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【LoL海外プロシーン2021】若い選手と老練なスタッフが集う。欧州1部リーグ「LEC」がいよいよ開幕!
目次
続々と開幕する各地の『リーグ・オブ・レジェンド(LoL)』プロリーグ。先週は北米リーグ「LCS」が開幕したが、今週引き続いて開幕するのは「LEC」だ。2018~2019年は次々と国際大会の最奥へトップチームを送り出し、その勢いを世界中に意気揚々と示してみせたヨーロッパリーグ「LEC」。ベテランと若手が力を合わせて世界最強の称号を目指す道程は、英語圏で多くのファンから絶大な支持を得た。
2020年は年2回ある国際大会の内、前半を総括する「MSI」が中止されてしまったものの、LECは「Worlds」へ4チームを送り出した。第4シードチームの「MAD Lions」はグループステージ進出を決められなかったものの、第1シードで出場した「G2 Esports」は強豪を多く抱えるアジア圏のチームに果敢に挑み、準決勝で優勝チームに敗れ去った。
一般プレイヤー人口も大きく伸び、次々に新人選手がデビューするヨーロッパ地域は今や「才能の宝庫」と見なされている。そんなヨーロッパのトッププロチームたちは、2021シーズンにどんな陣容を持ち込むのだろうか。
▲8bitの横スクロールアクションをイメージして、コミカルに描かれるLEC 2021 Spring Splitトレーラー。なお途中で登場するバロン像はLEC Studio内に実在する
トップ:Wunder(ワンダー)
ジャングル:Jankos(ヤンコス)
ミッド:Caps(キャップス)
ボット:Rekkles(レックレス)
サポート:Mikyx(ミッキーェックス)
ヘッドコーチ:GrabbZ(グラッブズ)
2018年から3年連続の「Worlds」グループステージ突破、「MSI 2019」優勝など、国際大会でのLECの存在感を担う欧州のトップチーム。常に地域のトッププレイヤーが揃い、悲願ともいえるWorlds優勝を目指している。
2021シーズンを迎えるにあたっては、旧EU LCSへの参戦以前から常にチームの中心として活躍してきたPerkz選手がついにチームを脱退した。その空席に新たに迎えられたRekkles選手は、Fnaticの大黒柱ともいえるプレイヤーだったことから、ファンからは驚きと納得の入り混じった声で迎えられた。ADCを強化するという前提であれば、考えられる選択肢の中でも最上の一人と言える人選である。現時点で考えられるベストのメンバーを集め、世界を獲るための戦いが始まろうとしている。
トップ:Bwipo(ブウィポ)
ジャングル:Selfmade(セルフメイド)
ミッド:Nisqy(ニスキー)
ボット:Upset(アップセット)
サポート:Hylissang(ヒリサン)
ヘッドコーチ:YamatoCannon(ヤマトキャノン)
『LoL』の競技シーン黎明期から活動を続け、今に至るまで欧州のみならず国際的な競技シーンでも存在感を発揮し続ける名門中の名門。他タイトルで活動している同組織のチームを目にしたこともあるだろう。2020シーズンもプレイオフに合わせてチームを仕上げてきたものの、結果的にはG2の後塵を拝する結果に終わっている。
2021シーズンに向けた移籍市場では、チームの看板だったRekkles選手、ミッドのNemesis選手とレーナー2名が移籍となったが、北米のC9で活躍していたNisqy選手、そしてデビュー当時はRekklesの継承者と呼ばれていたボットレーナー・Upset選手が加入した。また、欧州の名将として知られるYamatoCanonコーチが新たに加わった点も大きな補強と言えるだろう。まずは地域内最大のライバルであるG2から王座を奪還したいところだ。
トップ:Odoamne(オドアムネ)
ジャングル:Inspired(インスパイアド)
ミッド:Larssen(ラーセン)
ボット:Hans sama(ハンサマ)
サポート:Trymbi(トゥリムビ)
ヘッドコーチ:fredy122(フレディ)
