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『ソニック カラーズ アルティメット』PC版レビュー:2Dソニックと3Dソニック、双方に受け入れられる新スタンダード!
セガは2021年9月9日、『ソニック カラーズ アルティメット』をリリースした。PC版(Epic Games Storeで販売)はもちろん、PlayStation 4やNintendo Switch版も発売されている。本作は2010年にニンテンドーDSとWiiで発売された『ソニック カラーズ』のシステムを調整し、HDリマスター移植したもの。
ゲーム内容は、初代『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』(以下、『ソニック』)のようなサイドビューと、『ソニックアドベンチャー』のように画面奥へ進む3Dビューが交互に切り替わるジャンプアクション。ソニック「らしさ」としては、アクションゲーム最速と言っても過言ではないほど速い、ソニックのダッシュ速度は健在。過去シリーズを遊んだ人からしてみれば「安定のソニック感」を実感できる。
『ソニック』シリーズのように、最初はサイドビューのゲームから始まり、シリーズの途中から3D視点になったゲームは幾つかある。そういう場合、たいていファンは「2Dが良かった」「3Dが良かった」と意見が割れるものだが、このゲームは両方を受け入れ、ステージの途中で3D→2D→3Dというように、視点がシームレスに入れ替わる。どちらの視点のファンにも受け入れてもらえる『ソニック』になったのだ。
▲トロピカル リゾート ACT1のスタート直後。『ソニックアドベンチャー』的な、奥方向へ進む画面
▲坂道を下っている間に、シームレスに視点変更
▲途中からサイドビューとなり、元祖『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』視点となる
『ソニック カラーズ:アルティメット』のポイント
初代『ソニック』から引き継がれている、
初代『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』のシステムをご存じない方のために、簡単に説明しておこう。
初代『ソニック』はサイドビューのアクションゲーム。主人公のソニックを操作してリングを集めながら、ゴールを目指すというもの。最も特徴的なシステムは、ソニックがダメージを受けてしまうと集めたリングをすべて放出してしまうという点。
しかし、落ちたリングはソニックの近くに落ちるので、すぐに移動すればリングのうち幾つかは回収できる。リングの所有数が0のときにダメージを受けるとミスとなり、チェックポイントまで戻されてしまう。
『ソニック』は初代から走行速度が速かったため、ダメージを受ける地形や敵を見てから回避するには間に合わない場所も多かった。しかし、この「リングを1つでも持っていればミスにならない」システムがあるため、ミスを恐れずにソニックの最高速ダッシュを楽しめる。
▲トゲの足場に落ちてしまい、コインをぶちまけてしまった
▲点滅(無敵時間)中に安全な場所へ逃げ、散乱したコインを回収
このシステムに加えて、今作ではWii/ニンテンドーDS版にあった残機設定がなくなり、クリアするまで何度ミスしてもゲームオーバーにならない仕様に変更されている。
そう聞いて「雑にプレイしてもいいゲームなの?」と誤解する人もいるかもしれないが、ゴールまで到達できなければクリアにはならない。ステージの中にはタイミング良くAボタンを押して、ホーミングアタックを使わないと飛び越せないような場所もある。ここで雑なプレイをしてしまうと、延々と同じ場所へと引き戻されてしまうのだ。
さらに、クリア後のランク評価はステージ中に入手したアイテムやクリアタイムによって変化する。やはりDやCランクの表示が出ると、そのステージをやり直したくなってしまうのがゲーマーの性だ。
▲ステージクリア後のリザルト画面。ランクに納得できないなら、すぐに「もういちど」でやり直せる
マップギミックに振り回される、
前述したように、とにかくソニックは速い。苦笑して顔がひきつるほどに。その速さからさらにブーストで加速もできるのだから、コインなどのアイテムが見えてから操作しても間に合わず、アイテムの横を全力疾走で駆け抜けてしまうことも多々。その感覚は、(実際に乗ったことはないけれど)F-1マシンのアクセルを全開で踏み込んでしまったかのようなアンコントローラブル感に似ている。自分が制御できているとは到底思えないほどの、暴力的なスピードを体感できる。
▲ブーストを使うと、暴力的なダッシュ速度となる!
