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お店を通じてみんなの夢を叶えたい! 「ALIENWARE STORE AKIBA」ってどんなトコロ?
"WE'RE GAME"――「ALIENWAREシリーズ」のコンセプトは、真のゲーマーのためのゲーミングパソコンであるということだ。デスクトップのスタンダードモデルとも呼べる「ALIENWARE Aurora」や、オニギリの愛称で親しまれている「ALIENWARE Area-51」はもちろん、ノートPCでありながらハイパフォーマンスグラフィックを発揮する「ALIENWARE 13」および「NEW ALIENWARE 15」「NEW ALIENWARE 17」と、“宇宙最強”のラインナップを放っている。
こうしたALIENWAREの製品は全国各地の「DELLリアルサイト」にてその感触を確かめることができるが、全製品を網羅しているのは東京・秋葉原にある「ALIENWARE STORE AKIBA」だ。秋葉原駅の電気街口を出てすぐという立地の良さと、洗練された店内レイアウトには、「ALIENWARE」のブランド力に惹かれた外国人観光客が驚きの声をあげることもあるという。
──もともとは「DELL Real Site秋葉原駅前店」だったとのことですが、2016年に「ALIENWARE STORE AKIBA」になってから、お客さんの反応や層も変わりましたか?
中村:正直な話をすると、最初の一年は新しいお店ということでお客様への存在や周知があまりなく、あのときは本当に大変でした。やはり「eSports」という言葉自体が身近なものになってきたあたりから、当店のことも知ってもらえるようになったのかなと思います。
駅前にあるという立地は非常に良いんですが、近すぎるゆえに通り過ぎてしまうんですよ(笑)。ただ、「ラジオ会館の向かい側」とひと言で済んでしまう場所ですし、「ザ・秋葉原」と言わんばかりのロケーションは素晴らしいですよね。
狩野:弊社がスポンサードしているネモ選手のご活躍による影響も大きいですね。
中村:ネモ選手が大会などで成績を残されると「ネモさんが使ってるマシンってどれですか?」という問い合わせも増えましたし、実際に製品が売れるんですよ。ご活躍がダイレクトに繋がるのを実感しているので「これがスポンサードか!」と思い知らされています。私たちはネモ選手を一アスリートとしてもバックアップしていますし、純粋に応援もしていますので、そういったところからも一般の方やお客様にも伝わっていくのかなと思います。
ネモ選手は社会人としてベースがしっかりされているので、イメージがいいですよね。立っているだけでもカッコいいので(笑)。
──ざっくりと「ゲーミングPCが欲しい」というお客様が来られた場合、どのように製品を提案されるのでしょうか?
中村:お客様のライフスタイルによりますが、ビジネスで併用される場合は「この構成にしていただければ、作業効率が上がった分だけ残業が減りますよ」「空いたお時間で新しいことができるチャンスですよ」と、時間を有意義に使えるためのご提案をします。
おかげさまで「ALIENWAREのPCを買ってよかったです。仕事が捗りました」って報告しに来てくださったお客様もいらっしゃいますね。「ALIENWARE」はほとんどの人に対応できると思いますし、デルにも数百のパッケージがあるので、お客様のニーズに見合うものを一緒に探していくことが大事ですよね。
私はとにかくPCが好きなので「性能が高ければいい」というわけではなく、その人にとってちょうどいいマシンをご提案したいと思います。
──性能や価格以上に、お客様のことを考えた製品提案をされているんですね。
中村:お求めやすいお値段で提供しているメーカーさんも素晴らしいですが、私たちは真摯に対応し「より良いもの」をご提供したいんです。よく「ALIENWAREは高い」って書かれているのを目にしますが、モデルをちゃんと選んでいただければめちゃくちゃ安いですし、キャンペーンによっては「会社に利益はあるのかな?」と思ってしまうほど、お買い求めやすくなるんですよ。
スペックには載らない部分ではありますが、冷却機構や配線の美しさといった細かいところは本当にこだわっていますし、コストをかけて作っています。
──たとえば『PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS』(以下『PUBG』)を遊びながら、その1台で配信もしたいというユーザーさんもいらっしゃると思いますが、今だとどのような構成になるのでしょうか?