2019年のLECフランチャイズ化時に参入した新規チーム。初シーズンこそ苦戦したものの、アカデミーチームからの生え抜きを加えてチームは躍進し、「Worlds 2020」出場権を勝ち取るまでに成長を見せた。
2020年の終了と共に、チーム設立時から主軸として2年契約を交わしていたメンバーの動向が注目されることとなった。躍進の原動力でもあった若手の内、トップレーナーのFinn選手がLCSへと活躍の場を移したものの、代わりにベテランのOdoamne選手が加入。Inspired選手、Larssen選手のジャングル&ミッドのコンビは続投となった。サポートのTrymbi選手はヨーロッパ統一アマチュアトップリーグ「EU Masters」優勝チームである「AGO ROGUE」からの抜擢で、これまで昇格してきたアカデミーチーム出身プレイヤー同様にその活躍が期待される。2021年も充実のラインナップで、昨年以上にトップグループに絡む戦いを見せてくれそうだ。
トップ:Armut(アームット)
ジャングル:Elyoya(エリオヤ)
ミッド:Humanoid(ヒューマノイド)
ボット:Carzzy(カージー)
サポート:Kaiser(カイザー)
ヘッドコーチ:Mac(マック)
LECがフランチャイズ化した際に、新たに参加した新チームの一つ。期待の新人として注目されたHumanoid選手をはじめとして、若手中心のラインナップでLECを戦っている。新チームとしては当初から良好な成績を収め、「Worlds 2020」にも第4シードでの出場を果たした。
新シーズンに向けての補強では、「Worlds 2020」において活躍し、トルコサーバーには大量のスキンセールを、MADにはヨーロッパへの帰りの飛行機をもたらしたArmut選手がトップレーナーとして加入。さらにスペインリーグで活躍したジャングルのElyoya選手も新たにチームへと加わった。チームの柱であるHumanoid選手は今年もミッドレーナーとして残っており、昨年以上に勢いあるチームとして、LECでもWorldsでも好成績を狙っていきたい。
トップ:Broken Blade(ブロークンブレイド)
ジャングル:Gilius(ジリウス)
ミッド:Abbedagge(アベダッジ)
ボット:Neon(ネオン)
サポート:LIMIT(リミット)
ヘッドコーチ:Dylan Falco(ディラン ファルコ)
ブンデスリーガのサッカーチームである「FC Schalke 04」(FCシャルケ 04)のLoL部門として、2016シーズンから活動しているチーム。成績は中ほどで、Worlds出場権まであと少しといったところだ。
悲願ともいえるWorlds出場を目指しての今年の補強だが、最小限ともいえるものになっている。その新たなプレイヤーは、北米チーム「Team SoloMid」で活躍していたBrokenBlade選手。彼の加入によりトップ・ジャングル・ミッドの3人はかつてTCL(トルコ1部リーグ)で活動していたメンバーが集うことなった。S04はシーズン通算での成績こそ中堅だが、昨年の夏後半は圧倒的な強さを発揮し「奇跡の快進撃」ともいわれた。最小限のチーム変更で迎える新シーズン、その強さを発揮できるのか注目となる。
トップ:Jenax(イェナックス)
ジャングル:TynX(チュンエックス)
ミッド:Blue(ブルー)
ボット:Jezu(イェズー)
サポート:Treatz(トリーツ)
ヘッドコーチ:Jesiz(イェシス)
元々は欧州プロシーンにおいて、黎明期からFnaticとトップ争いを繰り広げていた古参チームの一つ。現G2オーナーのOcelote(オセロット)氏が所属していたチームとしても知られる。一度は降格してトップリーグから姿を消していたものの、2019シーズンからLECチームとして復帰した。復帰後のチーム成績は中ほどで、かつての存在感を取り戻すための補強が求められている。
今シーズンは、ミッドからトップにコンバートして奮戦するJenax選手が引き続き所属、それ以外はLEC地域内で行われている各国のリーグで活躍した若手をピックした形になっている。特に、ミッドレーンのBlue選手はTCLですでに活動しており、得意チャンピオンからは技量への自信がうかがえる。
