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【WATCH DOGS 2レビュー】第1回 ハッキングの面白さとデザインセンスの良さに期待が高まる

2016年12月1日にユービーアイソフトから発売されたオープンワールドアクションゲーム『WATCH DOGS 2(ウォッチドッグス 2)』(以下今作)。プレイヤーは若きハッカー「マーカス・ホロウェイ」となり、有名ハッカーグループ「デッドセック」の仲間たちと共に、腐敗した企業によって市民を不正に監視、操作する「ctOS 2.0」の隠された危険を暴くために暗躍していきます。

今作の主人公「マーカス・ホロウェイ」

多彩なハッキング技能を駆使して様々なオペレーション(クエスト、ミッションと同義)をクリアしていく様は、「WATCH DOGS」シリーズ唯一無二の特徴。また今作は開放的なサンフランシスコ・ベイエリアをモデルとした広大なオープンワールドも大きな魅力となっており、美麗なグラフィックがリアルな空気感を醸し出します。なお、タイトルに「2」と付いているから前作「WATCH DOGS」からプレイしないといけないのかな?と心配することはありません。世界観は共通ですが、ストーリーが続いているわけではないため今作からいきなりスタートしても安心。

モノクロのドット絵と真っ青な選択色が懐かしさを醸し出すスタート画面

ローディング画面にもセンスの良さが伺える

ゲームスタート後、まず最初に行うのがチュートリアルというのはどんなゲームでも同様ですが、今作はチュートリアルのボリューム感が違います。とある建物に潜入し、データを消して来いといういきなりのオペレーションは、どうやらデッドセックの入団試験のよう。

チュートリアルだからすぐ終わるだろうと甘く見ていた筆者はその濃さに驚きました。戦闘はもちろん、ドアの解錠にカメラのハッキング、配電盤をショートさせるような遠隔攻撃までいきなり全部やります。「端末をハックしてネットワークの流れを視認化、断絶しているネットワークの流れを変え接続、表示された情報を書き換える」といった操作をしていて感じたのは、今作におけるハッキングはパズルの様な要素が強いということ。多彩なハッキング技能とパズル的要素のおかげで操作は少々わかりづらくなっており、慣れるまでにある程度の時間を要しそうです。

とはいえ、今作はゲームスタート後でも難易度の変更が可能。チュートリアルで雰囲気を掴んだら、さくっと遊びたい人はイージー、手応えが欲しい!という猛者はハードに変更してみても良いかもしれません。このようにボリューム満点なチュートリアルですが、進めていく上でここ要らないよね?これチュートリアルだよね?と疑いたくなるようなような箇所まで作り込まれている点に、どこにも手を抜かないというような製作陣の心意気を感じられて好印象です。

どこかの施設に潜入するところからスタートするチュートリアル。わくわく感が高まる

隠蔽物に隠れながら移動したり、麻酔銃で敵を狙いつつ先に進む

パルクールが得意なマーカスは、コンテナも軽々登ることが可能

スマートフォンを使って様々なところにハッキングできる

ネットハックモードにすることで見えないオブジェクトやネットの流れも見えるように


チュートリアルを終えるとオープニング。夜間かつ閉鎖的なシーンの連続だったチュートリアルとうってかわって、高い空と青い海、明るい日差しがプレイヤーを迎えてくれます。この空気感の差もさることながら、「当たり前に広がる、普通の大きな街」にオープンワールド初体験の筆者は圧倒されました。

通常のゲームは、街は一個体の拠点として、海や山はそれら街を繋ぐフィールドとして見えない壁で区切られているのが普通です。が、現実世界に見えない壁はありません。オープンワールドである今作は、現実世界と同じように行動することが可能なのです。例えば、まず最初のオペレーションである「服屋に行って新しいボトムを購入すること」であれば、遠回りをして目的地に辿り着いても良いですし、徒歩で向かっても、車やバイクを失敬しても良いのです。方向こそ表示されますが、移動手段もルートも自由。道無き道を突っ切ってショートカットすることさえ可能です。

そして、この乗り物を使った移動を体験した筆者のテンションをそのままにお伝えするのであれば、「ドライブ超楽しい!」です。交通ルールに乗っ取って安全運転をしてみたり、オフロードレースよろしく岩をむりやり登ってみたり、そのまま崖の上からダイブしてみたり。道路を逆走することもできちゃいます。乗り物の入手方法も、停まっているものを失敬したり、運転手をむりやり降ろして自分のものにしたり。荒い運転で車がぼろぼろになったら乗り捨てて新しいものを調達するなんて、モラルを疑われそうなことすら自由です。現実世界では到底不可能なことを、リアルなグラフィックで楽しめるのは今作ならでは。

昔懐かしいドット絵とポップな色使い、スプレーアートのような雰囲気がゲームの世界観とマッチしたムービー

広い海の向こうに、大都会の風景がうっすら見える背景に浮かぶタイトルロゴ。物語の始まりだ

フェンスに突っ込んでぼろぼろになった車

オペレーション「新しいボトムを購入」をクリアするためにはつまり、資金が必要になります。今作での資金の入手方法はいくつかありますが、特筆すべき入手方法はひとつ。「勝手に送金させる」ことです。道行く一般市民やパトロール中の警察官などの個人情報を勝手に抜き取り、自分の口座に勝手に送金させる形でお金を稼ぐ主人公など、「WATCH DOGS」シリーズ以外では見かけないのではないでしょうか。送金させるだけでなく、対象の個人情報をのぞき見たり電話内容を盗聴することも可能。また、道行く大勢の人間だけでなく、車などを運転中の人間に対しても同様のハッキングができることに驚きました。

ハッキングすることで、すごくどうでもいいような個人情報や預金額が表示される。緊迫した場面でも少し笑いそうに

プレイ時間1時間強と、さわりもさわりしか遊べていない段階で筆者が感じたのは、「運転することしかり、美麗なグラフィックしかり、何かひとつでも魅力に感じることができたならば、このゲームは絶対楽しめる」であろうという確信にも似た予感。Z指定ということや、世界観が壁となって手を出しにくいなと思っている人、オープンワールド未体験という人にこそぜひプレイしてもらいたいゲームです。

(C)2016 Ubisoft Entertainment. All Rights Reserved. Watch Dogs, Ubisoft and the Ubisoft logo are trademarks of Ubisoft Entertainment in the U.S. and/or other countries.

■WATCH DOGS 2レビュー
第2回 オープンワールドの作り込みここに極まれり

■関連リンク
ユービーアイソフト
http://www.ubisoft.co.jp
『WATCH DOGS 2』
http://www.ubisoft.co.jp/wd2/

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