中村:配信をされる場合はCPUを強めにしておいたほうがいいですね。「Aurora」の場合はオーバークロック版に変えていただくと配信がうまくいくと思いますし、水冷にしていただければCPUも安定しますので、配信時の付加も軽減できますね。『PUBG』を遊ばれる場合、グラフィックボードは「GTX-1050Ti」でも動きますが、できれば「GTX-1070」か「GTX-1080」にしていただけるとなお良しです。
──eSportsの活性化に伴い、ゲーミングPCに憧れる若い子もこれからどんどん増えていきそうですね。
中村: 私がまだ駆け出しだったころの思い出話がひとつあるんです。このお店が「DELL Real Site秋葉原駅前店」だったとき、お年玉を握りしめて「ALIENWAREください!」って買いに来た高校生がいたんですよ。でも、見積もりの金額がぜんぜん足らず、「今までのお年玉を全部貯めてきたんですけど……」と涙目に帰っていったんですが、一週間後に「アルバイト始めました」と報告しに来てくれたんです。
出会ったころは敬語も使えない子だったんですが、アルバイトを始めてから話し方や立ち振る舞いが少しずつ大人になっていくのを実感しつつ、それから一年経ったころに「やっとALIENWAREを買えるだけのお金が貯まりました!」と買いに来て、最後は握手して見送ったことがあるんです。
その後、彼はアメリカへ留学に行ったんですが、向こうの寮で「ALIENWARE使ってるじゃん、ゲーマーなの?」って声をかけられたことをキッカケに、海外の友達ができたそうです。この経験を機に、「本当に真心を込めて売らなきゃいかんぞと」と思うようになりました。
──プレイヤーネーム「ネカリーノ」こと、狩野さんはいつから勤務されたのでしょうか?
狩野:2017年の6月ですね。友人に会うため秋葉原へ来た際、店頭に貼り出されていたアルバイト募集のチラシに「ゲームが好きな方」「夢を追いかけてる方」と書かれていたので応募しました。「ALIENWARE」っていうPCがあるというのは知っていたんですが、こういうものなんだと具体的にわかったのもネモ選手のおかげなんですよ。去年の1月に行なわれたネモ選手とボンちゃん選手によるエキビションマッチの配信を見ていたので。
中村:アルバイトの面接では履歴書を見ない代わりに、試遊用に設置してあるゲームを僕と一緒に遊び、「この人ともう一回ゲームを一緒に遊んでみたい」って思える人を採用基準にしています。「もう一回ゲームを一緒に遊んでみたい」というのは「この人と一度お仕事をしてみたいな」って思えるので。
──ゲームを通して人となりを見るというのは面白い試みですね。
中村:じつはアルバイトを雇わずともやっていけるんですが、僕が本社に頼み込んで「アルバイトを雇わせてください」ってお願いしてるんです。なぜかというと、僕はこれまでに演劇や音楽、現代美術にフィギュア製作といろいろやってきたんですが、どれもダメで挫折したんです。
そんなとき、いろんな先輩に助けていただいた経験があるので、今度はこのお店を通じて誰かの助けになれないかなと思ったんです。なので、アルバイトの採用基準は「この人ともう一回ゲームを一緒に遊んでみたい人」であり「何かを目指して追いかけてる人」なんです。
ただ、狩野の場合は北海道の大学を辞めて上京してきたので「大丈夫かよ……」って思いがありました(笑)。
──プロゲーマーを目指して上京してきた……とのことですが、いつごろからプロになりたいと?
狩野:高校2年生のときから『ストリートファイターIV』を遊んでいたんですが、具体的にプロに憧れ始めたのは大学2年生ですね。大会を通じてプロ選手の活躍を見ているうちに「あの場に立ちたい!」って唐突に思い始めたんです。
北海道にいるうちは大会にも参加しづらいですし、どうしても東京に行きたかったので、大学はもういいやって(笑)。ときど選手が「EVO」で活躍されているのを見ていましたし、とくにネモ選手の場合はキャラクターが立っている方だったので、ファンとして魅了されていましたね。
中村:まさかこのジャケットを着て一緒に仕事をするとは思ってなかったですけどね(笑)。当時は週一日のシフトでしたし、他のアルバイトも掛け持ちしていたので、本当にゲッソリしてたんです。ある時期、スタッフの一人がうちから巣立ったこともあり、アルバイトから販売員にステップアップさせたんです。
──夢を追いかけていた中村さんからすると、かつてのご自分を見ているかのような感じで?
