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Qanbaのプロ仕様アケコン「Obsidian」を徹底レビュー【アケコンレビュー】

いよいよ日本での発売が迫った話題のアーケードコントローラーQanbaの「Obsidian」。 今回はそんな新製品を、長年アーケードコントローラーを使い続けてきた、初代鉄拳番長@じゃくらぁ~&S.T.Lのおふたりに、いち早くレビューしていただきました。

はじめに

初めまして、「初代鉄拳番長@じゃくらぁ~」&「S.T.L」です。
今回、とうとう日本での発売が決定したQanba(クァンバ)製の「Obsidian(オブシディアン)」に触れる機会をいただきました。
皆様の参考になるか不安な気持ちでいっぱいですが、人生の半分以上をジョイスティックと共に過ごしてきたといっても過言ではない我々が体験したことをご一読いただき、ぜひとも購入の目安にしていただければ幸いです。


ボタンが直線に並ぶビュウリックス配置は、慣れれば解消可能

配置はレバーとボタンの間隔が狭く、ボタンの配置がほぼ直線状になっているビュウリックス配置となっています。我々はレバーとボタンの間隔が広いノアール配置の筐体やアケコンを今まで使用してきたこともあり、実際にObsidianを触った当初は、レバーとボタンの間隔が狭いことに窮屈さを感じました。そのため、手を浮かせた状態から狙ったボタンを押した場合にボタンの中央付近を押していることが多々あり、ボタンを押す際に違和感が多々ありました。

しかし、使用して数時間も経たないうちに間隔にも慣れてきて、気になっていた窮屈さを感じることがなくなり、ボタンの押しミスも起こらず、今までと同等もしくはそれ以上のポテンシャルを持ってプレイをすることができました。実際、ノアール配置の筐体やアケコンで主にプレイしていたユーザーにとっては、ビュウリックス配置である当該アケコンを選択する上では大きな懸念材料になると思われますが、実際のところ慣れが一番重要なポイントだと感じました。特に、性能面を見ずに配置を入口としてアケコンを選択するのは、一歩上を目指すプレイヤーとしては避けた方が良いかと思います。

もちろん慣れるまで時間は必要になることと、慣れてしまうと今度はアーケード筐体のノワール配置でプレイした時の違和感が出ると思います。対応のために、ボタンに手を据え置くスタイルでプレイすることができれば、今後は両対応可能なプレイヤーになり、さらに一歩上のステージに立つことが可能だと思われます。

レバーとボタンはアーケードで慣れ親しんだ三和電子製

実装されているレバーとボタンは、ゲームセンターのアーケード筐体に多く使用されている三和電子製を採用しています。ゲームセンターでプレイしているプレイヤーにとってデフォルトが三和電子製というのはアーケードと同じ感覚で操作ができるため、非常に操作性に慣れていることもあり、アーケードのプレイをそのまま家庭用でできるという点に高いアドバンテージがあります。

特に、自身が三和電子製を好んでいる点はレバー部分です。レバーを傾けた際の「カチッ」と入るスイッチの反応が良く、素早いレバー操作を行ってもしっかりと認識されます。それでいて、難しいとされる斜め入力もしっかり入力でき、レバー8方向の入力が全て均一の距離で、8方向それぞれがきれいに入ります。特に「音」と「感触」が心地良く実感でき、非常に操作しやすいです。

また、レバーを傾けた際にスイッチとの間に若干の遊びがあるため、レバーをニュートラルに戻した時に反動でレバーが逆方向に入力されることが少ないので誤入力を防いでくれる点も評価できます。

ジョイスティックを選ぶ際に自身が一番重要視している箇所は、入力遅延(インプットラグ)です。コマンド入力した際に、画面に反映されるまでのラグが若干生じるだけで、タイミングよくコマンド入力しなければいけない場面や、相手の攻撃を見てからガードしたい場面など、入力遅延が発生することで可能だったことが不可能になり、実際のプレイに多大な影響を与え、プレイヤーに非常に大きなストレスを与える原因になります。

レバーとボタンの配置はプレイすれば慣れることができ、レバーやボタンに違和感があればメンテナンスやパーツ交換をすることで自分に合った環境を作ることができます。しかし、入力遅延に関してはジョイスティックに依存しているため、プレイヤーにとってどれだけ入力遅延の少ないジョイスティックを選択するかが重要になります。