トップ:Kryze(クライゼ)
ジャングル:Dan(ダン)
ミッド:Czekolad(チェコラド)
ボット:Patrik(パトリック)
サポート:Tore(トーア)
ヘッドコーチ:YoungBuck(ヤングバック)
元々は英国のアマチュアリーグで活動してきた組織が、LEC設立に伴いフランチャイズ権を獲得しLECに加わったチーム。加入以来、リーグ戦では苦戦しているものの、着実にメンバーの強化を進めている。昨年はLECにおいて6回のスプリット制覇を果たしている名将YoungBuckコーチの加入が話題となった。
新シーズンを迎えるにあたっては、各国リーグで活躍した新鋭のプレイヤーを新たにチームに迎えている。Czekolad選手は昨年の「EU Masters」優勝チームの一員で、Dan選手はFnaticのアカデミーチームからの合流となっている。いずれも国内リーグではトップクラスの活躍を見せており、彼らがLECで通用するのか、YoungBuckコーチの手腕によってどのような輝きを見せるのかが注目される。
トップ:Agresivoo(アグレシヴォ)
トップ:HiRit(ヒリ)
ジャングル:Razork(ラザーク)
ミッド:Vetheo(ヴィテオ)
ボット:Kobbe(コビー)
サポート:denyk(デニック)
サポート:Vander(ヴァンダー)
ヘッドコーチ:Enatron(エナトロン)
Misfitsは2017シーズンから当時のEU LCSに参加している中堅のチームだ。初年こそPowerOfEvil選手・IgNar選手・Alphari選手といった、現在も活躍するプレイヤーたちと共にWorldsベスト8を達成したが、現在のチームは苦境に立たされている。
今シーズンの移籍市場においては、過去2年間ミッドとしてチームの柱だったFebiven選手が脱退。フランスリーグで活躍した若手のVetheo選手を新たなミッドレーナーとして迎え入れた。一方でベテランとしては、Vander選手が新たなサポートとして加入している。現時点で7名のプレイヤー登録があり、メイン/サブは判明していないものの、環境の変化に合わせながらシーズンを戦う準備を整えてきた格好だ。
トップ:Szygenda(シュゲンダ)
ジャングル:Skeanz(スキーンズ)
ミッド:Milica(ミリカ)
ボット:Comp(コンプ)
サポート:Labrov(ラブロフ)
ヘッドコーチ:Duke(デューク)
2016シーズンから欧州リーグに参加している中堅のチーム。Worlds出場経験もあるチームだが、昨年は移籍してきた選手のビザの問題などもあって低迷するという結果に終わっている。
2021シーズンに向けた移籍市場の補強では、チーム設立以来の看板だったCabochard選手がチームを離れ、新たなトップレーナーとしてSzygenda選手が加入した。チームメンバーの変更は小さいものの、最ベテランのプレイヤーが脱退したことで一気に若手揃いへと変化した影響は小さくないだろう。一人のプレイヤーが入れ替わっただけでも、一気に順位を上げることはあり得る。最終的に今回の変更がどのような結果となるかは、春の戦いぶりで見て行くことになるだろう。
トップ:WhiteKnight(ホワイトナイト)
ジャングラー:Zanzarah(ザンザラー)
ミッド:Nukeduck(ヌークダック)
ボット:Jeskla(イェスクラ)
サポート:promisq(プロミスキュー)
ヘッドコーチ:AoD(エーオーディー)
欧州における伝説的なプレイヤーであるxPeke氏が設立したOrigenが元となっており、LECのフランチャイズ権を獲得したことによりリーグに参加していたチームだ。2019シーズンのLECへの復帰に際して、『CS:GO』シーンの有力チームとして知られるAstralis傘下の組織となり、今シーズンからはチーム名も統一されることとなった。