中村 ここまでぶっ飛んではいないですが(笑)、僕は純粋に応援してあげたいなと思いましたね。夢を追いかける若者を応援するのって楽しいんですよね。
なので、『ストV』の大会に出場するという日は、彼のシフトを休ませています。「いいから大会に行ってこい、なんのためにうちで働いてるんだ!」って。これで狩野くんが大きいプロゲーミングチームに所属したら「ネカリーノはわしが育てた」って堂々と言いますよ(笑)。
──ALIENWARE STORE AKIBAならではの魅力として、店内に配信ブースがあるのが大きなポイントだと思います。
中村:秋葉原でも配信できるお店やスペースがだいぶ増えましたが、お値段が高かったり、個人アカウントではなくお店のアカウントを使わせる例が多いんですよね。ただ、うちは個人の方が「ここで配信してみたい」というだけで大丈夫なんです。配信を通じていろんなことをエンジョイしたいという方の気持ちを叶えたいので、みなさんにぜひ使っていただきたいですね。
狩野:簡単に配信ができるんですよ。やっている私が言うので間違いありません(笑)。
※狩野氏が個人配信を行っているときはALIENWARE STORE AKIBAのTwitterでもツイートされている。
──配信ブースを利用した自店の宣伝配信を行う予定などはないのでしょうか?
中村:宣伝配信そのものはないんですが、お店を利用したイベントはちょこちょことやっています。それこそ、ネモ選手のTeam Liquid加入パーティーや「ALIENWARE アンバサダー」が該当しますね。
──イベントといえば『スペースインベーダー エクストリーム』のスコアアタックも開催されていましたよね。
中村:ALIENWAREとしては『スペースインベーダー』こそエイリアンの大先輩ですからね(笑)。おかげさまでいろんなプレイヤーさんにお越しいただきました。ゲームセンターのHEYさんで「ケイブ祭り」が行われた際は、うちでも「プチケイブ祭り」も開催しましたね。Steamで配信されている『怒首領蜂大復活』を試遊で動かしているんですが、たまにガチなプレイヤーさんも来られるんですよ。
──ゲームを使用する以外にも、やってみたいなというイベントはありますか?
中村:怒られてしまうかもしれませんが、他のPCメーカーさんと一緒に遊んでみたいんですよ。秋葉原にはいろんなPCメーカーさんのショップがありますし、Twitter上でもご挨拶程度のやりとりはさせていただいているので、いろんなPCメーカーさんと一緒にこの業界を盛り上げていきたいんです。お店同士でいろんなキャンペーンをやってみるのもいいですよね。
ゲーミングPCやeSports界隈自体がまだまだ小さいものですし、これから間違いなく大きくなるものなので、それをみんなで大きくしていきたいんです。
──中村さんは子供のころからアーケードや家庭用、そしてPCゲームを親しまれているそうですが、eSportsの盛り上がりについてどう思われているのでしょうか?
中村:親御さんの目が変わりましたね。お子さんの可能性を広げるためのゲームであったり、お子さんが夢を見ているから「これは後押ししてあげよう」って。我々は「ゲームばっかり遊んで!」と怒られてファミコンを隠されたりしましたが、いまはそういう時代ではなく、ゲームを通じていろんな人とどんどん繋がっていくべきなんですよね。
これって昔からあったもので、「あのゲーセンに通ってる奴が『ドルアーガの塔』の何面をクリアした」と聞けば見に行きましたし、「すごいスコアを出した奴がいる」と聞けば探しに行ったりしました。こうした流れが、大会やインターネットによって、人とのつながりがもっと大きくなったと思うので、ネットの向こう側の人たちにどんどん会いに行ってほしいんですね。
──これまでのゲーム体験から見て、現在のPCゲームについてはどのように思われていますか?
