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「DFM戦での勝利から一気にチームが明るくなった」【Sengoku Gaming apaMEN・Yutorimoyashi・Entyインタビュー 前編】

新型コロナウイルスは、eスポーツ業界にも影響を及ぼしている。

世界を見渡すと、『リーグ・オブ・レジェンド』(League of LegendsLoL)のプロシーンも無観客またはオンラインでの開催を余儀なくされ、日本のプロリーグである「LJL 2020 Spring Split」も準決勝・決勝戦のオフラインイベントが中止、試合自体も延期になった。

筆者としても、今年は特に楽しみにしていたイベントだっただけに、非常に残念な思いでいる。なぜならオフシーズンの大型補強で話題をさらったSengoku Gaming(SG)が、プレーオフで王者DetonatioN FocusMe(DFM)を破って決勝直行を決めているからだ。

シーズン前にBlank/Pirean両選手に行ったインタビューでは、かなりの自信や手ごたえを感じているようだったし、実際決勝への切符を手にしたわけだが、前半戦はまさかの負け越しスタートと決して順風満帆といえるシーズンではなかった。

そこで今回は、SGの日本人メンバーであるapaMEN(アパメン)選手、Yutorimoyashi(ユトリモヤシ)選手、Enty(エンティ)選手の3人にインタビュー。レギュラーシーズンの振り返りやチーム内の雰囲気、DFMとのプレーオフでの戦いなど、いちファンとして知りたい話題について語ってもらった。


なお、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、インタビューは4月20日、ビデオチャットにて行った。

息抜きはゲームに筋トレ、自粛期間中のゲーミングハウスの様子は?

──本来はゲーミングハウスに伺って直接お話しさせていただきたかったのですが、こういうご時世ですのでオンラインで失礼します。まず、新型コロナウイルスの影響で外出自粛が続いていますが、ストレスが溜まったりコンディションに影響は出たりしていませんか?

Enty:元々僕たちプロゲーマーはインドアな仕事なので、練習にはあまり影響はないですね。ただ、ジムに行ったりご飯を食べに行ったりできないのはちょっとつらいです。

──スポーツジムに行けないことで一番ストレスを溜めていそうなYutorimoyashi選手はどうですか?

Yutorimoyashi:ジムに行かなくてもトレーニングできるように、トレーニング器具を一式買って部屋で筋トレできているので、その点は大丈夫です。ただ、部屋だとどうしても狭いので、早くジムに行けるようになったらいいなって思っています。

──apaMEN選手は、気分転換になにか行っていることはありますか?

apaMEN:お風呂に入りながら『チームファイト タクティクス』(TFT)をやるのにハマってます。

──最近新セットになったり、モバイル版が出たりで、プレイヤーも増えましたね。Pirean選手も『TFT』、ハマってるんですね。

Enty:YutorimoyashiはPireanの隣の席なんで、いい構成ができたときに「俺の構成見て〜」ってちょっかい出されたりしてますね。

──そのエピソードを聞く感じでは、ハウスの雰囲気は良さそうですね。シーズン前の下馬評と違ってシーズン前半は調子が出なかっただけに、ファンの間ではチーム内の不仲説も出たりしていました。

apaMEN:あぁ、俺だけ写ってない集合写真のやつとかね(笑)。


Yutorimoyashi:あれ、Entyと2人で撮るつもりだったんですけど、そのときたまたまBlankとPireanが通りかかって混ざってきて。撮り終わってから「あれ、apaMENだけ仲間外れになってない?」って(笑)。

Enty:SNSでそれをイジったりしましたけど、本当に仲悪かったらできませんよ(笑)。

──シーズン前半に観戦に来たファンからは、ボイスチャット(VC)が静かすぎるのを心配する声も聞かれました。

Yutorimoyashi:そうなんですか? 全然そんなことないんですけどね。

Enty:いい意味でみんな冷静にプレイしていますからね。他のチームにはDasher選手だったりTussle選手だったり、声の大きいプレイヤーが1人はいるから、そういう選手がヨシモト∞ホールみたいな大きな会場だと目立って聞こえるだけじゃないかな。

苦しんだ前半戦復活のきっかけはCGA戦後のミーティング

──ちょうどシーズンの話になったのでそちらについても聞かせてください。レギュラーシーズン2位、プレーオフでDFMに勝って決勝戦進出という、いまのところの結果についてどう受け止めていますか?

apaMEN:個人的にはもっとうまくやれたかなと。チームのプレイスタイルが固まらなかったり、新しいメンバーと考え方のすり合わせに時間がかかってしまいました。

Yutorimoyashi:僕も全勝するくらいの気持ちで臨んだシーズンだったのでそこは残念ですが、プレーオフでDFMを破って決勝直行という結果には満足しています。Finalで待つ立場になったのは(キャリアの中で)初めてなので、ちょっとヘンな感じです。

Enty:レギュラーシーズンの前半戦は、勝つことを義務付けられるような強いロースターの中でプレイすることにプレッシャーを感じていましたし、自分も満足のいくパフォーマンスが発揮できませんでした。落ち込んだりもしましたが、後半戦とプレーオフで改善できたので、全体的に見ると満足のいくシーズンでしたね。

──皆さんがおっしゃる通り、前半戦が3勝4敗、後半戦が6勝1敗と尻上がりに調子を上げた印象のシーズンでしたが、ターニングポイントになった試合などはありましたか?

apaMEN:僕がチームの変化を実感したのは、Week5のDFM戦からですね。あの勝利を境に自信がついて、一気にチームの雰囲気が明るくなりました。


Enty:個人のパフォーマンスでいうと、Week3の後くらいだったかな? そこまでうまくいってなかったボットの2人で、お互いのプレイスタイルに関してがっつり話し合ったことがあって、そこから良くなっていった感じです。

Yutorimoyashi
:いま振り返ってみると、Week2でCrest Gaming Act(CGA)に負けたあとのミーティングが大きかったんじゃないかなって思っています。リーグ前半戦、僕たちは耐えてウインコンディションを待つという戦術を多く採用していたんですが、それに対する違和感が噴出したのがあの試合のあとでしたね。


──具体的にはどんなことをミーティングで話し合ったんですか?

Yutorimoyashi:Blankと僕とで、もっと自分たちから試合を動かせる構成の方がいいんじゃないか、ってコーチやチームに相談しました。Blankはすごいプレイヤーなんですが、未来が見えすぎるというか、1人で突っ走ってしまうところがあるんです。

──プレイメーカーゆえのジレンマでしょうか。他のリージョンでもそういったタイプの名選手はいますよね。FnaticのHylissang選手とか……。

Yutorimoyashi:そうですね。だから、Blankが我慢するスタイルから、彼の持っているアイデアとかプレイスキルをより活かせるようなスタイルに変えていこう、となったわけです。チームの方向性を早めに修正できたことで、レギュラーシーズンを2位で終えることができ、チームとしても成長したと感じています。

Enty:韓国人プレイヤー2人が想像している動きというのはとてもレベルが高いので、YutorimoyashiとBlankを中心に全員で相談して、チームに共有し、フィットさせていきました。その試行錯誤の成果が後半戦だったり、プレーオフでの結果につながったんだと思います。

話しかけづらかったBlankとしゃべらなかったPirean

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