サイドビューの横スクロールアクション視点では加速する足場や、猛スピードでソニックを跳ね上げるジャンプ台などが加わる。時にはプレイヤーの操作に関係なく、ソニックがピンボールの玉にさせられたかのようにマップギミックに振り回される場面も多々。こんな絶叫系ジェットコースターに乗った気分を味わわせてくれるゲームは、このゲームをおいて他にはない。
▲ソニックが、まるでピンボールの玉のように翻弄され、振り回されているところ。これが快感
▲アクション映画のワンシーンのように、崩れる足場を駆け抜けるソニック
初心者からマニアまで誰もが楽しめる、
ゲームを進めていくと、Aボタンを押すとショートジャンプ、長押しするとローリングアタックになり、ローリングアタック中に再度Aボタンを押すと、ロックオンカーソルが表示されている近くの敵やオブジェクトにホーミングアタックができるというチュートリアルを経験する。
だが、ゲームを進めるための基礎知識は、これでほぼ全部と言っても過言ではない(強いて言えば、Xボタンによるスライディングで狭い場所を抜ける程度)。
▲ホーミングアタックを使わないと渡れないような足場もあるが、難易度は低め
システムとしては、Bボタンを押すとブースト加速できるとか、集めたウイスプを使って特殊能力(レーザーのようにソニックが移動する、トゲトゲになり壁や天井に張り付ける、特定のブロックを破壊できる等)を使うといった要素がある。これらはスコアアップのために使うもので、ステージをクリアするだけならば使わなくてもいい場合がほとんど。
つまり、初めてソニックを動かす初心者であっても、基本的にはAボタン(たまにXボタン)を押しているだけでクリアできる調整にも関わらず、慣れている人は各種特殊能力を駆使してスコアアップできるという二面性を持っている。
クリアするだけで満足するユーザーもいれば、新しいルートを発見して興奮する中級ユーザー。そして限界スコアを目指す上級ユーザーと、全員が笑顔になれる。そんなゲームだと感じた。
▲画面の指示に従ってAボタンを押していただけなのに、次々とアクロバティックなアクションを決めてくれるソニック
このうち筆者が一番気に入ったのは、残機という概念を廃止したこと。Wii/ニンテンドーDS版ではジャンプに失敗して落下したり、リング0で敵に接触したりするとミスとなり、残機が減少。残機が0になるとゲームオーバーになるという仕様を採用していた。
当時はこれがアーケードゲーム的で普通ではあったのだが、これはクリア「させない」ためのシステム。家庭用ゲームである以上、あえて「ジャンプに失敗しても、プレイヤーが諦めるまでストレスなくプレイが継続できる」ルールへと、ある意味で大幅な仕様変更を行っている。
▲ボスとの戦闘においても、気をつけるのはリングの残量のみ。ミスとなっても、すぐにボス戦から再開できる
この変更により熟練プレイヤーには影響を与えないまま、初心者でも遊べるようになったことに大きな拍手を贈りたい。生誕30周年を迎えた『ソニック』シリーズだが、新たなスタンダードタイトルは、この『ソニック カラーズ アルティメット』こそ相応しいと思えるほど。
この作品をきっかけに、『ソニック』シリーズのファンが増えますように。2022年4月に公開予定の実写映画『ソニック・ザ・ムービー2(仮)』にも期待しよう。
▲ゲーム進行の各所に挿入される3DCGムービー。ソニックの声優は、お馴染みの金丸淳一さん
(C)SEGA
●タイトル:ソニック カラーズ アルティメット
●ジャンル:アクション
●発売元:SEGA
●開発元:Blind Squirrel Entertainment
●プラットフォーム:PC(Epic Games Store)、PlayStation 4、Nintendo Switch
●発売日:2021年9月9日
●価格:Epic Games 4389円[税込] 、PlayStation 4/Nintendo Switch 4389円[税込]
●必須スペック
OS: Windows 10 64bit
プロセッサー:Intel Core i5-6600 または AMD Ryzen 5 1600X
メモリー:8GB
グラフィック:NVIDIA GeForce GTX 650 Ti 2GB または AMD Radeon HD 7790,2GB
DirectX 11
ストレージ:26.5GB
●公式サイトURL:https://sonic.sega.jp/SonicColors/Ultimate/
●ダウンロードサイトURL:
Epic GAMES Store
https://www.epicgames.com/store/ja/p/sonic-colors-ultimate
ゲーム内容は、初代『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』(以下、『ソニック』)のようなサイドビューと、『ソニックアドベンチャー』のように画面奥へ進む3Dビューが交互に切り替わるジャンプアクション。ソニック「らしさ」としては、アクションゲーム最速と言っても過言ではないほど速い、ソニックのダッシュ速度は健在。過去シリーズを遊んだ人からしてみれば「安定のソニック感」を実感できる。
『ソニック』シリーズのように、最初はサイドビューのゲームから始まり、シリーズの途中から3D視点になったゲームは幾つかある。そういう場合、たいていファンは「2Dが良かった」「3Dが良かった」と意見が割れるものだが、このゲームは両方を受け入れ、ステージの途中で3D→2D→3Dというように、視点がシームレスに入れ替わる。どちらの視点のファンにも受け入れてもらえる『ソニック』になったのだ。
▲トロピカル リゾート ACT1のスタート直後。『ソニックアドベンチャー』的な、奥方向へ進む画面
▲坂道を下っている間に、シームレスに視点変更
▲途中からサイドビューとなり、元祖『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』視点となる
『ソニック カラーズ:アルティメット』のポイント
- ゲーム界最速(?)のダッシュ速度による、スピード感のあるアクション
- ジェットコースターに乗っているような、エンタメ性に溢れたマップデザイン
- スコアを無視するなら、ボタンはAだけ押せばクリアできるド親切設計
初代『ソニック』から引き継がれている、
「リングがあればミスにならない」システムは健在
初代『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』のシステムをご存じない方のために、簡単に説明しておこう。初代『ソニック』はサイドビューのアクションゲーム。主人公のソニックを操作してリングを集めながら、ゴールを目指すというもの。最も特徴的なシステムは、ソニックがダメージを受けてしまうと集めたリングをすべて放出してしまうという点。
しかし、落ちたリングはソニックの近くに落ちるので、すぐに移動すればリングのうち幾つかは回収できる。リングの所有数が0のときにダメージを受けるとミスとなり、チェックポイントまで戻されてしまう。
『ソニック』は初代から走行速度が速かったため、ダメージを受ける地形や敵を見てから回避するには間に合わない場所も多かった。しかし、この「リングを1つでも持っていればミスにならない」システムがあるため、ミスを恐れずにソニックの最高速ダッシュを楽しめる。
▲トゲの足場に落ちてしまい、コインをぶちまけてしまった
▲点滅(無敵時間)中に安全な場所へ逃げ、散乱したコインを回収
このシステムに加えて、今作ではWii/ニンテンドーDS版にあった残機設定がなくなり、クリアするまで何度ミスしてもゲームオーバーにならない仕様に変更されている。
そう聞いて「雑にプレイしてもいいゲームなの?」と誤解する人もいるかもしれないが、ゴールまで到達できなければクリアにはならない。ステージの中にはタイミング良くAボタンを押して、ホーミングアタックを使わないと飛び越せないような場所もある。ここで雑なプレイをしてしまうと、延々と同じ場所へと引き戻されてしまうのだ。
さらに、クリア後のランク評価はステージ中に入手したアイテムやクリアタイムによって変化する。やはりDやCランクの表示が出ると、そのステージをやり直したくなってしまうのがゲーマーの性だ。
▲ステージクリア後のリザルト画面。ランクに納得できないなら、すぐに「もういちど」でやり直せる
マップギミックに振り回される、
ジェットコースターのようなスピード感
前述したように、とにかくソニックは速い。苦笑して顔がひきつるほどに。その速さからさらにブーストで加速もできるのだから、コインなどのアイテムが見えてから操作しても間に合わず、アイテムの横を全力疾走で駆け抜けてしまうことも多々。その感覚は、(実際に乗ったことはないけれど)F-1マシンのアクセルを全開で踏み込んでしまったかのようなアンコントローラブル感に似ている。自分が制御できているとは到底思えないほどの、暴力的なスピードを体感できる。▲ブーストを使うと、暴力的なダッシュ速度となる!