中村:PCゲームは家庭用ゲームを超えられると思うんです。ゲームを作る側の人と遊ぶ側の人が同じ機材を使うわけですから、アイディアに基づいたMODを製作・導入することもできる部分は「まさに」ですよね。
PCゲームって敷居が高いと思われてる方が多いんですが、それは「自由」だからなんです。自分で広げていかなければならない世界なので、敷居が高いと思われるかもしれませんが、この広大さを楽しんでいただきたいと思いますし、それを自分のものにするパワーこそ「ALIENWARE」にはあるんですよ。
──先ほど『ドルアーガの塔』とタイトルが出ましたが、店舗のTwitterではオールドゲームへの反応もばっちりですよね(笑)。
中村:昔話で恐縮ですが、父親に「ファミコンを買ってほしい」と頼んだところ、「これでなんでもできるぞ」といってMSXを買ってきたんですよ。カシオのPV-7ですね。今考えると何もできないんですけど、それでも当時は打ち込んだプログラムをテープレコーダーで保存したりしてました(笑)。
でも、この経験があるから今の自分があるんだなと思うんです。世界で初めて階差機関というパソコンを作ったチャールズ・バベッジや、チューリングマシンのアラン・チューリング、「ダイナブック」「Alto」を作ったアラン・ケイといった偉人たちの伝説を見て育ちましたし、「PCを使う人が好きなんだな」って思うようになったんです。PCによっていろんな可能性が切り開かれていますし、その可能性を欲している人たちに対するアクションを起こせるのが今の仕事なんです。つまり、PCによって広がる未来を僕らは売っているんですよね。
──まだお店に行ったことがないという方に向けたアピールポイントや、最後に改めてお願いいたします。
狩野:ぜひ気軽に対戦しに来てほしいですね。『ストリートファイターV』の話になってしまいましたが(笑)。
中村:「ALIENWAREのPCってこういう使い勝手なんだ」というのを知ってもらうために、まずはフラッと遊びに来ていただきたいですし、何よりも我々はパソコンを通じて夢を叶えるためのお手伝いをさせていただきたいというお気持ちに触れてほしいなと思います。
お客様のニーズに見合うものを一緒に探し、手にしてからの未来をも提案する中村氏と、自身の夢を追いかけながらもお客様に夢を届ける狩野氏。ALIENWARE製品を購入するまでがゴールではなく、それからのスタートをそっと後押ししてくれるような、暖かい接客をぜひ一度体験してみてほしい。
■関連リンク
ALIENWARE STORE AKIBA公式Twitter
https://twitter.com/aws_akiba
デル株式会社
http://www.dell.co.jp/
ALIENWARE
https://www.dell.com/ja-jp/gaming
こうしたALIENWAREの製品は全国各地の「DELLリアルサイト」にてその感触を確かめることができるが、全製品を網羅しているのは東京・秋葉原にある「ALIENWARE STORE AKIBA」だ。秋葉原駅の電気街口を出てすぐという立地の良さと、洗練された店内レイアウトには、「ALIENWARE」のブランド力に惹かれた外国人観光客が驚きの声をあげることもあるという。
▲ALIENWARE STORE AKIBAは秋葉原ラジオ会館の正面に位置しているしかし、マシンの購入やスペック構成の相談といった目的なく、ゲーミングPCショップには立ち寄りづらいというイメージを持つ人も少なくないだろう。今回は、「ALIENWARE STORE AKIBA」がどんなお店で、販売スタッフたちはどのようにALIENWAREの製品と向き合っているのか、店長の中村氏と販売員の狩野氏にお話を伺った。
▲店長の中村匡善氏(写真左)と、店員の狩野大樹氏(右)
「お客様に合ったスペックのご提案をしたい」──中村店長が考える接客の極意とは
──もともとは「DELL Real Site秋葉原駅前店」だったとのことですが、2016年に「ALIENWARE STORE AKIBA」になってから、お客さんの反応や層も変わりましたか?
中村:正直な話をすると、最初の一年は新しいお店ということでお客様への存在や周知があまりなく、あのときは本当に大変でした。やはり「eSports」という言葉自体が身近なものになってきたあたりから、当店のことも知ってもらえるようになったのかなと思います。
駅前にあるという立地は非常に良いんですが、近すぎるゆえに通り過ぎてしまうんですよ(笑)。ただ、「ラジオ会館の向かい側」とひと言で済んでしまう場所ですし、「ザ・秋葉原」と言わんばかりのロケーションは素晴らしいですよね。
狩野:弊社がスポンサードしているネモ選手のご活躍による影響も大きいですね。
中村:ネモ選手が大会などで成績を残されると「ネモさんが使ってるマシンってどれですか?」という問い合わせも増えましたし、実際に製品が売れるんですよ。ご活躍がダイレクトに繋がるのを実感しているので「これがスポンサードか!」と思い知らされています。私たちはネモ選手を一アスリートとしてもバックアップしていますし、純粋に応援もしていますので、そういったところからも一般の方やお客様にも伝わっていくのかなと思います。
ネモ選手は社会人としてベースがしっかりされているので、イメージがいいですよね。立っているだけでもカッコいいので(笑)。
──ざっくりと「ゲーミングPCが欲しい」というお客様が来られた場合、どのように製品を提案されるのでしょうか?