新たなチームとして集められたラインナップだが、LECきってのベテランのNukeduck選手とpromisq選手をベースに、LEC・EU LCS経験者としてJeskla選手、WhiteKnight選手を獲得している。また「EU Masters」を制したプレイヤーとして、Zanzarah選手が「AGO ROGUE」から加入した。昨年のOrigenからは大きく変容したメンバーだが、Astralisの組織としての能力次第で昨年前半のように躍進する可能性も十分にあるはずだ。
一方でLECのフォーマット面に特に大きな変更はなく、春夏の2スプリットを例年通り行い、春のプレイオフもも昨年と同様の形式で行われる。ヨーロッパでの新型コロナウイルス感染拡大状況も芳しくはなく、LECも当面はオンライン開催となる見込みだ。
所属したメンバーの多くが1部リーグに参加するLECチームからのオファーを受けたようだ。Szygenda、Zanzarah、Czekolad、Trymbiと4名がLECデビューを果たしている。Sharkzヘッドコーチは、アシスタントコーチとしてLCSのFlyQuestへと移籍した。
近年ヨーロッパでは『LoL』のプレイヤー人口が爆発的に増えていることもあるが、特筆すべきはRogueという組織のチーム運営力、選手育成力だろう。今年のアマチュアシーンで出てくる芽も、必ず来年にLECチームへと手を伸ばしてくるはずだ。
LEC 2021 Spring Splitは、日本時間1月23日2時より幕を開ける。ダブルラウンドロビン(同じ対戦が2回ある総当たり戦)で、各対戦はBo1(1本先取)というフォーマットは、昨年までと変わらない。春スプリットは全8週の日程で、基本的に日本からは毎週金土の深夜に配信。Week1とWeek8はスーパーウィークとして、金土日の3日間行われる。レギュラーシーズンの最終順位の上位6チームが、春のプレイオフ進出チームとなる。
開幕カードは2020年には強豪として覇を争った2チームが激突する「G2 Esports vs MAD Lions」。新人や若手の多い今年のLECチームが国際大会で好成績を上げられるかどうかは未知数だが、これまでも数々の名選手や名勝負を生み出してきた欧州の組織たちのこと、きっとまた素晴らしいチームを仕上げてくるだろう。
『リーグ・オブ・レジェンド』
http://jp.leagueoflegends.com/
LoL Esports LEC試合スケジュール(英語)
https://watch.na.lolesports.com/schedule?leagues=lec
LoL Esports 公式YouTubeチャンネル(ライブ配信、英語)
https://www.youtube.com/c/lolesports/featured
LEC 公式YouTubeチャンネル(英語)
https://www.youtube.com/c/LEC/featured
LoL Esports VODs and Highlights(英語実況の各地リーグ試合動画アーカイブ)
https://www.youtube.com/c/lolesportsvods/featured
LoL Esports 公式Twitter(英語)
https://twitter.com/lolesports
LoL Esports Stats(リアルタイムで試合統計についてツイートする公式Twitter、英語)
https://twitter.com/LoLEsportsStats
LEC 2021 Spring データページ(Leaguepedia、英語)
https://lol.gamepedia.com/LEC/2021_Season/Spring_Season
2020年は年2回ある国際大会の内、前半を総括する「MSI」が中止されてしまったものの、LECは「Worlds」へ4チームを送り出した。第4シードチームの「MAD Lions」はグループステージ進出を決められなかったものの、第1シードで出場した「G2 Esports」は強豪を多く抱えるアジア圏のチームに果敢に挑み、準決勝で優勝チームに敗れ去った。
一般プレイヤー人口も大きく伸び、次々に新人選手がデビューするヨーロッパ地域は今や「才能の宝庫」と見なされている。そんなヨーロッパのトッププロチームたちは、2021シーズンにどんな陣容を持ち込むのだろうか。