それらを踏まえてObsidianを使用してゲームをプレイしてみると、自身が使っているジョイスティックと比べても、入力遅延をほとんど感じることがなく、前述したような一瞬の判断が必要な場面でも、狙い通りに操作することが可能なため、ストレスを感じることなく快適にプレイできるのは非常に嬉しいです。

Obsidianのオススメポイント


通常アーケードでプレイしている人たちはテーブルや台に置くことが多く、重量は気にしない方が多いですが、海外の大会やイベントだと、膝置きやあぐらが主になります。重量に関しては3kgと決して軽くはないのですが、ジョイスティック自体が大きく安定性があるため、膝置きで長時間プレイしても疲れることがなく、ジョイスティック自体が良いバランスで設計されているので抜群の安定感でプレイすることができます。

また、裏面には滑り止めマットが貼られており、滑りやすい机の上でもしっかり固定できるので、テーブルや台置きでプレイしても安心してプレイできるのも良いです。

現在、様々なジョイスティックが発売されていますが、特に本機のデザイン面がQanbaらしく、クールさと豪華さ、そして遊びを兼ね備えています。ボディとボタンはブラック、左右の両端と手前の傾斜部分にシルバーが配色されており、黒曜石(Obsidian)の名前通り、黒を強調した美しいフォルムのため、初見の方も手に取って使用してみたいと思わせる仕上がり具合です。

また、レフトサイドにあるLEDはレバーと連動し、ライトサイドにあるLEDはボタンと連動して発光させることができ(ON/OFFの切り替えやPlayStation4のバイブレーションに連動等が可能)、タッチパッド・タッチパッドボタンも操作しやすく、上部のコントロールパネルはきれいにまとまっています。大会など大事な局面での押し間違い防止用にコントロールバネルのボタンにロックをかけられる点も魅力的です。3.5mmステレオヘッドホン/マイク端子も便利です。


個人的に思う改善点

これまでは概ね良い点を述べてきましたが、使用するにあたり気になる箇所もありました。

・USBケーブルを収納する箇所の留め具が非常に固く、開閉に慣れが必要。
・メンテナンスの観点上、デフォルトのレバーから他のレバーに換装させたい場合、換装するのに裏面のカバーを外し、レバーの反対側にあるネジをマイナスドライバーで固定させてレバーボールを回して取り外すのですが、こちらも非常に固く締まっているので力が必要。
・裏面のカバーを取り外した後に再度カバーを元に戻す時、カバー自体が取り外した箇所よりもやや大きいため、カバーを湾曲させながらはめ込む必要がある。
・上部のコントロールパネルの右から2番目にある「OPTIONS」ボタンは、ゲーム内でメニューの表示、シーンのスキップなど使用頻度の高いボタンなので、しっかり確認して押さないと隣のLEDボタンやR3ボタンと間違えて押すことがある。
・天板を自由に選択できない。

Obsidianはプレイする際の性能面に注力するあまり、プレイとは関係のない部分が少なからずユーザー目線で考えられていないように見受けられますが、対応することはできるので、許容できる範囲だと感じます。もちろん、実際にプレイする際は欠点が見つからないほどクオリティが高く、入力遅延の少なさ、精度を求められる操作にも柔軟に対応ができる三和電子製レバー、黒曜石の名前通りのデザイン、安定性等、十分な満足度を得ることができました。

ぜひとも一度、有名プレイヤーも好んで使うQanba製のObsidianに触れてみてください。今までのプレイとは違うステージへ行くことをお手伝いする、一生涯のジョイスティックになると思います。


■レビュアープロフィール
初代鉄拳番長@じゃくらぁ~
鉄拳3、TAGの全国大会の優勝経験を持つ古参プレイヤー。
初代鉄拳番長として全国、全世界のプレイヤーと交流をもち、多くのプレイヤーや大会のサポートを行っている。
Twitter:@jackller

S.T.L
世界が誇るコンボ職人として名高いプレイヤー。
彼が作るコンボは常人の感覚を超えており、ある意味芸術の域にまで達している。
Twitter:@STL1119


■関連リンク
Qanba(クァンバ)
http://qanbausa.com/
アタッサ
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