中村:お客様のライフスタイルによりますが、ビジネスで併用される場合は「この構成にしていただければ、作業効率が上がった分だけ残業が減りますよ」「空いたお時間で新しいことができるチャンスですよ」と、時間を有意義に使えるためのご提案をします。
おかげさまで「ALIENWAREのPCを買ってよかったです。仕事が捗りました」って報告しに来てくださったお客様もいらっしゃいますね。「ALIENWARE」はほとんどの人に対応できると思いますし、デルにも数百のパッケージがあるので、お客様のニーズに見合うものを一緒に探していくことが大事ですよね。
私はとにかくPCが好きなので「性能が高ければいい」というわけではなく、その人にとってちょうどいいマシンをご提案したいと思います。
──性能や価格以上に、お客様のことを考えた製品提案をされているんですね。
中村:お求めやすいお値段で提供しているメーカーさんも素晴らしいですが、私たちは真摯に対応し「より良いもの」をご提供したいんです。よく「ALIENWAREは高い」って書かれているのを目にしますが、モデルをちゃんと選んでいただければめちゃくちゃ安いですし、キャンペーンによっては「会社に利益はあるのかな?」と思ってしまうほど、お買い求めやすくなるんですよ。
スペックには載らない部分ではありますが、冷却機構や配線の美しさといった細かいところは本当にこだわっていますし、コストをかけて作っています。
▲店内には余すところALIENWARE製品が展示されているが、「ALIENWARE以外の製品も見てみたい」というお客様からの声に応えるべく、「DELL Gaming」のPCも取り揃えている
──たとえば『PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS』(以下『PUBG』)を遊びながら、その1台で配信もしたいというユーザーさんもいらっしゃると思いますが、今だとどのような構成になるのでしょうか?
中村:配信をされる場合はCPUを強めにしておいたほうがいいですね。「Aurora」の場合はオーバークロック版に変えていただくと配信がうまくいくと思いますし、水冷にしていただければCPUも安定しますので、配信時の付加も軽減できますね。『PUBG』を遊ばれる場合、グラフィックボードは「GTX-1050Ti」でも動きますが、できれば「GTX-1070」か「GTX-1080」にしていただけるとなお良しです。
──eSportsの活性化に伴い、ゲーミングPCに憧れる若い子もこれからどんどん増えていきそうですね。
中村: 私がまだ駆け出しだったころの思い出話がひとつあるんです。このお店が「DELL Real Site秋葉原駅前店」だったとき、お年玉を握りしめて「ALIENWAREください!」って買いに来た高校生がいたんですよ。でも、見積もりの金額がぜんぜん足らず、「今までのお年玉を全部貯めてきたんですけど……」と涙目に帰っていったんですが、一週間後に「アルバイト始めました」と報告しに来てくれたんです。
出会ったころは敬語も使えない子だったんですが、アルバイトを始めてから話し方や立ち振る舞いが少しずつ大人になっていくのを実感しつつ、それから一年経ったころに「やっとALIENWAREを買えるだけのお金が貯まりました!」と買いに来て、最後は握手して見送ったことがあるんです。
その後、彼はアメリカへ留学に行ったんですが、向こうの寮で「ALIENWARE使ってるじゃん、ゲーマーなの?」って声をかけられたことをキッカケに、海外の友達ができたそうです。この経験を機に、「本当に真心を込めて売らなきゃいかんぞと」と思うようになりました。
▲ALIENWAREに憧れる高校生との思い出話を語る店長の中村氏。握手したときの感触はいまだに手が覚えているという
狩野氏がプロゲーマーになる夢を叶えるべく、店舗をあげてバックアップ
──プレイヤーネーム「ネカリーノ」こと、狩野さんはいつから勤務されたのでしょうか?