▲8bitの横スクロールアクションをイメージして、コミカルに描かれるLEC 2021 Spring Splitトレーラー。なお途中で登場するバロン像はLEC Studio内に実在する
2020年より引き続きLECを戦う10チーム
G2 Esports(G2)
画像出典:G2 Esports 公式サイトトップ:Wunder(ワンダー)
ジャングル:Jankos(ヤンコス)
ミッド:Caps(キャップス)
ボット:Rekkles(レックレス)
サポート:Mikyx(ミッキーェックス)
ヘッドコーチ:GrabbZ(グラッブズ)
2018年から3年連続の「Worlds」グループステージ突破、「MSI 2019」優勝など、国際大会でのLECの存在感を担う欧州のトップチーム。常に地域のトッププレイヤーが揃い、悲願ともいえるWorlds優勝を目指している。
2021シーズンを迎えるにあたっては、旧EU LCSへの参戦以前から常にチームの中心として活躍してきたPerkz選手がついにチームを脱退した。その空席に新たに迎えられたRekkles選手は、Fnaticの大黒柱ともいえるプレイヤーだったことから、ファンからは驚きと納得の入り混じった声で迎えられた。ADCを強化するという前提であれば、考えられる選択肢の中でも最上の一人と言える人選である。現時点で考えられるベストのメンバーを集め、世界を獲るための戦いが始まろうとしている。
Fnatic(FNC)
画像出典:Fnatic 公式Twitterトップ:Bwipo(ブウィポ)
ジャングル:Selfmade(セルフメイド)
ミッド:Nisqy(ニスキー)
ボット:Upset(アップセット)
サポート:Hylissang(ヒリサン)
ヘッドコーチ:YamatoCannon(ヤマトキャノン)
『LoL』の競技シーン黎明期から活動を続け、今に至るまで欧州のみならず国際的な競技シーンでも存在感を発揮し続ける名門中の名門。他タイトルで活動している同組織のチームを目にしたこともあるだろう。2020シーズンもプレイオフに合わせてチームを仕上げてきたものの、結果的にはG2の後塵を拝する結果に終わっている。
2021シーズンに向けた移籍市場では、チームの看板だったRekkles選手、ミッドのNemesis選手とレーナー2名が移籍となったが、北米のC9で活躍していたNisqy選手、そしてデビュー当時はRekklesの継承者と呼ばれていたボットレーナー・Upset選手が加入した。また、欧州の名将として知られるYamatoCanonコーチが新たに加わった点も大きな補強と言えるだろう。まずは地域内最大のライバルであるG2から王座を奪還したいところだ。
Rogue(RGE)
画像出典:Rogue 公式Twitterトップ:Odoamne(オドアムネ)
ジャングル:Inspired(インスパイアド)
ミッド:Larssen(ラーセン)
ボット:Hans sama(ハンサマ)
サポート:Trymbi(トゥリムビ)
ヘッドコーチ:fredy122(フレディ)
2019年のLECフランチャイズ化時に参入した新規チーム。初シーズンこそ苦戦したものの、アカデミーチームからの生え抜きを加えてチームは躍進し、「Worlds 2020」出場権を勝ち取るまでに成長を見せた。
2020年の終了と共に、チーム設立時から主軸として2年契約を交わしていたメンバーの動向が注目されることとなった。躍進の原動力でもあった若手の内、トップレーナーのFinn選手がLCSへと活躍の場を移したものの、代わりにベテランのOdoamne選手が加入。Inspired選手、Larssen選手のジャングル&ミッドのコンビは続投となった。サポートのTrymbi選手はヨーロッパ統一アマチュアトップリーグ「EU Masters」優勝チームである「AGO ROGUE」からの抜擢で、これまで昇格してきたアカデミーチーム出身プレイヤー同様にその活躍が期待される。2021年も充実のラインナップで、昨年以上にトップグループに絡む戦いを見せてくれそうだ。
MAD Lions(MAD)
画像出典:MAD Lions 公式Twitterトップ:Armut(アームット)