サイドビューの横スクロールアクション視点では加速する足場や、猛スピードでソニックを跳ね上げるジャンプ台などが加わる。時にはプレイヤーの操作に関係なく、ソニックがピンボールの玉にさせられたかのようにマップギミックに振り回される場面も多々。こんな絶叫系ジェットコースターに乗った気分を味わわせてくれるゲームは、このゲームをおいて他にはない。
▲ソニックが、まるでピンボールの玉のように翻弄され、振り回されているところ。これが快感
▲アクション映画のワンシーンのように、崩れる足場を駆け抜けるソニック
初心者からマニアまで誰もが楽しめる、
懐の深いゲームデザイン
ゲームを進めていくと、Aボタンを押すとショートジャンプ、長押しするとローリングアタックになり、ローリングアタック中に再度Aボタンを押すと、ロックオンカーソルが表示されている近くの敵やオブジェクトにホーミングアタックができるというチュートリアルを経験する。だが、ゲームを進めるための基礎知識は、これでほぼ全部と言っても過言ではない(強いて言えば、Xボタンによるスライディングで狭い場所を抜ける程度)。
▲ホーミングアタックを使わないと渡れないような足場もあるが、難易度は低め
システムとしては、Bボタンを押すとブースト加速できるとか、集めたウイスプを使って特殊能力(レーザーのようにソニックが移動する、トゲトゲになり壁や天井に張り付ける、特定のブロックを破壊できる等)を使うといった要素がある。これらはスコアアップのために使うもので、ステージをクリアするだけならば使わなくてもいい場合がほとんど。
つまり、初めてソニックを動かす初心者であっても、基本的にはAボタン(たまにXボタン)を押しているだけでクリアできる調整にも関わらず、慣れている人は各種特殊能力を駆使してスコアアップできるという二面性を持っている。
クリアするだけで満足するユーザーもいれば、新しいルートを発見して興奮する中級ユーザー。そして限界スコアを目指す上級ユーザーと、全員が笑顔になれる。そんなゲームだと感じた。
▲画面の指示に従ってAボタンを押していただけなのに、次々とアクロバティックなアクションを決めてくれるソニック
Wii/ニンテンドーDS版との違い
冒頭でも、このゲームはWii/ニンテンドーDS版の「システムを調整したバージョン」と説明したが、変更点もいくつか挙げておこう。- 解像度がSD→最大4Kに
- フレームレートが30fps→60fpsに(Switch版は30fps)
- BGMはアレンジ版に(オリジナルBGMも選択可)
- 新ウィスプ「ジェイドウィスプ」追加
- 残機という概念が廃止
- ゲーム内通貨「パークトークン」を使ってソニックの外観をカスタマイズ
このうち筆者が一番気に入ったのは、残機という概念を廃止したこと。Wii/ニンテンドーDS版ではジャンプに失敗して落下したり、リング0で敵に接触したりするとミスとなり、残機が減少。残機が0になるとゲームオーバーになるという仕様を採用していた。
当時はこれがアーケードゲーム的で普通ではあったのだが、これはクリア「させない」ためのシステム。家庭用ゲームである以上、あえて「ジャンプに失敗しても、プレイヤーが諦めるまでストレスなくプレイが継続できる」ルールへと、ある意味で大幅な仕様変更を行っている。
▲ボスとの戦闘においても、気をつけるのはリングの残量のみ。ミスとなっても、すぐにボス戦から再開できる
この変更により熟練プレイヤーには影響を与えないまま、初心者でも遊べるようになったことに大きな拍手を贈りたい。生誕30周年を迎えた『ソニック』シリーズだが、新たなスタンダードタイトルは、この『ソニック カラーズ アルティメット』こそ相応しいと思えるほど。
この作品をきっかけに、『ソニック』シリーズのファンが増えますように。2022年4月に公開予定の実写映画『ソニック・ザ・ムービー2(仮)』にも期待しよう。
▲ゲーム進行の各所に挿入される3DCGムービー。ソニックの声優は、お馴染みの金丸淳一さん
(C)SEGA
●タイトル:ソニック カラーズ アルティメット
●ジャンル:アクション
●発売元:SEGA
●開発元:Blind Squirrel Entertainment
●プラットフォーム:PC(Epic Games Store)、PlayStation 4、Nintendo Switch
●発売日:2021年9月9日
●価格:Epic Games 4389円[税込] 、PlayStation 4/Nintendo Switch 4389円[税込]
●必須スペック
OS: Windows 10 64bit
プロセッサー:Intel Core i5-6600 または AMD Ryzen 5 1600X
メモリー:8GB
グラフィック:NVIDIA GeForce GTX 650 Ti 2GB または AMD Radeon HD 7790,2GB
DirectX 11
ストレージ:26.5GB
●公式サイトURL:https://sonic.sega.jp/SonicColors/Ultimate/
●ダウンロードサイトURL:
Epic GAMES Store
https://www.epicgames.com/store/ja/p/sonic-colors-ultimate
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