狩野:2017年の6月ですね。友人に会うため秋葉原へ来た際、店頭に貼り出されていたアルバイト募集のチラシに「ゲームが好きな方」「夢を追いかけてる方」と書かれていたので応募しました。「ALIENWARE」っていうPCがあるというのは知っていたんですが、こういうものなんだと具体的にわかったのもネモ選手のおかげなんですよ。去年の1月に行なわれたネモ選手とボンちゃん選手によるエキビションマッチの配信を見ていたので。
中村:アルバイトの面接では履歴書を見ない代わりに、試遊用に設置してあるゲームを僕と一緒に遊び、「この人ともう一回ゲームを一緒に遊んでみたい」って思える人を採用基準にしています。「もう一回ゲームを一緒に遊んでみたい」というのは「この人と一度お仕事をしてみたいな」って思えるので。
──ゲームを通して人となりを見るというのは面白い試みですね。
中村:じつはアルバイトを雇わずともやっていけるんですが、僕が本社に頼み込んで「アルバイトを雇わせてください」ってお願いしてるんです。なぜかというと、僕はこれまでに演劇や音楽、現代美術にフィギュア製作といろいろやってきたんですが、どれもダメで挫折したんです。
そんなとき、いろんな先輩に助けていただいた経験があるので、今度はこのお店を通じて誰かの助けになれないかなと思ったんです。なので、アルバイトの採用基準は「この人ともう一回ゲームを一緒に遊んでみたい人」であり「何かを目指して追いかけてる人」なんです。
ただ、狩野の場合は北海道の大学を辞めて上京してきたので「大丈夫かよ……」って思いがありました(笑)。
──プロゲーマーを目指して上京してきた……とのことですが、いつごろからプロになりたいと?
狩野:高校2年生のときから『ストリートファイターIV』を遊んでいたんですが、具体的にプロに憧れ始めたのは大学2年生ですね。大会を通じてプロ選手の活躍を見ているうちに「あの場に立ちたい!」って唐突に思い始めたんです。
北海道にいるうちは大会にも参加しづらいですし、どうしても東京に行きたかったので、大学はもういいやって(笑)。ときど選手が「EVO」で活躍されているのを見ていましたし、とくにネモ選手の場合はキャラクターが立っている方だったので、ファンとして魅了されていましたね。
中村:まさかこのジャケットを着て一緒に仕事をするとは思ってなかったですけどね(笑)。当時は週一日のシフトでしたし、他のアルバイトも掛け持ちしていたので、本当にゲッソリしてたんです。ある時期、スタッフの一人がうちから巣立ったこともあり、アルバイトから販売員にステップアップさせたんです。
──夢を追いかけていた中村さんからすると、かつてのご自分を見ているかのような感じで?
中村 ここまでぶっ飛んではいないですが(笑)、僕は純粋に応援してあげたいなと思いましたね。夢を追いかける若者を応援するのって楽しいんですよね。
なので、『ストV』の大会に出場するという日は、彼のシフトを休ませています。「いいから大会に行ってこい、なんのためにうちで働いてるんだ!」って。これで狩野くんが大きいプロゲーミングチームに所属したら「ネカリーノはわしが育てた」って堂々と言いますよ(笑)。
▲5月に高田馬場で行われた「C4 LAN」でも「ALIENWARE Aurora」を使用して『ストリートファイターV』の対戦ブースで自社製品の宣伝に熱を入れた狩野氏
独自の配信ブースによる可能性と、ゲームを通じたイベントの活性化を
──ALIENWARE STORE AKIBAならではの魅力として、店内に配信ブースがあるのが大きなポイントだと思います。
中村:秋葉原でも配信できるお店やスペースがだいぶ増えましたが、お値段が高かったり、個人アカウントではなくお店のアカウントを使わせる例が多いんですよね。ただ、うちは個人の方が「ここで配信してみたい」というだけで大丈夫なんです。配信を通じていろんなことをエンジョイしたいという方の気持ちを叶えたいので、みなさんにぜひ使っていただきたいですね。
狩野:簡単に配信ができるんですよ。やっている私が言うので間違いありません(笑)。
※狩野氏が個人配信を行っているときはALIENWARE STORE AKIBAのTwitterでもツイートされている。
──配信ブースを利用した自店の宣伝配信を行う予定などはないのでしょうか?
中村:宣伝配信そのものはないんですが、お店を利用したイベントはちょこちょことやっています。それこそ、ネモ選手のTeam Liquid加入パーティーや「ALIENWARE アンバサダー」が該当しますね。
──イベントといえば『スペースインベーダー エクストリーム』のスコアアタックも開催されていましたよね。
中村:ALIENWAREとしては『スペースインベーダー』こそエイリアンの大先輩ですからね(笑)。おかげさまでいろんなプレイヤーさんにお越しいただきました。ゲームセンターのHEYさんで「ケイブ祭り」が行われた際は、うちでも「プチケイブ祭り」も開催しましたね。Steamで配信されている『怒首領蜂大復活』を試遊で動かしているんですが、たまにガチなプレイヤーさんも来られるんですよ。
──ゲームを使用する以外にも、やってみたいなというイベントはありますか?
