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No.03【PUBG】明日を生きるための序盤の戦い方 (後編)

では前回から引き続き、実際に序盤を生き残るのにはどうすれば良いかを、いくつかのフェーズに分けて考えてみよう。

先に申し上げておくと、とくに重要になるのは確度の高い情報を手に入れることと、運に左右される要素を極力減らすことである。これらの考え方を持って実践できるかどうかだけで、プレイの結果が大きく変わる。そしてそれは、『PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS』(以下:PUBG)全体におけるテーマであり、面白さの肝であり、困難な部分であるとも言える。

その降下、ちょっと待った!

降下まえから勝負は始まっている。まず行うべきは輸送機の航路を確認し、記憶しておくことだ。たった一本のラインを覚えておくだけで、序盤から終盤にかけての行動の指針となるので、簡単で効果も高い。

「Plane Path」という有志作成のアプリケーションで、飛行機の航路からパラシュート降下の到達距離がわかる  
http://www.planepath.net/ 

たとえば上写真のような航路だった場合を考えてみよう。パラシュートで降下できる場所はマップの中央から南寄りに限られている。もしマップ中央から上にセーフゾーンが定まれば、その南端に、移動速度の限られている徒歩のプレイヤーが集中することになる。

セーフゾーンの端で他のプレイヤーと遭遇してしまった際、即座に処理できるならまだ良いが、にらみ合いになると次の収縮までに移動できない危険性がある。序盤であっても、エリア外のダメージは基本的に受けたくない。たった1の体力の差が明暗を分けることもある。単純に人口密度が高いので、複数のプレイヤーから狙われるということも考えられる。

徒歩移動の必要性が出てきた場合は早めに移動を始め、セーフゾーンの端を避け、可能な限り北を目指す必要が出てくることがおわかりいただけるだろうか。

また、『PUBG』における徒歩移動は大きなリスクのひとつだと言える。乗り物がないときに一方的に撃たれれば簡単に倒されてしまうという、単純な話だ。南端にいるプレイヤーが徒歩でセーフゾーンを縦断し、北端に到達するのはそれなりに難しい。そのため、終盤においても「北よりも南のほうに敵が多い可能性が高い」といった推測までできる。

非常に単純で効果的な航路の活用例をお伝えすると、この上の写真のようなケースでは序盤に車を入手したい。そして北端に向かうと良い。それだけで他の、とくに徒歩のプレイヤーに遭遇する確率を大幅に減らすことができる。しかも、同じタイミングで北にいるプレイヤーは車に乗っている可能性が高い。「車の停まっている家=敵プレイヤーのいる家」という推測も容易となり、不意の遭遇をある程度避けることができる。もちろん、敵はどこにでも潜んでいる可能性があるので油断はできないが。

「いる」可能性が非常に高いことを容易に推測できる

次に行うのが降下地点の選定である。とくに考慮すべきなのが、町や軍事基地といった建物の密集しているポイントだ。

良い側面として、少ない移動で多くのアイテムを手に入れられる可能性が非常に高い。もしも序盤で豊富な物資を手に入れることができれば、それだけで中盤から後半にかけての立ち回りの自由度が上がる。

逆に物資が乏しければ探索を継続するか、あるいは他のプレイヤーを倒して奪うか、乏しい物資で決戦を迎えるかのどれかを選ばなくてはならない。これらのどれを選んでもそれなりのリスクと向き合う必要がある。

しかし、もし本気でドン勝だけを目的とするならば、個人的にはポチンキのような大きな町は絶対に避けたほうが良いと考えている。なぜなら、探索の容易さと潜む危険度がまったく釣り合っていないからである。言ってしまえばプレイヤーの強さしだいだが、よく町に降下しており、生きて出られることのほうが少ないのであれば、序盤の方針は変えたほうが良いだろう。もちろん、血みどろの戦いに身を投じることが好きな方は、このアドバイスについては無視していただいて構わない。

見るだけならタダ 情報の把握が序盤の命運をわける

『PUBG』において敵の位置情報は非常に重要だ。もしすべての敵の位置がわかっているとしたら、ドン勝が簡単になりすぎてしまうほど、重要な情報と言える。

・敵が「いる」という情報
・敵が「いない」という情報

できれば把握しておきたいのは上記のふたつ。

敵が「いる」という情報はいますぐプレイ結果に影響する可能性がある。もし見誤れば、ドアを開けた瞬間にショットガンで吹き飛ばされてしまうかもしれないからだ。逆に「いる」ことがわかっていれば、次は「どのように排除するか」を考えればよい。