ジャングル:Elyoya(エリオヤ)
ミッド:Humanoid(ヒューマノイド)
ボット:Carzzy(カージー)
サポート:Kaiser(カイザー)
ヘッドコーチ:Mac(マック)
LECがフランチャイズ化した際に、新たに参加した新チームの一つ。期待の新人として注目されたHumanoid選手をはじめとして、若手中心のラインナップでLECを戦っている。新チームとしては当初から良好な成績を収め、「Worlds 2020」にも第4シードでの出場を果たした。
新シーズンに向けての補強では、「Worlds 2020」において活躍し、トルコサーバーには大量のスキンセールを、MADにはヨーロッパへの帰りの飛行機をもたらしたArmut選手がトップレーナーとして加入。さらにスペインリーグで活躍したジャングルのElyoya選手も新たにチームへと加わった。チームの柱であるHumanoid選手は今年もミッドレーナーとして残っており、昨年以上に勢いあるチームとして、LECでもWorldsでも好成績を狙っていきたい。
Schalke 04 Esports(S04)
画像出典:Schalke 04 Esports 公式Twitterトップ:Broken Blade(ブロークンブレイド)
ジャングル:Gilius(ジリウス)
ミッド:Abbedagge(アベダッジ)
ボット:Neon(ネオン)
サポート:LIMIT(リミット)
ヘッドコーチ:Dylan Falco(ディラン ファルコ)
ブンデスリーガのサッカーチームである「FC Schalke 04」(FCシャルケ 04)のLoL部門として、2016シーズンから活動しているチーム。成績は中ほどで、Worlds出場権まであと少しといったところだ。
悲願ともいえるWorlds出場を目指しての今年の補強だが、最小限ともいえるものになっている。その新たなプレイヤーは、北米チーム「Team SoloMid」で活躍していたBrokenBlade選手。彼の加入によりトップ・ジャングル・ミッドの3人はかつてTCL(トルコ1部リーグ)で活動していたメンバーが集うことなった。S04はシーズン通算での成績こそ中堅だが、昨年の夏後半は圧倒的な強さを発揮し「奇跡の快進撃」ともいわれた。最小限のチーム変更で迎える新シーズン、その強さを発揮できるのか注目となる。
SK Gaming(SK)
画像出典:SK Gaming 公式Twitterトップ:Jenax(イェナックス)
ジャングル:TynX(チュンエックス)
ミッド:Blue(ブルー)
ボット:Jezu(イェズー)
サポート:Treatz(トリーツ)
ヘッドコーチ:Jesiz(イェシス)
元々は欧州プロシーンにおいて、黎明期からFnaticとトップ争いを繰り広げていた古参チームの一つ。現G2オーナーのOcelote(オセロット)氏が所属していたチームとしても知られる。一度は降格してトップリーグから姿を消していたものの、2019シーズンからLECチームとして復帰した。復帰後のチーム成績は中ほどで、かつての存在感を取り戻すための補強が求められている。
今シーズンは、ミッドからトップにコンバートして奮戦するJenax選手が引き続き所属、それ以外はLEC地域内で行われている各国のリーグで活躍した若手をピックした形になっている。特に、ミッドレーンのBlue選手はTCLですでに活動しており、得意チャンピオンからは技量への自信がうかがえる。
Excel Esports(XL)
画像出典:Excel Esports 公式サイトトップ:Kryze(クライゼ)
ジャングル:Dan(ダン)
ミッド:Czekolad(チェコラド)
ボット:Patrik(パトリック)
サポート:Tore(トーア)
ヘッドコーチ:YoungBuck(ヤングバック)
元々は英国のアマチュアリーグで活動してきた組織が、LEC設立に伴いフランチャイズ権を獲得しLECに加わったチーム。加入以来、リーグ戦では苦戦しているものの、着実にメンバーの強化を進めている。昨年はLECにおいて6回のスプリット制覇を果たしている名将YoungBuckコーチの加入が話題となった。
