループステージに進出する可能性もある。大会本番でそれまでの下馬評がひっくり返されるのは「MSI」の常であるし、多くの観戦者を沸かせてくれるのもそういった挑戦者たちの活躍なのだ。

今大会の見どころ

注目ポジションはトップレーナー

LJL代表「DetonatioN FocusMe」トップレーナーのEvi選手。海外メディアESPN掲載の「今大会注目の20人」に日本人選手として唯一ランクインしたことも話題に

2019シーズンは春スプリットを通してもちろん環境が変化していったのだが、地域の1位を決定するプレイオフの時期は特にトップレーンが重要となっていた地域が多かった。ライズ、ジェイス、サイラス、ケネン、ブラッドミア、イレリアといったチャンピオンを選択し、トップレーンからゲームを作っていくことで勝利し、「MSI」へとやってきたチームが多いのだ。

春プレイオフで使われた競技用パッチは9.6だったが、「MSI」での競技使用パッチは9.8。パッチ9.8では、さらにいくつかのトップレーン向けチャンピオンが強化されている。1対1に強いフィオラや、選択肢を増やす意味で補強されたタンクのオーン等、相変わらずトップレーンの重要性は高い。

そして今大会に出場するチームのトップレーナーはいずれも腕に覚えのあるスター選手ばかりだ。iGのTheShy選手、SKTのKhan選手、G2 EsportsのWunder選手はもちろん、Team LiquidのImpact選手や、Flash Wolvesの看板として成長したHanabi選手も注目される。もちろんトップレーンだけが勝ちさえすれば試合に勝てるわけではない。プレイインステージ前半の試合では、他ポジションから序盤の主導権を握っていく試合も多かった。それでも今大会において「トップレーナー」が最も注目されるポジションであることに間違いはない。

「MSI」優勝トロフィーを掲げるのはどのチームに?

▲2018年世界大会王者、Invictus Gamingのトップレーナーを務めるTheShy選手。この春スプリットの試合でもその絶対的な強さを見せつけてきた

昨年の「Worlds」優勝以来圧倒的な力で相手をねじ伏せてきているiGが再びその強さを見せつけるのか、2018年の不調から復活を遂げたSKTがそれを上回って見せるのか、あるいはダークホースが躍り出るのか。EDG、SKT、RNGと過去にMSIで優勝を飾ったチームはたったの3つだけ。そのリストに新たな名が刻まれるのだろうか?

配信スケジュール

開催地域がベトナムー台湾と日本との時差が小さい地域のため比較的視聴しやすい時間帯からのスタートとなる。ただ、日程の変更があったプレイインステージはかなり詰まったスケジュールで試合が夜遅くまで続くので、時間帯によっては視聴の際にはVoDを利用するなど、睡眠スケジュールとの兼ね合いをお忘れなく。

プレイインステージ
5月1日 日本時間18時より、Bo1形式8試合
5月2日 日本時間18時より、Bo1形式8試合※
5月5日 日本時間14時より、Bo1形式8試合※
(※タイブレークにより試合が追加される可能性がある)

プレイインノックアウトステージ
5月6日 日本時間17時より、Bo5形式2試合
5月7日 日本時間19時より、Bo5形式1試合

グループステージ
5月10日 日本時間19時より、Bo1形式6試合
5月11日 日本時間16時より、Bo1形式6試合
5月12日 日本時間16時より、Bo1形式6試合
5月13日 日本時間19時より、Bo1形式6試合
5月14日 日本時間19時より、Bo1形式6試合※
(※タイブレークにより試合が追加される可能性がある)

ノックアウトステージ(全てBo5:3本先取)
5月17日 日本時間19時より、準決勝第1対戦
5月18日 日本時間16時より、準決勝第2対戦
5月19日 日本時間16時より、決勝

記事内画像出典:LoL Esports Flickr
執筆:山口佐和子
執筆協力:ユラガワ
写真:LoL Esports Photos

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