中村:怒られてしまうかもしれませんが、他のPCメーカーさんと一緒に遊んでみたいんですよ。秋葉原にはいろんなPCメーカーさんのショップがありますし、Twitter上でもご挨拶程度のやりとりはさせていただいているので、いろんなPCメーカーさんと一緒にこの業界を盛り上げていきたいんです。お店同士でいろんなキャンペーンをやってみるのもいいですよね。
ゲーミングPCやeSports界隈自体がまだまだ小さいものですし、これから間違いなく大きくなるものなので、それをみんなで大きくしていきたいんです。
ゲームとPCを遊び、触れ続けてきたからこそ期待するeSportsの展望
──中村さんは子供のころからアーケードや家庭用、そしてPCゲームを親しまれているそうですが、eSportsの盛り上がりについてどう思われているのでしょうか?
中村:親御さんの目が変わりましたね。お子さんの可能性を広げるためのゲームであったり、お子さんが夢を見ているから「これは後押ししてあげよう」って。我々は「ゲームばっかり遊んで!」と怒られてファミコンを隠されたりしましたが、いまはそういう時代ではなく、ゲームを通じていろんな人とどんどん繋がっていくべきなんですよね。
これって昔からあったもので、「あのゲーセンに通ってる奴が『ドルアーガの塔』の何面をクリアした」と聞けば見に行きましたし、「すごいスコアを出した奴がいる」と聞けば探しに行ったりしました。こうした流れが、大会やインターネットによって、人とのつながりがもっと大きくなったと思うので、ネットの向こう側の人たちにどんどん会いに行ってほしいんですね。
──これまでのゲーム体験から見て、現在のPCゲームについてはどのように思われていますか?
中村:PCゲームは家庭用ゲームを超えられると思うんです。ゲームを作る側の人と遊ぶ側の人が同じ機材を使うわけですから、アイディアに基づいたMODを製作・導入することもできる部分は「まさに」ですよね。
PCゲームって敷居が高いと思われてる方が多いんですが、それは「自由」だからなんです。自分で広げていかなければならない世界なので、敷居が高いと思われるかもしれませんが、この広大さを楽しんでいただきたいと思いますし、それを自分のものにするパワーこそ「ALIENWARE」にはあるんですよ。
──先ほど『ドルアーガの塔』とタイトルが出ましたが、店舗のTwitterではオールドゲームへの反応もばっちりですよね(笑)。
中村:昔話で恐縮ですが、父親に「ファミコンを買ってほしい」と頼んだところ、「これでなんでもできるぞ」といってMSXを買ってきたんですよ。カシオのPV-7ですね。今考えると何もできないんですけど、それでも当時は打ち込んだプログラムをテープレコーダーで保存したりしてました(笑)。
でも、この経験があるから今の自分があるんだなと思うんです。世界で初めて階差機関というパソコンを作ったチャールズ・バベッジや、チューリングマシンのアラン・チューリング、「ダイナブック」「Alto」を作ったアラン・ケイといった偉人たちの伝説を見て育ちましたし、「PCを使う人が好きなんだな」って思うようになったんです。PCによっていろんな可能性が切り開かれていますし、その可能性を欲している人たちに対するアクションを起こせるのが今の仕事なんです。つまり、PCによって広がる未来を僕らは売っているんですよね。
──まだお店に行ったことがないという方に向けたアピールポイントや、最後に改めてお願いいたします。
狩野:ぜひ気軽に対戦しに来てほしいですね。『ストリートファイターV』の話になってしまいましたが(笑)。
中村:「ALIENWAREのPCってこういう使い勝手なんだ」というのを知ってもらうために、まずはフラッと遊びに来ていただきたいですし、何よりも我々はパソコンを通じて夢を叶えるためのお手伝いをさせていただきたいというお気持ちに触れてほしいなと思います。
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お客様のニーズに見合うものを一緒に探し、手にしてからの未来をも提案する中村氏と、自身の夢を追いかけながらもお客様に夢を届ける狩野氏。ALIENWARE製品を購入するまでがゴールではなく、それからのスタートをそっと後押ししてくれるような、暖かい接客をぜひ一度体験してみてほしい。
■関連リンク
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デル株式会社
http://www.dell.co.jp/
ALIENWARE
https://www.dell.com/ja-jp/gaming