新シーズンを迎えるにあたっては、各国リーグで活躍した新鋭のプレイヤーを新たにチームに迎えている。Czekolad選手は昨年の「EU Masters」優勝チームの一員で、Dan選手はFnaticのアカデミーチームからの合流となっている。いずれも国内リーグではトップクラスの活躍を見せており、彼らがLECで通用するのか、YoungBuckコーチの手腕によってどのような輝きを見せるのかが注目される。
Misfits Gaming(MSF)
画像出典:Misfits Gaming 公式YouTubeチャンネルトップ:Agresivoo(アグレシヴォ)
トップ:HiRit(ヒリ)
ジャングル:Razork(ラザーク)
ミッド:Vetheo(ヴィテオ)
ボット:Kobbe(コビー)
サポート:denyk(デニック)
サポート:Vander(ヴァンダー)
ヘッドコーチ:Enatron(エナトロン)
Misfitsは2017シーズンから当時のEU LCSに参加している中堅のチームだ。初年こそPowerOfEvil選手・IgNar選手・Alphari選手といった、現在も活躍するプレイヤーたちと共にWorldsベスト8を達成したが、現在のチームは苦境に立たされている。
今シーズンの移籍市場においては、過去2年間ミッドとしてチームの柱だったFebiven選手が脱退。フランスリーグで活躍した若手のVetheo選手を新たなミッドレーナーとして迎え入れた。一方でベテランとしては、Vander選手が新たなサポートとして加入している。現時点で7名のプレイヤー登録があり、メイン/サブは判明していないものの、環境の変化に合わせながらシーズンを戦う準備を整えてきた格好だ。
Team Vitality(VIT)
画像出典:Team Vitality 公式Twitterトップ:Szygenda(シュゲンダ)
ジャングル:Skeanz(スキーンズ)
ミッド:Milica(ミリカ)
ボット:Comp(コンプ)
サポート:Labrov(ラブロフ)
ヘッドコーチ:Duke(デューク)
2016シーズンから欧州リーグに参加している中堅のチーム。Worlds出場経験もあるチームだが、昨年は移籍してきた選手のビザの問題などもあって低迷するという結果に終わっている。
2021シーズンに向けた移籍市場の補強では、チーム設立以来の看板だったCabochard選手がチームを離れ、新たなトップレーナーとしてSzygenda選手が加入した。チームメンバーの変更は小さいものの、最ベテランのプレイヤーが脱退したことで一気に若手揃いへと変化した影響は小さくないだろう。一人のプレイヤーが入れ替わっただけでも、一気に順位を上げることはあり得る。最終的に今回の変更がどのような結果となるかは、春の戦いぶりで見て行くことになるだろう。
Astralis(AST、旧名Origen)
画像出典:Astralis 公式サイトトップ:WhiteKnight(ホワイトナイト)
ジャングラー:Zanzarah(ザンザラー)
ミッド:Nukeduck(ヌークダック)
ボット:Jeskla(イェスクラ)
サポート:promisq(プロミスキュー)
ヘッドコーチ:AoD(エーオーディー)
欧州における伝説的なプレイヤーであるxPeke氏が設立したOrigenが元となっており、LECのフランチャイズ権を獲得したことによりリーグに参加していたチームだ。2019シーズンのLECへの復帰に際して、『CS:GO』シーンの有力チームとして知られるAstralis傘下の組織となり、今シーズンからはチーム名も統一されることとなった。
新たなチームとして集められたラインナップだが、LECきってのベテランのNukeduck選手とpromisq選手をベースに、LEC・EU LCS経験者としてJeskla選手、WhiteKnight選手を獲得している。また「EU Masters」を制したプレイヤーとして、Zanzarah選手が「AGO ROGUE」から加入した。昨年のOrigenからは大きく変容したメンバーだが、Astralisの組織としての能力次第で昨年前半のように躍進する可能性も十分にあるはずだ。
