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ついに日本語化された『マジック・ザ・ギャザリング アリーナ』がTCG初心者にもオススメできる4つの理由【シブゲーアーカイブ】

※本記事は「SHIBUYA GAME」で掲載された記事のアーカイブです。当時の内容を最大限尊重しておりますが、ALIENWARE ZONEへの表記の統一や、一部の情報を更新している部分もございます。なにとぞご了承ください。(公開日:2019年2月14日/執筆:脳間寺院)

Shadowverse』や『ハースストーン』を筆頭にeスポーツの競技として一大ジャンルを築き上げているデジタルカードゲーム(以下、DCG)。

既に多種多様なDCGがサービスを展開し大会も活発に行われているが、世界初のトレーディングカードゲーム(以下、TCG)である『マジック:ザ・ギャザリング』(以下、MTG)もeスポーツに本格参入を企てている。


2018年9月にローンチされた『MTG』のPCゲーム版『マジック:ザ・ギャザリング アリーナ』(以下、MTG アリーナ)だが、配信当初は日本語に未対応ということもありMTG界隈の外にまで話題は上らなかった。しかし、eスポーツへの本格参入と日本語への対応によって新たにプレイヤーが増えることが予想される。

※日本語版は、日本時間2月14日(木)23:00から行われるメンテナンス後にプレイ可能となる。

開発元のWizards of the Coastは、紙の『MTG』とPCゲームの『MTG アリーナ』を合わせたeスポーツプログラムを発表しており、2019年の賞金総額は1000万ドル(約11億円)と発表している。

TCGの老舗による突然のeスポーツ参入に興味を抱いている方も多いことだろう。そこで この記事では、TCG初心者にも遊びやすい『MTG アリーナ』の4つの魅力をお届けする。

1. カードプールゼロからでも遊べる "リミテッド" という沼

カードゲームと言えば、なんとなく「初期費用が高そう」「強いデッキが無いと勝てなさそう」というイメージがつきまとうが、『MTG』には "リミテッド" と呼ばれるカード資産ゼロの状態でも遊べるモードが存在する。

『Shadowverse』では「2Pick」、ハースストーンなら「闘技場」という形で似たようなゲームモードが実装されているが、『MTG』のリミテッドはそれに劣らない奥深い戦略性が魅力のゲームモードとなっている。

リミテッドには "ドラフト" と "シールド" 2つのフォーマットが存在し、共通点としてはどちらも市販されているパック(カード15枚入り)を使用することが挙げられる。

▲パックは15枚入り。『MTG アリーナ』独自の仕様として、対応するレアリティの好きなカードと引き換えられる“Lotusカード”というものがパックからまれに手に入る。

詳細なルールを説明すると長くなってしまうので割愛するが、リミテッドはパックを開封してパックから出たカードだけでデッキを組んで戦うゲームだ。構築戦(※)と比べて毎回違うデッキで対戦するので同じ展開が起こりづらく、毎ゲーム新鮮な気持ちでプレイできる。

※任意のカードを選んでデッキを構築し、対戦するモード。

構築戦ではデッキに入れないようなレアリティの低いカードを使えるのも、リミテッドの楽しいポイント。カード同士のシナジーやデッキ全体のバランスを考えながらデッキを組み、それが上手くいくか試すというTCGの基本的なサイクルを短期間で楽しめるのがリミテッドの魅力だ。

ちなみに、ドラフトとシールドでデッキに入れたカードはすべて自分のものになるので、少しずつカードを揃えていくにはうってつけのゲームモードでもある。

2. サクサク遊べるゲームスピード



紙の『MTG』では基本的にマッチ制が採用されており、先に2ゲームを取ったプレイヤーが勝者となる。

だが『MTG アリーナ』のランクマッチでは、上記のようなマッチ制ではなくシングルゲーム制が採用されている(ゲームモードによってはマッチ戦のルールもある)。

マッチ戦はサイドボード(※)なども含めて運要素が軽減されるメリットはあるが、どうしても1試合に40~50分程度の時間が必要になってしまうため、スムーズなゲームプレイが損なわれてしまう。

※サイドボード…メインデッキとは別に用意する15枚のカード。マッチ戦において試合の合間にメインデッキのカードと入れ替えて、相手のデッキに有利に戦えるようデッキをチューンナップするためのもの。

その点、『MTG アリーナ』はシングルゲーム制が中心で、他のDCGに近いスピード感でサクサクと遊べる。

『MTG』の根幹の部分はそのままに、現代風に遊びやすくブラッシュアップされたのが『MTG アリーナ』なのだ。

デイリークエストをこなすと無料でゴールドやカードが貰えるあたりも含めて、本作は昨今のDCGをかなり意識した作りになっていると言っていいだろう。

3. デジタルTCGでは考えられないほどの構築の自由度

『MTG アリーナ』のデッキは最低60枚で構成され、同名カードは4枚までデッキに入れられる。DCGは多くの場合、デッキの総カード数が20~30枚程度で、同名カードも2~3枚までしか入れられない。

このようにルールで定められた上限枚数だけ見ても、『MTG アリーナ』はデッキ構築の自由度が他のDCGと比較しても高いことがわかる。

また、『MTG アリーナ』ではカードをプレイするのに土地カードからマナというリソースを出す必要があるが、デッキに必ず入れることになる土地カードの配分もプレイヤーによって異なってくる。土地カードは多すぎれば持ち腐れになるが、少なすぎるとカードを1枚もプレイできずに負けてしまうケースもある。

どのカードを何枚デッキに入れるのか? 『MTG アリーナ』のデッキ構築は非常に悩ましく、複雑で、だからこそ中毒性がある。

4. アナログとデジタルで2度おいしい!


『MTG アリーナ』のルールはアナログTCGの『MTG』に忠実であり、"シングルゲーム制とマッチ制のどちらが主なルールか" だけが目立った違いとなっている。

そのため、『MTG アリーナ』に慣れてきたら、紙の『MTG』に手を出してみるのもいいだろう。『MTG』はeスポーツという言葉が流行する前から競技プレイに力を注いでおり、開発元のWizards of the Coastによる賞金付きの大会も数多く開催されている。

日本でも年に数回開催される「グランプリ」と呼ばれる大型大会では、毎回1000人以上の参加者が集まってしのぎを削っている。メインの大会以外にも豪華な賞品付きのサイドイベントや物販スペースも充実していて、初心者が行っても楽しいイベントだ。

それに、今後アナログとデジタルを横断して行われるプロリーグのミシックチャンピオンシップの観戦も、ルールを覚えればフルに楽しむことができる。10年以上活躍するプロたちの華麗なプレイは一見の価値ありだ。

基本プレイ無料、まずは気軽にMTGに触れてみよう

『MTG アリーナ』は基本プレイ無料で、パックの購入や対戦イベントの参加の際にポイントの購入が必要になる。

はじめから全てのカードを揃えようと思うとそれなりの課金が必要になるが、前述したリミテッドやコモン(最低レアリティ)のカードだけで遊べる "パウパー" というフォーマットなど、リーズナブルに遊べるモードも用意されている。 自身のモチベーションに合わせて少しずつカードプールを増やせるため、気軽にプレイすることができるだろう。

今回の記事では『MTG アリーナ』の具体的なルールの解説は省いたが、そのあたりは『MTG』の公式サイトで手厚くサポートされている。他にも『MTG』を取り扱うカードショップのWebサイトでも解説記事やデッキの紹介記事がしばしばアップされるので、興味があればぜひ関連リンクをチェックしてみてほしい。

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