敵が「いない」という情報も、移動・探索のスピードに関わってくるため無視できない。わかっていれば無用の警戒が不要となるのでいろんなことが早くなる。あと一軒多く探索できていればレベル3のミリタリーベストが手に入っていたかもしれない、なんてこともなくなる。遅ければ見落とす存在も、早ければ根こそぎにすることができる。極論を言ってしまえば、敵が確定でいないのであれば武器を構えている必要もない。武器をしまって(デフォルトではxキー)移動速度を高めて無限に探索をすればよい。

わかりにくいが、赤丸の中に敵がいる。先に気づけばそれだけで有利だが、逆の場合もあり得るのが怖い

中盤や終盤では敵は見えない場所にいることが多いので、最低でもつねに「いるかもしれない」と考えながら行動しなくてはならない。「いる」でもいいし、「いない」でもいいが、確実な情報があるだけで大きく違う。

この貴重な情報を唯一タダで手に入れることができる局面がある。それが序盤におけるパラシュート降下の最中だ。町に降りるにしても閑散とした場所に降りるにしても、降下中には絶対に周りを見回そう。ある程度の敵の位置と、数を把握するのである。

降下直後は一度上や後ろを見よう。空中では視界の回転が制限されているので、たまに見落としが発生する

情報が正確であれば正確であるほど、動きやすくなるし、不意の死亡を減らすことができる。また、自分が早いタイミングで武器を手に入れられたら、相手がまだ準備をできていない可能性に賭けて強襲することもできる。

位置がわかっている敵に対しては「やる」か「やらない」かを自分の意思で決めることができる。その後の結果は実力次第で、運にはあまり左右されない。

ノーリスクとは言えないが、先手を取れば大抵は勝てる

私が町への降下をオススメしないのは、最初に把握をするべき対象が多すぎて最後まで管理できないためである。どこに誰がいるのかは、時間が経てば経つ程わからなくなっていく。

敵がどこに潜んでいるのかがわからないとなると、扉を開けるまではどうなるかがわからない。正面の敵の位置はわかっているのに、後ろから撃たれることもあるかもしれない。静かだからといって平和だということはなく、誰かが誰かの命を奪うために息を潜めているに過ぎないのだ。見えない、わからないが増えれば運に大きく左右されることになる。

ある程度閑散とした場所に降下すれば、それだけで敵の位置の把握が簡単になる。1人や2人であれば十分予測できるはずだ。「いる」敵に攻撃を仕掛けるか、あるいは逃げるかなどで対処し、敵が「いない」状態にしてから効率良く探索をすれば良い。

前に1人、後ろにも1人と人数は少ないが挟まれていると動きにくいので注意

いまは無理でも、見て把握することと、得た情報を元に考えることに徐々に慣れて行けば良い。

序盤は基本的に探索と戦闘がメインといえる。ここから中盤に向けて移動を始めることになる。探索をするにしても戦闘をするにしても、敵の位置情報をしっかりと把握することが非常に大事だということはご理解いだけただろうか。とくに、序盤は見えているだけあって、こちらが情報を掌握する努力をしなければ、逆にわかっている敵プレイヤーにカモにされてしまうこともある。

ちなみに、町などで敵の位置や残っている人数がわからなくなった場合は諦めてさっさと離れてしまったほうが良い。全員が移動を始めるタイミングまで残っていれば、不意の遭遇が増えるので純粋に危険だ。敵がいるかもしれないとつねに警戒しながらの探索も、効率については要検討である。

車を見つけることができれば中盤以降動きやすくなる

もちろん、逃げることにも危険は伴うし、十分な探索ができていなければ中盤以降に不安が残る。しかし、生き残ることができれば、それだけで序盤の成功者だ。多いときには最初のセーフゾーンの収縮までに半分近くのプレイヤーが命を落とすことになるのだから。もし、探索まで十分に行えていれば大成功だ。

この先は、自身の物資の充実度合いやセーフゾーンの位置、最初の輸送機の航路など、様々な情報を元に立ち回り方を決めていくことになる。そしてもっとも長く、もっとも難しい中盤の時間が始まる。

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■関連リンク
『PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS』
https://www.playbattlegrounds.com/main.pu
Steam『PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS』のページ
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abara氏のTwitter
https://twitter.com/abaranche

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