2021シーズン、LECの注目ポイント
フォーマットの変更等はなし
2021シーズン開幕に際して、2スプリット制の廃止や競技地域としてのオセアニア吸収など、北米1部リーグ「LCS」は大きく様変わりした。今年のLCSについての詳細は、開幕前レビュー記事を参照されたい。一方でLECのフォーマット面に特に大きな変更はなく、春夏の2スプリットを例年通り行い、春のプレイオフもも昨年と同様の形式で行われる。ヨーロッパでの新型コロナウイルス感染拡大状況も芳しくはなく、LECも当面はオンライン開催となる見込みだ。
才能の鉱脈:AGO ROGUE
2020年のポーランドナショナルリーグを制覇し、全ヨーロッパのトップアマチュア大会「EU Masters」に優勝してヨーロッパ最強のアマチュアチームとなったRogueの2軍チームが「AGO ROGUE」だ。各チーム紹介でも何回か名前を出しているので、気になった読者もいるだろう。所属したメンバーの多くが1部リーグに参加するLECチームからのオファーを受けたようだ。Szygenda、Zanzarah、Czekolad、Trymbiと4名がLECデビューを果たしている。Sharkzヘッドコーチは、アシスタントコーチとしてLCSのFlyQuestへと移籍した。
近年ヨーロッパでは『LoL』のプレイヤー人口が爆発的に増えていることもあるが、特筆すべきはRogueという組織のチーム運営力、選手育成力だろう。今年のアマチュアシーンで出てくる芽も、必ず来年にLECチームへと手を伸ばしてくるはずだ。
若い力が渦巻く欧州トップリーグ。LEC配信情報
▲若手や新人が豊富なLEC。ベテランたちだってもちろん負けてはいない。どの選手も「絶対に勝つ」という意気込みを漂わせる、オープニングティーザーLEC 2021 Spring Splitは、日本時間1月23日2時より幕を開ける。ダブルラウンドロビン(同じ対戦が2回ある総当たり戦)で、各対戦はBo1(1本先取)というフォーマットは、昨年までと変わらない。春スプリットは全8週の日程で、基本的に日本からは毎週金土の深夜に配信。Week1とWeek8はスーパーウィークとして、金土日の3日間行われる。レギュラーシーズンの最終順位の上位6チームが、春のプレイオフ進出チームとなる。
開幕カードは2020年には強豪として覇を争った2チームが激突する「G2 Esports vs MAD Lions」。新人や若手の多い今年のLECチームが国際大会で好成績を上げられるかどうかは未知数だが、これまでも数々の名選手や名勝負を生み出してきた欧州の組織たちのこと、きっとまた素晴らしいチームを仕上げてくるだろう。
執筆:山口佐和子
執筆協力:ユラガワ
『リーグ・オブ・レジェンド』
http://jp.leagueoflegends.com/
LoL Esports LEC試合スケジュール(英語)
https://watch.na.lolesports.com/schedule?leagues=lec
LoL Esports 公式YouTubeチャンネル(ライブ配信、英語)
https://www.youtube.com/c/lolesports/featured
LEC 公式YouTubeチャンネル(英語)
https://www.youtube.com/c/LEC/featured
LoL Esports VODs and Highlights(英語実況の各地リーグ試合動画アーカイブ)
https://www.youtube.com/c/lolesportsvods/featured
LoL Esports 公式Twitter(英語)
https://twitter.com/lolesports
LoL Esports Stats(リアルタイムで試合統計についてツイートする公式Twitter、英語)
https://twitter.com/LoLEsportsStats
LEC 2021 Spring データページ(Leaguepedia、英語)
https://lol.gamepedia.com/LEC/2021_Season/Spring_Season